Qt GUI でカーソルを非表示にする方法: QWindow::unsetCursor() とその代替方法


QWindow::unsetCursor()は、Qt GUIアプリケーションにおいて、ウィンドウ上のカーソルを非表示にするための関数です。この関数を呼び出すことで、ウィンドウ内のマウスポインタが透明になり、ユーザーの操作に対する視覚的なフィードバックを抑制することができます。

用途

QWindow::unsetCursor()は以下の用途でよく使用されます。

  • デバッ グ: デバッグ時に、特定のウィンドウや領域でのマウス操作を無効化するために使用されます。
  • ゲームやシミュレーション: ゲームやシミュレーションにおいて、特定の領域にユーザーの注意を集中させるために使用されます。
  • 待機状態の表示: アプリケーションが処理を実行している間、ユーザーの操作を無効化し、待機状態であることを示すために使用されます。

使用方法

QWindow::unsetCursor()関数は、以下のコードのように呼び出すことができます。

void QWindow::unsetCursor()

この関数を呼び出すと、ウィンドウ上のカーソルが直ちに非表示になります。カーソルを再度表示するには、setCursor()関数を使用して、カーソルの種類を指定する必要があります。

注意点

  • 一部のプラットフォームでは、QWindow::unsetCursor()関数はカーソルを完全に非表示することができず、代わりにデフォルトのカーソルが表示される場合があります。
  • カーソルを非表示にした後も、キーボードイベントは引き続き処理されます。
  • QWindow::unsetCursor()関数は、ウィンドウ内のすべてのマウスイベントを無効化するわけではありません。マウスイベントは依然として発生し、アプリケーションで処理することができます。

以下のコード例は、ボタンがクリックされたときにウィンドウ上のカーソルを非表示にする方法を示しています。

void MyWindow::onButtonClicked()
{
    unsetCursor();
}


#include <QApplication>
#include <QPushButton>
#include <QWindow>

class MyWindow : public QWindow
{
public:
    MyWindow()
    {
        QPushButton* button = new QPushButton("ボタンをクリック");
        button->connect(button, &QPushButton::clicked, this, &MyWindow::onButtonClicked);
        setCentralWidget(button);
    }

private:
    void onButtonClicked()
    {
        unsetCursor();
    }
};

int main(int argc, char* argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);
    MyWindow window;
    window.show();
    return app.exec();
}

このコードでは、以下の処理が行われます。

  1. MyWindowクラスが作成されます。このクラスは、QWindowクラスから派生しており、ウィンドウを表示するための基本的な機能を提供します。
  2. QPushButtonオブジェクトが作成され、"ボタンをクリック"というラベルが設定されます。
  3. buttonオブジェクトの clicked() シグナルが、MyWindow オブジェクトの onButtonClicked() スロットに接続されます。
  4. MyWindow オブジェクトの onButtonClicked() スロットが実装されます。このスロットは、unsetCursor() 関数を呼び出して、ウィンドウ上のカーソルを非表示にします。
  5. QApplication オブジェクトが作成され、イベントループが開始されます。
  6. MyWindow オブジェクトが表示されます。


カーソルスタイルを変更する

QWindow::setCursor()を使用して、カーソルのスタイルを透明なカーソルに変更することができます。これにより、カーソルが視覚的に非表示になりますが、マウスイベントは引き続き処理されます。

void MyWindow::unsetCursor()
{
    setCursor(Qt::NoCursor);
}

ウィンドウを非アクティブ化する

QWindow::setActive()を使用して、ウィンドウを非アクティブ化することができます。非アクティブ化されたウィンドウでは、カーソルはデフォルトのカーソルに置き換えられます。

void MyWindow::unsetCursor()
{
    setActive(false);
}

ウィンドウを透過させる

QWindow::setOpacity()を使用して、ウィンドウを透過させることができます。透過されたウィンドウでは、カーソルは見えなくなります。

void MyWindow::unsetCursor()
{
    setOpacity(0.0);
}

カスタムウィジェットを使用する

カーソルを非表示にするためのカスタムウィジェットを作成することもできます。このウィジェットは、マウスイベントを処理し、カーソルを非表示にするための独自のロジックを実装することができます。

選択方法

どの代替方法を使用するかは、状況によって異なります。

  • より複雑なロジックが必要な場合は、カスタムウィジェットを使用します。
  • ウィンドウ全体を透過させたい場合は、QWindow::setOpacity(0.0)を使用します。
  • カーソルを非表示にしつつ、マウスイベントを処理する必要がある場合は、QWindow::setActive(false)を使用します。
  • カーソルを完全に非表示にする必要がある場合は、QWindow::unsetCursor()またはsetCursor(Qt::NoCursor)を使用します。

以下のコード例は、setCursor(Qt::NoCursor)を使用してカーソルを非表示にする方法を示しています。

#include <QApplication>
#include <QPushButton>
#include <QWindow>

class MyWindow : public QWindow
{
public:
    MyWindow()
    {
        QPushButton* button = new QPushButton("ボタンをクリック");
        button->connect(button, &QPushButton::clicked, this, &MyWindow::onButtonClicked);
        setCentralWidget(button);
    }

private:
    void onButtonClicked()
    {
        setCursor(Qt::NoCursor);
    }
};

int main(int argc, char* argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);
    MyWindow window;
    window.show();
    return app.exec();
}