【Qt GUIプログラミング】QWindow::frameMargins()でフレームマージンを操り、理想のウィンドウレイアウトを実現

QWindow::frameMargins() メソッドは、Qt GUI におけるウィンドウのフレームマージンを取得します。フレームマージンとは、ウィンドウコンテンツ領域とウィンドウフレーム (タイトルバー、装飾など) の間のスペースを指します。

使用方法

QMargins margins = window->frameMargins();

このコードは、window という名前のウィンドウオブジェクトのフレームマージンを取得し、margins 変数に格納します。

戻り値

QMargins オブジェクト。このオブジェクトは、左、上、右、下のマージン値を持つ 4 つの整数を格納します。

例

QWindow *window = new QWindow;
window->show();

QMargins margins = window->frameMargins();
int leftMargin = margins.left();
int topMargin = margins.top();
int rightMargin = margins.right();
int bottomMargin = margins.bottom();

qDebug() << "Left margin:" << leftMargin;
qDebug() << "Top margin:" << topMargin;
qDebug() << "Right margin:" << rightMargin;
qDebug() << "Bottom margin:" << bottomMargin;

このコードは、新しいウィンドウを作成し、表示します。次に、ウィンドウのフレームマージンを取得し、各マージン値を個別の変数に格納します。最後に、各マージン値をコンソールに出力します。

QWindow::geometry() メソッドを使用して、ウィンドウコンテンツ領域のジオメトリを取得することができます。
フレームマージンを使用して、ウィンドウコンテンツ領域の位置とサイズを調整することができます。
フレームマージンは、ウィンドウスタイルやオペレーティングシステムによって異なる場合があります。

#include <QApplication>
#include <QWindow>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    // 新しいウィンドウを作成
    QWindow *window = new QWindow;

    // ウィンドウを表示
    window->show();

    // フレームマージンを取得
    QMargins margins = window->frameMargins();

    // ウィンドウコンテンツ領域のサイズを計算
    int contentWidth = window->width() - margins.left() - margins.right();
    int contentHeight = window->height() - margins.top() - margins.bottom();

    // ウィンドウコンテンツ領域の位置を計算
    int contentX = margins.left();
    int contentY = margins.top();

    // ウィンドウコンテンツ領域を設定
    window->setContentsMargins(contentX, contentY, contentWidth, contentHeight);

    return app.exec();
}

このコードでは、以下の処理が行われます。

新しい QWindow オブジェクトを作成します。
ウィンドウを表示します。
ウィンドウのフレームマージンを取得します。
ウィンドウコンテンツ領域のサイズを計算します。
ウィンドウコンテンツ領域の位置を計算します。
ウィンドウコンテンツ領域を設定します。

この結果、ウィンドウコンテンツ領域はフレームマージンから内側に配置されます。

応用例

ウィンドウコンテンツ領域をフレームマージンから一定の距離離す
ウィンドウコンテンツ領域の位置を中央揃えにする
ウィンドウコンテンツ領域のサイズを固定する

コードを実行するには、Qt ライブラリがインストールされている必要があります。
このコードは、Qt 6.x でテストされています。他の Qt バージョンでは動作しない場合があります。

QWindow::geometry() メソッドと QMargins クラス

QWindow::geometry() メソッドを使用して、ウィンドウ全体のジオメトリを取得し、QMargins クラスを使用してフレームマージンを計算することができます。

QGeometry geometry = window->geometry();
QMargins margins = geometry.margins();

int leftMargin = margins.left();
int topMargin = margins.top();
int rightMargin = margins.right();
int bottomMargin = margins.bottom();

この方法は、QWindow::frameMargins() メソッドよりも汎用性があり、ウィンドウのサイズや位置が変更された場合でも自動的にフレームマージンを更新することができます。

プラットフォーム固有の API

一部のプラットフォームでは、フレームマージンを取得するためのプラットフォーム固有の API が提供されています。例えば、Windows では GetWindowMargins() 関数を使用することができます。

HWND windowHandle = window->winId();
HMONITOR monitor = MonitorFromWindow(windowHandle, MONITOR_DEFAULT);
BOOL success = GetWindowMargins(windowHandle, &margins, monitor);

if (success) {
    int leftMargin = margins.cxLeftWidth;
    int topMargin = margins.cyTopHeight;
    int rightMargin = margins.cxRightWidth;
    int bottomMargin = margins.cyBottomHeight;
}

この方法は、プラットフォーム固有のコードが必要になるため、移植性が低くなります。

ウィジェットのスタイルシート

ウィジェットのスタイルシートを使用して、フレームマージンを定義することができます。

QWidget {
    margin: 10px;
}

この方法は、すべてのウィジェットに同じフレームマージンを適用する場合に便利です。

カスタムウィジェット

カスタムウィジェットを作成して、フレームマージンを制御することができます。

class MyWindow : public QWindow {
public:
    MyWindow() {
        setContentsMargins(10, 10, 10, 10);
    }

protected:
    void paintEvent(QPaintEvent *event) override {
        // ウィンドウコンテンツを描画
    }
};

この方法は、複雑なフレームマージンが必要な場合に便利です。

QWindow::frameMargins() メソッドは、Qt GUI におけるウィンドウのフレームマージンを取得するのに役立つ便利なツールですが、状況に応じて上記の代替方法も検討することができます。

方法	メリット	デメリット
`QWindow::frameMargins()`	シンプルで使いやすい	汎用性が低い
`QWindow::geometry()` と `QMargins`	汎用性が高い	コードが少し複雑になる
プラットフォーム固有の API	高速で効率的	移植性が低い
ウィジェットのスタイルシート	簡単で統一的なスタイルを実現できる	個々のウィジェットにのみ適用できる
カスタムウィジェット	柔軟性が高い	開発に時間がかかる