Qt GUIプログラミング: QWindow::baseSize()とminimumSize()/maximumSize()の違いを解説


QWindow::baseSize()は、Qt GUIにおけるQWindowクラスのメソッドで、ウィンドウの最小推奨サイズを取得します。これは、ウィンドウマネージャーに対して、ウィンドウをこのサイズ以下に小さくしないよう指示するためのヒントとなります。

使用方法

QSize size = window->baseSize();

このコードは、windowという名前のQWindowオブジェクトのbaseSize()メソッドを呼び出し、その結果をsize変数に格納します。

QWindow window;
window.setBaseSize(QSize(320, 240));

このコードは、windowという名前のQWindowオブジェクトのbaseSize()メソッドを使用して、ウィンドウの最小推奨サイズを320 x 240ピクセルに設定します。

  • baseSize()と組み合わせて、minimumSize()maximumSize()を使用すると、ウィンドウのサイズに関するより詳細な制御が可能になります。
  • baseSize()は、ヒントとしてのみ使用されることに注意してください。ウィンドウマネージャーは、このヒントに従う義務はありません。
  • baseSize()は、ウィンドウのコンテンツの最小サイズを指定するものであり、ウィンドウの装飾を含めた全体のサイズではありません。


#include <QApplication>
#include <QWindow>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ウィンドウを作成
  QWindow window;

  // ウィンドウの最小推奨サイズを設定
  window.setBaseSize(QSize(320, 240));

  // ウィンドウのサイズ変更を無効化
  window.setFlag(Qt::WindowFlags::Fixed, true);

  // ウィンドウを表示
  window.show();

  return app.exec();
}

このコードでは、以下の処理が行われます。

  1. QApplicationオブジェクトを作成します。
  2. QWindowオブジェクトを作成します。
  3. setBaseSize()メソッドを使用して、ウィンドウの最小推奨サイズを320 x 240ピクセルに設定します。
  4. setFlag()メソッドを使用して、Qt::WindowFlags::Fixedフラグを設定し、ウィンドウのサイズ変更を無効化します。
  5. show()メソッドを使用して、ウィンドウを表示します。

このコードを実行すると、320 x 240ピクセルのウィンドウが表示され、ユーザーはウィンドウのサイズを変更することができません。

  • ウィンドウの最小推奨サイズを画面解像度の50%に設定する:
QSize screenSize = QApplication::desktopSize();
window.setBaseSize(screenSize * 0.5);
  • ウィンドウの最小推奨サイズを特定のウィジェットのサイズに設定する:
QWidget *widget = new QWidget(&window);
window.setBaseSize(widget->size());


minimumSize()とmaximumSize()を使用する

minimumSize()maximumSize()は、それぞれウィンドウの最小サイズと最大サイズを設定するためのメソッドです。これらのメソッドを使用することで、QWindow::baseSize()よりも詳細な制御が可能になります。

window.setMinimumSize(QSize(160, 120));
window.setMaximumSize(QSize(640, 480));

このコードは、windowという名前のQWindowオブジェクトの最小サイズを160 x 120ピクセル、最大サイズを640 x 480ピクセルに設定します。

ウィジェットのサイズを使用する

ウィジェットのサイズを、そのウィジェットを格納するウィンドウの最小推奨サイズとして使用することができます。

QWidget *widget = new QWidget(&window);
window.setBaseSize(widget->size());

このコードは、widgetという名前のウィジェットのサイズを、windowという名前のQWindowオブジェクトの最小推奨サイズに設定します。

レイアウトマネージャーを使用する

レイアウトマネージャーを使用することで、ウィンドウ内のウィジェットのサイズと配置を自動的に調整することができます。レイアウトマネージャーを使用する場合は、QWindow::baseSize()を設定する必要はありません。

カスタムレイアウトを使用する

カスタムレイアウトを使用することで、ウィンドウ内のウィジェットのサイズと配置を完全に制御することができます。カスタムレイアウトを使用する場合は、QWindow::baseSize()を設定する必要はありません。

最適な方法の選択

どの方法が最適かは、状況によって異なります。以下のような点を考慮して、最適な方法を選択してください。

  • レイアウトの複雑さ
  • ウィンドウ内のウィジェットの配置方法
  • ウィンドウのサイズに関する制御レベル