【初心者でも安心】Qt GUIプログラミング:QWindow::resizeEvent()でウィンドウサイズ変更イベントを処理する方法


Qt GUIプログラミングにおいて、QWindow::resizeEvent()は、ウィンドウサイズが変更された際に発生するイベントを処理するための重要なメソッドです。このイベントは、ユーザーがウィンドウをドラッグしてサイズを変更したり、ウィンドウのサイズをプログラム的に変更したりするたびに発生します。

QWindow::resizeEvent()の役割

QWindow::resizeEvent()メソッドは、ウィンドウサイズの変更に伴って、ウィンドウ内のレイアウトやウィジェットを調整するために使用されます。具体的には、以下の操作を実行できます。

  • ウィジェットの表示/非表示を切り替える
  • ウィジェットの位置を新しいウィンドウサイズに合わせて調整する
  • ウィジェットのサイズを新しいウィンドウサイズに合わせて変更する

QResizeEventオブジェクト

QWindow::resizeEvent()メソッドは、QResizeEventオブジェクトを引数として受け取ります。このオブジェクトには、以下の情報が含まれています。

  • サイズ変更の原因
  • 古いウィンドウサイズ
  • 新しいウィンドウサイズ

例:ウィジェットのサイズ変更

以下は、QWindow::resizeEvent()メソッドを使用して、ウィンドウ内のラベルのサイズを新しいウィンドウサイズに合わせて変更する例です。

void MyWindow::resizeEvent(QResizeEvent *event) {
  QLabel *label = findChild<QLabel *>("myLabel");
  if (label) {
    label->setSize(event->size());
  }
}

QWindow::resizeEvent()メソッドは、ウィジェットのサイズ変更以外にも、さまざまな処理を実行するために使用できます。例えば、以下のような処理を実行できます。

  • ウィンドウのフレームを再描画する
  • ウィンドウのアイコンを変更する
  • ウィンドウのタイトルバーを更新する

QWindow::resizeEvent()メソッドは、Qt GUIプログラミングにおいて重要な役割を果たすメソッドです。このメソッドを理解することで、ウィンドウサイズの変更に伴ってウィンドウ内のレイアウトやウィジェットを柔軟に調整することができます。

  • QWindow::resizeEvent()メソッド内では、QWidget::update()メソッドを呼び出してウィジェットを再描画する必要があります。
  • QWindow::resizeEvent()メソッドは、イベントループ内で実行されます。
  • QWindow::resizeEvent()メソッドは、QWidgetクラスでも継承されています。


#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QWindow>

class MyWindow : public QWindow {
public:
  MyWindow() {
    QLabel *label = new QLabel("Hello, Qt!");
    label->setObjectName("myLabel");
    setCentralWidget(label);
  }

protected:
  void resizeEvent(QResizeEvent *event) override {
    QLabel *label = findChild<QLabel *>("myLabel");
    if (label) {
      label->setSize(event->size());
    }
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  MyWindow window;
  window.show();

  return app.exec();
}

このコードを実行すると、以下のウィンドウが表示されます。

ウィンドウのサイズを変更すると、ラベルのサイズも自動的に変更されます。

  • label->setSize(event->size()) メソッドを使用して、ラベルのサイズを新しいウィンドウサイズに設定します。
  • findChild<QLabel *>("myLabel") メソッドを使用して、"myLabel"というオブジェクト名のラベルウィジェットを取得します。
  • resizeEvent()メソッドは、ウィンドウサイズの変更時に呼び出されます。
  • コンストラクタは、QLabelウィジェットを作成し、"myLabel"というオブジェクト名を設定します。
  • MyWindowクラスは、QWindowクラスを継承したカスタムウィンドウクラスです。
  • コードを実行するには、Qtライブラリがインストールされている必要があります。
  • このコードは、Qt CreatorなどのIDEを使用してコンパイルして実行できます。
  • ウィンドウのフレームを再描画する
  • ウィンドウのアイコンを変更する
  • ウィンドウのタイトルバーを更新する


QSizePolicyを使用する

QSizePolicyクラスは、ウィジェットのサイズ変更に対する動作を制御するために使用できます。QSizePolicyオブジェクトをウィジェットに設定することで、ウィジェットがどのように伸縮するかを指定できます。

QSizePolicy policy(QSizePolicy::Expanding, QSizePolicy::Expanding);
label->setSizePolicy(policy);

上記のコードは、labelウィジェットをウィンドウ全体に拡大するように設定します。

QLayoutを使用する

QLayoutクラスは、ウィジェットをウィンドウ内に配置するために使用できます。QLayoutオブジェクトをウィジェットに設定することで、ウィジェットがどのように配置されるかを指定できます。

QHBoxLayout *layout = new QHBoxLayout;
layout->addWidget(label);
setCentralWidget(layout);

上記のコードは、labelウィジェットをウィンドウの水平方向に中央揃えに配置します。

カスタムイベントハンドラを使用する

QWindow::resizeEvent()以外のイベントハンドラを作成して、ウィンドウサイズの変更を処理することもできます。例えば、QTimerを使用して定期的にウィンドウサイズをチェックし、必要に応じてウィジェットを調整することができます。

void MyWindow::timerEvent(QTimerEvent *event) {
  if (event->timerId() == timerId_) {
    QLabel *label = findChild<QLabel *>("myLabel");
    if (label) {
      label->setSize(size());
    }
  }
}

上記のコードは、timerId_というタイマーIDを持つタイマーイベントが発生するたびに、labelウィジェットのサイズをウィンドウサイズに設定します。

最適な方法の選択

どの方法が最適かは、状況によって異なります。一般的には、以下の点を考慮する必要があります。

  • パフォーマンス
  • ウィジェットのサイズ変更に対する動作
  • ウィジェットのレイアウト

QWindow::resizeEvent()は、ウィンドウサイズの変更を処理するための便利なメソッドですが、常に最適な方法とは限りません。状況によっては、QSizePolicyQLayout、またはカスタムイベントハンドラなどの代替方法を検討する必要があります。

  • Qtコミュニティには、さまざまなウィンドウサイズ変更処理に関する情報やリソースが豊富に用意されています。
  • 複雑なウィンドウレイアウトや高度なサイズ変更処理が必要な場合は、より高度なテクニックが必要になる場合があります。
  • 上記で説明した方法は、Qt GUIプログラミングの一般的なテクニックですが、状況によっては他にも適切な方法がある可能性があります。