【超便利】Qt GUIプログラミングで役立つQWindow::isActive() 関数の活用テクニック

QWindow::isActive() 関数は、Qt GUI における QWindow オブジェクトがアクティブかどうかを判断します。アクティブなウィンドウとは、キーボード入力を受け付け、システム全体の入力フォーカスを持っているウィンドウのことを指します。この関数は、ウィンドウがユーザーとのインタラクションを受け付ける準備ができているかどうかを確認するために使用されます。

戻り値

false：ウィンドウがアクティブでない場合
true：ウィンドウがアクティブである場合

詳細

QWindow::isActive() 関数は、以下の条件を満たす場合に true を返します。

ウィンドウが有効である
ウィンドウがフォーカスを持っている
ウィンドウが非モーダルである
ウィンドウが表示されている

以下の条件を満たす場合、QWindow::isActive() 関数は false を返します。

ウィンドウが無効である
ウィンドウがフォーカスを持っていない
ウィンドウがモーダルである
ウィンドウが非表示である

QWindow *window = new QWindow;
window->show();

if (window->isActive()) {
  // ウィンドウはアクティブです
} else {
  // ウィンドウはアクティブではありません
}

QWindow::requestActivate() 関数は、ウィンドウをアクティブにするために使用できます。
QGuiApplication::focusWindow() 関数は、現在フォーカスを持っているウィンドウを取得するために使用できます。

例 1: ウィンドウのアクティブ状態をログ出力する

#include <QApplication>
#include <QWindow>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWindow window;
  window.show();

  QObject::connect(&window, &QWindow::activated, []() {
    qDebug() << "ウィンドウがアクティブになりました";
  });

  QObject::connect(&window, &QWindow::deactivated, []() {
    qDebug() << "ウィンドウが非アクティブになりました";
  });

  return app.exec();
}

説明

このコードは、以下のことを行います。

QApplication オブジェクトを作成します。
QWindow オブジェクトを作成し、表示します。
activated シグナルと deactivated シグナルに接続し、ウィンドウのアクティブ状態が変更されたときにログメッセージを出力します。

例 2: ウィンドウがアクティブな場合にのみボタンを有効にする

#include <QApplication>
#include <QWindow>
#include <QPushButton>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWindow window;
  window.show();

  QPushButton button("ボタン");
  button.setEnabled(window.isActive());

  QObject::connect(&window, &QWindow::activated, [&button]() {
    button.setEnabled(true);
  });

  QObject::connect(&window, &QWindow::deactivated, [&button]() {
    button.setEnabled(false);
  });

  return app.exec();
}

説明

QApplication オブジェクトを作成します。
QWindow オブジェクトを作成し、表示します。
QPushButton オブジェクトを作成し、ウィンドウがアクティブな場合にのみ有効にします。
activated シグナルと deactivated シグナルに接続し、ウィンドウのアクティブ状態が変更されたときにボタンの状態を更新します。

これらの例は、QWindow::isActive() 関数の使用方法を示すほんの一例です。この関数は、さまざまなシナリオで使用できます。

ウィンドウがアクティブな場合にのみアニメーションを再生する
ウィンドウがアクティブな場合にのみネットワーク接続を確立する
ウィンドウがアクティブな場合にのみタイマーを開始する

ウィンドウのアクティブ状態が頻繁に変更される場合は、QWindow::activated シグナルと deactivated シグナルを使用する方が効率的です。
QWindow::isActive() 関数は、非同期的に実行される可能性があります。つまり、関数を呼び出した直後に、必ずしも正しい結果が得られるとは限りません。

QGuiApplication::focusWindow() を使用する

QGuiApplication::focusWindow() 関数は、現在フォーカスを持っているウィンドウを取得します。このウィンドウは、通常、ユーザーがアクティブに操作しているウィンドウです。

長所

フォーカスを持っているウィンドウを確実に取得できる
シンプルで使いやすい

短所

モーダルウィンドウなどの、フォーカスを持っていないアクティブなウィンドウを検出できない

例

QWindow *activeWindow = QGuiApplication::focusWindow();

if (activeWindow) {
  // アクティブなウィンドウがあります
} else {
  // アクティブなウィンドウがありません
}

ウィンドウの状態フラグを監視する

QWindow オブジェクトには、アクティブかどうかを示すフラグがいくつかあります。これらのフラグを監視することで、ウィンドウのアクティブ状態を判断することができます。

長所

ウィンドウのアクティブ状態が変化したときに通知を受け取ることができる
モーダルウィンドウなどの、フォーカスを持っていないアクティブなウィンドウを検出できる

短所

QWindow::isActive() 関数よりも複雑

例

QWindow *window = new QWindow;
window->show();

QObject::connect(window, &QWindow::windowActivated, []() {
  qDebug() << "ウィンドウがアクティブになりました";
});

QObject::connect(window, &QWindow::windowDeactivated, []() {
  qDebug() << "ウィンドウが非アクティブになりました";
});

カスタムイベントを使用する

カスタムイベントを使用して、ウィンドウのアクティブ状態が変化したときに通知を受け取ることもできます。

長所

柔軟性が高い

短所

複雑で実装が難しい

例

class MyWindow : public QWindow
{
public:
  MyWindow() {
    installEventFilter(this);
  }

protected:
  bool eventFilter(QEvent *event) override {
    if (event->type() == QEvent::ActivationChange) {
      emit activatedChanged(isActive());
      return true;
    }

    return QWindow::eventFilter(event);
  }

signals:
  void activatedChanged(bool activated);
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  MyWindow window;
  window.show();

  QObject::connect(&window, &MyWindow::activatedChanged, [](bool activated) {
    if (activated) {
      qDebug() << "ウィンドウがアクティブになりました";
    } else {
      qDebug() << "ウィンドウが非アクティブになりました";
    }
  });

  return app.exec();
}

最適な代替方法の選択

どの代替方法が最適かは、状況によって異なります。シンプルなソリューションが必要な場合は、QGuiApplication::focusWindow() 関数が良い選択です。より柔軟なソリューションが必要な場合は、ウィンドウの状態フラグを監視するか、カスタムイベントを使用することを検討してください。

スレッド間でウィンドウのアクティブ状態をチェックする場合は、スレッドセーフな方法で行う必要があります。これを行うには、QMetaObject::invokeMethod() 関数を使用することができます。
モーダルウィンドウを扱う場合は、QWindow::isActive() 関数はモーダルウィンドウがアクティブかどうかを常に示すわけではないことに注意する必要があります。モーダルウィンドウがアクティブかどうかを判断するには、QModal::activeWindow() 関数を使用する必要があります。