Qt WidgetsでQWidgetAction::event()を理解する


QWidgetAction は、Qt Widgets ライブラリで提供される特殊なアクションクラスです。通常の QAction と異なり、QWidgetAction はカスタムウィジェットを埋め込むことができます。この機能により、メニューやツールバーに複雑なUI要素を簡単に追加できます。

QWidgetAction::event() メソッドは、QAction クラスの同名メソッドを再実装しており、アクションに関連するイベントを処理します。このメソッドは、アクションに関連するイベントを受け取り、必要に応じて処理を実行します。

イベント処理の流れ

QWidgetAction::event() メソッドは、以下の順序でイベントを処理します。

  1. イベントタイプを確認
    メソッドはまず、イベントのタイプを確認します。一般的なイベントタイプには、QEvent::KeyPressQEvent::MouseMoveQEvent::Show などがあります。
  2. イベント処理の必要性を判断
    メソッドは、イベントがアクションに関連するものであるかどうかを判断します。例えば、QEvent::Show イベントはアクション自体に関係なく、埋め込まれたウィジェットに関連する可能性があります。
  3. イベントの処理
    メソッドは、イベントがアクションに関連するものであると判断した場合、必要な処理を実行します。例えば、QEvent::KeyPress イベントの場合は、アクションのショートカットキーが押されたかどうかを確認し、アクションをトリガーするかどうかを判断します。
  4. イベントの伝達
    メソッドは、イベント処理が完了した後、イベントを親オブジェクトに伝達します。

イベント処理の例

以下は、QWidgetAction::event() メソッドで QEvent::KeyPress イベントを処理する例です。

bool QWidgetAction::event(QEvent *event)
{
    if (event->type() == QEvent::KeyPress) {
        QKeyEvent *keyEvent = static_cast<QKeyEvent *>(event);
        if (keyEvent->key() == Qt::Key_Enter || keyEvent->key() == Qt::Key_Space) {
            trigger();
            return true;
        }
    }

    return QAction::event(event);
}

この例では、Enter キーまたはスペースキーが押された場合、アクションがトリガーされます。

イベントフィルタリング

QWidgetAction::eventFilter() メソッドは、QObject クラスの同名メソッドを再実装しており、アクションに関連するイベントをフィルタリングします。このメソッドは、イベントがアクションに伝達される前に呼び出され、イベントを変更したり処理を中止したりすることができます。

QWidgetAction::event() メソッドは、QWidgetAction に関連するイベントを処理するために使用されます。このメソッドは、アクションに埋め込まれたウィジェットからのイベントを処理したり、アクションのトリガー条件を制御したりするために使用できます。

  • この説明は、Qt Widgets 6.7.1 を基にしています。


class MyWidgetAction : public QWidgetAction
{
public:
    MyWidgetAction(QWidget *parent = nullptr);

protected:
    bool event(QEvent *event) override;
};

MyWidgetAction::MyWidgetAction(QWidget *parent)
    : QWidgetAction(parent)
{
    setText("My Action");
}

bool MyWidgetAction::event(QEvent *event)
{
    if (event->type() == QEvent::KeyPress) {
        QKeyEvent *keyEvent = static_cast<QKeyEvent *>(event);
        if (keyEvent->key() == Qt::Key_Enter || keyEvent->key() == Qt::Key_Space) {
            trigger();
            return true;
        }
    }

    return QWidgetAction::event(event);
}

例2:QWidgetAction::eventFilter() メソッドを使用してイベントをフィルタリングする

この例では、QWidgetAction::eventFilter() メソッドを使用して、QEvent::MouseMove イベントをフィルタリングします。このメソッドは、マウスがアクションウィジェットの上を移動した場合にのみイベントを伝達します。

class MyWidgetAction : public QWidgetAction
{
public:
    MyWidgetAction(QWidget *parent = nullptr);

protected:
    bool eventFilter(QObject *watched, QEvent *event) override;
};

MyWidgetAction::MyWidgetAction(QWidget *parent)
    : QWidgetAction(parent)
{
    setText("My Action");
}

bool MyWidgetAction::eventFilter(QObject *watched, QEvent *event)
{
    if (event->type() == QEvent::MouseMove) {
        QMouseEvent *mouseEvent = static_cast<QMouseEvent *>(event);
        if (mouseEvent->widget() == widget()) {
            return true; // イベントを伝達する
        }
    }

    return QWidgetAction::eventFilter(watched, event);
}


connect() メソッドを使用する

connect() メソッドを使用して、アクションに関連するシグナルとスロットを接続することができます。例えば、QToolButtonclicked() シグナルとアクションの trigger() スロットを接続することで、ボタンがクリックされたときにアクションをトリガーすることができます。

QToolButton *button = new QToolButton;
button->setText("Click Me");

QWidgetAction *action = new QWidgetAction;
action->setText("My Action");

connect(button, SIGNAL(clicked()), action, SLOT(trigger()));

カスタムイベントクラスを使用する

カスタムイベントクラスを作成し、アクションに関連するイベントを発行することができます。例えば、MyCustomEvent というカスタムイベントクラスを作成し、アクションウィジェットがフォーカスを取得したときに発行することができます。

class MyCustomEvent : public QEvent
{
public:
    MyCustomEvent(QWidget *widget);

    static Type eventType();
};

MyCustomEvent::MyCustomEvent(QWidget *widget)
    : QEvent(Type)
{
    this->widget = widget;
}

QEvent::Type MyCustomEvent::eventType()
{
    static QEvent::Type type = QEvent::registerType(MyCustomEvent::typeId());
    return type;
}

アクションクラス内で、focusInEvent() メソッドを再実装して、MyCustomEvent イベントを発行することができます。

class MyWidgetAction : public QWidgetAction
{
public:
    MyWidgetAction(QWidget *parent = nullptr);

protected:
    void focusInEvent(QFocusEvent *event) override;
};

MyWidgetAction::MyWidgetAction(QWidget *parent)
    : QWidgetAction(parent)
{
    setText("My Action");
}

void MyWidgetAction::focusInEvent(QFocusEvent *event)
{
    MyCustomEvent *customEvent = new MyCustomEvent(this);
    QApplication::postEvent(this, customEvent);

    QWidgetAction::focusInEvent(event);
}

アプリケーションの他の部分で、MyCustomEvent イベントを処理するために connect() メソッドを使用することができます。

connect(action, SIGNAL(customEvent(MyCustomEvent *)), this, SLOT(onCustomEvent(MyCustomEvent *)));

カスタムシグナルとスロットを使用する

カスタムシグナルとスロットを作成し、アクションに関連するイベントを通知することができます。例えば、actionTriggered() というカスタムシグナルを作成し、アクションがトリガーされたときに発行することができます。

class MyWidgetAction : public QWidgetAction
{
public:
    MyWidgetAction(QWidget *parent = nullptr);

signals:
    void actionTriggered();

protected:
    void trigger() override;
};

MyWidgetAction::MyWidgetAction(QWidget *parent)
    : QWidgetAction(parent)
{
    setText("My Action");
}

void MyWidgetAction::trigger()
{
    QWidgetAction::trigger();
    emit actionTriggered();
}

アプリケーションの他の部分で、actionTriggered() シグナルを処理するために connect() メソッドを使用することができます。

connect(action, SIGNAL(actionTriggered()), this, SLOT(onActionTriggered()));