【保存版】Qt Widgetsで便利なQTreeWidgetItemIterator::operator-=()の使い方とサンプルコード集
QTreeWidgetItemIterator::operator-=()
は、Qt Widgetsライブラリにおける QTreeWidget
クラスで使用される QTreeWidgetItemIterator
イテレータクラスのメンバー関数の一つです。この関数は、イテレータを n
個のマッチングアイテム分後退させます。つまり、イテレータが現在指しているアイテムから、n
個前のマッチングアイテムに移動します。
構文
QTreeWidgetItemIterator& operator-= (int n);
パラメータ
n
: イテレータを後退させるアイテムの数
戻り値
QTreeWidgetItemIterator
オブジェクトへの参照。このオブジェクトは、後退後のイテレータの状態を表します。
動作
operator-=()
関数は、イテレータの内部インデックスを n
だけ減らすことによって動作します。減算されたインデックスは、イテレータが指すアイテムのインデックスに対応します。
例
以下のコードは、QTreeWidget
におけるすべてのアイテムを反復し、各アイテムのテキストをコンソールに出力する例です。
QTreeWidgetItemIterator it(treeWidget);
while (*it) {
qDebug() << (*it)->text(0);
--it;
}
このコードにおいて、--it
は operator-=()
関数に 1
を渡すことと同じです。つまり、イテレータを 1 個のマッチングアイテム分後退させます。
注意点
operator-=()
関数は、イテレータが指しているアイテムを削除しません。アイテムを削除するには、QTreeWidgetItem::removeChild()
関数を使用する必要があります。operator-=()
関数は、イテレータが有効な範囲内にあるかどうかを確認しません。したがって、イテレータが範囲外になると、予期しない動作が発生する可能性があります。
QTreeWidgetItemIterator::operator-=()
関数は、QTreeWidget
におけるイテレータを後退させるために使用されます。この関数は、n
個のマッチングアイテム分後退させることができます。
特定の文字列を含むアイテムをすべて削除する
void removeItemsWithText(const QString& text, QTreeWidget* treeWidget) {
QTreeWidgetItemIterator it(treeWidget);
while (*it) {
if ((*it)->text(0).contains(text)) {
treeWidget->removeItemIterator(it);
} else {
++it;
}
}
}
このコードでは、removeItemsWithText()
関数が QTreeWidgetItemIterator::operator-=()
関数を使用して、treeWidget
内のすべてのアイテムを反復処理します。各アイテムのテキストが text
を含んでいるかどうかを確認し、含んでいる場合は treeWidget->removeItemIterator(it)
関数を使用してアイテムを削除します。
以下のコードは、QTreeWidget
の奇数行のアイテムの背景色を変更する例です。
void changeOddItemBackground(QTreeWidget* treeWidget) {
int row = 0;
QTreeWidgetItemIterator it(treeWidget);
while (*it) {
if (row % 2 == 1) {
it->setBackground(0, QBrush(QColor(Qt::lightGray)));
}
++row;
++it;
}
}
特定の条件に一致するアイテムのみを反復処理する場合
特定の条件に一致するアイテムのみを反復処理する場合は、QTreeWidgetItemIterator
の findNext()
関数を使用することができます。この関数は、条件に一致する次のアイテムを検索し、イテレータをそのアイテムに移動します。
QTreeWidgetItemIterator it(treeWidget);
while (it.findNext(filter)) {
// ... アイテムを処理 ...
}
このコードでは、filter
は条件を表す関数ポインタです。この関数は、アイテムを渡され、そのアイテムが条件に一致するかどうかを返します。
アイテムを削除しながら反復処理する場合
アイテムを削除しながら反復処理する場合は、QTreeWidgetItemIterator
の removeCurrent()
関数を使用することができます。この関数は、イテレータが現在指しているアイテムを削除し、イテレータを次のアイテムに移動します。
QTreeWidgetItemIterator it(treeWidget);
while (*it) {
if (shouldRemoveItem(*it)) {
it.removeCurrent();
} else {
++it;
}
}
このコードでは、shouldRemoveItem()
はアイテムを削除するかどうかを判断する関数です。この関数は、アイテムを渡され、そのアイテムを削除するかどうかを返します。
アイテムの順序に依存しない処理を行う場合
アイテムの順序に依存しない処理を行う場合は、QTreeWidgetItem
のリストを取得し、そのリストを反復処理することができます。
QList<QTreeWidgetItem*> items = treeWidget->findItems("", Qt::MatchRecursive);
for (QTreeWidgetItem* item : items) {
// ... アイテムを処理 ...
}
このコードでは、findItems()
関数は ""
という空の文字列を渡され、Qt::MatchRecursive
フラグを指定して、treeWidget
内のすべてのアイテムを検索します。検索されたアイテムは items
リストに格納されます。その後、for
ループを使用して、リスト内のすべてのアイテムを反復処理します。
パフォーマンスが重要な場合
パフォーマンスが重要な場合は、QTreeWidgetItemIterator
の代わりに QModelIndex
を使用してアイテムを反復処理することができます。
QModelIndex index = treeWidget->model()->index(0, 0);
while (index.isValid()) {
// ... アイテムを処理 ...
index = index.model()->index(index.row() + 1, 0);
}
このコードでは、index
は QModelIndex
オブジェクトです。このオブジェクトは、treeWidget
内のアイテムを表します。isValid()
関数は、index
が有効なアイテムを表しているかどうかを確認します。model()->index()
関数は、行と列のインデックスを渡され、そのインデックスに対応する QModelIndex
オブジェクトを返します。
QTreeWidgetItemIterator::operator-=()
関数は、QTreeWidget
内のアイテムを反復処理する際に便利な関数ですが、いくつかの状況では代替方法の方が適切な場合があります。