QTreeView::rootIsDecoratedとは？Qtツリービューの表示制御を理解する

2025-05-27

QTreeView は、階層的なデータをツリー形式で表示するためのウィジェットです。ファイルシステムのフォルダとファイルのように、親と子の関係を持つアイテムを視覚的に表現する際に使用されます。

rootIsDecorated は QTreeView のプロパティの一つで、ツリーのトップレベルのアイテム（いわゆる「ルート」アイテム）に対して、展開/折りたたみ用のコントロール（通常は小さな矢印やプラス/マイナス記号）を表示するかどうかを制御します。

`rootIsDecorated` の意味

false
トップレベルのアイテムには、展開/折りたたみ用のデコレーションが表示されません。これは、ツリービューを単なるリストのように見せたい場合や、トップレベルのアイテムは常に展開されているか、展開/折りたたむ必要がない場合などに便利です。
true (デフォルト)
トップレベルのアイテムに、そのアイテムに子がある場合に展開/折りたたみ用のデコレーション（矢印など）が表示されます。これにより、ユーザーはルートアイテムを展開してその下の階層を見たり、折りたたんで隠したりできます。

使用例

例えば、QTreeView のインスタンス treeView があるとして、次のように設定できます。

// ルートアイテムにデコレーションを表示する (デフォルトの動作)
treeView->setRootIsDecorated(true);

// ルートアイテムにデコレーションを表示しない
treeView->setRootIsDecorated(false);

稀に、QTreeView の最初のカラムを非表示にしている場合に rootIsDecorated(true) にしてもデコレーションが表示されないという問題が発生することがあります。これは、デコレーションが通常最初のカラムに描画されるためです。この場合、モデルのデータを調整して、デコレーションを表示したいカラムにツリー構造が関連付けられるようにするか、setTreePosition() を使用してツリー構造が描画されるカラムを指定する必要があるかもしれません。
このプロパティを false に設定しても、ルートアイテムの子孫が非表示になるわけではありません。単に、ユーザーがルートアイテムを展開/折りたたみするためのUI要素がなくなるだけです。もしルートアイテムを常に展開した状態で表示したい場合は、expandAll() などのメソッドを使用する必要があります。
rootIsDecorated はトップレベルのアイテムにのみ影響します。トップレベルではない子アイテム（つまり、親を持つアイテム）には、このプロパティの設定に関わらず、子がある場合は常に展開/折りたたみ用のデコレーションが表示されます。

rootIsDecorated はルートアイテムの展開/折りたたみアイコンの表示を制御しますが、期待通りに動作しない場合、いくつかの一般的な原因が考えられます。

ルートアイテムに子がない場合

問題
setRootIsDecorated(true) を設定しても、ルートアイテムにデコレーション（展開/折りたたみ用の矢印）が表示されない。

原因
rootIsDecorated は、ルートアイテムに子がある場合にのみデコレーションを表示します。子を持たないアイテムは展開/折りたたみの必要がないため、デコレーションは表示されません。

トラブルシューティング

モデルのルートアイテムが実際に子を持っているか確認してください。QAbstractItemModel::hasChildren() メソッドが正しく true を返しているかを確認します。

最初のカラムを非表示にしている場合

問題
setRootIsDecorated(true) に設定しても、ルートアイテムのデコレーションが表示されない。特に、ツリービューの最初のカラム（インデックス0）を hideColumn(0) などで非表示にしている場合によく発生します。

原因
Qtの QTreeView は、デフォルトでツリー構造（デコレーションとインデント）を**論理的な最初のカラム（カラムインデックス0）**に描画します。このカラムが非表示になっていると、デコレーションも一緒に非表示になってしまいます。

トラブルシューティング

カスタムデリゲートや drawBranches のオーバーライド
より複雑な表示制御が必要な場合は、QStyledItemDelegate を継承したカスタムデリゲートを作成し、paint() メソッドをオーバーライドして描画をカスタマイズするか、QTreeView を継承して drawBranches() メソッドをオーバーライドすることも考えられます。ただし、これはより高度なアプローチであり、慎重に行う必要があります。
モデルのデータを調整する
もし可能であれば、ツリー構造のメインとなるデータ（デコレーションを表示したい内容）をモデルの最初のカラムに配置するように、モデルの設計を見直すことを検討してください。
setTreePosition(int logicalColumn) を使用する
Qt 5.2以降では、QTreeView::setTreePosition() メソッドを使用して、ツリー構造（デコレーションとインデント）をどの論理カラムに描画するかを指定できます。例えば、2番目のカラム（インデックス1）にツリー構造を表示したい場合は、次のようにします。
```
treeView->hideColumn(0); // 最初のカラムを非表示にする
treeView->setTreePosition(1); // ツリー構造を2番目のカラムに表示する
```
これにより、たとえ最初のカラムが非表示になっていても、指定したカラムにデコレーションが表示されるようになります。

スタイルシートによる影響

問題
スタイルシート (setStyleSheet()) を使用している場合、rootIsDecorated の設定が無視される、またはデコレーションが意図しない形で表示される。

原因
スタイルシートはウィジェットの描画に大きな影響を与えます。QTreeView::branch などのスタイル要素がデコレーションの表示を上書きしている可能性があります。例えば、QTreeView::branch { image: none; } のような設定があると、デコレーションが表示されなくなります。

トラブルシューティング

問題を切り分けるために、一時的にスタイルシートを無効にして、デフォルトの状態で rootIsDecorated が機能するかどうかを確認してみると良いでしょう。
スタイルシートの設定を確認し、QTreeView::branch や関連するプロパティがデコレーションの表示を妨げていないか確認してください。

モデルの index()、parent()、hasChildren() の実装に問題がある場合

問題
QTreeView はモデルのデータに依存してツリー構造を描画します。QAbstractItemModel をカスタムで実装している場合、デコレーションが正しく表示されないことがあります。

原因
QTreeView は、index()、parent()、hasChildren() などのメソッドを使用してモデルの階層構造を把握します。これらのメソッドのいずれかに論理的な誤りがあると、ツリービューが正しく描画されず、デコレーションも表示されない可能性があります。

トラブルシューティング

QAbstractItemModel の必須メソッド（index(), parent(), rowCount(), columnCount(), data(), hasChildren()）が正しく実装されていることを確認してください。特に、hasChildren() が、子を持つアイテムに対して正しく true を返していることが重要です。

QTreeView::rootIsDecorated が期待通りに動作しない場合、以下の点を順に確認していくことをお勧めします。

ルートアイテムに子が存在するか？ (hasChildren() の確認)
ツリービューの最初のカラムを非表示にしていないか？ (setTreePosition() の利用を検討)
スタイルシートがデコレーションの表示を妨げていないか？
カスタムモデルの index(), parent(), hasChildren() の実装は正しいか？

例1: 基本的なQTreeViewと `rootIsDecorated` の切り替え

この例では、シンプルな QTreeView を作成し、ボタンをクリックすることで rootIsDecorated プロパティを切り替える方法を示します。データは QStandardItemModel を使用して作成します。

#include <QApplication>
#include <QMainWindow>
#include <QTreeView>
#include <QStandardItemModel>
#include <QStandardItem>
#include <QPushButton>
#include <QVBoxLayout>
#include <QWidget>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication a(argc, argv);

    QMainWindow window;
    QWidget *centralWidget = new QWidget(&window);
    window.setCentralWidget(centralWidget);

    QVBoxLayout *layout = new QVBoxLayout(centralWidget);

    // QStandardItemModel の作成とデータの追加
    QStandardItemModel *model = new QStandardItemModel();
    model->setHorizontalHeaderLabels({"アイテム", "説明"});

    // ルートアイテム1
    QStandardItem *rootItem1 = new QStandardItem("親アイテム A");
    rootItem1->setChild(0, 0, new QStandardItem("子アイテム A.1"));
    rootItem1->setChild(1, 0, new QStandardItem("子アイテム A.2"));
    model->appendRow(rootItem1);

    // ルートアイテム2
    QStandardItem *rootItem2 = new QStandardItem("親アイテム B");
    rootItem2->setChild(0, 0, new QStandardItem("子アイテム B.1"));
    rootItem2->setChild(1, 0, new QStandardItem("子アイテム B.2"));
    rootItem2->setChild(2, 0, new QStandardItem("子アイテム B.3"));
    model->appendRow(rootItem2);

    // ルートアイテム3 (子なし)
    QStandardItem *rootItem3 = new QStandardItem("親アイテム C (子なし)");
    model->appendRow(rootItem3);

    // QTreeView の作成とモデルの設定
    QTreeView *treeView = new QTreeView();
    treeView->setModel(model);
    treeView->setAnimated(true); // 展開/折りたたみアニメーションを有効にする

    // 初期状態ではルートアイテムのデコレーションを表示
    treeView->setRootIsDecorated(true);

    // ボタンの作成
    QPushButton *toggleButton = new QPushButton("ルートデコレーションを切り替える");

    // ボタンのクリックイベントとrootIsDecoratedの切り替えを接続
    QObject::connect(toggleButton, &QPushButton::clicked, [treeView]() {
        bool current = treeView->rootIsDecorated();
        treeView->setRootIsDecorated(!current);
        qDebug() << "rootIsDecorated: " << (!current ? "true" : "false");
    });

    layout->addWidget(treeView);
    layout->addWidget(toggleButton);

    window.setWindowTitle("QTreeView::rootIsDecorated の例");
    window.resize(400, 300);
    window.show();

    return a.exec();
}

解説

treeView->setAnimated(true); は、展開/折りたたみの際にアニメーションを有効にするためのものです。
ボタンをクリックすると、rootIsDecorated() で現在の状態を取得し、その逆の値を setRootIsDecorated() に設定することで、デコレーションの表示/非表示を切り替えています。
treeView->setRootIsDecorated(true); で、初期状態ではルートアイテムにデコレーションが表示されるように設定しています。
QTreeView を作成し、作成したモデルを設定します。
QStandardItemModel を使用して、階層的なデータを作成しています。rootItem1 と rootItem2 は子を持っていますが、rootItem3 は子を持ちません。

このコードを実行すると、最初にはルートアイテムの横に展開/折りたたみ用の矢印が表示されます。ボタンをクリックするたびに、その矢印が表示されたり消えたりするのを確認できます。子を持たない 親アイテム C (子なし) には、rootIsDecorated の設定に関わらず矢印が表示されないことに注目してください。

前の例では、最初のカラムにデコレーションが表示されます。もし最初のカラムを非表示にしたいが、デコレーションは表示したい（例えば、2番目のカラムに表示したい）場合、setTreePosition を使用します。

#include <QApplication>
#include <QMainWindow>
#include <QTreeView>
#include <QStandardItemModel>
#include <QStandardItem>
#include <QVBoxLayout>
#include <QWidget>
#include <QDebug> // for qDebug()

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication a(argc, argv);

    QMainWindow window;
    QWidget *centralWidget = new QWidget(&window);
    window.setCentralWidget(centralWidget);

    QVBoxLayout *layout = new QVBoxLayout(centralWidget);

    // QStandardItemModel の作成とデータの追加
    QStandardItemModel *model = new QStandardItemModel(0, 3); // 3つのカラムを持つモデル
    model->setHorizontalHeaderLabels({"ID", "アイテム名", "情報"});

    // ルートアイテム1
    QList<QStandardItem*> rootRow1;
    rootRow1 << new QStandardItem("ID001") << new QStandardItem("親アイテム X") << new QStandardItem("追加情報 A");
    model->appendRow(rootRow1);
    QStandardItem *childItemX1 = new QStandardItem("子アイテム X.1");
    childItemX1->setChild(0, new QStandardItem("ID001-C1"));
    childItemX1->setChild(1, new QStandardItem("子アイテム X.1"));
    childItemX1->setChild(2, new QStandardItem("詳細情報 X.1"));
    rootRow1[1]->appendRow(childItemX1); // 2番目のカラムの子として追加

    // ルートアイテム2
    QList<QStandardItem*> rootRow2;
    rootRow2 << new QStandardItem("ID002") << new QStandardItem("親アイテム Y") << new QStandardItem("追加情報 B");
    model->appendRow(rootRow2);
    QStandardItem *childItemY1 = new QStandardItem("子アイテム Y.1");
    childItemY1->setChild(0, new QStandardItem("ID002-C1"));
    childItemY1->setChild(1, new QStandardItem("子アイテム Y.1"));
    childItemY1->setChild(2, new QStandardItem("詳細情報 Y.1"));
    rootRow2[1]->appendRow(childItemY1); // 2番目のカラムの子として追加

    // QTreeView の作成とモデルの設定
    QTreeView *treeView = new QTreeView();
    treeView->setModel(model);

    // 最初のカラムを非表示にする
    treeView->hideColumn(0);

    // ルートアイテムのデコレーションを表示
    treeView->setRootIsDecorated(true);

    // ツリー構造（デコレーションとインデント）を論理的な2番目のカラム（インデックス1）に表示
    // これが重要です！
    treeView->setTreePosition(1);

    // すべてのアイテムを展開して視覚的に確認しやすくする
    treeView->expandAll();

    layout->addWidget(treeView);

    window.setWindowTitle("QTreeView::setTreePosition の例");
    window.resize(600, 400);
    window.show();

    return a.exec();
}

解説

treeView->expandAll(); は、ツリーのすべてのノードを展開し、階層構造とデコレーションが正しく表示されていることを確認しやすくします。
treeView->setTreePosition(1); がこの例の肝です。 これにより、ツリービューのデコレーション（展開/折りたたみ用の矢印と階層を示す線）が、論理的な2番目のカラム（"アイテム名"）に描画されるようになります。もしこの行がない場合、最初のカラムが非表示のため、デコレーションも表示されません。
treeView->setRootIsDecorated(true); でルートデコレーションを有効にしています。
treeView->hideColumn(0); を使用して、最初のカラム（"ID"）を非表示にしています。
この例では、モデルに3つのカラム（"ID", "アイテム名", "情報"）があります。

このコードを実行すると、"ID"カラムは表示されず、"アイテム名"カラムの左側にツリーの階層を示すデコレーション（矢印と線）が表示されることが確認できます。

- 説明
  setUniformRowHeights(true) に設定すると、ツリービューのすべての行が同じ高さになります。これはデコレーションの表示自体には直接関係ありませんが、ツリービュー全体の見た目、特にアイテム間のスペースが均一になり、デコレーションがより整然と見えることに貢献します。
- rootIsDecorated との関連
  rootIsDecorated が true の場合、デコレーションの存在が視覚的な行の高さをわずかに変える可能性がありますが、setUniformRowHeights を使用することで、その影響を均一化できます。
QTreeView::setIndentation(int) を使用する（直接的な代替ではないが、視覚的関連）
- 説明
  setIndentation() は、子アイテムが親アイテムに対してどれだけインデントされるか（右にずれるか）をピクセル単位で設定します。
- rootIsDecorated との関連
  rootIsDecorated が false の場合でも、子アイテムのインデントは依然として有効です。つまり、デコレーションがなくても階層構造を視覚的に表現できます。しかし、デコレーションがないと、ユーザーは「このアイテムは展開できるのか？」という情報が得られないため、インデントだけでは不十分な場合があります。
QTreeView::setItemsExpandable(bool) を使用する（展開動作の制御）
- 説明
  setItemsExpandable(false) に設定すると、ツリービュー内のすべてのアイテム（ルート、非ルートに関わらず）がユーザーによって展開/折りたたみできなくなります。プログラム的には expandAll() や collapseAll() などで展開/折りたたみは可能です。
- rootIsDecorated との関連
  setItemsExpandable(false) の場合、rootIsDecorated(true) であってもデコレーションは表示されますが、クリックしても展開/折りたたみの動作はしません。これは、ユーザーに「このアイテムは展開可能に見えるが、実際にはできない」という誤解を与える可能性があるため、通常は setItemsExpandable(false) にするなら rootIsDecorated(false) も一緒に設定することを検討すべきです。
QTreeView::drawBranches(QPainter *painter, const QRect &rect, const QModelIndex &index) const をオーバーライドする
- 説明
  これは QTreeView をサブクラス化し、保護された仮想関数である drawBranches をオーバーライドする、より高度なカスタマイズ方法です。このメソッドは、ツリーの分岐線とデコレーション（矢印など）を描画する責任を負います。これをオーバーライドすることで、デコレーションの見た目を完全に制御したり、完全に描画しないようにしたりできます。
- rootIsDecorated との関連
  rootIsDecorated の設定を無視して、独自のロジックでデコレーションを描画するかどうかを決定できます。例えば、特定の条件でのみルートデコレーションを表示する、あるいは独自のアイコンを使用するといったことが可能です。
- 使用例（概念）
```
class MyTreeView : public QTreeView
{
    Q_OBJECT
public:
    explicit MyTreeView(QWidget *parent = nullptr) : QTreeView(parent) {}

protected:
    void drawBranches(QPainter *painter, const QRect &rect, const QModelIndex &index) const override
    {
        // ここでカスタムの描画ロジックを実装
        // 例えば、ルートインデックスの場合にのみデコレーションを描画しない、など
        if (index.parent().isValid() || rootIsDecorated()) { // ルートの子であるか、またはrootIsDecoratedがtrueの場合
            QTreeView::drawBranches(painter, rect, index); // デフォルトの描画を行う
        }
        // 特定の条件で描画しない場合
        // if (index.parent().isValid()) { // ルートの子のみデコレーションを表示
        //     QTreeView::drawBranches(painter, rect, index);
        // }
    }
};
```
- 注意
  この方法は複雑であり、QTreeView の描画パイプラインを深く理解している必要があります。誤った実装は描画の不具合やパフォーマンスの問題につながる可能性があります。
スタイルシート (QTreeView::branch セレクタ)
- 説明
  Qt のスタイルシートを使用して、QTreeView::branch サブコントロールの見た目を変更できます。これにより、デコレーションに使用される画像を変更したり、完全に非表示にしたりすることが可能です。
- rootIsDecorated との関連
  rootIsDecorated(true) の設定を無視して、スタイルシートでデコレーションを非表示にすることができます。例えば、以下のように設定すると、すべての分岐デコレーションが非表示になります。
```
QTreeView::branch {
    image: none; /* デコレーション画像を非表示にする */
}
```
  あるいは、特定の状態（例：開いている、閉じている）に応じて異なる画像を設定することも可能です。
```
QTreeView::branch:closed:has-children {
    image: url(path/to/closed_arrow.png);
}
QTreeView::branch:open:has-children {
    image: url(path/to/open_arrow.png);
}
QTreeView::branch:!has-children {
    image: none; /* 子を持たない場合はデコレーションを表示しない */
}
```
- 注意
  スタイルシートは強力ですが、予期せぬ副作用を生じさせる可能性もあります。特定のウィジェットの特定の状態にのみ適用されるように、セレクタを正確に指定する必要があります。

QTreeView::rootIsDecorated はルートアイテムの展開/折りたたみアイコンの表示を制御する最も直接的で簡単な方法です。

代替となる方法は、以下の目的で使用されます。

drawBranches のオーバーライドやスタイルシート
デコレーションの見た目や描画ロジックをより細かく、または完全にカスタムしたい場合に用いる高度な方法。
setItemsExpandable
展開/折りたたみアイコンの表示ではなく、ユーザーによる展開/折りたたみ操作自体を無効にする。
setIndentation や setUniformRowHeights
デコレーションの表示を直接制御するものではなく、ツリー全体の見た目を整える補助的な役割。

Qt QTreeView::collapseAll()徹底解説：ツリー表示を効率的に折りたたむ方法

QTreeView は、Qtのウィジェットの一つで、階層的なデータをツリー形式で表示するために使われます。例えば、ファイルエクスプローラーのように、フォルダの中にさらにフォルダやファイルがあるような構造を表示するのに最適です。QTreeView::collapseAll() は、この QTreeView クラスのパブリックスロット (public slot) と呼ばれる関数です。この関数を呼び出すと、現在展開されている（開いている）ツリーのすべてのアイテムが閉じられ、階層が隠された状態になります。

Qt QTreeViewの「折りたたみ」を極める：collapsed()シグナルのすべて

Qt プログラミングにおける void QTreeView::collapsed() は、QTreeView ウィジェットが提供するシグナルの一つです。まず、QTreeView について簡単に説明します。QTreeView は、Qt のモデル/ビューアーキテクチャの一部であり、階層的なデータをツリー構造として表示するためのウィジェットです。例えば、ファイルエクスプローラーのようなツリー表示を実装する際に使用されます。ツリーの各項目（ノード）は、子項目を持つことができ、それらを「展開（expanded）」したり「折りたたむ（collapsed）」ことができます。

Qt 開発：QTreeView で columnAt() を活用したインタラクティブなUI実装

QTreeView::columnAt(int x) は、Qt の QTreeView クラスに属する関数の一つです。この関数は、指定された水平方向の座標（ピクセル単位）にある論理的な列のインデックスを返します。もう少し詳しく説明します。戻り値: 指定された x 座標が、いずれかの列の範囲内にある場合、その列の論理的なインデックス（0から始まる整数）が返されます。指定された x 座標が、どの列の範囲にも含まれない場合（例えば、ウィジェットの左端より左や、すべての列の右端より右）、通常は -1 が返されます。

QTreeView::rootIsDecoratedとは？Qtツリービューの表示制御を理解する

rootIsDecorated の意味

使用例

ルートアイテムに子がない場合

最初のカラムを非表示にしている場合

スタイルシートによる影響

モデルの index()、parent()、hasChildren() の実装に問題がある場合

例1: 基本的なQTreeViewと rootIsDecorated の切り替え

`rootIsDecorated` の意味

例1: 基本的なQTreeViewと `rootIsDecorated` の切り替え