QTreeViewの列位置取得はcolumnViewportPosition()だけじゃない！代替メソッドを徹底比較
QTreeView::columnViewportPosition(int column) const とは
QTreeView::columnViewportPosition() は、Qt の QTreeView クラスのメンバ関数です。この関数は、指定された列（column 引数で渡される）のビューポート内での水平位置をピクセル単位で返します。
引数:
int column: 取得したい水平位置の列のインデックス（0から始まる）。
戻り値:
int: 指定された列のビューポート内での水平位置（ピクセル単位）。
この関数は、主に以下の目的で使用されます。
QTreeView::columnViewportPosition() は比較的シンプルな関数ですが、その性質上、特定の状況下で予期しない結果を返すことがあります。ここでは、その一般的な問題点と解決策を説明します。
エラー: 常に 0 や予期しない小さな値が返される
原因
QTreeView がまだ完全に初期化されておらず、ビューポートのサイズが確定していない、または表示されていない状態で columnViewportPosition() を呼び出している可能性があります。特に、ウィジェットが作成された直後や、レイアウトがまだ計算されていない段階で呼び出すとこの問題が発生しやすいです。
トラブルシューティング
- showEvent の利用
QTreeViewを継承している場合は、showEvent(QShowEvent *event)をオーバーライドし、その中でcolumnViewportPosition()を呼び出すことで、ウィジェットが表示された直後に位置を取得できます。 - 遅延実行
ウィジェットのコンストラクタなどで呼び出す必要がある場合は、QTimer::singleShot(0, this, &YourClass::yourSlotToGetPosition)のように、イベントループがアイドル状態になった後に実行されるスロットをスケジュールします。これは、Qtがウィジェットのレイアウト計算を完了するのを待つための一般的なテクニックです。 - ウィジェットが表示されてから呼び出す
QTreeView::show()が呼び出され、イベントループが実行された後（つまり、ウィジェットが画面に描画された後）にcolumnViewportPosition()を呼び出すようにします。
エラー: 列の並び替えや非表示の影響を受けていない
原因
columnViewportPosition(int column) は、引数 column に渡された「論理的な」列インデックスに基づいて位置を返します。これは QHeaderView でユーザーが列を並び替えた場合の「視覚的な」インデックスとは異なる可能性があります。例えば、ユーザーが0番目の列を3番目の位置にドラッグした場合でも、columnViewportPosition(0) は元の0番目の列（今は3番目の位置にある）の論理的な位置を返します。
トラブルシューティング
- QHeaderView::sectionViewportPosition(int logicalIndex) との混同
QHeaderViewにも似たようなsectionViewportPosition()関数がありますが、これはヘッダービュー内でのセクションの位置を返します。QTreeView::columnViewportPosition()はツリービューのデータ部分での列の位置を返します。どちらが必要かを確認してください。 - QHeaderView::visualIndex() を利用する
ユーザーが並び替えた後の視覚的な位置に基づいて列の情報を取得したい場合は、まずQHeaderView::visualIndex(int logicalIndex)を使用して論理インデックスに対応する視覚的なインデックスを取得し、それからその視覚的なインデックスに基づいて列の幅などを計算する必要があるかもしれません。ただし、columnViewportPosition()自体は、視覚的なインデックスではなく論理的な列インデックスで動作します。
エラー: スクロール時に値が期待通りに更新されない
原因
columnViewportPosition() は、呼び出された時点でのビューポートの状態に基づいて位置を返します。ユーザーがスクロールした場合、その時点での新しい位置が返されるべきですが、もし古い値がキャッシュされているか、スクロールイベントを適切に処理していない場合は、値が古くなる可能性があります。
トラブルシューティング
- 必要な時に再取得
値が必要になるたびにcolumnViewportPosition()を呼び出すようにします。頻繁に呼び出す必要がある場合は、QTimerを使用して定期的にポーリングするか、関連するシグナル（例:QScrollBar::valueChanged()）に接続して、スクロールが発生したときにのみ値を更新するようにします。 - QAbstractScrollArea::scrollContentsBy() の理解
QTreeViewはQAbstractScrollAreaを継承しており、コンテンツがスクロールされるとscrollContentsBy()が呼び出されます。特定のスクロールイベントに応じて何かを行いたい場合は、この関数をオーバーライドするか、関連するシグナル（horizontalScrollBar()->valueChanged()など）を監視することを検討してください。
エラー: 列が非表示の場合の挙動
原因
QTreeView::setColumnHidden(int column, bool hide) で列が非表示に設定されている場合、その列はビューポートに表示されません。この場合、columnViewportPosition() が返す値は無意味になるか、0 を返す可能性があります。
トラブルシューティング
- 非表示の列を考慮する
columnViewportPosition()を呼び出す前に、isColumnHidden(int column)を使用して、その列が非表示でないことを確認します。非表示の列に対しては、位置情報を取得する必要がないか、別の方法で処理する必要があります。
エラー: 列の幅変更後の値の不一致
原因
setColumnWidth() やユーザーによる列幅の変更後、すぐに columnViewportPosition() を呼び出しても、Qtのレイアウトシステムがまだ新しい幅を完全に反映していない可能性があります。
- レイアウトの更新を待つ
列幅が変更された後、Qtのイベントループが更新されるのを待つ必要があります。上記「常に0や予期しない小さな値が返される」の解決策と同様に、QTimer::singleShot(0, ...)を利用して、レイアウトが確定するまで処理を遅延させることが有効です。
ここでは、QTreeView::columnViewportPosition() を実際に使用するいくつかのシナリオとコード例を提示します。
例1: 各列のビューポート内の位置をコンソールに出力する
これは最も基本的な使用例で、特定の時点で各列がビューポートのどこに位置しているかを確認します。
#include <QApplication>
#include <QTreeView>
#include <QStandardItemModel>
#include <QDebug> // qDebug() のために必要
#include <QTimer> // 遅延実行のために必要
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication app(argc, argv);
QStandardItemModel model(5, 3); // 5行3列のモデル
model.setHeaderData(0, Qt::Horizontal, "Name");
model.setHeaderData(1, Qt::Horizontal, "Age");
model.setHeaderData(2, Qt::Horizontal, "City");
for (int row = 0; row < 5; ++row) {
model.setItem(row, 0, new QStandardItem(QString("Item %1").arg(row)));
model.setItem(row, 1, new QStandardItem(QString("%1").arg(20 + row)));
model.setItem(row, 2, new QStandardItem(QString("City %1").arg(row % 3)));
}
QTreeView treeView;
treeView.setModel(&model);
treeView.setWindowTitle("Column Viewport Position Example 1");
// 各列の幅を設定して、位置の変化を見やすくする
treeView.setColumnWidth(0, 150);
treeView.setColumnWidth(1, 80);
treeView.setColumnWidth(2, 120);
treeView.show();
// ウィジェットが表示され、レイアウトが確定するのを待つために、
// QTimer::singleShot を使用して少し遅れて位置を取得します。
// 実際のアプリケーションでは、ウィジェットの showEvent などで呼び出すのがより適切です。
QTimer::singleShot(100, [&]() {
qDebug() << "--- Column Viewport Positions ---";
for (int i = 0; i < model.columnCount(); ++i) {
int pos = treeView.columnViewportPosition(i);
qDebug() << QString("Column %1 (Logical Index): %2 px").arg(i).arg(pos);
}
// ツリービューを少しスクロールさせてみる
treeView.horizontalScrollBar()->setValue(treeView.horizontalScrollBar()->maximum() / 2);
qDebug() << "\n--- After Horizontal Scroll ---";
QTimer::singleShot(100, [&]() {
for (int i = 0; i < model.columnCount(); ++i) {
int pos = treeView.columnViewportPosition(i);
qDebug() << QString("Column %1 (Logical Index): %2 px").arg(i).arg(pos);
}
});
});
return app.exec();
}
解説
この例では、QTimer::singleShot を使って、QTreeView が完全に表示されてから columnViewportPosition() を呼び出しています。これは、ウィジェットの描画とレイアウト計算が完了するのを待つための一般的なテクニックです。スクロール前後での各列のビューポート内位置の変化も確認できます。
例2: 特定の列がビューポートに表示されているかをチェックする
columnViewportPosition() と QTreeView の幅を利用して、特定の列が現在表示領域（ビューポート）内にあるかを確認できます。
#include <QApplication>
#include <QTreeView>
#include <QStandardItemModel>
#include <QDebug>
#include <QTimer>
#include <QScrollBar>
class MyTreeView : public QTreeView
{
Q_OBJECT // シグナル/スロットのために必要
public:
MyTreeView(QWidget *parent = nullptr) : QTreeView(parent) {
// 水平スクロールバーの値が変更されたときにチェックする
connect(horizontalScrollBar(), &QScrollBar::valueChanged, this, &MyTreeView::checkColumnVisibility);
}
// 指定された列がビューポート内に表示されているかチェックする
bool isColumnVisibleInViewport(int column) const {
if (column < 0 || column >= model()->columnCount()) {
return false; // 無効な列インデックス
}
if (isColumnHidden(column)) {
return false; // 列が非表示の場合は表示されていない
}
int columnX = columnViewportPosition(column);
int columnWidth = this->columnWidth(column);
int viewportWidth = viewport()->width();
// 列が完全にビューポート内に含まれるか、部分的に含まれるか
// 列の右端がビューポートの左端より右にあり、
// 列の左端がビューポートの右端より左にある
return (columnX + columnWidth > 0) && (columnX < viewportWidth);
}
private slots:
void checkColumnVisibility() {
qDebug() << "\n--- Checking Column Visibility ---";
for (int i = 0; i < model()->columnCount(); ++i) {
if (isColumnVisibleInViewport(i)) {
qDebug() << QString("Column %1 is VISIBLE (X: %2)").arg(i).arg(columnViewportPosition(i));
} else {
qDebug() << QString("Column %1 is NOT VISIBLE (X: %2)").arg(i).arg(columnViewportPosition(i));
}
}
}
};
#include "main.moc" // moc ファイルをインクルード
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication app(argc, argv);
QStandardItemModel model(5, 5); // 5行5列のモデル
for (int i = 0; i < 5; ++i) {
model.setHeaderData(i, Qt::Horizontal, QString("Col %1").arg(i));
}
MyTreeView treeView;
treeView.setModel(&model);
treeView.setWindowTitle("Column Visibility Example 2");
// 各列の幅を大きくしてスクロール可能にする
for (int i = 0; i < 5; ++i) {
treeView.setColumnWidth(i, 200);
}
treeView.show();
// 初期状態での可視性をチェック
QTimer::singleShot(100, [&]() {
treeView.checkColumnVisibility();
});
return app.exec();
}
解説
MyTreeView クラスを定義し、isColumnVisibleInViewport() ヘルパー関数を追加しています。この関数は、columnViewportPosition() を使用して列の左端の位置を取得し、列の幅とビューポートの幅を比較して、その列が現在ビューポート内に表示されているかを判断します。水平スクロールバーが動くたびに checkColumnVisibility() スロットが呼び出され、各列の可視性がコンソールに出力されます。
例3: 特定の列にカスタムウィジェットを配置する（高度な例の概念）
columnViewportPosition() は、QTreeView の特定の列のヘッダーやセルにカスタムウィジェットを配置する際に、その位置を計算するために使用できます。ただし、これはQStyledItemDelegate を使うか、QHeaderView のサブクラス化など、より複雑なアプローチが必要になることが多いです。ここでは、その概念的な使い方を示します。
この例は、実際のコードとして動作させるにはさらに多くの実装が必要ですが、columnViewportPosition() がどのように座標計算に役立つかを示します。
// これは概念的なコードであり、そのまま動作するものではありません。
// QStyledItemDelegate や QHeaderView のカスタマイズを伴う、より複雑な実装が必要です。
#include <QApplication>
#include <QTreeView>
#include <QStandardItemModel>
#include <QPushButton> // カスタムウィジェットの例として
#include <QLayout> // ウィジェット配置のために必要になる可能性
class CustomHeaderTreeView : public QTreeView
{
Q_OBJECT
public:
CustomHeaderTreeView(QWidget *parent = nullptr) : QTreeView(parent) {
// ヘッダービューがレイアウト変更されるたびにカスタムウィジェットの位置を更新
connect(header(), &QHeaderView::geometryChanged, this, &CustomHeaderTreeView::updateCustomWidgetsPosition);
// 水平スクロールバーが動いたときに更新
connect(horizontalScrollBar(), &QScrollBar::valueChanged, this, &CustomHeaderTreeView::updateCustomWidgetsPosition);
}
// 仮のカスタムウィジェット（例としてボタン）
QPushButton *buttonForColumn1 = nullptr;
protected:
void showEvent(QShowEvent *event) override {
QTreeView::showEvent(event);
// ツリービューが表示されたらカスタムウィジェットを初期化・配置
if (!buttonForColumn1) {
buttonForColumn1 = new QPushButton("Action", this);
buttonForColumn1->setFixedSize(60, 20); // ボタンのサイズ
updateCustomWidgetsPosition(); // 初期位置設定
buttonForColumn1->show();
}
}
void updateCustomWidgetsPosition() {
if (!buttonForColumn1 || !model()) return;
int targetColumnLogicalIndex = 1; // 1番目の列にボタンを配置したい
// 列が非表示でないことを確認
if (isColumnHidden(targetColumnLogicalIndex)) {
buttonForColumn1->hide();
return;
}
// QTreeView のビューポート内での列のX座標を取得
int columnX = columnViewportPosition(targetColumnLogicalIndex);
int columnWidth = this->columnWidth(targetColumnLogicalIndex);
int headerHeight = header()->height(); // ヘッダーの高さ
// ここではヘッダー部分にボタンを配置することを想定
// ボタンの中心を列の中心に合わせる、などの調整が可能
int buttonX = columnX + (columnWidth / 2) - (buttonForColumn1->width() / 2);
int buttonY = 0; // ヘッダーの一番上
// ボタンがビューポート内に見える範囲にあるかチェック
// (columnViewportPosition()は既にビューポート内での相対位置なので、
// 主にビューポートの右端からはみ出さないか、などをチェック)
if (buttonX + buttonForColumn1->width() > 0 && buttonX < viewport()->width()) {
buttonForColumn1->move(buttonX, buttonY);
buttonForColumn1->show();
} else {
buttonForColumn1->hide(); // ビューポート外に出たら非表示
}
}
};
#include "main.moc" // moc ファイルをインクルード
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication app(argc, argv);
QStandardItemModel model(5, 3);
model.setHeaderData(0, Qt::Horizontal, "Col 0");
model.setHeaderData(1, Qt::Horizontal, "Col 1 (Button)");
model.setHeaderData(2, Qt::Horizontal, "Col 2");
CustomHeaderTreeView treeView;
treeView.setModel(&model);
treeView.setWindowTitle("Custom Widget in Header (Concept)");
treeView.setColumnWidth(0, 100);
treeView.setColumnWidth(1, 150); // ボタンを配置する列の幅
treeView.setColumnWidth(2, 200);
treeView.show();
return app.exec();
}
解説
この例では、CustomHeaderTreeView という QTreeView のサブクラスを作成し、特定の列のヘッダーに QPushButton を配置することを試みています。
updateCustomWidgetsPosition() スロットでは、columnViewportPosition() を使ってターゲット列のビューポート内X座標を取得し、その情報に基づいてボタンの位置を move() しています。ヘッダーのジオメトリ変更やスクロールイベントに接続することで、ボタンが常に正しい位置に追従するようにしています。
重要
セル内にカスタムウィジェットを配置したい場合は、通常 QStyledItemDelegate を継承し、createEditor() や paint() メソッド内でウィジェットの作成・管理と描画を行う必要があります。上記はヘッダーに対するシンプルな概念例です。
QTreeView::columnViewportPosition() は「特定の論理列がビューポートのどこに位置するか」をピクセル単位で返しますが、状況によっては以下の異なる情報を必要とすることがあります。
-
ヘッダービュー内での位置
QHeaderView::sectionViewportPosition(int logicalIndex) constQHeaderView::sectionPosition(int logicalIndex) const
QTreeViewは通常QHeaderViewを使って列ヘッダーを表示します。QTreeView::columnViewportPosition()が「ツリービューのデータ部分」における列の水平位置を返すのに対し、QHeaderView::sectionViewportPosition()は「ヘッダービュー内」でのヘッダーセクション（列のヘッダー）の水平位置を返します。多くの場合、これらの値は同じになりますが、ヘッダービューとツリービューの間に特別なマージンや配置の違いがある場合は異なる可能性があります。QHeaderView::sectionPosition()は、ヘッダービューの先頭（左端）から、指定された論理インデックスのセクションの先頭までの合計ピクセル数を返します。これはスクロール位置を考慮しない累積的な位置です。使用例
ヘッダーのカスタム描画や、ヘッダー内のウィジェット配置に使う。// treeView が QTreeView のインスタンスとする QHeaderView *header = treeView.header(); if (header) { int logicalColumn = 0; // 論理的な列インデックス int headerSectionX = header->sectionViewportPosition(logicalColumn); qDebug() << "Header section 0 viewport position:" << headerSectionX; } -
列の幅やX座標に基づいて列インデックスを取得する
QTreeView::columnAt(int x) const
この関数は
columnViewportPosition()の逆のような役割を果たします。指定されたビューポートのX座標（ピクセル単位）が属する列の論理インデックスを返します。マウスイベントなどでクリックされた位置がどの列に当たるかを判断する際に非常に役立ちます。使用例
マウスクリック位置から列を特定する。void MyTreeView::mousePressEvent(QMouseEvent *event) { int clickedX = event->pos().x(); int clickedColumn = columnAt(clickedX); if (clickedColumn != -1) { qDebug() << "Clicked on column (logical index):" << clickedColumn; } QTreeView::mousePressEvent(event); // 基底クラスのイベントハンドラも呼び出す } -
特定のアイテムの視覚的な矩形領域を取得する
QAbstractItemView::visualRect(const QModelIndex &index) const
これは、特定のモデルインデックス（特定の行と列のアイテム）がビューポート内のどこに表示されているか、その全体的な矩形領域（
QRect）を返します。列全体のX位置ではなく、特定のセルやアイテムの正確な位置とサイズが必要な場合に最適です。使用例
特定のセルの上にカスタムエディタやツールチップを表示する。// modelIndex が有効な QModelIndex であるとする // visualRect は QAbstractItemView のメソッド QRect itemRect = treeView.visualRect(modelIndex); // itemRect.x() はビューポート内でのアイテムのX座標（左上） // itemRect.y() はビューポート内でのアイテムのY座標（左上） // itemRect.width() はアイテムの幅 // itemRect.height() はアイテムの高さ qDebug() << "Item rect for index:" << modelIndex << "is" << itemRect; // 例: アイテムの上にツールチップを表示する // QToolTip::showText(treeView->mapToGlobal(itemRect.topLeft()), "Tooltip for item"); -
論理インデックスと視覚インデックスのマッピング
QHeaderView::logicalIndex(int visualIndex) constQHeaderView::visualIndex(int logicalIndex) constQHeaderView::logicalIndexAt(int position) constQHeaderView::visualIndexAt(int position) const
ユーザーが列をドラッグ＆ドロップして並び替えたり、プログラマティックに
QHeaderView::swapSections()などで列の表示順を変更した場合、モデルの「論理的な」列インデックスとビューに表示される「視覚的な」列インデックスが一致しなくなります。QTreeView::columnViewportPosition()は常に論理的な列インデックスを受け取るため、ユーザーの並び替えを考慮して位置を計算したい場合は、まずこれらのマッピング関数を使って視覚的なインデックスから論理的なインデックスに変換するか、その逆を行う必要があります。使用例
ユーザーが並び替えた後の2番目の表示列の位置を取得する。QHeaderView *header = treeView.header(); if (header) { int visualColumnIndex = 1; // ユーザーから見て2番目の列 int logicalColumnIndex = header->logicalIndex(visualColumnIndex); // 対応する論理インデックス if (logicalColumnIndex != -1) { int position = treeView.columnViewportPosition(logicalColumnIndex); qDebug() << QString("Visual column %1 (Logical %2) position: %3 px").arg(visualColumnIndex).arg(logicalColumnIndex).arg(position); } } -
スクロール位置の取得
QAbstractScrollArea::horizontalScrollBar()->value()
QTreeView::columnViewportPosition()はスクロール位置を考慮したビューポート内の相対位置を返しますが、ビューポートの左端がどれだけスクロールしているかという生の水平スクロール量が必要な場合は、水平スクロールバーの値を取得します。使用例
スクロール量を監視する。// treeView の水平スクロールバーに接続 connect(treeView.horizontalScrollBar(), &QScrollBar::valueChanged, [&](int value) { qDebug() << "Horizontal scroll value:" << value; });