QTreeView::itemsExpandableでつまずかない!Qt開発者が知るべきエラーと解決策
QTreeView::itemsExpandable とは
QTreeView::itemsExpandable
は、QTreeView
に表示される項目(アイテム)が、親アイテムの下に子アイテムを持つ場合に、展開(expand)可能であるかどうかを制御するプロパティです。
-
false
の場合:- 展開/折りたたみを示すインジケーターは表示されません。
- ユーザーは、アイテムを個別に展開したり折りたたんだりすることができません。
- 全てのアイテムは、常にその子アイテムが表示された状態、または全く子アイテムがない状態として扱われます。
- この設定は、例えば、
QTreeView
を単に階層的なリストとして表示したい場合など、展開/折りたたみ機能を無効にしたい場合に便利です。
-
true
の場合(デフォルト):- 親アイテムの横に展開/折りたたみ(expand/collapse)を示すインジケーター(通常は小さな矢印やプラス/マイナス記号)が表示されます。
- ユーザーはそのインジケーターをクリックしたり、キーボード操作(通常は右矢印キーやEnterキー)によって、子アイテムを表示/非表示にすることができます。
- つまり、ツリー構造を視覚的に操作して、必要な部分だけを展開して見ることができます。
設定方法
C++ コードでは、以下のように設定します。
QTreeView* treeView = new QTreeView(this);
treeView->setItemsExpandable(false); // 展開不可に設定
// または
treeView->setItemsExpandable(true); // 展開可能に設定(デフォルト)
用途
このプロパティは、QTreeView
のユーザーインターフェースがどのように振る舞うべきかを細かく制御するのに役立ちます。例えば、
- ツリー構造は表示するものの、ユーザーが個別に展開/折りたたむ必要がない、あるいは許可したくない場合は
false
に設定します。例えば、全ての階層を常に表示したい場合などです。 - ユーザーにツリーの展開/折りたたみを許可したい場合は、デフォルトの
true
のままにします。
以下に、QTreeView::itemsExpandable
に関連する一般的な問題とトラブルシューティングについて説明します。
QTreeView::itemsExpandable に関連する一般的な問題とトラブルシューティング
展開/折りたたみインジケーターが表示されない、または機能しない
- 考えられる原因とトラブルシューティング:
itemsExpandable
がfalse
に設定されている: これが最も一般的な原因です。treeView->setItemsExpandable(true);
を呼び出していることを確認してください。- アイテムに子がないと認識されている:
QAbstractItemModel
のサブクラスで、hasChildren()
メソッドが正しく実装されていない可能性があります。子を持つべきアイテムに対してtrue
を返すようにしてください。rowCount()
メソッドが、親インデックスに対して正しい子アイテムの数を返していない可能性があります。
- モデルが変更を通知していない: モデルのデータが変更され、子アイテムが追加されたにもかかわらず、
beginInsertRows()
/endInsertRows()
などの適切なシグナルを発行していない場合、ビューは更新されず、インジケーターも表示されません。 - スタイルシートの影響: 稀ですが、カスタムのスタイルシート(QSS)がインジケーターの表示を上書きしている可能性があります。関連するスタイルシートの定義を確認してください。
- 問題の症状:
QTreeView
に子を持つアイテムがあるにもかかわらず、展開/折りたたみを示す矢印やプラス/マイナス記号が表示されない、またはクリックしても何も起こらない。
itemsExpandable を false にしても展開/折りたたみ機能が残ってしまう
- 考えられる原因とトラブルシューティング:
- 設定が上書きされている: プログラムの別の場所で、再度
setItemsExpandable(true)
が呼び出されていないか確認してください。 - 別のビューが影響している: 同じモデルを複数の
QTreeView
で共有している場合、他のビューの設定が影響している可能性があります。各ビューは独立したitemsExpandable
の設定を持ちます。 - 非常に稀なケース: ごく稀に、特定のカスタムデリゲートやスタイルシートの組み合わせが、ビューの通常の動作を上書きしている可能性も考えられますが、これは非常に限定的なケースです。
- 設定が上書きされている: プログラムの別の場所で、再度
- 問題の症状:
setItemsExpandable(false)
を呼び出したにもかかわらず、アイテムが展開したり折りたたんだりできる。
itemsExpandable が true なのに、一部のアイテムだけ展開できない
- 考えられる原因とトラブルシューティング:
- そのアイテムに子がない: 当たり前ですが、そもそもそのアイテムに子アイテムが登録されていない(モデルの
hasChildren()
やrowCount()
がfalse
/0
を返している)可能性があります。データ構造とモデルの実装を確認してください。 QAbstractItemModel::flags()
メソッドの誤り: アイテムのフラグにQt::ItemIsExpandable
が含まれていない可能性があります。デフォルトでは、子を持つアイテムは展開可能ですが、明示的にこのフラグを削除している場合は展開できなくなります。通常は削除しません。- モデルのデータ不整合: モデルのデータと
hasChildren()
/rowCount()
の結果が一致していない場合、ビューは正しくアイテムを認識できません。
- そのアイテムに子がない: 当たり前ですが、そもそもそのアイテムに子アイテムが登録されていない(モデルの
- 問題の症状: ほとんどのアイテムは展開できるのに、特定のアイテムだけ展開できない。
展開/折りたたみのパフォーマンス問題
- 考えられる原因とトラブルシューティング:
- モデルが一度に大量のデータをロードしている:
hasChildren()
やrowCount()
メソッドが、子アイテムの存在を確認するために重いデータベースクエリやファイルI/Oを行っている場合、パフォーマンスが低下します。 - 遅延ロード(Lazy Loading)の欠如: 多くのアイテムを持つツリーの場合、必要になるまで子アイテムのデータをロードしない「遅延ロード」の仕組みをモデルに実装することが重要です。
WorkspaceMore()
メソッドを適切にオーバーライドすることで実現できます。 - 複雑なカスタムデリゲート: アイテムの表示が非常に複雑なカスタムデリゲートを使用している場合、展開時に多数のアイテムが再描画されることでパフォーマンスが低下することがあります。デリゲートの描画効率を最適化してください。
- モデルが一度に大量のデータをロードしている:
- 問題の症状: アイテムの展開や折りたたみに時間がかかったり、UIがフリーズしたりする。
- モデルの最小限の再現: 問題が発生している部分だけを切り出し、非常に単純なモデルとビューで問題を再現できるか試してみてください。これにより、問題の範囲を特定しやすくなります。
- デバッグ出力の活用:
qDebug()
を使って、モデルのhasChildren()
やrowCount()
が正しい値を返しているか、flags()
が適切なフラグを返しているかなどを確認してください。
これらの例では、まず簡単なカスタムモデルを作成し、そのモデルを QTreeView
に設定する一般的なパターンに従います。
例1: itemsExpandable
の基本使用 (デフォルト動作と無効化)
この例では、QTreeView
を作成し、デフォルトの展開可能な動作と、itemsExpandable(false)
に設定して展開機能を無効にした場合の動作を示します。
まず、シンプルなツリー構造を持つカスタムモデルが必要です。ここでは、QStandardItemModel
を使用して簡単に作成します。
// main.cpp
#include <QApplication>
#include <QMainWindow>
#include <QTreeView>
#include <QStandardItemModel>
#include <QDebug>
#include <QVBoxLayout>
#include <QWidget>
#include <QPushButton>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication a(argc, argv);
QMainWindow window;
window.setWindowTitle("QTreeView::itemsExpandable Example");
// モデルの作成
QStandardItemModel* model = new QStandardItemModel(&window);
model->setHorizontalHeaderLabels({"アイテム名"});
// ルートアイテム
QStandardItem* parentItem1 = new QStandardItem("親アイテム 1");
model->appendRow(parentItem1);
// 子アイテムを親アイテム 1 に追加
parentItem1->appendRow(new QStandardItem("子アイテム 1.1"));
parentItem1->appendRow(new QStandardItem("子アイテム 1.2"));
QStandardItem* grandChildItem = new QStandardItem("孫アイテム 1.2.1");
static_cast<QStandardItem*>(parentItem1->child(1))->appendRow(grandChildItem); // 1.2 の子に 1.2.1 を追加
QStandardItem* parentItem2 = new QStandardItem("親アイテム 2");
model->appendRow(parentItem2);
parentItem2->appendRow(new QStandardItem("子アイテム 2.1"));
// QTreeView の作成 (デフォルトは展開可能)
QTreeView* treeViewDefault = new QTreeView(&window);
treeViewDefault->setModel(model);
treeViewDefault->setHeaderHidden(true); // ヘッダーを非表示にする
treeViewDefault->setWindowTitle("デフォルト (展開可能)");
treeViewDefault->expandAll(); // 全て展開して開始
// QTreeView の作成 (展開不可に設定)
QTreeView* treeViewNonExpandable = new QTreeView(&window);
treeViewNonExpandable->setModel(model); // 同じモデルを共有
treeViewNonExpandable->setHeaderHidden(true);
treeViewNonExpandable->setItemsExpandable(false); // ★ここが重要: 展開を無効にする
treeViewNonExpandable->setWindowTitle("展開不可");
// レイアウトの設定
QWidget* centralWidget = new QWidget(&window);
QVBoxLayout* layout = new QVBoxLayout(centralWidget);
layout->addWidget(treeViewDefault);
layout->addWidget(treeViewNonExpandable);
window.setCentralWidget(centralWidget);
window.resize(600, 400);
window.show();
return a.exec();
}
解説
treeViewNonExpandable
は、setItemsExpandable(false)
を呼び出しているため、インジケーターが表示されず、ユーザーがクリックしても展開/折りたたむことはできません。親アイテムの下に子アイテムがあっても、展開することはできません。treeViewDefault
は、setItemsExpandable()
を明示的に呼び出していないため、デフォルトのtrue
の動作となり、展開/折りたたみ用のインジケーターが表示され、ユーザーが操作できます。
例2: itemsExpandable
と expandAll()
/ collapseAll()
の連携
itemsExpandable(false)
に設定した場合でも、プログラム側から expandAll()
や collapseAll()
を呼び出すことで、ビューの展開状態を制御できます。ただし、ユーザーはUIからは展開/折りたたみができません。
// main.cpp (上記コードに機能追加)
#include <QApplication>
#include <QMainWindow>
#include <QTreeView>
#include <QStandardItemModel>
#include <QDebug>
#include <QVBoxLayout>
#include <QWidget>
#include <QPushButton>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication a(argc, argv);
QMainWindow window;
window.setWindowTitle("QTreeView::itemsExpandable and Programmatic Control");
// モデルの作成 (例1と同じ)
QStandardItemModel* model = new QStandardItemModel(&window);
model->setHorizontalHeaderLabels({"アイテム名"});
QStandardItem* parentItem1 = new QStandardItem("親アイテム 1");
model->appendRow(parentItem1);
parentItem1->appendRow(new QStandardItem("子アイテム 1.1"));
parentItem1->appendRow(new QStandardItem("子アイテム 1.2"));
static_cast<QStandardItem*>(parentItem1->child(1))->appendRow(new QStandardItem("孫アイテム 1.2.1"));
QStandardItem* parentItem2 = new QStandardItem("親アイテム 2");
model->appendRow(parentItem2);
parentItem2->appendRow(new QStandardItem("子アイテム 2.1"));
QTreeView* treeView = new QTreeView(&window);
treeView->setModel(model);
treeView->setHeaderHidden(true);
treeView->setItemsExpandable(false); // ユーザーからの展開を無効化
treeView->setWindowTitle("展開不可 (プログラムで制御)");
QPushButton* expandAllButton = new QPushButton("全て展開", &window);
QObject::connect(expandAllButton, &QPushButton::clicked, treeView, &QTreeView::expandAll);
QPushButton* collapseAllButton = new QPushButton("全て折りたたみ", &window);
QObject::connect(collapseAllButton, &QPushButton::clicked, treeView, &QTreeView::collapseAll);
// レイアウトの設定
QWidget* centralWidget = new QWidget(&window);
QVBoxLayout* layout = new QVBoxLayout(centralWidget);
layout->addWidget(treeView);
layout->addWidget(expandAllButton);
layout->addWidget(collapseAllButton);
window.setCentralWidget(centralWidget);
window.resize(600, 400);
window.show();
return a.exec();
}
解説
- しかし、
expandAllButton
とcollapseAllButton
をクリックすると、それぞれtreeView->expandAll()
とtreeView->collapseAll()
が呼び出され、ツリーの表示状態がプログラム的に変更されます。これは、ビューの表示状態をアプリケーション側で完全に制御したい場合に便利です。 treeView->setItemsExpandable(false);
により、ユーザーはツリーの矢印をクリックして展開/折りたたむことはできません。
QTreeView::itemsExpandable
はビュー全体の動作を制御しますが、個々のアイテムの展開状態は setExpanded()
メソッドで制御できます。これは QTreeView::itemsExpandable
が true
の場合でも、false
の場合でも有効です。
// main.cpp (上記コードに機能追加)
#include <QApplication>
#include <QMainWindow>
#include <QTreeView>
#include <QStandardItemModel>
#include <QDebug>
#include <QVBoxLayout>
#include <QWidget>
#include <QPushButton>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication a(argc, argv);
QMainWindow window;
window.setWindowTitle("QTreeView::setExpanded Example");
// モデルの作成 (例1と同じ)
QStandardItemModel* model = new QStandardItemModel(&window);
model->setHorizontalHeaderLabels({"アイテム名"});
QStandardItem* parentItem1 = new QStandardItem("親アイテム 1");
model->appendRow(parentItem1);
QStandardItem* childItem1_1 = new QStandardItem("子アイテム 1.1");
parentItem1->appendRow(childItem1_1);
QStandardItem* childItem1_2 = new QStandardItem("子アイテム 1.2");
parentItem1->appendRow(childItem1_2);
QStandardItem* grandChildItem1_2_1 = new QStandardItem("孫アイテム 1.2.1");
childItem1_2->appendRow(grandChildItem1_2_1); // 1.2 の子に 1.2.1 を追加
QStandardItem* parentItem2 = new QStandardItem("親アイテム 2");
model->appendRow(parentItem2);
QStandardItem* childItem2_1 = new QStandardItem("子アイテム 2.1");
parentItem2->appendRow(childItem2_1);
QTreeView* treeView = new QTreeView(&window);
treeView->setModel(model);
treeView->setHeaderHidden(true);
treeView->setItemsExpandable(true); // ユーザーからの展開を許可
// 特定のアイテムを展開するボタン
QPushButton* expandParent1Button = new QPushButton("親アイテム 1 を展開/折りたたみ", &window);
QObject::connect(expandParent1Button, &QPushButton::clicked, [&]() {
QModelIndex index = model->index(0, 0); // 親アイテム 1 のインデックス
treeView->setExpanded(index, !treeView->isExpanded(index)); // 現在の状態を反転
});
QPushButton* expandChild1_2Button = new QPushButton("子アイテム 1.2 を展開/折りたたみ", &window);
QObject::connect(expandChild1_2Button, &QPushButton::clicked, [&]() {
QModelIndex parentIndex = model->index(0, 0); // 親アイテム 1
QModelIndex index = model->index(1, 0, parentIndex); // 親アイテム 1 の2番目の子 (子アイテム 1.2)
treeView->setExpanded(index, !treeView->isExpanded(index)); // 現在の状態を反転
});
// レイアウトの設定
QWidget* centralWidget = new QWidget(&window);
QVBoxLayout* layout = new QVBoxLayout(centralWidget);
layout->addWidget(treeView);
layout->addWidget(expandParent1Button);
layout->addWidget(expandChild1_2Button);
window.setCentralWidget(centralWidget);
window.resize(600, 400);
window.show();
return a.exec();
}
QModelIndex
を使って目的のアイテムを特定し、そのインデックスに対してsetExpanded()
を呼び出します。- しかし、ボタンをクリックすることで、
treeView->setExpanded(index, true/false)
を使って特定のアイテム(parentItem1
やchildItem1_2
)の展開状態をプログラム的に切り替えることができます。 - この例では
setItemsExpandable(true)
なので、ユーザーはUIから展開/折りたたみ可能です。
QTreeView::itemsExpandable
は、QTreeView
全体の展開/折りたたみUI(視覚的なインジケーターとユーザー操作)を有効にするか無効にするかを制御するシンプルなプロパティです。これ自体に直接的な「代替方法」というよりは、itemsExpandable
が提供する機能と異なる目的を達成するための方法と考えるのが適切です。
QTreeView::itemsExpandable
の代替アプローチと関連機能
QTreeView::itemsExpandable
は、ツリービュー全体の展開機能のオン/オフを切り替えるものです。これを false
にすると、ユーザーは視覚的なインジケーターを使ってアイテムを展開したり折りたたんだりできなくなります。しかし、以下のような異なる要件がある場合があります。
特定のアイテムだけ展開/折りたたみ可能にしたい場合
- 代替アプローチ:
-
モデルの
flags()
メソッドをオーバーライドする:QAbstractItemModel
を継承したカスタムモデルで、flags()
メソッドをオーバーライドし、展開させたくないアイテムのQt::ItemIsExpandable
フラグを取り除くことで実現できます。Qt::ItemFlags MyModel::flags(const QModelIndex &index) const { Qt::ItemFlags defaultFlags = QAbstractItemModel::flags(index); if (!index.isValid()) { return defaultFlags; } // 例: 特定のアイテム ("親アイテム 2" など) は展開不可にする if (index.data(Qt::DisplayRole).toString() == "親アイテム 2") { return defaultFlags & ~Qt::ItemIsExpandable; // Qt::ItemIsExpandable フラグを削除 } return defaultFlags; }
注意点:
Qt::ItemIsExpandable
フラグを取り除いても、そのアイテムに子がいる限り、QTreeView
は視覚的なインジケーター(矢印など)を表示します。しかし、クリックしても展開はされません。もしインジケーターも表示したくない場合は、次の方法と組み合わせる必要があります。 -
モデルの
hasChildren()
メソッドをオーバーライドする: これもカスタムモデルで行います。展開させたくない親アイテムに対してhasChildren()
が常にfalse
を返すように実装することで、そのアイテムに子アイテムがあっても、ビューは展開可能なアイテムとして認識せず、インジケーターも表示しません。ただし、これはそのアイテムの子がビューに一切表示されなくなることを意味します。bool MyModel::hasChildren(const QModelIndex &parent) const { if (!parent.isValid()) { // ルートアイテム return !rootItems.isEmpty(); } // 例: 特定のアイテム ("親アイテム 2" など) の子を隠す if (parent.data(Qt::DisplayRole).toString() == "親アイテム 2") { return false; // 子があるとしても、QTreeViewには存在しないと伝える } // 通常のロジックで子があるかを判定 MyItem* parentItem = static_cast<MyItem*>(parent.internalPointer()); return parentItem && parentItem->childCount() > 0; }
この方法は、特定のアイテムのサブツリー全体を「単なる葉」として扱いたい場合に有効です。
-
itemsExpandable
との関連:itemsExpandable
をtrue
に保ちつつ、モデル側で制御します。- 目的: ビュー全体では展開機能を有効にしつつ、特定の親アイテムだけは展開できないようにしたい。
展開/折りたたみインジケーターをカスタマイズしたい場合
- 代替アプローチ:
- スタイルシート (QSS) を使用する:
QTreeView
やその内部の要素に対してスタイルシートを適用することで、展開/折りたたみのインジケーターの画像を変更したり、位置を調整したりできます。/* QTreeView の展開/折りたたみインジケーターをカスタマイズ */ QTreeView::branch:open { image: url(:/icons/expanded_arrow.png); /* 展開時のカスタム画像 */ } QTreeView::branch:closed { image: url(:/icons/collapsed_arrow.png); /* 折りたたみ時のカスタム画像 */ } /* 必要に応じて他のプロパティも調整 */ QTreeView::branch { width: 16px; height: 16px; }
- カスタムデリゲートを使用する (複雑):
これはより高度な方法で、アイテムの描画全体を制御するカスタムデリゲートを作成します。デリゲートの
paint()
メソッド内で、展開状態に応じて独自のインジケーターを描画し、イベント処理で展開/折りたたみをトリガーします。しかし、これは非常に複雑であり、ほとんどの場合、QSSで十分です。
- スタイルシート (QSS) を使用する:
itemsExpandable
との関連:itemsExpandable
をtrue
に保ちつつ、UIの見た目を変更します。- 目的: 展開/折りたたみの矢印やアイコンのデザインを変更したい。
ユーザー操作ではなく、プログラム的にのみ展開状態を制御したい場合
- 代替アプローチ:
QTreeView::setExpanded()
を使用する:itemsExpandable(false)
に設定していても、QTreeView::setExpanded(const QModelIndex &index, bool expand)
メソッドを呼び出すことで、特定のアイテムを展開したり折りたたんだりできます。// モデルのインデックスを取得 QModelIndex index = model->index(0, 0); // 例: 最初のルートアイテム // 展開する treeView->setExpanded(index, true); // 折りたたむ treeView->setExpanded(index, false);
QTreeView::expandAll()
/QTreeView::collapseAll()
を使用する: ビュー全体のアイテムを展開/折りたたむ場合に便利です。これもitemsExpandable(false)
でも機能します。treeView->expandAll(); // 全てのアイテムを展開 treeView->collapseAll(); // 全てのアイテムを折りたたみ
itemsExpandable
との関連:itemsExpandable
をfalse
に設定し、プログラムから制御します。- 目的: ユーザーには展開/折りたたみを許可せず、アプリケーションのロジックに基づいて展開状態を制御したい。
QTreeView::itemsExpandable
は「ビュー全体の展開機能の有効/無効」を切り替えるシンプルなスイッチです。
- 展開インジケーターの見た目を変更したい: QSS(スタイルシート)を使用するのが最も簡単です。
- 特定のアイテムだけ展開可能/不可にしたい: モデルの
flags()
メソッド(Qt::ItemIsExpandable
)やhasChildren()
メソッドをオーバーライドして制御します。 - 完全に展開機能を無効にしたい(UIから操作させたくない):
setItemsExpandable(false)
を使用します。プログラムからのsetExpanded()
やexpandAll()
は引き続き機能します。