Qtプログラミング初心者必見！QTreeView::isExpanded()のエラーと解決策

QTreeView::isExpanded()とは？

QTreeView::isExpanded()は、QtのQTreeViewクラスに属する関数で、指定されたモデルインデックス（QModelIndex）に対応するツリービューのアイテムが展開されているかどうかを判定するために使用されます。

ツリービューでは、親アイテムが子アイテムを持っている場合、その親アイテムの左側に三角形やプラス/マイナス記号のようなインジケーターが表示され、それをクリックすることで子アイテムを表示（展開）したり、非表示（折りたたむ）にしたりできます。

isExpanded()関数は、引数としてQModelIndexを取ります。これは、ツリー内の特定のアイテムを指すためのものです。この関数がtrueを返した場合、そのアイテムは展開されており、その子アイテムが表示されている状態であることを意味します。falseを返した場合は、そのアイテムは折りたたまれており、子アイテムは非表示になっている状態です。

シグネチャ:

bool isExpanded(const QModelIndex &index) const;

• index: 状態を調べたいツリーアイテムのQModelIndexです。

戻り値:

• false: 指定されたアイテムが折りたたまれている場合。
• true: 指定されたアイテムが展開されている場合。

例えば、特定のアイテムが展開されているかどうかを確認し、それに応じて異なる処理を行いたい場合にこの関数が役立ちます。

#include <QApplication>
#include <QTreeView>
#include <QStandardItemModel>
#include <QStandardItem>
#include <iostream>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication a(argc, argv);

    // モデルの作成
    QStandardItemModel model;

    // 親アイテムの追加
    QStandardItem *parentItem = new QStandardItem("Parent Item");
    model.appendRow(parentItem);

    // 子アイテムの追加
    QStandardItem *childItem1 = new QStandardItem("Child Item 1");
    QStandardItem *childItem2 = new QStandardItem("Child Item 2");
    parentItem->appendRow(childItem1);
    parentItem->appendRow(childItem2);

    // QTreeViewの作成とモデルの設定
    QTreeView view;
    view.setModel(&model);

    // 親アイテムのQModelIndexを取得
    QModelIndex parentIndex = model.index(0, 0); // 0行目, 0列目のアイテム

    // QTreeViewを表示
    view.show();

    // デフォルトでは折りたたまれているので、falseが出力される
    std::cout << "Parent item is expanded (initially): " << (view.isExpanded(parentIndex) ? "true" : "false") << std::endl;

    // 親アイテムを展開する
    view.expand(parentIndex);

    // 展開されたので、trueが出力される
    std::cout << "Parent item is expanded (after expand): " << (view.isExpanded(parentIndex) ? "true" : "false") << std::endl;

    // 親アイテムを折りたたむ
    view.collapse(parentIndex);

    // 折りたたまれたので、falseが出力される
    std::cout << "Parent item is expanded (after collapse): " << (view.isExpanded(parentIndex) ? "true" : "false") << std::endl;

    return a.exec();
}

この例では、QTreeViewを作成し、アイテムを追加した後、isExpanded()関数を使ってアイテムの展開状態を確認しています。expand()やcollapse()関数を使って状態を変更し、その都度isExpanded()の戻り値が変化することを示しています。

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QTreeView::isExpanded()のよくあるエラーとトラブルシューティング

QTreeView::isExpanded()自体は比較的単純な関数ですが、その動作はQTreeViewとそれを駆動するデータモデル（QAbstractItemModelの派生クラス、例: QStandardItemModel、カスタムモデルなど）の状態に依存します。そのため、予期しない結果になる場合があり、いくつかの共通の落とし穴が存在します。

不適切なQModelIndexを渡している

問題点
isExpanded()に無効な、または意図しないQModelIndexを渡すと、常にfalseが返されたり、予期しない動作になったりします。例えば、存在しない行や列のインデックスを生成したり、別のモデルに属するインデックスを渡したりする場合があります。

トラブルシューティング

• インデックスの生成
  model.index(row, column, parentIndex)を使ってインデックスを正しく生成しているか確認してください。特に、親インデックスの指定を誤ると、目的のアイテムのインデックスではないものが生成されます。
• モデルとビューの整合性
  QModelIndexが、実際にQTreeViewに設定されているモデルから取得されたものであることを確認してください。複数のモデルが存在する場合、誤って異なるモデルのインデックスを使用している可能性があります。
• QModelIndex::isValid()の確認
  isExpanded()を呼び出す前に、渡すQModelIndexが有効であるかindex.isValid()で確認してください。無効なインデックスは必ずfalseを返します。

モデルのデータ変更がビューに反映されていない

問題点
モデルのデータがプログラム的に変更され、それに伴ってアイテムの展開状態が変化するはずなのに、isExpanded()が古い情報を返している場合があります。これは、モデルがビューに対して適切なシグナルを発信していないため、ビューが自身を更新していないことが原因です。

トラブルシューティング

• QTreeView::update()やQTreeView::viewport()->update()の試行
  モデルのシグナルが正しくても、稀にビューの更新が遅れることがあります。明示的にview.update()やview.viewport()->update()を呼び出して、ビューの再描画を強制することで解決する場合があります（ただし、これは根本的な解決策ではなく、モデルのシグナル発行が正しくない場合の回避策になりがちです）。
• モデルのシグナル発信
  モデルが変更されたときに、適切なシグナル（例: layoutChanged()、rowsInserted()、rowsRemoved()、dataChanged()など）を正しく発信しているか確認してください。特に、モデルの構造が大きく変わる場合（例: beginResetModel() / endResetModel()を使用する場合）は、ビューの展開状態がリセットされる可能性があります。

QTreeView::expand()/collapse()とisExpanded()のタイミング問題

問題点
プログラムでview.expand(index)を呼び出した直後にview.isExpanded(index)を呼び出すと、まだビューが展開処理を完了していないためにfalseが返されることがあります。特に、非同期処理やイベントループの挙動が絡む場合に発生しやすいです。

トラブルシューティング

• expanded()シグナルの利用
  QTreeViewはアイテムが展開されたときにexpanded(const QModelIndex &index)シグナルを発信します。このシグナルを捕捉し、そのスロット内でisExpanded()をチェックすることで、展開が完了した後の正確な状態を取得できます。
• イベントループの考慮
  expand()やcollapse()はイベントをキューに入れるだけで、すぐに描画が完了するわけではありません。処理の順序が重要であれば、イベントループを一度回すことを検討します。例えば、QTimer::singleShot(0, this, &MyClass::checkExpandedState)のように、0msのシングルショットタイマーを使って、現在のイベントループの処理が完了した後にisExpanded()をチェックするコールバックを呼び出すことができます。

QSortFilterProxyModel使用時の注意点

問題点
QSortFilterProxyModelを使用している場合、isExpanded()に渡すQModelIndexはプロキシモデルのインデックスである必要があります。基になるソースモデルのインデックスを渡すと、予期しない結果になります。

トラブルシューティング

• ソースモデルへの変換
  必要に応じて、proxyModel.mapToSource(proxyIndex)を使ってソースモデルのインデックスに変換し、データにアクセスすることもできますが、isExpanded()にはプロキシインデックスを使用します。
• プロキシモデルのインデックスを使用
  QTreeViewは常にプロキシモデルと直接やり取りします。したがって、isExpanded()に渡すインデックスは、proxyModel.index(...)やview.currentIndex()のように、プロキシモデルから取得したものである必要があります。

カスタムモデルにおける展開可能なアイテムの定義

問題点
カスタムモデルを使用している場合、QAbstractItemModel::hasChildren()を適切に実装していないと、QTreeViewはアイテムが展開可能かどうかを判断できません。その結果、isExpanded()が期待通りに動作しないことがあります。

• rowCount()との整合性
  hasChildren()がtrueを返す場合、rowCount(const QModelIndex &parent)もその親アイテムに子が存在することを示す値を返す必要があります。
• hasChildren()の実装
  親アイテムが子アイテムを持つ可能性がある場合、QAbstractItemModel::hasChildren(const QModelIndex &parent)関数を正しく実装しているか確認してください。この関数がtrueを返さない限り、QTreeViewはそのアイテムを展開可能とは見なしません。

• 最小限の再現コード
  問題が発生した場合、可能な限り最小限のコードで問題を再現し、他の複雑な要素を排除して原因を特定します。
• Qt Creatorのデバッガ
  Qt Creatorの強力なデバッガを使用して、QModelIndexオブジェクトの内容やQTreeViewの内部状態をステップ実行しながら確認します。
• デバッグ出力
  qDebug()を使って、QModelIndexの値（行、列、親のポインタなど）や、isExpanded()の戻り値を頻繁に出力し、プログラムの実行フローを追跡します。

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QTreeView::isExpanded()は、指定されたモデルインデックスに対応するアイテムが展開されているか（true）折りたたまれているか（false）を判定する関数です。この機能は、ツリーの現在の状態に基づいて異なる動作を実行したい場合に特に役立ちます。

以下に、いくつかの典型的な使用シナリオとそれに対応するコード例を示します。

例1: 選択されたアイテムの展開状態をチェックする

最も基本的な使用例です。ユーザーがツリービューでアイテムを選択したときに、そのアイテムが展開されているかどうかを調べます。

#include <QApplication>
#include <QTreeView>
#include <QStandardItemModel>
#include <QStandardItem>
#include <QDebug> // qDebug() を使うために必要

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication a(argc, argv);

    // モデルの作成
    QStandardItemModel model;

    // アイテムの追加
    QStandardItem *parentItem = new QStandardItem("Parent Item");
    QStandardItem *childItem1 = new QStandardItem("Child 1");
    QStandardItem *childItem2 = new QStandardItem("Child 2");
    QStandardItem *grandChildItem = new QStandardItem("Grandchild");

    parentItem->appendRow(childItem1);
    childItem1->appendRow(grandChildItem); // Child 1 に子を追加
    parentItem->appendRow(childItem2);
    model.appendRow(parentItem);

    // QTreeViewの作成とモデルの設定
    QTreeView view;
    view.setModel(&model);
    view.setWindowTitle("QTreeView isExpanded() Example");
    view.setFixedSize(400, 300);

    // parentItemを展開する（例として）
    view.expand(model.index(0, 0));

    // viewを表示
    view.show();

    // QTreeView::clicked シグナルにスロットを接続
    QObject::connect(&view, &QTreeView::clicked, [&](const QModelIndex &index) {
        // クリックされたアイテムが展開されているかチェック
        if (view.isExpanded(index)) {
            qDebug() << "Item clicked:" << model.data(index).toString() << "is expanded.";
            // 例: 展開されている場合は折りたたむ
            view.collapse(index);
        } else {
            qDebug() << "Item clicked:" << model.data(index).toString() << "is collapsed.";
            // 例: 折りたたまれている場合は展開する
            view.expand(index);
        }
    });

    return a.exec();
}

解説

• view.isExpanded(index)を呼び出し、その戻り値に基づいてアイテムの展開/折りたたみを行います。
• クリックされたアイテムのQModelIndexがスロットに渡されます。
• QTreeView::clickedシグナルをラムダ式で接続します。
• QTreeViewにモデルを設定し、初期状態でparentItemを展開しておきます。
• QStandardItemModelとQStandardItemを使ってシンプルなツリー構造を作成します。

例2: 特定の条件でアイテムを展開または折りたたむ

例えば、アプリケーションの起動時や特定のイベント発生時に、特定の条件（例: あるテキストを含むアイテム）を満たすアイテムを展開または折りたたみ状態にする場合。

#include <QApplication>
#include <QTreeView>
#include <QStandardItemModel>
#include <QStandardItem>
#include <QDebug>
#include <QPushButton>
#include <QVBoxLayout>
#include <QWidget>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication a(argc, argv);

    QWidget window;
    QVBoxLayout *layout = new QVBoxLayout(&window);

    // モデルの作成
    QStandardItemModel model;
    QList<QStandardItem*> parents;
    for (int i = 0; i < 3; ++i) {
        QStandardItem *parentItem = new QStandardItem(QString("Category %1").arg(i + 1));
        parents.append(parentItem);
        for (int j = 0; j < 3; ++j) {
            QStandardItem *childItem = new QStandardItem(QString("Item %1-%2").arg(i + 1).arg(j + 1));
            parentItem->appendRow(childItem);
            if (i == 1 && j == 1) { // 特定のアイテムに子を追加
                childItem->appendRow(new QStandardItem("Special Sub-Item"));
            }
        }
        model.appendRow(parentItem);
    }

    // QTreeViewの作成とモデルの設定
    QTreeView view;
    view.setModel(&model);
    layout->addWidget(&view);

    // ボタンの作成
    QPushButton *toggleButton = new QPushButton("Toggle Special Item Expansion");
    layout->addWidget(toggleButton);

    window.setWindowTitle("Conditional Expansion Example");
    window.setFixedSize(500, 400);
    window.show();

    // ボタンのクリックイベントを接続
    QObject::connect(toggleButton, &QPushButton::clicked, [&]() {
        // 「Category 2」の「Item 2-2」を探し、その展開状態をトグルする
        QModelIndex category2Index = model.index(1, 0); // Category 2
        if (category2Index.isValid() && model.hasChildren(category2Index)) {
            QModelIndex item2_2_Index = model.index(1, 0, category2Index); // Item 2-2

            if (item2_2_Index.isValid()) {
                qDebug() << "Checking item:" << model.data(item2_2_Index).toString();
                if (view.isExpanded(item2_2_Index)) {
                    qDebug() << "It's expanded. Collapsing...";
                    view.collapse(item2_2_Index);
                } else {
                    qDebug() << "It's collapsed. Expanding...";
                    view.expand(item2_2_Index);
                }
            } else {
                qDebug() << "Item 2-2 index is invalid.";
            }
        } else {
            qDebug() << "Category 2 index is invalid or has no children.";
        }
    });

    return a.exec();
}

解説

• view.isExpanded(item2_2_Index)で現在の展開状態をチェックし、その結果に基づいてexpand()またはcollapse()を呼び出します。
• ボタンがクリックされると、「Category 2」の2番目の子アイテム（"Item 2-2"）のモデルインデックスを取得します。
• 「Toggle Special Item Expansion」ボタンを追加します。
• 複数のカテゴリとアイテムを持つツリー構造を作成します。

例3: ツリーの全アイテムを再帰的に巡回し、展開状態に基づいて情報を表示する

ツリー全体の状態を把握したい場合や、展開されている特定のブランチに対してのみ操作を行いたい場合に役立ちます。

#include <QApplication>
#include <QTreeView>
#include <QStandardItemModel>
#include <QStandardItem>
#include <QDebug>
#include <QPushButton>
#include <QVBoxLayout>
#include <QWidget>

// ツリーを再帰的に巡回し、展開状態をチェックする関数
void traverseAndCheckExpansion(const QModelIndex &parentIndex, QTreeView *view, QStandardItemModel *model, int indent = 0) {
    if (!parentIndex.isValid() && model->rowCount(parentIndex) == 0) {
        return; // モデルが空の場合の初期チェック
    }

    // 現在のアイテムの情報を表示
    QString prefix = "";
    for (int i = 0; i < indent; ++i) {
        prefix += "  ";
    }
    
    // ルートアイテムの場合（parentIndexが無効な場合）は、ビューのルートの展開状態をチェック
    // QTreeView::isExpanded()は、モデルインデックスを要求するため、ルートアイテム自体には適用されません。
    // その代わりに、ルートの直接の子が展開されているかどうかをチェックする方が一般的です。
    // ここでは、概念的にルートの子が「展開されているか」を扱う例として記述します。
    if (parentIndex.isValid()) {
        qDebug() << prefix << model->data(parentIndex).toString()
                 << " - Expanded:" << (view->isExpanded(parentIndex) ? "Yes" : "No");
    } else {
        // ルートインデックス（無効なQModelIndex）はツリービュー自体の状態を表すため、
        // isExpanded()に渡すことはできません。
        // ここでは便宜上、モデルのトップレベルアイテムの展開状態をチェックすると仮定します。
        // 実際には、view.isExpanded(model.index(row, 0)) のように個別にチェックします。
        qDebug() << prefix << "Root Node (Implicit)";
    }


    int rowCount = model->rowCount(parentIndex);
    for (int row = 0; row < rowCount; ++row) {
        QModelIndex index = model->index(row, 0, parentIndex); // 0列目のインデックスを取得
        if (index.isValid()) {
            traverseAndCheckExpansion(index, view, model, indent + 1);
        }
    }
}

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication a(argc);

    QWidget window;
    QVBoxLayout *layout = new QVBoxLayout(&window);

    QStandardItemModel model;
    QStandardItem *rootItem = model.invisibleRootItem();

    // 複数の階層を持つツリーの作成
    for (int i = 0; i < 3; ++i) {
        QStandardItem *parentItem = new QStandardItem(QString("Parent %1").arg(i + 1));
        rootItem->appendRow(parentItem);
        for (int j = 0; j < 2; ++j) {
            QStandardItem *childItem = new QStandardItem(QString("Child %1-%2").arg(i + 1).arg(j + 1));
            parentItem->appendRow(childItem);
            if (i == 1 && j == 0) { // Parent 2 の最初のChildにさらに子を追加
                childItem->appendRow(new QStandardItem("Grandchild A"));
                childItem->appendRow(new QStandardItem("Grandchild B"));
            }
        }
    }

    QTreeView view;
    view.setModel(&model);
    layout->addWidget(&view);

    QPushButton *checkButton = new QPushButton("Check Expansion States");
    layout->addWidget(checkButton);

    window.setWindowTitle("Recursive Expansion Check");
    window.setFixedSize(500, 500);
    window.show();

    // いくつかのアイテムを展開/折りたたみ
    view.expand(model.index(0, 0)); // Parent 1 を展開
    // view.collapse(model.index(1, 0)); // Parent 2 はデフォルトで折りたたまれたまま

    // Parent 2 の最初のChild (Child 2-1) を展開
    QModelIndex parent2Index = model.index(1, 0);
    if (parent2Index.isValid()) {
        QModelIndex child2_1_Index = model.index(0, 0, parent2Index);
        if (child2_1_Index.isValid()) {
            view.expand(child2_1_Index);
        }
    }


    QObject::connect(checkButton, &QPushButton::clicked, [&]() {
        qDebug() << "--- Checking all expansion states ---";
        // モデルのルートインデックス（無効なQModelIndex）から開始して再帰関数を呼び出す
        traverseAndCheckExpansion(QModelIndex(), &view, &model);
        qDebug() << "-------------------------------------";
    });

    return a.exec();
}

• この例では、expand()やcollapse()を明示的に呼び出してツリーの状態を変化させ、isExpanded()の結果を確認しています。
• 各アイテムについてview.isExpanded(index)を呼び出し、そのアイテムの展開状態を出力します。
• QModelIndex()（無効なインデックス）を渡すことで、モデルのトップレベルアイテムから巡回を開始します。
• traverseAndCheckExpansionという再帰関数を定義し、ツリーの各ノードを巡回します。

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QTreeView::expanded() および QTreeView::collapsed() シグナルの利用

isExpanded()は「現在の状態を問い合わせる」プル型の操作ですが、expanded()およびcollapsed()シグナルは「状態が変更されたときに通知を受ける」プッシュ型の操作です。

特徴

• 特定のイベントに反応
  展開/折りたたみ操作が完了した時点での処理に最適です。
• リアルタイム性
  状態の変化を即座に捉えることができます。
• イベント駆動
  アイテムが展開または折りたたまれたときに自動的にスロットが呼び出されます。

使用例

#include <QApplication>
#include <QTreeView>
#include <QStandardItemModel>
#include <QStandardItem>
#include <QDebug>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication a(argc, argv);

    QStandardItemModel model;
    QStandardItem *parentItem = new QStandardItem("Parent");
    parentItem->appendRow(new QStandardItem("Child 1"));
    parentItem->appendRow(new QStandardItem("Child 2"));
    model.appendRow(parentItem);

    QTreeView view;
    view.setModel(&model);
    view.setWindowTitle("Expanded/Collapsed Signals Example");
    view.show();

    // expanded() シグナルを接続
    QObject::connect(&view, &QTreeView::expanded, [&](const QModelIndex &index) {
        qDebug() << "Item expanded:" << model.data(index).toString();
        // ここで、展開されたアイテムに対する追加の処理を行う
        // 例: ログ記録、関連データのロードなど
    });

    // collapsed() シグナルを接続
    QObject::connect(&view, &QTreeView::collapsed, [&](const QModelIndex &index) {
        qDebug() << "Item collapsed:" << model.data(index).toString();
        // 例: 不要なデータのアンロード、ビューのリフレッシュなど
    });

    return a.exec();
}

isExpanded()との比較
isExpanded()は、特定の瞬間の状態を直接問い合わせる必要がある場合に便利です。一方、expanded()/collapsed()シグナルは、状態変化をトリガーとして何らかの処理を実行したい場合に適しています。両者はしばしば組み合わせて使われます。例えば、expanded()シグナル内で、さらにisExpanded()を呼び出して二重チェックを行うことも可能です（稀ですが）。

モデル側で展開状態を管理する（カスタムモデルの場合）

QTreeViewの展開状態はビューが管理していますが、カスタムモデルを使用している場合、モデル自体がアイテムの展開状態に関する情報を保持することが考えられます。ただし、これは一般的ではありません。なぜなら、モデルはデータの「内容」と「構造」を管理し、ビューはデータの「表示」を管理するというQtのMVC（Model/View/Controller）パラダイムに反するからです。ビューは同じモデルに対して複数存在し、それぞれが異なる展開状態を持つ可能性があるため、モデルが展開状態を直接持つことは推奨されません。

適用できるケース（限定的）

• ただし、この場合でも、通常はモデルが状態を持ち、ビューがそれを購読する形ではなく、ビューがモデルのデータに基づいて展開状態を決定するか、ビューの展開状態を別途保存・復元するメカニズムを用意します。
• ごく特殊なケースで、ビューの状態がモデルの特定のデータに強く紐付いており、ビューの展開状態がモデルのデータの一部として永続化されるべき場合。

例（推奨はしないが概念として）

// これは一般的なプラクティスではありませんが、概念を説明するために記載
class MyCustomItem {
public:
    QString name;
    QList<MyCustomItem*> children;
    bool expandedState = false; // モデルのアイテム自体に展開状態を持たせる

    // ...
};

class MyCustomModel : public QAbstractItemModel {
    // ...
    // QTreeView はこの expandedState プロパティを直接参照しない
    // したがって、QTreeView が展開状態を問い合せるには、
    // QTreeView::isExpanded() を通す必要がある
};

isExpanded()との関係
このアプローチはisExpanded()の直接的な代替にはなりません。むしろ、モデルが持つべきではない情報をモデルに持たせてしまうことになります。isExpanded()は常にビューの状態を正確に反映します。

QSettingsなどを用いた展開状態の永続化

アプリケーションを閉じて再度開いたときに、ツリービューの展開状態を復元したい場合があります。これはisExpanded()の「代替」というよりも「補完」または「利用」の範疇に入ります。

方法

1. 保存
   アプリケーション終了時（または適切なタイミングで）、ツリービューを再帰的に巡回し、各アイテムのQModelIndexとそのisExpanded()の状態をQSettingsなどに保存します。
   • モデルインデックスを文字列（例: "row,column,parentRow,parentColumn,..."）に変換して保存します。
2. ロード
   アプリケーション起動時、保存された展開状態を読み込み、対応するQModelIndexに対してQTreeView::expand()またはQTreeView::collapse()を呼び出します。

使用例（概念的）

// 保存の擬似コード
void saveExpansionState(QTreeView *view, QAbstractItemModel *model, QSettings *settings) {
    // 全アイテムを再帰的に巡回
    QModelIndex rootIndex; // ルートから開始
    // traverseAndSave(rootIndex, view, model, settings);
    // ... 各アイテムのパスとisExpanded()の結果を保存
}

// ロードの擬似コード
void loadExpansionState(QTreeView *view, QAbstractItemModel *model, QSettings *settings) {
    // 保存されたデータからアイテムのパスと展開状態を読み込む
    // for (auto &itemState : savedStates) {
    //     QModelIndex index = convertPathToModelIndex(itemState.path, model);
    //     if (index.isValid()) {
    //         if (itemState.isExpanded) {
    //             view->expand(index);
    //         } else {
    //             view->collapse(index);
    //         }
    //     }
    // }
}

isExpanded()との関係
この方法は、保存時にはisExpanded()を使用して現在の展開状態を取得し、復元時にはexpand()やcollapse()を使用してその状態を適用します。isExpanded()は、永続化のための情報収集に不可欠な役割を果たします。

QTreeView::isExpanded()はアイテムの展開状態を「問い合わせる」ための基本的なAPIです。その代替というよりは、expanded()/collapsed()シグナルと組み合わせてイベント駆動で処理を行う、QSettingsなどを使って状態を永続化する際に利用する、といった補完的なアプローチが一般的です。