もう迷わない！Qt QTreeViewの列非表示（hideColumn）完全ガイド

2025-05-27

QTreeViewは、階層的なデータをツリー形式で表示するためのウィジェットです。データはモデル（QAbstractItemModelの派生クラスなど）から取得され、各データ項目は通常、複数の列（カラム）にわたる情報を持っています。

hideColumn()関数は、引数として指定された列番号（int column）に対応する列を、ユーザーインターフェース上から非表示にします。これにより、その列のデータも表示されなくなります。

引数

int column: 非表示にしたい列のインデックス（番号）を指定します。列のインデックスは0から始まります。例えば、最初の列を非表示にしたい場合は0を、2番目の列を非表示にしたい場合は1を指定します。

使用例

例えば、QTreeViewが3つの列（名前、サイズ、更新日時）を表示しているとして、2番目の「サイズ」列を非表示にしたい場合は、以下のように記述します。

QTreeView* treeView = new QTreeView();
// ... モデルの設定など ...

// 2番目の列（インデックス1）を非表示にする
treeView->hideColumn(1);

関連する関数

void QTreeView::setColumnHidden(int column, bool hide): hideColumn()とshowColumn()を合わせたような機能で、hideがtrueなら非表示に、falseなら表示にします。
bool QTreeView::isColumnHidden(int column) const: 特定の列が非表示になっているかどうかをチェックするために使用します。
void QTreeView::showColumn(int column): hideColumn()で非表示にした列を再度表示する際に使用します。

通常、QTreeViewにモデルを設定した後にhideColumn()を呼び出す必要があります。
列のインデックスは、モデルが提供する列の数と一致している必要があります。存在しない列のインデックスを指定した場合、何も起こらないか、エラーが発生する可能性があります。
この関数は、あくまで表示上の列を非表示にするだけであり、モデル内のデータそのものが削除されるわけではありません。

`void QTreeView::hideColumn(int column)` の一般的なエラーとトラブルシューティング

QTreeView::hideColumn() は比較的単純な関数ですが、予期せぬ挙動やエラーが発生することがあります。以下によくあるシナリオと解決策を挙げます。

列が非表示にならない

考えられる原因

モデルのデータが適切に更新されていない
ごく稀ですが、モデルのheaderDataChanged()シグナルが適切に発火していない場合に、ビューが更新されないことがあります。
列の表示/非表示の状態が上書きされている
他の場所でshowColumn()やsetColumnHidden(column, false)が呼び出され、hideColumn()の効果が打ち消されている。
モデルが設定されていない、または遅れて設定されている
hideColumn()を呼び出す時点で、QTreeViewに有効なモデルが設定されていない、またはモデルが設定される前にhideColumn()が呼び出されている。
無効な列インデックスの指定
column引数に、モデルに存在しないインデックス（列の数を超える値や負の値）を指定している。

トラブルシューティング

ビューの更新の強制（通常は不要）
滅多に必要ありませんが、もし上記の方法で解決しない場合、treeView->viewport()->update() や treeView->update() を試すこともできます。ただし、これは根本的な解決にはなりません。
他の場所でのshowColumn()/setColumnHidden()の呼び出しの確認
コードベース全体で、指定した列に対してshowColumn()やsetColumnHidden(column, false)が意図せず呼び出されていないか検索してください。

デバッグ出力の活用
isColumnHidden(column) を使って、実際に列が非表示としてマークされているか確認します。

treeView->hideColumn(1); // 例えば2番目の列を非表示に
if (treeView->isColumnHidden(1)) {
    qDebug() << "Column 1 is marked as hidden.";
} else {
    qDebug() << "Column 1 is NOT marked as hidden.";
}

モデルの設定順序の確認
必ずtreeView->setModel(myModel);がtreeView->hideColumn(columnIndex);の前に実行されていることを確認してください。
列インデックスの確認
model()->columnCount() を使用して、モデルの実際の列数を確認し、指定しているインデックスがその範囲内（0 から columnCount() - 1）であることを確認してください。
```
qDebug() << "Model column count:" << treeView->model()->columnCount();
treeView->hideColumn(columnIndexToHide);
```

アプリケーションがクラッシュする、または未定義の動作をする

考えられる原因

ヌルポインタデリファレンス
QTreeViewオブジェクトまたはそのモデルが有効でない（nullptr）状態でhideColumn()を呼び出している。これは、オブジェクトがまだ初期化されていないか、すでに解放された後にアクセスしようとしている場合に発生します。

トラブルシューティング

オブジェクトのライフサイクルの確認
QTreeViewオブジェクトとそれに設定されているモデルが、hideColumn()を呼び出す時点で有効であることを確認してください。特に、動的に生成されたオブジェクトや、非同期処理のコールバック内で呼び出す場合に注意が必要です。
```
if (treeView && treeView->model()) {
    treeView->hideColumn(columnIndex);
} else {
    qWarning() << "QTreeView or its model is null. Cannot hide column.";
}
```

非表示にした列が、特定の操作後に再表示される

考えられる原因

ビューの状態を保存/復元するロジックのバグ
アプリケーションがビューの状態（列の表示/非表示、幅など）を保存し、後で復元する機能を持っている場合、そのロジックに問題がある可能性があります。
ビューの状態がリセットされる操作
setModel()を再度呼び出す、またはビューの他のプロパティ（例: reset())が変更された場合、ビューの状態がリセットされ、非表示設定が失われることがあります。

ビューの状態管理ロジックの確認
アプリケーションが列の表示状態を永続化している場合、その保存と復元のロジックがhideColumn()と適切に連携しているか確認してください。
setModel()の再呼び出し後
setModel()を再度呼び出す場合は、その後で必要な列のhideColumn()を再度呼び出す必要があります。
```
treeView->setModel(newModel);
treeView->hideColumn(previouslyHiddenColumnIndex);
```

IDEのデバッガを使用
ブレークポイントを設定し、ステップ実行することで、コードがどのように実行されているか、変数の値がどのように変化しているかを確認します。
Qtのデバッグメッセージの活用
qDebug(), qWarning(), qCritical() を積極的に使用して、プログラムの実行フローや変数の状態を追跡します。
最小限の再現コードを作成
問題が発生している部分だけを切り出し、それ以外のコードを可能な限り削除して、最小限の再現コードを作成します。これにより、問題の箇所を特定しやすくなります。

QTreeView::hideColumn(int column) は、特定の列を非表示にするために使用されます。ここでは、基本的な使用方法から、動的な表示/非表示の切り替え、列の表示状態の確認まで、いくつかの例を示します。

前提

これらの例を実行するには、Qtプロジェクト（QMakeまたはCMake）が必要です。基本的なGUIアプリケーションのテンプレートを使用します。

例1: 最も基本的な使用法（特定の列を非表示にする）

この例では、QStandardItemModelを使用して簡単なデータモデルを作成し、QTreeViewに表示します。その後、特定の列を起動時に非表示にします。

#include <QApplication>
#include <QMainWindow>
#include <QTreeView>
#include <QStandardItemModel>
#include <QDebug> // デバッグ出力用

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication a(argc, argv);

    QMainWindow window;
    window.setWindowTitle("QTreeView hideColumn Example 1");
    window.resize(600, 400);

    QStandardItemModel *model = new QStandardItemModel(0, 3, &window); // 0行, 3列
    model->setHeaderData(0, Qt::Horizontal, "Name");
    model->setHeaderData(1, Qt::Horizontal, "Age");
    model->setHeaderData(2, Qt::Horizontal, "City");

    // データを追加
    QList<QStandardItem*> row1;
    row1 << new QStandardItem("Alice") << new QStandardItem("30") << new QStandardItem("Tokyo");
    model->appendRow(row1);

    QList<QStandardItem*> row2;
    row2 << new QStandardItem("Bob") << new QStandardItem("24") << new QStandardItem("Osaka");
    model->appendRow(row2);

    QList<QStandardItem*> row3;
    row3 << new QStandardItem("Charlie") << new QStandardItem("35") << new QStandardItem("Nagoya");
    model->appendRow(row3);

    QTreeView *treeView = new QTreeView(&window);
    treeView->setModel(model);

    // --- ここが重要: 1番目の列（"Age"）を非表示にする ---
    // 列インデックスは0から始まるため、2番目の列はインデックス1です。
    treeView->hideColumn(1);

    qDebug() << "Is column 0 (Name) hidden? " << treeView->isColumnHidden(0); // false
    qDebug() << "Is column 1 (Age) hidden? " << treeView->isColumnHidden(1);  // true
    qDebug() << "Is column 2 (City) hidden? " << treeView->isColumnHidden(2); // false

    window.setCentralWidget(treeView);
    window.show();

    return a.exec();
}

解説

QStandardItemModelを3列で作成し、ヘッダーを設定します。
いくつかの行とデータをモデルに追加します。
QTreeViewを作成し、作成したモデルをセットします。
treeView->hideColumn(1); を呼び出すことで、2番目の列（インデックス1、ここでは"Age"）が非表示になります。
isColumnHidden() を使って、実際に非表示になっているかを確認しています。

例2: 列の表示/非表示をユーザー操作で切り替える

この例では、ボタンを使って特定の列の表示/非表示を切り替える機能を追加します。

#include <QApplication>
#include <QMainWindow>
#include <QTreeView>
#include <QStandardItemModel>
#include <QVBoxLayout>
#include <QPushButton>
#include <QWidget>
#include <QDebug>

class MyWindow : public QMainWindow {
    Q_OBJECT // シグナルとスロットを使用するために必要

public:
    MyWindow(QWidget *parent = nullptr) : QMainWindow(parent) {
        setWindowTitle("QTreeView hide/showColumn Example");
        resize(600, 400);

        QWidget *centralWidget = new QWidget(this);
        QVBoxLayout *layout = new QVBoxLayout(centralWidget);

        model = new QStandardItemModel(0, 3, this);
        model->setHeaderData(0, Qt::Horizontal, "Product");
        model->setHeaderData(1, Qt::Horizontal, "Price");
        model->setHeaderData(2, Qt::Horizontal, "Stock");

        // データ追加
        model->appendRow({new QStandardItem("Laptop"), new QStandardItem("1200"), new QStandardItem("50")});
        model->appendRow({new QStandardItem("Mouse"), new QStandardItem("25"), new QStandardItem("200")});
        model->appendRow({new QStandardItem("Keyboard"), new QStandardItem("80"), new QStandardItem("120")});

        treeView = new QTreeView(this);
        treeView->setModel(model);

        // 最初はPrice列を非表示にする
        treeView->hideColumn(1); // Price列 (インデックス1)

        toggleButton = new QPushButton("Toggle Price Column", this);
        // ボタンがクリックされたらtogglePriceColumnスロットを呼び出す
        connect(toggleButton, &QPushButton::clicked, this, &MyWindow::togglePriceColumn);

        layout->addWidget(treeView);
        layout->addWidget(toggleButton);

        setCentralWidget(centralWidget);
    }

private slots:
    void togglePriceColumn() {
        int priceColumnIndex = 1; // Price列のインデックス

        if (treeView->isColumnHidden(priceColumnIndex)) {
            // 現在非表示なら表示する
            treeView->showColumn(priceColumnIndex);
            qDebug() << "Price column shown.";
        } else {
            // 現在表示されているなら非表示にする
            treeView->hideColumn(priceColumnIndex);
            qDebug() << "Price column hidden.";
        }
    }

private:
    QStandardItemModel *model;
    QTreeView *treeView;
    QPushButton *toggleButton;
};

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication a(argc, argv);
    MyWindow window;
    window.show();
    return a.exec();
}

#include "main.moc" // Q_OBJECT マクロを使用する場合に必要

解説

MyWindowクラスを作成し、QMainWindowを継承します。
QTreeViewとQPushButtonを配置します。
コンストラクタで、初期状態で「Price」列（インデックス1）をhideColumn(1)で非表示にします。
QPushButtonのclicked()シグナルを、MyWindowクラス内のカスタムスロットtogglePriceColumn()に接続します。
togglePriceColumn()スロット内で、treeView->isColumnHidden(1)を使って現在の表示状態をチェックし、hideColumn()またはshowColumn()を呼び出して表示を切り替えます。
main.mocは、Q_OBJECTマクロを含むクラスでシグナル/スロットを使用する場合に、MOC（Meta-Object Compiler）によって生成されるファイルを含めるために必要です。通常、QMakeやCMakeが自動的に処理します。

例3: `setColumnHidden()` を使用して状態を直接設定する

hideColumn()とshowColumn()は、内部的にsetColumnHidden()を呼び出します。直接setColumnHidden()を使用することもできます。

#include <QApplication>
#include <QMainWindow>
#include <QTreeView>
#include <QStandardItemModel>
#include <QVBoxLayout>
#include <QCheckBox> // チェックボックスを使用
#include <QWidget>
#include <QDebug>

class MyWindow2 : public QMainWindow {
    Q_OBJECT

public:
    MyWindow2(QWidget *parent = nullptr) : QMainWindow(parent) {
        setWindowTitle("QTreeView setColumnHidden Example");
        resize(600, 400);

        QWidget *centralWidget = new QWidget(this);
        QVBoxLayout *layout = new QVBoxLayout(centralWidget);

        model = new QStandardItemModel(0, 3, this);
        model->setHeaderData(0, Qt::Horizontal, "Name");
        model->setHeaderData(1, Qt::Horizontal, "Email");
        model->setHeaderData(2, Qt::Horizontal, "Phone");

        model->appendRow({new QStandardItem("John Doe"), new QStandardItem("[email protected]"), new QStandardItem("123-456-7890")});
        model->appendRow({new QStandardItem("Jane Smith"), new QStandardItem("[email protected]"), new QStandardItem("098-765-4321")});

        treeView = new QTreeView(this);
        treeView->setModel(model);

        // 最初はEmail列を非表示にする
        treeView->setColumnHidden(1, true); // Email列 (インデックス1) を非表示に

        checkBox = new QCheckBox("Hide Email Column", this);
        checkBox->setChecked(true); // 初期状態で非表示なのでチェック済み
        // チェックボックスの状態が変更されたらtoggleEmailColumnスロットを呼び出す
        connect(checkBox, &QCheckBox::toggled, this, &MyWindow2::toggleEmailColumn);

        layout->addWidget(treeView);
        layout->addWidget(checkBox);

        setCentralWidget(centralWidget);
    }

private slots:
    void toggleEmailColumn(bool checked) {
        int emailColumnIndex = 1; // Email列のインデックス
        treeView->setColumnHidden(emailColumnIndex, checked);
        qDebug() << "Email column hidden state set to:" << checked;
    }

private:
    QStandardItemModel *model;
    QTreeView *treeView;
    QCheckBox *checkBox;
};

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication a(argc, argv);
    MyWindow2 window;
    window.show();
    return a.exec();
}

#include "main.moc" // Q_OBJECT マクロを使用する場合に必要

この例では、QCheckBoxを使用して列の表示/非表示を制御します。
setColumnHidden(int column, bool hide)関数は、hideがtrueであれば列を非表示にし、falseであれば表示します。
QCheckBoxのtoggled(bool checked)シグナルは、チェックボックスの状態が変更されたときに発火し、その新しい状態（チェックされていればtrue、そうでなければfalse）を引数として渡します。
このcheckedの状態をそのままsetColumnHidden()の第2引数に渡すことで、簡潔に表示/非表示を切り替えることができます。

QHeaderView::hideSection() / setSectionHidden() を使用する

QTreeViewのヘッダーはQHeaderViewクラスによって管理されています。QHeaderViewには、個々のセクション（列）を非表示にするためのメソッドが用意されています。

QHeaderView::setSectionHidden(int logicalIndex, bool hide): 指定された論理インデックスのセクションの表示状態を設定します。
QHeaderView::showSection(int logicalIndex): 指定された論理インデックスのセクションを表示します。
QHeaderView::hideSection(int logicalIndex): 指定された論理インデックスのセクションを非表示にします。

なぜこれを使うのか？

QTreeView::hideColumn()は内部的にQHeaderView::setSectionHidden()を呼び出しているため、結果は同じです。しかし、直接QHeaderViewにアクセスして操作することは、以下のような場合に役立つことがあります。

QTableViewなど、他のビューとの共通化
QTableViewもQHeaderViewを使用しており、同様の方法で列（または行）の表示を制御できます。
より詳細な制御
QHeaderViewは、列の移動やサイズ変更など、ヘッダーに関するより多くの機能を提供します。これらの機能と表示/非表示を組み合わせる場合に、一貫したインターフェースで操作できます。

使用例

#include <QApplication>
#include <QMainWindow>
#include <QTreeView>
#include <QStandardItemModel>
#include <QHeaderView> // QHeaderView をインクルード

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication a(argc, argv);

    QMainWindow window;
    window.setWindowTitle("QHeaderView hideSection Example");
    window.resize(600, 400);

    QStandardItemModel *model = new QStandardItemModel(0, 3, &window);
    model->setHeaderData(0, Qt::Horizontal, "Name");
    model->setHeaderData(1, Qt::Horizontal, "Email");
    model->setHeaderData(2, Qt::Horizontal, "Phone");

    model->appendRow({new QStandardItem("Alice"), new QStandardItem("[email protected]"), new QStandardItem("111")});
    model->appendRow({new QStandardItem("Bob"), new QStandardItem("[email protected]"), new QStandardItem("222")});

    QTreeView *treeView = new QTreeView(&window);
    treeView->setModel(model);

    // QHeaderView を取得し、それを使って列を非表示にする
    treeView->header()->hideSection(1); // Email列 (インデックス1) を非表示に

    window.setCentralWidget(treeView);
    window.show();

    return a.exec();
}

モデル内でデータを隠す（QSortFilterProxyModelの使用）

これは列を「非表示」にするのではなく、特定の条件に合致するデータ（行や列）をビューに表示させない、というアプローチです。QSortFilterProxyModelは、元のモデルのデータをフィルタリングしたり、並べ替えたりするために使用されるプロキシモデルです。

なぜこれを使うのか？

元のモデルを変更したくない場合
元のデータモデルはそのままに、ビューでの表示のみを制御したい場合に利用します。
複雑なフィルタリングロジック
複数の列の値に基づいた条件や、ユーザー入力に基づいた動的なフィルタリングが必要な場合に強力です。
データ自体をフィルタリングしたい場合
単に列をUIから隠すだけでなく、その列（またはその列の値に基づいて行）のデータをビューに表示させたくない場合に適しています。

使用例（列のフィルタリングには直接的ではないが、関連概念として）

QSortFilterProxyModelは主に行のフィルタリングに使用されますが、filterAcceptsColumn()をオーバーライドすることで、特定の列をビューから隠すことができます（ただし、これはあまり一般的ではありません。通常はhideColumn()を使います）。

より一般的な使用例は、特定の列の値に基づいて行をフィルタリングすることです。

// これはhideColumnの直接の代替ではありませんが、データを非表示にする別の方法として
#include <QApplication>
#include <QMainWindow>
#include <QTreeView>
#include <QStandardItemModel>
#include <QSortFilterProxyModel> // QSortFilterProxyModel をインクルード
#include <QPushButton>
#include <QVBoxLayout>
#include <QWidget>

class MyProxyModel : public QSortFilterProxyModel {
    Q_OBJECT
public:
    explicit MyProxyModel(QObject *parent = nullptr) : QSortFilterProxyModel(parent) {}

protected:
    // この例では、列のフィルタリングは行っていません。
    // 代わりに、"Status"が"Active"の行のみを表示するフィルタリングを示します。
    bool filterAcceptsRow(int sourceRow, const QModelIndex &sourceParent) const override {
        QModelIndex index = sourceModel()->index(sourceRow, 2, sourceParent); // 3番目の列("Status")
        return sourceModel()->data(index).toString() == "Active";
    }

    // 列を非表示にするためにこれを使うことも可能だが、hideColumnの方が直接的
    /*
    bool filterAcceptsColumn(int sourceColumn, const QModelIndex &sourceParent) const override {
        if (sourceColumn == 1) { // 例えば、2番目の列を非表示にする
            return false;
        }
        return true;
    }
    */
};

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication a(argc, argv);

    QMainWindow window;
    window.setWindowTitle("QSortFilterProxyModel Filter Example");
    window.resize(600, 400);

    QStandardItemModel *sourceModel = new QStandardItemModel(0, 3, &window);
    sourceModel->setHeaderData(0, Qt::Horizontal, "Task");
    sourceModel->setHeaderData(1, Qt::Horizontal, "Progress");
    sourceModel->setHeaderData(2, Qt::Horizontal, "Status");

    sourceModel->appendRow({new QStandardItem("Task A"), new QStandardItem("50%"), new QStandardItem("Active")});
    sourceModel->appendRow({new QStandardItem("Task B"), new QStandardItem("100%"), new QStandardItem("Completed")});
    sourceModel->appendRow({new QStandardItem("Task C"), new QStandardItem("20%"), new QStandardItem("Active")});
    sourceModel->appendRow({new QStandardItem("Task D"), new QStandardItem("0%"), new QStandardItem("Pending")});

    MyProxyModel *proxyModel = new MyProxyModel(&window);
    proxyModel->setSourceModel(sourceModel);

    QTreeView *treeView = new QTreeView(&window);
    treeView->setModel(proxyModel); // プロキシモデルをセット

    // "Progress"列（インデックス1）はhideColumnで非表示に
    treeView->hideColumn(1);

    window.setCentralWidget(treeView);
    window.show();

    return a.exec();
}

解説

この例ではQSortFilterProxyModelを使って、「Status」が"Active"の行だけが表示されるようにフィルタリングしています。これは列を隠すのではなく、特定の条件に合致する行を隠す例ですが、データ表示を制御するという点では関連するアプローチです。filterAcceptsColumn()を実装すれば、特定の列自体をビューから除外することも可能です。

モデルから列を完全に削除する（非推奨）

これはhideColumn()の代替とは言えませんが、特定の列が完全に不要になった場合に考えられる極端な方法です。

QStandardItemModel::removeColumns(int column, int count, const QModelIndex &parent = QModelIndex()): モデルから列を完全に削除します。

なぜこれは通常避けるべきか？

モデルとビューの分離の原則に反する
通常、ビューの表示はモデルのデータとは独立して制御されるべきです。ビューの表示のためにモデルの構造を変更するのは適切ではありません。
データが失われる
この操作を行うと、モデルからその列のデータが完全に削除され、元に戻せません。

使用するケース

開発段階で、ある列のデータがアプリケーション全体で完全に不要になったことが明確になった場合。

注意点

これは非常に破壊的な操作であり、通常は推奨されません。データが永続的に必要だが一時的に見せたくない場合は、hideColumn()を使用すべきです。

モデルから列のデータを完全に削除したい場合
QStandardItemModel::removeColumns()を使用しますが、これは慎重に行うべきです。
データに基づいて行または列をフィルタリングしたい場合
QSortFilterProxyModelを検討します。
特定の列をUIから隠すだけなら
QTreeView::hideColumn() (または QHeaderView::hideSection()) が最も直接的で適切な方法です。

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Qt プログラミングにおける void QTreeView::collapsed() は、QTreeView ウィジェットが提供するシグナルの一つです。まず、QTreeView について簡単に説明します。QTreeView は、Qt のモデル/ビューアーキテクチャの一部であり、階層的なデータをツリー構造として表示するためのウィジェットです。例えば、ファイルエクスプローラーのようなツリー表示を実装する際に使用されます。ツリーの各項目（ノード）は、子項目を持つことができ、それらを「展開（expanded）」したり「折りたたむ（collapsed）」ことができます。

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QTreeView::columnAt(int x) は、Qt の QTreeView クラスに属する関数の一つです。この関数は、指定された水平方向の座標（ピクセル単位）にある論理的な列のインデックスを返します。もう少し詳しく説明します。戻り値: 指定された x 座標が、いずれかの列の範囲内にある場合、その列の論理的なインデックス（0から始まる整数）が返されます。指定された x 座標が、どの列の範囲にも含まれない場合（例えば、ウィジェットの左端より左や、すべての列の右端より右）、通常は -1 が返されます。

もう迷わない！Qt QTreeViewの列非表示（hideColumn）完全ガイド

void QTreeView::hideColumn(int column) の一般的なエラーとトラブルシューティング

列が非表示にならない

アプリケーションがクラッシュする、または未定義の動作をする

非表示にした列が、特定の操作後に再表示される

例1: 最も基本的な使用法（特定の列を非表示にする）

例2: 列の表示/非表示をユーザー操作で切り替える

例3: setColumnHidden() を使用して状態を直接設定する

QHeaderView::hideSection() / setSectionHidden() を使用する

モデル内でデータを隠す（QSortFilterProxyModelの使用）

モデルから列を完全に削除する（非推奨）

`void QTreeView::hideColumn(int column)` の一般的なエラーとトラブルシューティング

例3: `setColumnHidden()` を使用して状態を直接設定する