Qtでワンランク上のコーディングを目指す！ビュー変換とQPainter::setViewTransformEnabled()の高度なテクニック

QPainter::setViewTransformEnabled() は、Qt GUIにおける描画処理において、ビュー変換を有効化または無効化するための関数です。ビュー変換は、描画されるオブジェクトの位置、サイズ、回転などを調整するために用いられます。

機能

enable が false の場合、ビュー変換が無効化され、描画されるオブジェクトは変換なしで描画されます。
enable が true の場合、ビュー変換が有効化され、描画されるオブジェクトは指定された変換に従って描画されます。

利点

ビュー変換を用いることで、以下の利点が得られます。

コードを簡潔に記述できます。
複雑なシーンを複数のオブジェクトで構成しやすくなります。
描画されるオブジェクトを自由に配置、拡大縮小、回転できます。

注意点

ビュー変換を使用する際には、以下の点に注意する必要があります。

描画結果がわかりにくくなる可能性があります。
パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
変換行列の計算が複雑になる場合があります。

例

以下のコードは、ビュー変換を有効化し、矩形を (100, 50) 座標に移動し、2 倍に拡大縮小して描画する例です。

QPainter painter(widget);
painter.setViewTransformEnabled(true);

QTransform transform;
transform.translate(100, 50);
transform.scale(2, 2);
painter.setTransform(transform);

painter.drawRect(0, 0, 100, 50);

QPainter::setViewTransformEnabled() は、QPainter::setTransform() 関数と組み合わせて使用されます。

矩形を (100, 50) 座標に移動し、2 倍に拡大縮小して描画

QPainter painter(widget);
painter.setViewTransformEnabled(true);

QTransform transform;
transform.translate(100, 50);
transform.scale(2, 2);
painter.setTransform(transform);

painter.drawRect(0, 0, 100, 50);

このコードは、以下の操作を行います。

QPainter オブジェクトを作成し、ウィジェットに関連付けます。
setViewTransformEnabled() 関数を呼び出し、ビュー変換を有効化します。
QTransform オブジェクトを作成し、移動と拡大縮小の変換を設定します。
setTransform() 関数を呼び出し、QPainter オブジェクトに QTransform オブジェクトを設定します。
drawRect() 関数を呼び出し、矩形を描画します。

楕円を (50, 75) 座標に移動し、45 度回転させて描画

QPainter painter(widget);
painter.setViewTransformEnabled(true);

QTransform transform;
transform.translate(50, 75);
transform.rotate(45);
painter.setTransform(transform);

painter.drawEllipse(0, 0, 100, 50);

解説

QPainter オブジェクトを作成し、ウィジェットに関連付けます。
setViewTransformEnabled() 関数を呼び出し、ビュー変換を有効化します。
QTransform オブジェクトを作成し、移動と回転の変換を設定します。
setTransform() 関数を呼び出し、QPainter オブジェクトに QTransform オブジェクトを設定します。
drawEllipse() 関数を呼び出し、楕円を描画します。

QPainter painter(widget);
painter.setViewTransformEnabled(true);

QTransform transform;
transform.translate(200, 100);
transform.scale(0.5, 0.5);
painter.setTransform(transform);

QImage image("image.png");
painter.drawImage(0, 0, image);

QPainter オブジェクトを作成し、ウィジェットに関連付けます。
setViewTransformEnabled() 関数を呼び出し、ビュー変換を有効化します。
QTransform オブジェクトを作成し、移動と縮小の変換を設定します。
setTransform() 関数を呼び出し、QPainter オブジェクトに QTransform オブジェクトを設定します。
QImage オブジェクトを作成し、画像ファイルを読み込みます。
drawImage() 関数を呼び出し、画像を QPainter オブジェクトに描画します。

QPainter::setTransform() を直接使用する

QPainter::setViewTransformEnabled() は、内部的に QPainter::setTransform() を呼び出してビュー変換を設定します。そのため、QPainter::setTransform() を直接使用することで、より詳細な制御が可能になります。

QPainter painter(widget);

QTransform transform;
transform.translate(100, 50);
transform.scale(2, 2);
painter.setTransform(transform);

painter.drawRect(0, 0, 100, 50);

QGraphicsView を使用する

QGraphicsView は、グラフィックシーンをレンダリングするためのクラスです。QGraphicsView を使用することで、ビュー変換を自動的に処理することができます。

QGraphicsScene scene;
QGraphicsItem* item = new QGraphicsRectItem(0, 0, 100, 50);
scene.addItem(item);

QGraphicsView view(widget);
view.setScene(&scene);

QOpenGLWidget を使用する

QOpenGLWidget は、OpenGL を使用してグラフィックスを描画するためのクラスです。QOpenGLWidget を使用することで、より高度なビュー変換を実現することができます。

QOpenGLWidget widget;

// OpenGL の初期化処理

void paintGL() {
    glViewport(0, 0, widget.width(), widget.height());

    glMatrixMode(GL_PROJECTION);
    glLoadIdentity();
    gluPerspective(45, (float)widget.width() / (float)widget.height(), 0.1, 100.0);

    glMatrixMode(GL_MODELVIEW);
    glTranslatef(100, 50, 0);
    glScalef(2, 2, 1);

    // 描画処理
}

選択基準

どの方法を選択するかは、以下の要素を考慮する必要があります。

コードの簡潔性
パフォーマンス要件
必要とされるビュー変換の複雑さ

上記以外にも、QGLWidget や QQuickWidget などの代替方法が存在します。