アニメーション GIF ファイルを Qt GUI でよみがえらせる：QMovie::start() の魔法
QMovie::start() メソッドは、Qt GUIアプリケーションでアニメーションGIFファイルを再生するために使用されます。このメソッドを呼び出すことで、GIFファイルのフレームがシーケンス通りに表示され、アニメーション効果が実現されます。
使用方法
QMovie movie("path/to/movie.gif");
movie.start();
上記のコード例では、path/to/movie.gif ファイルパスを指定して QMovie オブジェクトを作成し、start() メソッドを呼び出すことでアニメーションを再生します。
- アニメーションを停止するには、
stop()メソッドを使用します。 QMovie::start()メソッドは非同期処理であるため、呼び出し直後にstate()メソッドで状態を確認しても、まだRunningになっていない可能性があります。- アニメーションが再生されると、
updated()とresized()シグナルがemitされます。 QMovie::start()メソッドは、QMovieオブジェクトの状態をRunningに変更します。
QMovieオブジェクトは、Qt GUIアプリケーションだけでなく、コンソールアプリケーションでも使用できます。- GIFファイル以外にも、PNG画像シーケンスなどの他の形式のアニメーションも
QMovieオブジェクトで再生できます。 QMovie::start()メソッドは、スレッドから呼び出さないことを推奨します。スレッドから呼び出す場合は、QThreadを使用する必要があります。
例1：ラベルにGIFファイルを埋め込む
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QLabel>
#include <QtWidgets/QMovie>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
QLabel label;
QMovie movie("path/to/movie.gif");
movie.start();
label.setMovie(&movie);
label.show();
return app.exec();
}
このコード例では、ラベルに QMovie オブジェクトを設定することで、アニメーションGIFファイルを埋め込んでいます。
例2：ボタンをクリックしてアニメーションを再生する
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QPushButton>
#include <QtWidgets/QLabel>
#include <QtWidgets/QMovie>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
QLabel label;
QMovie movie("path/to/movie.gif");
QPushButton button("再生");
button.connect(&button, &QPushButton::clicked, [&]() {
movie.start();
});
label.setMovie(&movie);
QVBoxLayout layout;
layout.addWidget(&label);
layout.addWidget(&button);
QWidget widget;
widget.setLayout(&layout);
widget.show();
return app.exec();
}
このコード例では、ボタンをクリックすると QMovie::start() メソッドが呼び出され、アニメーションが再生されます。
- Qt CreatorなどのIDEを使用すると、GUIデザイナを使ってコードを簡単に作成することができます。
- 上記のコード例はあくまでも基本的な例です。必要に応じて、コードをカスタマイズすることができます。
QGifAnimation クラスを使用する
Qt 5.15 以降では、QMovie クラスよりも新しい QGifAnimation クラスを使用することができます。QGifAnimation クラスは、QMovie クラスよりも多くの機能を提供しており、メモリ使用量も少ないです。
長所
- Qt 5.15 以降で使用可能
QMovieクラスよりも多くの機能を提供する- メモリ使用量が少ない
短所
- 一部の古い Qt バージョンでは使用できません
QMovieクラスほど古くありません
例
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QLabel>
#include <QtMultimedia/QGifAnimation>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
QLabel label;
QGifAnimation animation("path/to/movie.gif");
animation.start();
label.setMovie(&animation);
label.show();
return app.exec();
}
OpenGL を使用する
より高度なアニメーション効果を作成したい場合は、OpenGL を使用することができます。OpenGL は、より多くの制御と柔軟性を提供しますが、習得するのがより難しい場合があります。
長所
QMovieクラスよりも多くの制御と柔軟性がある- 非常に高度なアニメーション効果を作成できる
短所
QMovieクラスよりもパフォーマンスが遅い場合がある- 習得するのが難しい
例
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QLabel>
#include <QtOpenGL/QGLWidget>
class MyWidget : public QGLWidget {
public:
MyWidget(const QWidget *parent = 0) : QGLWidget(parent) {
timer = new QTimer(this);
connect(timer, &QTimer::timeout, this, &MyWidget::update);
timer->start(16);
}
protected:
void paintGL() {
// OpenGL でアニメーションを描画するコード
}
private:
QTimer *timer;
};
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
MyWidget widget;
widget.show();
return app.exec();
}
FFmpeg を使用する
FFmpeg は、マルチメディアフレームワークであり、GIF ファイルを含むさまざまな形式のビデオをデコードすることができます。FFmpeg を使用して GIF ファイルをデコードし、フレームを個別に描画することで、アニメーションを作成することができます。
長所
QMovieクラスよりもパフォーマンスが速い場合がある- さまざまな形式のビデオをデコードできる
短所
- 複雑で習得するのが難しい
- FFmpeg ライブラリを別途インストールする必要がある
例
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QLabel>
#include <ffmpeginc/libavcodec/avcodec.h>
#include <ffmpeginc/libavutil/avutil.h>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
QLabel label;
// FFmpeg で GIF ファイルをデコードするコード
// フレームを個別に描画してアニメーションを作成するコード
label.show();
return app.exec();
}
カスタムウィジェットを作成する
独自のアニメーションを作成したい場合は、カスタムウィジェットを作成することができます。この方法は、最も柔軟性がありますが、最も時間がかかり、複雑でもあります。
長所
- 独自のアニメーションを作成できる
- 完全な制御と柔軟性
短所
- 複雑で習得するのが難しい
- 時間と労力が必要
QMovie::start() は、Qt GUI でアニメーション GIF ファイルを再生するための最良の方法は、ニーズによって異なります。シンプルなアニメーションの場合は、QMovie::start() が最適な選択肢です。より高度なアニメーションが必要な場合は、QGifAnimation、OpenGL、FFmpeg、またはカスタムウィジェットを検討する必要があります。
- [QGifAnimation Class