Qtでプラットフォーム固有のUIパラメータを取得：QGuiApplication::styleHints()の使い方

QGuiApplication::styleHints() は、Qt GUI アプリケーションにおいて、現在のプラットフォームに固有のグローバルなユーザーインターフェースパラメータにアクセスするための静的関数です。これらのパラメータは、ウィジェットの外観や動作を調整するために使用できます。

機能

QGuiApplication::styleHints() は、QStyleHints オブジェクトを返します。このオブジェクトには、以下のプロパティが含まれています。

• TouchSupport
  タッチスクリーンがサポートされているかどうか
• HighDPI
  高DPI ディスプレイがサポートされているかどうか
• TabletSupport
  タブレットがサポートされているかどうか
• OpenGL3Support
  OpenGL 3 がサポートされているかどうか
• OpenGL2Support
  OpenGL 2 がサポートされているかどうか
• NativeWidgetsEnabled
  ネイティブウィジェットが有効かどうか
• ShortcutsAvailable
  ショートカットが利用可能かどうか
• SystemLanguageDirection
  システム言語の方向
• LayoutDirectionHint
  レイアウトの方向のヒント
• CursorShapeHint
  カーソルの形状のヒント
• KeyboardInputDirectionHint
  キーボード入力の方向のヒント
• StartDragDistance
  ドラッグを開始する最小距離
• MinimumWindowSize
  最小ウィンドウサイズ
• MaximumWindowSize
  最大ウィンドウサイズ
• SplitterSize
  スプリッターのサイズ
• ToolBoxIconSize
  ツールボックスアイコンのサイズ
• TabBarIconSize
  タブバーアイコンのサイズ
• MenuArrowSize
  メニュー矢印のサイズ
• MenuCheckMarkSize
  メニューチェックマークのサイズ
• popupFrameWidth
  ポップアップフレームの幅
• comboButtonBevelWidth
  コンボボックスボタンのベベル幅
• titleBarHeight
  タイトルバーの高さ
• frameWidth
  フレームの幅
• scrollBarWidth
  スクロールバーの幅
• dragDropThreshold
  ドラッグ アンド ドロップのしきい値
• doubleClickInterval
  ダブルクリックのインターバル
• standardCursor
  標準カーソル
• systemCursor
  システムカーソル
• font
  システムフォント
• maximumSizeHint
  ウィジェットの最大推奨サイズ
• minimumSizeHint
  ウィジェットの最小推奨サイズ
• systemPalette
  システムパレット
• toolBarIconSize
  ツールバーアイコンのサイズ
• smallIconSize
  小さいアイコンのサイズ
• iconSize
  アイコンのサイズ
• menuIconSize
  メニューアイコンのサイズ
• startMenuIconSize
  スタートメニューアイコンのサイズ

QStyleHints hints = QGuiApplication::styleHints();

int startMenuIconSize = hints.startMenuIconSize();
int menuIconSize = hints.menuIconSize();
int iconSize = hints.iconSize();
int smallIconSize = hints.smallIconSize();
int toolBarIconSize = hints.toolBarIconSize();
const QPalette& systemPalette = hints.systemPalette();
QSize minimumSizeHint = hints.minimumSizeHint();
QSize maximumSizeHint = hints.maximumSizeHint();
QFont font = hints.font();
QCursor systemCursor = hints.systemCursor();
QCursor standardCursor = hints.standardCursor();
int doubleClickInterval = hints.doubleClickInterval();
int dragDropThreshold = hints.dragDropThreshold();
int scrollBarWidth = hints.scrollBarWidth();
int frameWidth = hints.frameWidth();
int titleBarHeight = hints.titleBarHeight();
int comboButtonBevelWidth = hints.comboButtonBevelWidth();
int popupFrameWidth = hints.popupFrameWidth();
QSize menuCheckMarkSize = hints.menuCheckMarkSize();
QSize menuArrowSize = hints.menuArrowSize();
QSize tabBarIconSize = hints.tabBarIconSize();
QSize toolBoxIconSize = hints.toolBoxIconSize();
int splitterSize = hints.splitterSize();
QSize maximumWindowSize = hints.maximumWindowSize();
QSize minimumWindowSize = hints.minimumWindowSize();
int startDragDistance = hints.startDragDistance();
Qt::LayoutDirection keyboardInputDirectionHint = hints.keyboardInputDirectionHint();
Qt::CursorShape cursorShapeHint = hints.cursorShapeHint();
Qt::LayoutDirection layoutDirectionHint = hints.layoutDirectionHint();
QLocale::Language systemLanguageDirection = hints.systemLanguageDirection();
bool shortcutsAvailable = hints.shortcutsAvailable();
bool nativeWidgetsEnabled = hints.nativeWidgetsEnabled();
bool openGL2Support = hints.openGL2Support();
bool openGL3Support = hints.openGL3Support();
bool tabletSupport = hints.tabletSupport();

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#include <QApplication>
#include <QStyleHints>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // 現在のスタイルヒントを取得する
  QStyleHints hints = QGuiApplication::styleHints();

  // 取得したヒントを使用して、ウィジェットの外観や動作を調整する
  // ...

  return app.exec();
}

このコードでは、まず QApplication オブジェクトを作成します。次に、QGuiApplication::styleHints() 関数を使用して、現在のスタイルヒントを取得します。取得したスタイルヒントは、QStyleHints オブジェクトに格納されます。

この QStyleHints オブジェクトを使用して、ウィジェットの外観や動作を調整することができます。例えば、minimumSizeHint() プロパティを使用してウィジェットの最小推奨サイズを設定したり、systemPalette() プロパティを使用してウィジェットのパレットを設定したりすることができます。

以下は、QStyleHints オブジェクトのプロパティを使用してウィジェットの外観を調整する例です。

// ウィジェットを作成する
QWidget widget;

// スタイルヒントを使用してウィジェットの最小推奨サイズを設定する
QSize minimumSizeHint = hints.minimumSizeHint();
widget.setMinimumSize(minimumSizeHint);

// スタイルヒントを使用してウィジェットのパレットを設定する
const QPalette& systemPalette = hints.systemPalette();
widget.setPalette(systemPalette);

このコードでは、まずウィジェットを作成します。次に、minimumSizeHint() プロパティを使用してウィジェットの最小推奨サイズを設定します。最後に、systemPalette() プロパティを使用してウィジェットのパレットを設定します。

このように、QGuiApplication::styleHints() 関数を使用して、現在のプラットフォームに固有のグローバルなユーザーインターフェースパラメータを取得し、ウィジェットの外観や動作を調整することができます。

• スタイルヒントをカスタマイズするには、QStyle クラスのサブクラスを作成する必要があります。
• 特定のウィジェットのスタイルヒントを取得するには、widget->styleHints() 関数を使用することができます。

• スタイルヒントは、プラットフォームによって異なる場合があります。
• QGuiApplication::styleHints() 関数は、アプリケーションが起動した直後にのみ呼び出す必要があります。

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代替方法

1. QStyle クラスを使用する

   QStyle クラスは、ウィジェットの外観を制御するための API を提供します。QStyle オブジェクトを取得するには、以下の方法があります。

   • QApplication::style() 関数を使用する
   • ウィジェットの style() メソッドを使用する

   QStyle オブジェクトを取得したら、以下のプロパティを使用して、ウィジェットの外観に関連する情報を取得することができます。

   • standardIcon()
   • pixelMetric()
   • subElement()

   この方法は、QGuiApplication::styleHints() 関数よりも柔軟性がありますが、コード量が増えるという欠点があります。

2. プラットフォーム固有の API を使用する

   各プラットフォームには、独自の API を使用してユーザーインターフェースパラメータを取得することができます。例えば、Windows では GetSystemMetrics() 関数を使用し、macOS では NSAppearanceCurrent() 関数を使用することができます。

   この方法は、プラットフォーム固有のコードが必要になるという欠点があります。

3. ハードコーディングする

   一部の情報については、ハードコーディングする方が簡単で効率的な場合があります。例えば、スタートメニューアイコンのサイズは、多くのプラットフォームで一定しているため、ハードコーディングしても問題ありません。

   この方法は、コードの保守性が低下する可能性があるという欠点があります。

各方法の比較

方法	長所	短所
QStyle クラスを使用する	柔軟性が高い	コード量が増える
プラットフォーム固有の API を使用する	コード量が少なくなる	プラットフォーム固有のコードが必要
ハードコーディングする	簡単で効率的	コードの保守性が低下する可能性がある

QGuiApplication::styleHints() 関数は、多くの場合、現在のプラットフォームに固有のグローバルなユーザーインターフェースパラメータを取得するための最良の方法です。しかし、状況によっては、上記の代替方法の方が適切な場合があります。

• Qt 6 以降では、QGuiApplication::styleHints() 関数は非推奨となり、将来的に削除される可能性があります。