Qt Widgetsプログラミング上級者向け:QGraphicsTextItem::font()を使いこなしてテキストを自由自在に操る
QGraphicsTextItem::font()
関数は、QGraphicsTextItem
オブジェクトで使用されているフォントを取得します。この情報は、テキストの表示方法やサイズを決定するために使用できます。
構文
QFont QGraphicsTextItem::font() const
この関数は、QFont
型の値を返します。この値には、フォントファミリ、フォントサイズ、太字、斜体などの情報が含まれています。
例
QGraphicsTextItem *textItem = new QGraphicsTextItem("Hello, World!");
scene->addItem(textItem);
QFont font = textItem->font();
font.setPointSize(16);
textItem->setFont(font);
この例では、次のことが行われます。
QGraphicsTextItem
オブジェクトが作成され、"Hello, World!" というテキストが設定されます。font()
関数を使用して、テキストアイテムで使用されているフォントを取得します。- 取得したフォントのサイズを 16 ポイントに設定します。
setFont()
関数を使用して、変更されたフォントをテキストアイテムに設定します。
- フォントファミリ、フォントサイズ、太字、斜体などのフォントプロパティを変更するには、
QFont
オブジェクトのメソッドを使用できます。 QGraphicsTextItem::font()
関数は、オブジェクトが作成された時点でのフォントを返します。その後、setFont()
関数を使用してフォントを変更できます。
関連関数
setText()
: テキストアイテムのテキストを設定します。text()
: テキストアイテムのテキストを取得します。setFont()
: テキストアイテムに使用するフォントを設定します。
- テキストアイテムに特定のフォントファミリを使用する
- テキストアイテムのフォントスタイルを変更する
- テキストアイテムの表示サイズを調整する
例 1: テキストサイズを変更する
この例では、QGraphicsTextItem
オブジェクトを作成し、"Hello, World!" というテキストを設定します。その後、font()
関数を使用してフォントを取得し、そのサイズを 16 ポイントに設定します。
QGraphicsScene *scene = new QGraphicsScene;
QGraphicsView *view = new QGraphicsView(scene);
view->show();
QGraphicsTextItem *textItem = new QGraphicsTextItem("Hello, World!");
scene->addItem(textItem);
QFont font = textItem->font();
font.setPointSize(16);
textItem->setFont(font);
例 2: テキストスタイルを変更する
この例では、QGraphicsTextItem
オブジェクトを作成し、"Hello, World!" というテキストを設定します。その後、font()
関数を使用してフォントを取得し、その太字と斜体を設定します。
QGraphicsScene *scene = new QGraphicsScene;
QGraphicsView *view = new QGraphicsView(scene);
view->show();
QGraphicsTextItem *textItem = new QGraphicsTextItem("Hello, World!");
scene->addItem(textItem);
QFont font = textItem->font();
font.setBold(true);
font.setItalic(true);
textItem->setFont(font);
例 3: 特定のフォントファミリを使用する
この例では、QGraphicsTextItem
オブジェクトを作成し、"Hello, World!" というテキストを設定します。その後、font()
関数を使用してフォントを取得し、そのフォントファミリを "Arial" に設定します。
QGraphicsScene *scene = new QGraphicsScene;
QGraphicsView *view = new QGraphicsView(scene);
view->show();
QGraphicsTextItem *textItem = new QGraphicsTextItem("Hello, World!");
scene->addItem(textItem);
QFont font = textItem->font();
font.setFamily("Arial");
textItem->setFont(font);
これらの例はほんの一例です。QGraphicsTextItem::font()
関数は、テキストアイテムの表示をカスタマイズするためにさまざまな方法で使用できます。
- フォントファミリ、フォントサイズ、太字、斜体などのフォントプロパティを変更するには、
QFont
オブジェクトのメソッドを使用できます。
代替方法
textFormat()
関数を使用する
textFormat()
関数は、QGraphicsTextItem
オブジェクトのテキストフォーマットを取得します。このテキストフォーマットには、フォントを含むテキストのスタイルに関する情報が含まれています。
QTextFormat format = textItem->textFormat();
QFont font = format.font();
defaultFont()
関数を使用する
defaultFont()
関数は、QGraphicsTextItem
クラスのデフォルトフォントを取得します。これは、テキストアイテムが作成されたときに設定されたフォントです。
QFont font = QGraphicsTextItem::defaultFont();
QFont
オブジェクトを直接設定する
QFont
オブジェクトを直接 QGraphicsTextItem
オブジェクトに設定することもできます。
QFont font("Arial", 16, QFont::Bold);
textItem->setFont(font);
それぞれの方法の利点と欠点
方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
font() 関数 | シンプルでわかりやすい | フォーマット全体を取得する必要がある場合、非効率的 |
textFormat() 関数 | フォーマット全体を取得できる | 必要な情報 (フォント) を取得するために追加の処理が必要 |
defaultFont() 関数 | デフォルトフォントを取得するのにシンプル | 特定のフォントが必要な場合、不適切 |
独自設定の QFont オブジェクト | 特定のフォントを直接設定できる | コードが冗長になる可能性がある |
QGraphicsTextItem::font()
関数は、多くの場合、QGraphicsTextItem
オブジェクトで使用されているフォントを取得するための最良の方法です。しかし、状況によっては、上記の代替方法の方がより適切な場合があります。
- 親オブジェクトからフォントを継承するかどうかを制御する
setInheritanceFont()
メソッドもあります。 - テキストアイテムに複数のテキストブロックがある場合、各ブロックには独自のフォントが設定されている可能性があります。