Qt Widgets: アイテム間の隠蔽関係を解き明かす！QGraphicsSimpleTextItem::isObscuredBy()のしくみと使い方

QGraphicsSimpleTextItem::isObscuredBy()は、特定のグラフィックアイテムが別のアイテムによって隠されているかどうかを判定するための関数です。これは、Qt WidgetsライブラリにおけるQGraphicsScene内のアイテム間の視覚的な干渉を検出する際に役立ちます。

機能

この関数は、引数としてconst QGraphicsItem *itemを受け取り、呼び出し側のアイテムがitemによって隠されているかどうかを返します。返値はbool型で、trueの場合は隠されている、falseの場合は隠されていないことを示します。

判定方法

isObscuredBy()は、以下の要素を考慮して判定を行います。

• アイテムの透過性: アイテムの透過設定を考慮し、透過部分であっても隠されていると判定される場合があります。
• アイテムの形状: アイテムの形状情報に基づいて、隠れている部分とそうでない部分を判断します。
• アイテム間の位置関係: 呼び出し側のアイテムとitemの位置関係を調べます。もしitemが完全に呼び出し側のアイテムを覆っている場合は、隠されていると判定されます。

例

QGraphicsSimpleTextItem *textItem = new QGraphicsSimpleTextItem("Hello, World!");
scene->addItem(textItem);

QGraphicsRectItem *rectItem = new QGraphicsRectItem(QRectF(0, 0, 100, 50));
scene->addItem(rectItem);

if (textItem->isObscuredBy(rectItem)) {
  // テキストアイテムは矩形アイテムによって隠されている
} else {
  // テキストアイテムは矩形アイテムによって隠されていない
}

注意点

• アイテムの形状が複雑な場合は、判定結果が正確でない場合があります。
• アイテム間のZオーダーは考慮されません。Zオーダーの高いアイテムが低いアイテムを隠している場合でも、isObscuredBy()はfalseを返す可能性があります。
• isObscuredBy()は、あくまでも視覚的な干渉を判定するものであり、論理的な隠蔽関係を判断するものではありません。

QGraphicsSimpleTextItem::isObscuredBy()は、Qt WidgetsにおけるQGraphicsScene内のアイテム間の視覚的な干渉を検出するための便利な関数です。アイテム間の位置関係、形状、透過性などを考慮して判定を行い、隠されているかどうかを判断します。ただし、アイテム間のZオーダーや複雑な形状などには注意が必要です。

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#include <QCoreApplication>
#include <QGraphicsScene>
#include <QGraphicsView>
#include <QGraphicsSimpleTextItem>
#include <QGraphicsRectItem>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QCoreApplication app(argc, argv);

  // シーンとビューを作成
  QGraphicsScene scene;
  QGraphicsView view(&scene);
  view.resize(400, 300);

  // テキストアイテムを作成
  QGraphicsSimpleTextItem *textItem = new QGraphicsSimpleTextItem("Hello, World!");
  textItem->setPos(50, 20);
  scene.addItem(textItem);

  // 矩形アイテムを作成
  QGraphicsRectItem *rectItem = new QGraphicsRectItem(QRectF(0, 0, 100, 50));
  rectItem->setPos(30, 10);
  scene.addItem(rectItem);

  // テキストアイテムが矩形アイテムによって隠されているかどうか判定
  if (textItem->isObscuredBy(rectItem)) {
    qDebug() << "テキストアイテムは矩形アイテムによって隠されています";
  } else {
    qDebug() << "テキストアイテムは矩形アイテムによって隠されていません";
  }

  // ビューを表示
  view.show();

  return app.exec();
}

例2：アイテムの形状による判定

#include <QCoreApplication>
#include <QGraphicsScene>
#include <QGraphicsView>
#include <QGraphicsSimpleTextItem>
#include <QGraphicsPathItem>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QCoreApplication app(argc, argv);

  // シーンとビューを作成
  QGraphicsScene scene;
  QGraphicsView view(&scene);
  view.resize(400, 300);

  // テキストアイテムを作成
  QGraphicsSimpleTextItem *textItem = new QGraphicsSimpleTextItem("Hello, World!");
  textItem->setPos(50, 20);
  scene.addItem(textItem);

  // 円形パスを作成
  QPainterPath path;
  path.addEllipse(QRectF(30, 10, 100, 50));

  // 円形パスアイテムを作成
  QGraphicsPathItem *pathItem = new QGraphicsPathItem(path);
  scene.addItem(pathItem);

  // テキストアイテムが円形パスアイテムによって隠されているかどうか判定
  if (textItem->isObscuredBy(pathItem)) {
    qDebug() << "テキストアイテムは円形パスアイテムによって隠されています";
  } else {
    qDebug() << "テキストアイテムは円形パスアイテムによって隠されていません";
  }

  // ビューを表示
  view.show();

  return app.exec();
}

#include <QCoreApplication>
#include <QGraphicsScene>
#include <QGraphicsView>
#include <QGraphicsSimpleTextItem>
#include <QGraphicsRectItem>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QCoreApplication app(argc, argv);

  // シーンとビューを作成
  QGraphicsScene scene;
  QGraphicsView view(&scene);
  view.resize(400, 300);

  // テキストアイテムを作成
  QGraphicsSimpleTextItem *textItem = new QGraphicsSimpleTextItem("Hello, World!");
  textItem->setPos(50, 20);
  scene.addItem(textItem);

  // 矩形アイテムを作成
  QGraphicsRectItem *rectItem = new QGraphicsRectItem(QRectF(0, 0, 100, 50));
  rectItem->setPos(30, 10);
  rectItem->setOpacity(0.5); // 透過度を50%に設定
  scene.addItem(rectItem);

  // テキストアイテムが矩形アイテムによって隠されているかどうか判定
  if (textItem->isObscuredBy(rectItem)) {
    qDebug() << "テキストアイテムは矩形アイテムによって隠されています";
  } else {
    qDebug() << "テキストアイテムは矩形アイテムによって

---

代替方法の例

• アイテム間のZオーダーを考慮する場合: QGraphicsItem::boundingRect()とQGraphicsItem::intersects()を組み合わせて使用することで、Zオーダーを考慮した判定を行うことができます。

bool isObscuredByZOrder(QGraphicsSimpleTextItem *textItem, QGraphicsItem *item) {
  // それぞれのアイテムの外接矩形を取得
  QRectF textItemRect = textItem->boundingRect();
  QRectF itemRect = item->boundingRect();

  // アイテム間のZオーダーを確認
  if (textItem->zValue() < item->zValue()) {
    // テキストアイテムの方がZオーダーが低い場合は、隠されている可能性がある
    return itemRect.intersects(textItemRect);
  } else {
    // テキストアイテムの方がZオーダーが高い場合は、隠されていない
    return false;
  }
}

• 複雑な形状のアイテムを判定する場合: QPainterPath::intersects()を使用して、アイテム間の形状をより詳細に判定することができます。

bool isObscuredByShape(QGraphicsSimpleTextItem *textItem, QGraphicsItem *item) {
  // テキストアイテムのパスを取得
  QPainterPath textItemPath = textItem->shape();

  // アイテムのパスを取得
  QPainterPath itemPath = item->shape();

  // パス同士の交差判定
  return textItemPath.intersects(itemPath);
}

• パフォーマンスが重要な場合: QGraphicsItem::collidesWith()を使用して、簡易的な判定を行うことができます。ただし、この関数は形状の詳細な判定は行わないため、精度が低くなる可能性があります。

bool isObscuredByCollision(QGraphicsSimpleTextItem *textItem, QGraphicsItem *item) {
  return textItem->collidesWith(item);
}

それぞれの方法の利点と欠点

方法	利点	欠点
isObscuredBy()	シンプルで使いやすい	Zオーダーや複雑な形状を考慮しない
isObscuredByZOrder	Zオーダーを考慮できる	形状の詳細な判定は行わない
isObscuredByShape	複雑な形状を判定できる	計算量が多くなる
isObscuredByCollision	処理速度が速い	精度が低くなる可能性がある

QGraphicsSimpleTextItem::isObscuredBy()は、多くの場合で便利な関数ですが、状況によっては代替方法が必要になる場合があります。それぞれの方法の利点と欠点を理解し、適切な方法を選択することが重要です。