【保存版】Qt GUIで行列を操るテクニック集：QGenericMatrix::setToIdentity()の使い方から応用例まで

QGenericMatrix::setToIdentity() メソッドは、Qt GUIライブラリで使用される QGenericMatrix クラスのメンバー関数であり、その行列を単位行列に変換します。単位行列とは、対角線上の要素がすべて 1 で、それ以外の要素がすべて 0 の正方行列です。

用途

setToIdentity() メソッドは、様々な場面で役立ちます。主な用途は以下の通りです。

逆行列の計算
逆行列を計算する際に、単位行列を初期値として使用することがあります。
変換の初期化
3D グラフィックスなどの変換操作を始める前に、変換行列を単位行列にリセットすることがあります。
初期化
新しい行列を作成する際に、単位行列から始めることがよくあります。

使用方法

setToIdentity() メソッドは、以下のコードのように呼び出すことができます。

QGenericMatrix<N, M, T> matrix;
matrix.setToIdentity();

このコードは、N 行と M 列を持つ QGenericMatrix オブジェクト matrix を作成し、その行列を単位行列に変換します。

例

以下のコード例は、QGenericMatrix オブジェクトを使用して 2x2 単位行列を作成する方法を示しています。

#include <QGenericMatrix>

int main() {
  QGenericMatrix<2, 2, double> matrix;
  matrix.setToIdentity();

  // 行列の要素を出力する
  for (int row = 0; row < matrix.numRows(); ++row) {
    for (int col = 0; col < matrix.numCols(); ++col) {
      std::cout << matrix(row, col) << " ";
    }
    std::cout << std::endl;
  }

  return 0;
}

このコードを実行すると、以下の出力が得られます。

1 0
0 1

setToIdentity() メソッドは、行列のサイズを変更しません。行列のサイズを変更する必要がある場合は、resize() メソッドを使用する必要があります。
QGenericMatrix クラスは、テンプレートクラスであり、行列の要素型を指定することができます。上記の例では、要素型として double を使用しています。

#include <QGenericMatrix>

int main() {
  QGenericMatrix<3, 3, double> matrix;
  matrix.setToIdentity();

  // 行列の要素を出力する
  for (int row = 0; row < matrix.numRows(); ++row) {
    for (int col = 0; col < matrix.numCols(); ++col) {
      std::cout << matrix(row, col) << " ";
    }
    std::cout << std::endl;
  }

  return 0;
}

変換行列の初期化

この例では、QGenericMatrix オブジェクトを使用して 3D 回転行列を作成し、それを単位行列で初期化する方法を示します。

#include <QGenericMatrix>
#include <cmath>

int main() {
  QGenericMatrix<3, 3, double> rotationMatrix;

  // 回転角度をラジアンで指定
  double angle = M_PI / 4.0;

  // 回転行列を計算する
  rotationMatrix(0, 0) = cos(angle);
  rotationMatrix(0, 1) = -sin(angle);
  rotationMatrix(0, 2) = 0.0;

  rotationMatrix(1, 0) = sin(angle);
  rotationMatrix(1, 1) = cos(angle);
  rotationMatrix(1, 2) = 0.0;

  rotationMatrix(2, 0) = 0.0;
  rotationMatrix(2, 1) = 0.0;
  rotationMatrix(2, 2) = 1.0;

  // 回転行列を単位行列で初期化
  rotationMatrix.setToIdentity();

  // 行列の要素を出力する
  for (int row = 0; row < rotationMatrix.numRows(); ++row) {
    for (int col = 0; col < rotationMatrix.numCols(); ++col) {
      std::cout << rotationMatrix(row, col) << " ";
    }
    std::cout << std::endl;
  }

  return 0;
}

逆行列の計算

この例では、QGenericMatrix オブジェクトを使用して行列の逆行列を計算する方法を示します。この例では、単位行列を使用します。

#include <QGenericMatrix>

int main() {
  QGenericMatrix<2, 2, double> matrix;

  // 単位行列を作成
  matrix.setToIdentity();

  // 逆行列を計算する
  QGenericMatrix<2, 2, double> inverseMatrix = matrix.inverted();

  // 行列と逆行列の要素を出力する
  std::cout << "行列:" << std::endl;
  for (int row = 0; row < matrix.numRows(); ++row) {
    for (int col = 0; col < matrix.numCols(); ++col) {
      std::cout << matrix(row, col) << " ";
    }
    std::cout << std::endl;
  }

  std::cout << std::endl << "逆行列:" << std::endl;
  for (int row = 0; row < inverseMatrix.numRows(); ++row) {
    for (int col = 0; col < inverseMatrix.numCols(); ++col) {
      std::cout << inverseMatrix(row, col) << " ";
    }
    std::cout << std::endl;
  }

  return 0;
}

Qt GUIアプリケーションの開発方法の詳細については、Qt ドキュメントを参照してください。
これらの例は、Qt GUIアプリケーションで QGenericMatrix クラスを使用する方法を示すだけです。このクラスは、様々な目的で使用することができます。

代替方法の選択肢

手動で要素を設定する
各要素を 0 または 1 に手動で設定することで、行列を単位行列に変換することができます。これは、行列が小さい場合や、コードをより明確にしたい場合に適しています。

#include <QGenericMatrix>

int main() {
  QGenericMatrix<3, 3, double> matrix;

  // 各要素を 0 または 1 に手動で設定する
  for (int row = 0; row < matrix.numRows(); ++row) {
    for (int col = 0; col < matrix.numCols(); ++col) {
      if (row == col) {
        matrix(row, col) = 1.0;
      } else {
        matrix(row, col) = 0.0;
      }
    }
  }

  // 行列の要素を出力する
  for (int row = 0; row < matrix.numRows(); ++row) {
    for (int col = 0; col < matrix.numCols(); ++col) {
      std::cout << matrix(row, col) << " ";
    }
    std::cout << std::endl;
  }

  return 0;
}

**std::fill_n()関数を使用する:** C++ 標準ライブラリのstd::fill_n()` 関数を使用して、行列の要素をすべて 0 または 1 で埋めることができます。その後、対角線上の要素を 1 に設定することで、単位行列を作成することができます。

#include <QGenericMatrix>
#include <algorithm>

int main() {
  QGenericMatrix<3, 3, double> matrix;

  // 行列の要素をすべて 0 で埋める
  std::fill_n(matrix.data(), matrix.size(), 0.0);

  // 対角線上の要素を 1 に設定する
  for (int i = 0; i < matrix.numRows(); ++i) {
    matrix(i, i) = 1.0;
  }

  // 行列の要素を出力する
  for (int row = 0; row < matrix.numRows(); ++row) {
    for (int col = 0; col < matrix.numCols(); ++col) {
      std::cout << matrix(row, col) << " ";
    }
    std::cout << std::endl;
  }

  return 0;
}

QIdentityMatrix クラスを使用する
Qt ライブラリには QIdentityMatrix クラスがあり、これは常に単位行列を表す行列を表すことができます。

#include <QGenericMatrix>
#include <QIdentityMatrix>

int main() {
  // 単位行列を作成する
  QIdentityMatrix identityMatrix;

  // QGenericMatrix オブジェクトに変換する
  QGenericMatrix<3, 3, double> matrix = identityMatrix.toGenericMatrix();

  // 行列の要素を出力する
  for (int row = 0; row < matrix.numRows(); ++row) {
    for (int col = 0; col < matrix.numCols(); ++col) {
      std::cout << matrix(row, col) << " ";
    }
    std::cout << std::endl;
  }

  return 0;
}

選択の指針

どの代替方法を使用するかは、状況によって異なります。

Qt ライブラリの他の部分と連携する必要がある場合
QIdentityMatrix クラスを使用すると、コードがより読みやすくなり、保守しやすくなります。
行列が大きい場合
std::fill_n() 関数を使用すると、コードが簡潔になります。
コードを明確にしたい場合
手動で要素を設定する方法が、コードの意図を明確にするのに役立ちます。
行列が小さい場合
手動で要素を設定する方法が最も簡単で効率的です。

コードの効率性と可読性を考慮することが重要です。
どの方法を選択するかは、開発者の好みや状況によって異なります。
これらの代替方法はすべて、QGenericMatrix::setToIdentity() メソッドと同じ結果を生成します。

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