Qt GUI プログラミング:行列操作ライブラリ QGenericMatrix の operator!=() を徹底解説
QGenericMatrix
は、Qt GUI モジュールの一部として提供されるテンプレートクラスであり、N行M列の行列を表します。operator!=()
は、2つの QGenericMatrix
オブジェクトを比較し、要素がすべて等しいかどうかを判断する演算子オーバーロードです。
構文
bool operator!=(const QGenericMatrix<N, M, T>& other) const;
引数
other
: 比較対象となるQGenericMatrix
オブジェクト
戻り値
- 2つの行列が等しくない場合は
true
、等しい場合はfalse
を返します。
詳細
operator!=()
は、2つの行列のサイズが一致していることを前提としています。サイズが異なる場合は、常に true
を返します。サイズが一致している場合は、対応するすべての要素を比較し、すべて一致しているかどうかを確認します。1つでも要素が一致しない場合は、true
を返します。
QGenericMatrix<2, 2, double> matrix1({{1, 2}, {3, 4}});
QGenericMatrix<2, 2, double> matrix2({{1, 2}, {3, 4}});
QGenericMatrix<2, 2, double> matrix3({{1, 3}, {3, 4}});
bool isMatrix1NotEqualMatrix2 = matrix1 != matrix2; // false
bool isMatrix1NotEqualMatrix3 = matrix1 != matrix3; // true
operator!=()
は、行列の等価性を判断するもう1つの方法として、operator==()
と組み合わせて使用できます。
#include <QGenericMatrix>
int main() {
// 2つの行列を作成する
QGenericMatrix<2, 2, double> matrix1({{1, 2}, {3, 4}});
QGenericMatrix<2, 2, double> matrix2({{1, 2}, {3, 4}});
QGenericMatrix<2, 2, double> matrix3({{1, 3}, {3, 4}});
// 2つの行列が等しいかどうかを比較する
bool isMatrix1NotEqualMatrix2 = matrix1 != matrix2;
bool isMatrix1NotEqualMatrix3 = matrix1 != matrix3;
// 結果を出力する
std::cout << "matrix1 と matrix2 は等しいですか? " << (isMatrix1NotEqualMatrix2 ? "いいえ" : "はい") << std::endl;
std::cout << "matrix1 と matrix3 は等しいですか? " << (isMatrix1NotEqualMatrix3 ? "いいえ" : "はい") << std::endl;
return 0;
}
このコードを実行すると、次の出力が表示されます。
matrix1 と matrix2 は等しいですか? はい
matrix1 と matrix3 は等しいですか? いいえ
説明
- 最初に、
QGenericMatrix
型の2つの行列matrix1
とmatrix2
を作成します。 - 次に、
matrix1 != matrix2
を使用して、2つの行列が等しいかどうかを比較します。結果はfalse
であるため、2つの行列は等しいことがわかります。 - 最後に、
matrix1 != matrix3
を使用して、matrix1
とmatrix3
が等しいかどうかを比較します。結果はtrue
であるため、2つの行列は等しくないことがわかります。
このコードは、operator!=()
を使って行列の等価性を判断する方法を理解するのに役立ちます。
- このコードは、行列のサイズが 2 x 2 であることを前提としています。他のサイズの行列を使用する場合は、コードを適宜変更する必要があります。
- このコードは、行列の要素型が
double
であることを前提としています。他の型を使用する場合は、コードを適宜変更する必要があります。
代替方法
- 標準ライブラリの比較関数を使用する
#include <algorithm>
bool isMatrix1NotEqualMatrix2 = std::not_equal(matrix1.begin(), matrix1.end(), matrix2.begin());
bool isMatrix1NotEqualMatrix3 = std::not_equal(matrix1.begin(), matrix1.end(), matrix3.begin());
この方法は、std::not_equal()
関数を使用して、2つの行列の対応する要素を比較します。この関数は、要素が等しくない場合に true
を返し、等しい場合は false
を返します。
- 手動で要素を比較する
bool isMatrix1NotEqualMatrix2 = false;
for (int i = 0; i < matrix1.numRows(); ++i) {
for (int j = 0; j < matrix1.numCols(); ++j) {
if (matrix1(i, j) != matrix2(i, j)) {
isMatrix1NotEqualMatrix2 = true;
break;
}
}
if (isMatrix1NotEqualMatrix2) {
break;
}
}
bool isMatrix1NotEqualMatrix3 = false;
for (int i = 0; i < matrix1.numRows(); ++i) {
for (int j = 0; j < matrix1.numCols(); ++j) {
if (matrix1(i, j) != matrix3(i, j)) {
isMatrix1NotEqualMatrix3 = true;
break;
}
}
if (isMatrix1NotEqualMatrix3) {
break;
}
}
この方法は、2つの行列の各要素を個別に比較します。要素が1つでも異なる場合は、true
を返し、すべて一致している場合は false
を返します。
どちらの代替方法を選択するべきか
どの代替方法を選択するかは、状況によって異なります。
- 手動で要素を比較する 方法は、
operator!=()
よりも効率的になる可能性があります。しかし、コードが冗長になり、エラーが発生しやすくなる可能性があります。 - 標準ライブラリの比較関数を使用する 方法は、より簡潔で読みやすいコードになります。しかし、
operator!=()
よりも効率が劣る場合があります。