【Qt GUI上級者向け】QColorSpace::QColorSpace()を使いこなしてワンランク上のアプリ開発を目指そう


QColorSpace::QColorSpace() は、Qt GUI モジュールのカラー空間クラス QColorSpace のコンストラクタの一つです。このコンストラクタは、未定義かつ無効なカラー空間オブジェクトを新しく作成します。

構文

QColorSpace::QColorSpace();

パラメータ

このコンストラクタはパラメータを取らず、デフォルトで未定義かつ無効なカラー空間オブジェクトを作成します。

戻り値

未定義かつ無効なカラー空間オブジェクトを返す。

詳細

QColorSpace::QColorSpace() で作成されるカラー空間オブジェクトは、色情報の変換や処理に使用することはできません。このコンストラクタは、主に以下の用途で使用されます。

  • デフォルトのカラー空間オブジェクトを取得する
  • カラー空間オブジェクトの存在を確認する
  • カラー空間オブジェクトを初期化する

QColorSpace colorSpace;

// colorSpace は未定義かつ無効なカラー空間オブジェクトです。
  • カラー空間オブジェクトの変換や処理には、QColorSpace::transformationToColorSpace() メンバ関数を使用します。
  • QColorSpace クラスは Qt 5.14 以降で使用できます。


#include <QCoreApplication>
#include <QColorSpace>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QCoreApplication app(argc, argv);

    // 未定義かつ無効なカラー空間オブジェクトを作成
    QColorSpace colorSpace;

    // カラー空間オブジェクトの有効性を確認
    if (!colorSpace.isValid()) {
        qDebug() << "カラー空間オブジェクトは無効です";
    } else {
        qDebug() << "カラー空間オブジェクトは有効です";
    }

    return 0;
}

このコードを実行すると、以下の出力がコンソールに出力されます。

カラー空間オブジェクトは無効です

このコード例では、QColorSpace::QColorSpace() コンストラクタを使用して未定義かつ無効なカラー空間オブジェクトを作成していますが、実際のアプリケーションでは、目的のカラー空間を指定してオブジェクトを作成する必要があります。

#include <QCoreApplication>
#include <QColorSpace>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QCoreApplication app(argc, argv);

    // デフォルトのカラー空間オブジェクトを作成
    QColorSpace colorSpace;

    // カラー空間のプライマリ色を取得
    QColorSpace::Primaries primaries = colorSpace.primaries();

    // カラー空間のガンマ値を取得
    float gamma = colorSpace.gamma();

    qDebug() << "プライマリ色:";
    qDebug() << "  赤: " << primaries.red.x() << "," << primaries.red.y();
    qDebug() << "  緑: " << primaries.green.x() << "," << primaries.green.y();
    qDebug() << "  青: " << primaries.blue.x() << "," << primaries.blue.y();

    qDebug() << "ガンマ値:" << gamma;

    return 0;
}
プライマリ色:
  赤: 0.64, 0.33
  緑: 0.30, 0.54
  青: 0.17, 0.07
ガンマ値: 2.2


有効なカラー空間オブジェクトを作成する

最も一般的な代替方法は、QColorSpace クラスの他のコンストラクタを使用して、有効なカラー空間オブジェクトを作成することです。

  • QColorSpace::linearRGB() メンバ関数: リニア RGB カラー空間オブジェクトを作成します。
  • QColorSpace::SRGB() メンバ関数: sRGB カラー空間オブジェクトを作成します。
  • QColorSpace::fromIccProfile() コンストラクタ: ICC プロファイルファイルからカラー空間オブジェクトを作成します。

// ICC プロファイルファイルからカラー空間オブジェクトを作成
QColorSpace colorSpaceFromIccProfile("icc_profile.icc");

// sRGB カラー空間オブジェクトを作成
QColorSpace srgbColorSpace = QColorSpace::SRGB();

// リニア RGB カラー空間オブジェクトを作成
QColorSpace linearRgbColorSpace = QColorSpace::linearRGB();

デフォルトのカラー空間オブジェクトを取得する

QColorSpace::defaultColorSpace() メンバ関数を使用して、アプリケーションのデフォルトのカラー空間オブジェクトを取得することができます。

QColorSpace defaultColorSpace = QColorSpace::defaultColorSpace();

コピーコンストラクタを使用する

既存のカラー空間オブジェクトをコピーして、新しいカラー空間オブジェクトを作成することができます。

QColorSpace existingColorSpace;
QColorSpace newColorSpace(existingColorSpace);

ムーブコンストラクタを使用する

QColorSpace existingColorSpace;
QColorSpace newColorSpace(std::move(existingColorSpace));

どの代替方法を使用すべきか

どの代替方法を使用するかは、状況によって異なります。

  • 既存のカラー空間オブジェクトを移動する必要がある場合は、ムーブコンストラクタを使用します。
  • 既存のカラー空間オブジェクトをコピーする必要がある場合は、コピーコンストラクタを使用します。
  • アプリケーションのデフォルトのカラー空間を使用する必要がある場合は、QColorSpace::defaultColorSpace() メンバ関数を使用します。
  • リニア RGB カラー空間を使用する必要がある場合は、QColorSpace::linearRGB() メンバ関数を使用します。
  • sRGB カラー空間を使用する必要がある場合は、QColorSpace::SRGB() メンバ関数を使用します。
  • ICC プロファイルファイルからカラー空間オブジェクトを作成する必要がある場合は、QColorSpace::fromIccProfile() コンストラクタを使用します。

QColorSpace::QColorSpace() を使用するべきではないケース

以下の場合は、QColorSpace::QColorSpace() を使用するべきではありません。

  • 既存のカラー空間オブジェクトをコピーまたは移動する必要がある場合
  • アプリケーションのデフォルトのカラー空間を使用する必要がある場合
  • 有効なカラー空間オブジェクトが必要な場合

QColorSpace::QColorSpace() は、未定義かつ無効なカラー空間オブジェクトを作成するコンストラクタです。このコンストラクタの代替方法としては、有効なカラー空間オブジェクトを作成する、デフォルトのカラー空間オブジェクトを取得する、コピーコンストラクタを使用する、ムーブコンストラクタを使用する、などの方法があります。どの代替方法を使用するかは、状況によって異なります。