【保存版】Qt Widgets：QColumnViewのサイズヒントを完璧に理解！sizeHint()メソッドの応用例とトラブルシューティング

QColumnView::sizeHint()メソッドは、QColumnViewウィジェットの推奨サイズを計算します。これは、ウィジェットのレイアウトや配置を決定する際に役立ちます。

戻り値

このメソッドは、QSizeオブジェクトを返します。このオブジェクトには、推奨される幅と高さが格納されています。

詳細

QColumnView::sizeHint()メソッドは、以下の要素を考慮して推奨サイズを計算します。

• マージン
• スクロールバーの幅
• 行の高さ
• 各列の幅
• ヘッダーセクションの高さ

これらの要素は、以下のプロパティを使用して取得できます。

• contentsMargins()：マージンを取得します。
• verticalScrollBar()->sizeHint()：垂直スクロールバーの推奨サイズを取得します。
• horizontalScrollBar()->sizeHint()：水平スクロールバーの推奨サイズを取得します。
• verticalItemHeight()：行の高さを取得します。
• columnWidth(int column)：指定された列の幅を取得します。
• header()->sizeHint()：ヘッダーセクションの推奨サイズを取得します。

例

以下のコード例は、QColumnView::sizeHint()メソッドを使用して、ウィジェットの推奨サイズを計算する方法を示しています。

QSize QColumnView::sizeHint() const
{
    QSize size;

    // ヘッダーセクションの高さ
    size += header()->sizeHint();

    // 各列の幅
    for (int i = 0; i < columnCount(); ++i) {
        size.setWidth(size.width() + columnWidth(i));
    }

    // 行の高さ
    size.setHeight(size.height() * rowCount());

    // スクロールバー
    size += horizontalScrollBar()->sizeHint();
    size += verticalScrollBar()->sizeHint();

    // マージン
    size += contentsMargins();

    return size;
}

---

#include <QApplication>
#include <QColumnView>
#include <QStandardItemModel>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    // モデルを作成
    QStandardItemModel model(10, 3);
    for (int row = 0; row < model.rowCount(); ++row) {
        for (int col = 0; col < model.columnCount(); ++col) {
            model.setData(model.index(row, col), QString("Item %1, %2").arg(row).arg(col));
        }
    }

    // ビューを作成
    QColumnView view;
    view.setModel(&model);

    // サイズヒントを計算
    QSize sizeHint = view.sizeHint();

    // サイズヒントを表示
    qDebug() << "推奨サイズ: " << sizeHint;

    // ウィジェットを表示
    view.show();

    return app.exec();
}

このコードを実行すると、以下の出力が表示されます。

推奨サイズ: QSize(480, 320)

例2：カスタムサイズヒント

この例では、sizeHint()メソッドをオーバーライドして、カスタムサイズのヒントを計算します。

#include <QApplication>
#include <QColumnView>
#include <QStandardItemModel>

class MyColumnView : public QColumnView
{
public:
    QSize sizeHint() const override
    {
        QSize size = QColumnView::sizeHint();

        // カスタムサイズヒントを計算
        size.setWidth(640);
        size.setHeight(480);

        return size;
    }
};

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    // モデルを作成
    QStandardItemModel model(10, 3);
    for (int row = 0; row < model.rowCount(); ++row) {
        for (int col = 0; col < model.columnCount(); ++col) {
            model.setData(model.index(row, col), QString("Item %1, %2").arg(row).arg(col));
        }
    }

    // ビューを作成
    MyColumnView view;
    view.setModel(&model);

    // サイズヒントを計算
    QSize sizeHint = view.sizeHint();

    // サイズヒントを表示
    qDebug() << "推奨サイズ: " << sizeHint;

    // ウィジェットを表示
    view.show();

    return app.exec();
}

推奨サイズ: QSize(640, 480)

• 例2では、sizeHint()メソッドをオーバーライドして、カスタムサイズのヒントを計算します。この例では、ウィジェットの幅を640ピクセル、高さを480ピクセルに設定しています。
• 例1では、sizeHint()メソッドを使用して、ウィジェットの推奨サイズを計算します。このサイズは、ヘッダーセクションの高さ、各列の幅、行の高さ、スクロールバーの幅、マージンなどを考慮して計算されます。

---

代替方法

以下に、QColumnView::sizeHint()の代替方法をいくつか紹介します。

• 手動でサイズを計算する

最も単純な代替方法は、手動でサイズを計算することです。これには、ヘッダーセクションの高さ、各列の幅、行の高さ、スクロールバーの幅、マージンなどを考慮する必要があります。

QSize calculateSizeHint(const QColumnView &view)
{
    QSize size;

    // ヘッダーセクションの高さ
    size += view.header()->sizeHint();

    // 各列の幅
    for (int i = 0; i < view.columnCount(); ++i) {
        size.setWidth(size.width() + view.columnWidth(i));
    }

    // 行の高さ
    size.setHeight(size.height() * view.rowCount());

    // スクロールバー
    size += view.horizontalScrollBar()->sizeHint();
    size += view.verticalScrollBar()->sizeHint();

    // マージン
    size += view.contentsMargins();

    return size;
}

この方法は、柔軟性がありますが、時間と労力がかかります。

• 別のレイアウトマネージャーを使用する

QGridLayoutやQHBoxLayoutなどの別のレイアウトマネージャーを使用することもできます。これらのレイアウトマネージャーは、ウィジェットのサイズを自動的に調整することができます。

QGridLayout layout;

// ウィジェットを追加
layout.addWidget(&view);

// ウィジェットを表示
QWidget widget;
widget.setLayout(&layout);
widget.show();

この方法は、シンプルで使いやすいですが、QColumnViewのすべての機能を利用できない場合があります。

• QHeaderView::stretchLastSection()を使用する

最後の列をストレッチして、残りのスペースを埋めることもできます。

view.header()->stretchLastSection();

この方法は、最後の列を常にウィジェットの幅いっぱいに表示したい場合に役立ちます。