Qt Widgetsでカレンダーをもっと使いやすく！QCalendarWidgetのcurrentPageChangedシグナルを活用したサンプルコード集

QCalendarWidgetクラスは、Qt Widgetsモジュールで提供されるカレンダーウィジェットです。ユーザーは、このウィジェットを使用して日付を選択したり、現在の月を変更したりすることができます。QCalendarWidgetクラスは、ユーザー操作に応じてシグナルをemitします。その中でも、currentPageChanged()シグナルは、現在表示されている月が変更されたときにemitされます。

シグナルの引数

currentPageChanged()シグナルは、2つの整数を引数としてemitします。

month: 現在表示されている月の値
year: 現在表示されている年の値

シグナルの接続

currentPageChanged()シグナルをスロットに接続するには、QObject::connect()関数を使用します。以下の例は、currentPageChanged()シグナルをmySlot()スロットに接続する方法を示しています。

connect(calendarWidget, &QCalendarWidget::currentPageChanged, this, &MyClass::mySlot);

スロットの実装

mySlot()スロットは、currentPageChanged()シグナルがemitされたときに実行されます。このスロット内で、現在表示されている月と年を取得し、必要な処理を実行することができます。以下の例は、mySlot()スロットの実装例を示しています。

void MyClass::mySlot(int year, int month)
{
    qDebug() << "Current month changed to:" << year << month;
}

例

以下の例は、QCalendarWidgetクラスを使用してカレンダーウィジェットを作成し、currentPageChanged()シグナルをスロットに接続する方法を示しています。

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QCalendarWidget>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    QCalendarWidget calendarWidget;
    calendarWidget.show();

    QObject::connect(&calendarWidget, &QCalendarWidget::currentPageChanged,
                     &calendarWidget, &QCalendarWidget::updateSelection);

    return app.exec();
}

この例では、currentPageChanged()シグナルがemitされたときに、updateSelection()スロットが呼び出されます。updateSelection()スロットは、現在表示されている月に基づいてカレンダーウィジェットの選択を更新します。

この例は、QCalendarWidgetクラスとcurrentPageChanged()シグナルの基本的な使用方法を示しています。具体的な実装は、アプリケーションの要件に応じて変更する必要があります。

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QCalendarWidget>
#include <QLabel>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    QCalendarWidget calendarWidget;
    QLabel currentMonthLabel;

    // 現在表示されている月と年をラベルに表示する
    QObject::connect(&calendarWidget, &QCalendarWidget::currentPageChanged,
                     &calendarWidget, &QCalendarWidget::updateLabel);

    calendarWidget.show();
    currentMonthLabel.show();

    return app.exec();
}

このコードでは、updateLabel()スロットがcurrentPageChanged()シグナルに接続されています。updateLabel()スロットは、現在表示されている月と年を取得し、currentMonthLabelラベルに表示します。

updateLabel()スロットの実装

void QCalendarWidget::updateLabel(int year, int month)
{
    currentMonthLabel.setText(QString("%1年 %2月").arg(year).arg(month + 1));
}

このスロットは、yearとmonth引数を受け取って、現在表示されている月と年を表す文字列を作成します。この文字列は、currentMonthLabelラベルに設定されます。

QDate::currentDate() の監視

QDate::currentDate() 関数は、現在のシステム日付を返します。この関数を定期的にポーリングすることで、カレンダーウィジェットの現在表示されている月が変更されたかどうかを検出することができます。

利点

コードがシンプルで理解しやすい

欠点

細かい日付変更を検出できない可能性がある
CPU 負荷が高くなる可能性がある

例

QTimer timer;

timer.setInterval(1000); // 1秒ごとにチェック
connect(&timer, &QTimer::timeout, this, &MyClass::checkDate);

void MyClass::checkDate()
{
    QDate currentDate = QDate::currentDate();
    if (currentDate != calendarWidget->selectedDate()) {
        // 現在表示されている月が変更された
        // 必要な処理を実行
    }
}

QCalendarWidget::selectionChanged() シグナルの監視

QCalendarWidget::selectionChanged() シグナルは、カレンダーウィジェットで選択された日付が変更されたときに emit されるシグナルです。このシグナルを監視することで、現在表示されている月が変更されたかどうかを検出することができます。

利点

細かい日付変更を検出できる
CPU 負荷が低い

欠点

コードが複雑になる可能性がある

例

connect(calendarWidget, &QCalendarWidget::selectionChanged, this, &MyClass::checkDate);

void MyClass::checkDate(const QDate &selectedDate)
{
    QDate firstDate = calendarWidget->displayedMonth();
    QDate lastDate = firstDate.addMonths(1).addDays(-1);

    if (selectedDate < firstDate || selectedDate > lastDate) {
        // 現在表示されている月が変更された
        // 必要な処理を実行
    }
}

カスタムシグナルの作成

独自のシグナルを作成し、カレンダーウィジェットの現在表示されている月が変更されたときに emit するようにすることができます。

利点

コードをより柔軟に制御できる

欠点

コードが複雑になる可能性がある

例

class MyCalendarWidget : public QCalendarWidget
{
public:
    QSignalEmitter<int, int> currentPageChangedSignal;

protected:
    void showEvent(QShowEvent *event) override
    {
        QCalendarWidget::showEvent(event);

        // 現在表示されている月と年を取得
        int year = selectedDate().year();
        int month = selectedDate().month();

        // シグナルを emit
        currentPageChangedSignal.emit(year, month);
    }

    void selectDate(const QDate &date) override
    {
        QCalendarWidget::selectDate(date);

        // 現在表示されている月と年を取得
        int year = date.year();
        int month = date.month();

        // シグナルを emit
        currentPageChangedSignal.emit(year, month);
    }
};

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    MyCalendarWidget calendarWidget;
    QLabel currentMonthLabel;

    // シグナルをスロットに接続
    QObject::connect(&calendarWidget, &MyCalendarWidget::currentPageChangedSignal,
                     &calendarWidget, &MyCalendarWidget::updateLabel);

    calendarWidget.show();
    currentMonthLabel.show();

    return app.exec();
}

この例では、MyCalendarWidgetというカスタムクラスを作成しています。このクラスは、showEvent()とselectDate()メソッドをオーバーライドして、現在表示されている月と年を取得し、currentPageChangedSignalシグナルを emit します。

QCalendarWidget::currentPageChanged() シグナルは、多くの場合において便利なシグナルですが、状況によっては代替方法の方が適切な場合があります。上記で紹介した代替方法をそれぞれ理解し、アプリケーションの要件に応じて最適な方法を選択してください。