【初心者向け】Qt Widgetsでカレンダー日付選択を実装：QCalendarWidget::clicked()の使い道

Qt Widgetsライブラリに含まれるQCalendarWidgetは、カレンダー表示と日付選択機能を提供する便利なウィジェットです。その中で、QCalendarWidget::clicked()シグナルは、ユーザーがカレンダー上の日付をクリックした際に発生する重要なシグナルです。このシグナルを適切に処理することで、選択された日付に基づいた様々な操作や処理を実行することができます。

シグナルの詳細

QCalendarWidget::clicked()シグナルは、QDate型の引数dateを持つスロットを受け取ります。この引数には、ユーザーがクリックした日付情報が格納されています。具体的には、以下の情報が含まれます。

シグナルの接続

QCalendarWidget::clicked()シグナルを処理するには、まずシグナルとスロットを適切に接続する必要があります。以下のコード例のように、QObject::connect()関数を使用して接続を行います。

connect(calendarWidget, &QCalendarWidget::clicked, this, &MyClass::handleDateClicked);

このコード例では、calendarWidgetという名前のQCalendarWidgetインスタンスのclicked()シグナルを、MyClassクラスのhandleDateClicked()スロットに接続しています。

シグナルハンドラの実装

シグナルハンドラは、シグナルが受信された際に実行されるスロットです。handleDateClicked()スロットの実装例は以下の通りです。

void MyClass::handleDateClicked(const QDate& date)
{
    // 選択された日付に関する処理を実行
    qDebug() << "Clicked date: " << date.toString();
}

このコード例では、クリックされた日付情報がdate引数として渡され、qDebug()関数を使用してコンソールに出力しています。実際には、この部分で選択された日付に基づいた様々な処理を実行することができます。

応用例

QCalendarWidget::clicked()シグナルは、以下のような様々な用途に活用できます。

選択された日付に基づいてアクションを実行する
選択された日付をデータベースに保存する
選択された日付を別のウィジェットに表示する
選択された日付に基づいてデータを更新する

QCalendarWidget::selectionChanged()シグナルは、選択範囲が変更されたときに発生します。複数の日付を選択する場合はこちらのシグナルを使用する必要があります。
QCalendarWidget::clicked()シグナルは、マウスボタンがクリックされたときにのみ発生します。キーボード操作による日付選択には、selectedDate()プロパティを使用する必要があります。

#include <QApplication>
#include <QCalendarWidget>

class MyWindow : public QWidget
{
public:
    MyWindow()
    {
        calendarWidget = new QCalendarWidget(this);
        connect(calendarWidget, &QCalendarWidget::clicked, this, &MyWindow::handleDateClicked);

        QVBoxLayout* layout = new QVBoxLayout;
        layout->addWidget(calendarWidget);
        setLayout(layout);
    }

private:
    void handleDateClicked(const QDate& date)
    {
        qDebug() << "Clicked date: " << date.toString();
    }

    QCalendarWidget* calendarWidget;
};

int main(int argc, char* argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);
    MyWindow window;
    window.show();
    return app.exec();
}

このコードを実行すると、以下のようになります。

カレンダーウィジェットが表示されます。
ユーザーがカレンダー上の日付をクリックすると、コンソールに"Clicked date: " followed by the selected dateが表示されます。

QVBoxLayoutを使用して、カレンダーウィジェットを垂直方向に配置します。
handleDateClicked()スロットは、QDate型の引数dateを受け取ります。この引数には、ユーザーがクリックした日付情報が格納されています。
MyWindowクラスは、QWidgetクラスを継承したカスタムウィジェットクラスです。

このコードは、基本的な例であり、実際のアプリケーションでは、選択された日付に基づいてより複雑な処理を実行する必要があります。
このコードは、Qt CreatorなどのIDEを使用してコンパイルして実行することができます。

QCalendarWidget::selectionChanged()シグナルは、選択範囲が変更されたときに発生します。複数の日付を選択する場合はこちらのシグナルを使用する必要があります。
QCalendarWidget::clicked()シグナルは、マウスボタンがクリックされたときにのみ発生します。キーボード操作による日付選択には、selectedDate()プロパティを使用する必要があります。

QCalendarWidget::selectionChanged()シグナルを使用する

QCalendarWidget::selectionChanged()シグナルは、カレンダー上の選択範囲が変更されたときに発生します。このシグナルを使用すれば、ユーザーがクリックした日付だけでなく、選択範囲全体を取得することができます。これは、複数の日付を選択する場合や、選択範囲の変更を追跡する必要がある場合に役立ちます。

connect(calendarWidget, &QCalendarWidget::selectionChanged, this, &MyWindow::handleSelectionChanged);

QDateEditを使用する

QDateEditは、ユーザーが直接日付を入力したり選択したりできるウィジェットです。QCalendarWidget::clicked()シグナルを使用するよりもシンプルで直感的な方法ですが、カレンダー表示機能は備わっていません。

QDateEdit* dateEdit = new QDateEdit(this);
connect(dateEdit, &QDateEdit::dateChanged, this, &MyWindow::handleDateChanged);

カスタムイベントハンドラを実装する

QCalendarWidget::clicked()シグナルに代わるカスタムイベントハンドラを実装することも可能です。これにより、クリックイベントの処理方法をより細かく制御することができます。

calendarWidget->installEventFilter(this);

bool MyWindow::eventFilter(QEvent* event)
{
    if (event->type() == QEvent::MouseButtonPress)
    {
        QMouseEvent* mouseEvent = static_cast<QMouseEvent*>(event);
        if (mouseEvent->button() == Qt::LeftButton)
        {
            QDate date = calendarWidget->selectedDate();
            // 選択された日付に関する処理を実行
            qDebug() << "Clicked date: " << date.toString();
            return true;
        }
    }
    return QObject::eventFilter(event);
}

方法	利点	欠点
QCalendarWidget::selectionChanged()	複数の日付を選択できる	カレンダー表示機能がない
QDateEdit	シンプルで直感的	カレンダー表示機能がない
カスタムイベントハンドラ	処理を細かく制御できる	複雑な実装が必要