バリアフリーなQtアプリケーション開発: QAccessible::isActive() を用いたアクセシビリティ機能の検証と実装

QAccessible::isActive() は、Qt GUIにおけるアクセシビリティ機能が有効かどうかを確認するための静的関数です。アクセシビリティ機能とは、視覚障害者や運動機能障害者などのユーザーがコンピュータを操作できるように支援する機能です。

戻り値

アクセシビリティ機能が無効な場合は false を返します。
アクセシビリティ機能が有効な場合は true を返します。

用途

QAccessible::isActive() は、以下の用途で使用できます。

アクセシビリティ機能が無効な場合に、不要な通知を抑制する
アクセシビリティ機能が有効かどうかによって処理を分岐する

if (QAccessible::isActive()) {
  // アクセシビリティ機能が有効な場合の処理
} else {
  // アクセシビリティ機能が無効な場合の処理
}

アクセシビリティ機能が有効かどうかを 動的に 確認するには、QAccessible::installUpdateHandler() 関数を使用して更新ハンドラをインストールする必要があります。
QAccessible::isActive() は、アクセシビリティ機能が有効かどうかを 静的に 確認します。つまり、関数呼び出しごとに確認されるのではなく、アプリケーション起動時に一度だけ確認されます。
アクセシビリティ機能が有効かどうかは、ユーザーの設定やオペレーティングシステムによって異なります。

#include <QApplication>
#include <QAccessible>
#include <QLabel>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QLabel label("Hello, world!");
  label.show();

  if (QAccessible::isActive()) {
    // アクセシビリティ機能が有効な場合
    label.setAccessibleName("Greeting label");
    label.setAccessibleDescription("This is a greeting label.");
  } else {
    // アクセシビリティ機能が無効な場合
    // 何もしない
  }

  return app.exec();
}

このコードでは、QAccessible::isActive() 関数を使用して、アクセシビリティ機能が有効かどうかを確認します。アクセシビリティ機能が有効な場合は、QLabel ウィジェットにアクセシビリティ情報を設定します。アクセシビリティ機能が無効な場合は、何も設定しません。

例2: アクセシビリティ機能が無効な場合に、不要な通知を抑制する

#include <QApplication>
#include <QAccessible>
#include <QMessageBox>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QMessageBox::information(nullptr, "Information", "This is an information message.");

  if (!QAccessible::isActive()) {
    // アクセシビリティ機能が無効な場合
    QMessageBox::warning(nullptr, "Warning",
                        "Accessibility features are not active. "
                        "This message may not be accessible to all users.");
  }

  return app.exec();
}

このコードでは、QAccessible::isActive() 関数を使用して、アクセシビリティ機能が有効かどうかを確認します。アクセシビリティ機能が無効な場合は、警告メッセージを表示します。

QApplication::accessibleProperty() を使用する

QApplication::accessibleProperty() 関数は、特定のプロパティがアクセシビリティ機能によって設定されているかどうかを確認するために使用できます。この関数は、QAccessible::isActive() と比較して以下の利点があります。

アクセシビリティ機能が部分的に有効な場合でも検出できます。
特定のプロパティのみを確認できます。

例：

if (QApplication::accessibleProperty(QAccessible::roleProperty)) {
  // ウィジェットの役割がアクセシビリティ機能によって設定されている
}

QAccessibleInterface を使用する

QAccessibleInterface クラスは、アクセシビリティ情報へのアクセスを提供します。このクラスを使用して、特定のウィジェットやオブジェクトがアクセシビリティ機能に対応しているかどうかを確認できます。QAccessibleInterface::isValid() メソッドを使用して、オブジェクトが有効なアクセシビリティインターフェースかどうかを確認できます。

const QAccessibleInterface *interface = label.accessibleInterface();
if (interface && interface->isValid()) {
  // ラベルはアクセシビリティ機能に対応している
}

プラットフォーム固有の API を使用する

一部のプラットフォームでは、アクセシビリティ機能のステータスを確認するためのプラットフォーム固有の API が提供されています。これらの API は、Qt 固有の API よりも詳細な情報を提供する場合があります。

アクセシビリティイベントを監視する

アクセシビリティ機能のステータスが変更されたときに通知を受け取るために、アクセシビリティイベントを監視することができます。これを行うには、QAccessible::installEventFilter() 関数を使用してイベントフィルタをインストールします。

class MyEventFilter : public QObject {
public:
  bool eventFilter(QObject *obj, QEvent *event) override {
    if (event->type() == QEvent::AccessibilityChange) {
      // アクセシビリティ機能のステータスが変更された
    }
    return QObject::eventFilter(obj, event);
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QLabel label("Hello, world!");
  label.show();

  MyEventFilter filter;
  label.installEventFilter(&filter);

  return app.exec();
}

最適な代替方法の選択

最適な代替方法は、状況によって異なります。一般的には、以下の点を考慮して選択する必要があります。

プラットフォームサポート
コードの複雑さ
必要とする情報の種類

上記の代替方法はあくまでも一例であり、状況に応じて自由に改変することができます。