readline.set_pre_input_hook()の代替方法でPythonテキスト処理をもっと自由に

readline.set_pre_input_hook() は、Python のテキスト処理ライブラリ readline において、ユーザー入力を読み込む前に実行されるフック関数を設定・削除するための関数です。このフック関数は、入力内容の修正、履歴の操作、入力前の処理など、さまざまな目的に利用できます。

機能

readline.set_pre_input_hook() には、以下の機能があります。

• フック関数の削除
  引数に None を指定することで、設定されているフック関数を削除します。
• フック関数の設定
  引数として指定された関数をフック関数として設定します。

フック関数の呼び出しタイミング

フック関数は、以下のタイミングで呼び出されます。

• プロンプトの表示後
  プロンプトが表示された直後に呼び出されます。
• ユーザー入力の読み込み前
  ユーザーが入力する前に呼び出されます。

フック関数の引数

フック関数には、以下の引数が渡されます。

• 引数なし
  引数は渡されません。

フック関数の戻り値

フック関数は、以下のいずれかの値を返すことができます。

• 文字列
  入力内容を置き換えます。
• None
  処理を続行します。

例

以下は、readline.set_pre_input_hook() を使用して、入力内容の先頭に "Hello, " を追加する例です。

import readline

def pre_input_hook():
  return "Hello, "

readline.set_pre_input_hook(pre_input_hook)

while True:
  name = input("名前を入力してください: ")
  print(f"こんにちは、{name} さん！")

このコードを実行すると、以下のようになります。

名前を入力してください: Alice
こんにちは、Alice さん！
名前を入力してください: Bob
こんにちは、Bob さん！

• フック関数は、ユーザー入力をブロックしないように注意する必要があります。
• readline.set_pre_input_hook() は、インタラクティブモードでのみ使用できます。スクリプト内では使用できません。

---

入力内容の先頭に "Hello, " を追加する

import readline

def pre_input_hook():
  return "Hello, "

readline.set_pre_input_hook(pre_input_hook)

while True:
  name = input("名前を入力してください: ")
  print(f"こんにちは、{name} さん！")

入力内容をすべて小文字に変換する

import readline

def pre_input_hook(text):
  return text.lower()

readline.set_pre_input_hook(pre_input_hook)

while True:
  name = input("名前を入力してください: ")
  print(f"こんにちは、{name} さん！")

入力内容が "quit" だったらループを終了する

import readline

def pre_input_hook(text):
  if text == "quit":
    return None
  else:
    return text

readline.set_pre_input_hook(pre_input_hook)

while True:
  name = input("名前を入力してください: ")
  if name == "quit":
    break
  print(f"こんにちは、{name} さん！")

import readline
import os

def pre_input_hook(text):
  with open("history.txt", "a") as f:
    f.write(text + "\n")
  return text

readline.set_pre_input_hook(pre_input_hook)

if os.path.exists("history.txt"):
  readline.read_history_file("history.txt")

while True:
  name = input("名前を入力してください: ")
  print(f"こんにちは、{name} さん！")

readline.save_history_file("history.txt")

---

代替方法

readline.set_pre_input_hook() の代替方法として、以下の方法が考えられます。

入力検証モジュールを使用する

入力検証モジュールを使用することで、ユーザー入力の値を検証し、必要に応じて修正することができます。代表的な入力検証モジュールとして、以下のものがあります。

これらのモジュールは、複雑な入力検証にも対応しており、readline.set_pre_input_hook() よりも柔軟に使用することができます。

入力履歴をファイルに保存する

入力履歴をファイルに保存することで、後で確認したり、処理に使用したりすることができます。以下のコードは、入力履歴をファイルに保存する例です。

import readline
import os

def pre_input_hook(text):
  with open("history.txt", "a") as f:
    f.write(text + "\n")
  return text

readline.set_pre_input_hook(pre_input_hook)

if os.path.exists("history.txt"):
  readline.read_history_file("history.txt")

while True:
  name = input("名前を入力してください: ")
  print(f"こんにちは、{name} さん！")

readline.save_history_file("history.txt")

このコードは、readline.set_pre_input_hook() を使用せずに、入力履歴をファイルに保存しています。

カスタムプロンプトを使用する

カスタムプロンプトを使用することで、ユーザーに表示するプロンプトを自由にカスタマイズすることができます。以下のコードは、カスタムプロンプトを使用する例です。

import readline

def custom_prompt():
  prompt = "名前を入力してください: "
  if readline.get_current_history_length() > 0:
    prompt += f" (前の入力: {readline.get_history_item(1)})"
  return prompt

readline.set_prompt_func(custom_prompt)

while True:
  name = input()
  print(f"こんにちは、{name} さん！")

このコードは、readline.set_pre_input_hook() を使用せずに、カスタムプロンプトを表示しています。

上記以外にも、prompt_toolkit や click などのライブラリを使用して、ユーザー入力を処理することができます。これらのライブラリは、より高度な機能を提供しており、複雑なタスクにも対応することができます。