Matplotlib テーブルの文字サイズを個別に変更する方法：応用プログラミング

2025-05-31

table.Table.FONTSIZE は、Matplotlib の table.Table クラスで作成したテーブル内のテキストのフォントサイズを指定するための属性（アトリビュート）です。

具体的には、テーブルのセル内に表示されるテキスト（例えば、行や列のラベル、データなど）の大きさを制御するために使用します。

どのように使うか

table.Table.FONTSIZE 属性に値を代入することで、テーブル全体のデフォルトのフォントサイズを設定できます。この値は、ポイント単位（pt）で指定することが一般的です。

以下に簡単な例を示します。

import matplotlib.pyplot as plt
from matplotlib.table import Table

fig, ax = plt.subplots()
ax.axis('off')

# データ
data = [
    ['名前', '年齢'],
    ['山田', 30],
    ['田中', 25]
]

# テーブルの作成
table = Table(ax, loc='center')

# データをセルに追加
for i, row in enumerate(data):
    for j, cell in enumerate(row):
        table[(i, j)] = table.Cell(loc='center', text=cell)

# フォントサイズを 12 ポイントに設定
table.set_fontsize(12)

# テーブルをプロットに追加
ax.add_table(table)

plt.show()

この例では、table.set_fontsize(12) によって、テーブル内のすべてのテキストのフォントサイズが 12 ポイントに設定されます。

フォントサイズの単位は、通常ポイント（pt）で指定しますが、Matplotlib の他のテキストオブジェクトと同様に、相対的なサイズ（'xx-small', 'x-small', 'small', 'medium', 'large', 'x-large', 'xx-large'）や数値による絶対的なサイズ指定も可能です。
set_fontsize() メソッドは、テーブルオブジェクトのフォントサイズを一括で変更する便利な方法です。
table.Table.FONTSIZE は、テーブルオブジェクト全体のデフォルトのフォントサイズを設定します。個々のセルのフォントサイズを個別に設定したい場合は、table.Cell オブジェクトのプロパティを操作する必要があります。

フォントサイズが反映されない

トラブルシューティング
1. table.set_fontsize() の呼び出しが、ax.add_table(table) より前に行われているか確認してください。フォントサイズはテーブルが描画される前に設定する必要があります。
2. 個々のセルに対してフォントサイズを設定していないか確認してください。もし設定している場合は、意図しないセルでフォントサイズが異なっている可能性があります。個々のセルのフォントサイズをリセットしたい場合は、セルの set_fontsize() メソッドを使用できます。
3. Matplotlib のフォントキャッシュをクリアしてみてください。ターミナルなどで以下のコマンドを実行することがあります。
```
rm ~/.matplotlib/fontList.json
rm ~/.cache/matplotlib -rf
```
  その後、Python スクリプトを再実行してみてください。
4. Matplotlib のバージョンが古い場合、予期せぬ動作をすることがあります。最新バージョンにアップデートしてみるのも有効な手段です。
- table.set_fontsize() を呼び出す前に、テーブルを Figure や Axes に追加している。
- 個々のセルのプロパティで明示的にフォントサイズが設定されており、それがデフォルト値を上書きしている。
- フォントキャッシュの問題。

フォントサイズが大きすぎる/小さすぎる

トラブルシューティング
1. 指定しているフォントサイズの値を確認してください。ポイント数（pt）で指定している場合、数値が極端に大きくないか、小さすぎないかを確認します。
2. 相対的なフォントサイズ指定（'small', 'large' など）を試してみてください。
3. テーブルのレイアウトやセルのパディングなどを調整して、フォントサイズが適切に表示されるように工夫してみてください。table.auto_set_font_size(False) を設定し、手動でフォントサイズを調整することも可能です。
4. テーブル全体のスケールを調整することも検討してください。
原因
- 指定したフォントサイズの値が、テーブルのサイズや内容に対して適切でない。

一部のテキストだけフォントサイズが変わらない

トラブルシューティング
1. テーブルを作成する際のループ処理などで、個々の table.Cell オブジェクトやその内部のテキストオブジェクトに対して、fontsize パラメータが設定されていないか確認してください。
2. テーブルの構造を再度確認し、フォントサイズを変更したいテキストオブジェクトが正しく table.set_fontsize() の影響を受けているか確認してください。
原因
- 個々のセルやテキストオブジェクトに対して、fontsize パラメータが明示的に指定されている。
- テーブルの構造が複雑で、意図しないオブジェクトにフォントサイズが適用されていない。

エラーメッセージが出る

原因
- table.set_fontsize() に数値以外の不正な値を渡している。
- Matplotlib のバージョンによる API の変更。

トラブルシューティングの一般的なヒント

公式ドキュメントの参照
Matplotlib の公式ドキュメントは、各機能の詳細な説明や使用例が豊富に掲載されています。
print デバッグ
フォントサイズの設定が意図した通りに行われているか、変数の値などを print() 関数で確認してみるのも有効です。
最小限のコードで再現
問題を抱えているコードをできるだけ短く、本質的な部分だけを残したコードで再現してみることで、原因を特定しやすくなります。

基本的なフォントサイズ設定

まず、テーブル全体のフォントサイズを統一的に設定する基本的な例です。

import matplotlib.pyplot as plt
from matplotlib.table import Table

# データ
data = [
    ['名前', '年齢'],
    ['山田', 30],
    ['田中', 25]
]

fig, ax = plt.subplots()
ax.axis('off')  # 軸を非表示に

# テーブルの作成
table = Table(ax, loc='center')

# データをセルに追加
for i, row in enumerate(data):
    for j, cell in enumerate(row):
        table[(i, j)] = table.Cell(loc='center', text=cell)

# テーブル全体のフォントサイズを 14 ポイントに設定
table.set_fontsize(14)

# テーブルをプロットに追加
ax.add_table(table)

plt.title('基本的なフォントサイズ設定')
plt.show()

相対的なフォントサイズ設定

ポイント数ではなく、相対的なキーワード（'small', 'large' など）を使ってフォントサイズを設定する例です。

import matplotlib.pyplot as plt
from matplotlib.table import Table

# データ
data = [
    ['果物', '価格'],
    ['リンゴ', 100],
    ['バナナ', 80]
]

fig, ax = plt.subplots()
ax.axis('off')

# テーブルの作成
table = Table(ax, loc='center')

# データをセルに追加
for i, row in enumerate(data):
    for j, cell in enumerate(row):
        table[(i, j)] = table.Cell(loc='center', text=str(cell))

# テーブル全体のフォントサイズを 'large' に設定
table.set_fontsize('large')

# テーブルをプロットに追加
ax.add_table(table)

plt.title('相対的なフォントサイズ設定')
plt.show()

この例では、table.set_fontsize('large') によって、Matplotlib のデフォルトの相対的な「large」サイズでフォントが表示されます。他のキーワードとしては、'xx-small', 'x-small', 'small', 'medium', 'x-large', 'xx-large' などがあります。

個々のセルのフォントサイズを変更する

テーブル全体のデフォルトフォントサイズを設定した上で、特定のセルのフォントサイズを個別に変更する例です。

import matplotlib.pyplot as plt
from matplotlib.table import Table

# データ
data = [
    ['項目', '値', '単位'],
    ['温度', 25, '℃'],
    ['湿度', 60, '%']
]

fig, ax = plt.subplots()
ax.axis('off')

# テーブルの作成
table = Table(ax, loc='center')

# データをセルに追加し、ヘッダー行のフォントサイズを大きくする
for i, row in enumerate(data):
    for j, cell in enumerate(row):
        cell_obj = table.Cell(loc='center', text=str(cell))
        table[(i, j)] = cell_obj
        if i == 0:  # ヘッダー行
            cell_obj.set_fontsize(16)

# テーブル全体のデフォルトフォントサイズを設定
table.set_fontsize(12)

# テーブルをプロットに追加
ax.add_table(table)

plt.title('個々のセルのフォントサイズ変更')
plt.show()

この例では、まずテーブル全体のデフォルトフォントサイズを 12 ポイントに設定し、その後、最初の行（ヘッダー行）の各セルの set_fontsize(16) メソッドを呼び出すことで、ヘッダーのフォントサイズを 16 ポイントに大きくしています。

auto_set_font_size を使用する

テーブルのサイズに合わせて自動的にフォントサイズを調整する auto_set_font_size() メソッドの例です。

import matplotlib.pyplot as plt
from matplotlib.table import Table

# 長いテキストを含むデータ
data = [
    ['非常に長い項目名', '非常に大きな値です'],
    ['短い項目', '小さな値']
]

fig, ax = plt.subplots()
ax.axis('off')

# テーブルの作成
table = Table(ax, loc='center')

# データをセルに追加
for i, row in enumerate(data):
    for j, cell in enumerate(row):
        table[(i, j)] = table.Cell(loc='center', text=str(cell))

# 自動フォントサイズ調整を有効にする
table.auto_set_font_size(True)
# または、最大フォントサイズを指定することも可能
# table.auto_set_font_size(max_fontsize=10)

# テーブルをプロットに追加
ax.add_table(table)

plt.title('自動フォントサイズ調整')
plt.tight_layout()  # レイアウトを調整
plt.show()

セル作成時に fontsize パラメータを指定する

テーブルのセルを個別に作成する際に、table.Cell コンストラクタの text_props 引数を通じてフォントサイズを指定する方法です。これにより、テーブル作成と同時に各セルのフォントサイズを設定できます。

import matplotlib.pyplot as plt
from matplotlib.table import Table

# データ
data = [
    ['ヘッダー1', 'ヘッダー2'],
    ['データA', 'データB'],
    ['データC', 'データD']
]

fig, ax = plt.subplots()
ax.axis('off')

# テーブルの作成
table = Table(ax, loc='center')

# データをセルに追加
for i, row in enumerate(data):
    for j, cell_text in enumerate(row):
        fontsize = 12  # デフォルトのフォントサイズ
        if i == 0:  # ヘッダー行を大きくする
            fontsize = 14
        cell = table.Cell(loc='center', text=cell_text, text_props={'fontsize': fontsize})
        table[(i, j)] = cell

# テーブルをプロットに追加
ax.add_table(table)

plt.title('セル作成時にフォントサイズを指定')
plt.show()

この例では、table.Cell の text_props 引数に辞書形式で {'fontsize': fontsize} を渡すことで、セルごとにフォントサイズを設定しています。

get_celld() でセルオブジェクトを取得してフォントサイズを設定する

テーブル作成後、table.get_celld() メソッドを使って個々のセルオブジェクトを取得し、その set_fontsize() メソッドを呼び出すことでフォントサイズを変更できます。

import matplotlib.pyplot as plt
from matplotlib.table import Table

# データ
data = [
    ['項目', '値'],
    ['X', 10],
    ['Y', 20]
]

fig, ax = plt.subplots()
ax.axis('off')

# テーブルの作成
table = Table(ax, loc='center')

# データをセルに追加
for i, row in enumerate(data):
    for j, cell_text in enumerate(row):
        table[(i, j)] = table.Cell(loc='center', text=str(cell_text))

# テーブルをプロットに追加
ax.add_table(table)

# 特定のセルのフォントサイズを変更
table.get_celld()[(0, 0)].set_fontsize(16)  # 1行1列目のセル
table.get_celld()[(1, 1)].set_fontsize(10)  # 2行2列目のセル

plt.title('get_celld() でセルを取得してフォントサイズを変更')
plt.show()

この方法では、テーブルが作成された後に、インデックスを指定してセルオブジェクトにアクセスし、個別にフォントサイズを調整できます。

Text オブジェクトを直接操作する (より高度な方法)

各セルの内容は Text オブジェクトとして内部に保持されています。table.get_celld() でセルを取得した後、さらにそのセルの内部にある _text 属性にアクセスすることで、Text オブジェクトを直接操作し、フォントサイズを変更することも可能です。

import matplotlib.pyplot as plt
from matplotlib.table import Table

# データ
data = [
    ['A', 1],
    ['B', 2]
]

fig, ax = plt.subplots()
ax.axis('off')

# テーブルの作成
table = Table(ax, loc='center')

# データをセルに追加
for i, row in enumerate(data):
    for j, cell_text in enumerate(row):
        table[(i, j)] = table.Cell(loc='center', text=str(cell_text))

# テーブルをプロットに追加
ax.add_table(table)

# 特定のセルの Text オブジェクトを取得してフォントサイズを変更
cell_0_0 = table.get_celld()[(0, 0)]
cell_0_0._text.set_fontsize(18)

cell_1_1 = table.get_celld()[(1, 1)]
cell_1_1._text.set_fontsize(8)

plt.title('Text オブジェクトを直接操作してフォントサイズを変更')
plt.show()

この方法は、より低レベルな操作であり、Text オブジェクトが持つ他のプロパティ（色、スタイルなど）も同時に変更したい場合に便利です。ただし、内部構造に依存するため、Matplotlib のバージョンによっては動作が変わる可能性があることに注意が必要です。

より高度なカスタマイズを行いたい場合
Text オブジェクトを直接操作する方法がありますが、注意が必要です。
テーブル作成後に特定のセルのフォントサイズを動的に変更したい場合
table.get_celld() でセルオブジェクトを取得し、set_fontsize() を使うのが適しています。
テーブル作成時に一部のセルのフォントサイズを特別に設定したい場合
table.Cell の text_props を使うのが便利です。
テーブル全体のデフォルトフォントサイズを簡単に設定したい場合
table.set_fontsize() が最も簡潔です。