Matplotlib: table.Cell.get_text_bounds()でテーブルテキスト位置を完璧に把握する方法

2025-05-31

`matplotlib.table.Cell.get_text_bounds()` とは

Matplotlibでグラフに表（テーブル）を追加する場合、matplotlib.table.Table オブジェクトを使用します。このテーブルは複数の「セル」で構成されており、各セルは matplotlib.table.Cell オブジェクトとして表現されます。

get_text_bounds() メソッドは、特定の Cell オブジェクトが持つテキスト（セル内に表示される文字列）の境界ボックス（bounding box）の座標を返します。

返される値

このメソッドは、以下の形式でタプルを返します。 (x, y, width, height)

それぞれの意味は以下の通りです。

height: テキストの境界ボックスの高さ。
width: テキストの境界ボックスの幅。
y: テキストの境界ボックスの左下隅のY座標。
x: テキストの境界ボックスの左下隅のX座標。

これらの座標は、テーブルの座標系（table coordinates）で表現されます。これは、Axesのデータ座標系とは異なる場合があります。

引数

このメソッドは引数として renderer を必要とします。

renderer: Matplotlibのレンダラーオブジェクトです。テキストの正確なサイズを計算するために必要となります。通常、グラフを描画する際に内部的に提供されますが、手動で取得する場合は fig.canvas.get_renderer() のようにして取得できます。

何のために使うのか

get_text_bounds() は、主に以下のような状況で役立ちます。

テキストの配置の微調整: セル内のテキストが実際にどのくらいの領域を占めているかを知ることで、テキストの配置をより正確に制御したり、他の要素との重なりを防いだりすることができます。
動的なレイアウト: テキストのサイズに基づいて、セルの幅や高さを動的に調整する場合に、必要なスペースを計算するために使用できます。例えば、テキストがセルに収まるようにフォントサイズを自動調整する際などに、この情報が利用されます。
デバッグや分析: セル内のテキストの実際の描画領域を確認し、予期しない空白やオーバーフローがないかを確認するのに役立ちます。

import matplotlib.pyplot as plt

fig, ax = plt.subplots()

# テーブルを作成
table_data = [['A', 'B'], ['C', 'D']]
table = ax.table(cellText=table_data, loc='center')

# 特定のセルを取得（例: 0行0列目のセル）
cell = table[(0, 0)]

# レンダラーを取得
renderer = fig.canvas.get_renderer()

# テキストの境界座標を取得
x, y, width, height = cell.get_text_bounds(renderer)

print(f"Cell (0,0) Text Bounds: x={x}, y={y}, width={width}, height={height}")

# グラフを表示
plt.show()

renderer 引数がない、または間違っている

エラーの症状: TypeError: get_text_bounds() missing 1 required positional argument: 'renderer' または、不正確な境界座標が返される。

原因: get_text_bounds() は、テキストの実際のサイズを計算するためにレンダラーオブジェクトを必要とします。レンダラーは、フォントの種類、サイズ、DPIなどの表示設定に依存するため、テキストの物理的なサイズを正確に測定するために不可欠です。

トラブルシューティング:

show() の前: fig.canvas.get_renderer() は、plt.show() が呼び出される前、つまりCanvasが実際にレンダリングされる前に呼び出す必要があります。show() の後では、Canvasが閉じられたり、別の状態になったりして、有効なレンダラーが得られない場合があります。

必ず renderer 引数を渡す: グラフが描画される前にレンダラーを取得する必要があります。通常、fig.canvas.get_renderer() を使用します。

import matplotlib.pyplot as plt

fig, ax = plt.subplots()
table = ax.table(cellText=[['Test']], loc='center')
cell = table[(0, 0)]

# レンダラーを取得する
renderer = fig.canvas.get_renderer()

x, y, width, height = cell.get_text_bounds(renderer)
print(f"Text bounds: {x}, {y}, {width}, {height}")
plt.show() # plot.show() の前に renderer を取得する必要がある

返される座標が期待と異なる、またはずれている

エラーの症状: 取得した x, y, width, height が、視覚的に見えるテキストの位置やサイズと一致しない。

原因:

フォントの不一致: 使用しているフォントがシステムにインストールされていない場合や、Matplotlibが正しく解釈できない場合、フォントのメトリクス（サイズや文字幅）が正しく計算されず、境界がずれることがあります。
tight_layout() や bbox_inches='tight': plt.tight_layout() や fig.savefig(bbox_inches='tight') のような機能を使用している場合、これらの機能は描画時にAxesやFigureのサイズを動的に調整するため、事前に取得した境界座標が描画後の最終的な位置と異なる可能性があります。
テキストのアラインメント: セル内のテキストのアラインメント（horizontalalignment や verticalalignment）が、境界ボックスの計算に影響を与える可能性があります。get_text_bounds() はテキストの純粋な境界を返しますが、アラインメントはセル内のその境界の位置を決定します。
座標系の理解不足: get_text_bounds() が返す座標は、「テーブル座標系」です。これは、プロットのAxesのデータ座標系やFigure座標系とは異なる場合があります。テーブルがAxes内でどこに配置されているか、またAxes自体がFigure内でどこに配置されているかによって、テキストの絶対的なスクリーン座標は異なります。

トラブルシューティング:

シンプルなケースで試す: まずはごくシンプルなテキストとテーブルで get_text_bounds() の動作を確認し、徐々に複雑なケースに適用していくと良いでしょう。
最終描画後の確認: 可能であれば、plt.show() や fig.savefig() が実行された後、実際に描画されたテキストの境界を視覚的に確認し、取得した数値と比較します。必要であれば、インタラクティブなイベントハンドラーを使ってマウスオーバーで座標を表示するなどしてデバッグします。
アラインメントの考慮: テキストを配置する目的で境界を使用する場合、cell.get_text().get_horizontalalignment() や cell.get_text().get_verticalalignment() でアラインメント設定を確認し、それに応じてオフセットを適用することを検討します。
座標系の変換: get_text_bounds() で得たテーブル座標をAxes座標やFigure座標に変換する必要がある場合は、cell.get_transform().transform() や fig.transFigure.inverted().transform() のような変換関数を利用することを検討してください。ただし、これは複雑になる場合があります。

セルにテキストが設定されていない場合

エラーの症状: AttributeError: 'NoneType' object has no attribute 'get_text_bounds' のようなエラーは出ないが、返される width や height が 0 になる。

原因: cell.get_text_bounds() は、セル内にテキストが設定されていない場合、テキストがないものとして扱います。

トラブルシューティング:

セルにテキストがあることを確認してください。cell.get_text().get_text() を呼び出して、テキスト内容を確認できます。

エラーの症状: KeyError: (row_index, col_index) や AttributeError: 'tuple' object has no attribute 'get_text_bounds'

原因: table オブジェクトから Cell を取得する際のインデックスが間違っている、または存在しないセルにアクセスしようとしている。

トラブルシューティング:

例えば、table[(0, 0)] でアクセスする前に、テーブルの行数や列数が想定通りであることを確認します。
table.get_celld() を使用して、テーブル内の全てのセルを辞書として取得し、正しいキー（(行インデックス, 列インデックス)）でアクセスしているかを確認します。

例1: 基本的なテキスト境界の取得

この最も基本的な例では、テーブルの特定のセルのテキスト境界を取得し、その情報を出力します。

import matplotlib.pyplot as plt

def get_text_bounds_basic_example():
    fig, ax = plt.subplots(figsize=(6, 4))
    ax.set_title("Basic Text Bounds Example")
    ax.set_xticks([]) # X軸のティックを非表示
    ax.set_yticks([]) # Y軸のティックを非表示
    ax.set_frame_on(False) # 軸のフレームを非表示

    # テーブルデータ
    data = [
        ["Header 1", "Header 2"],
        ["Row 1, Col 1", "Row 1, Col 2"],
        ["Row 2, Col 1", "Row 2, Col 2 Longer Text"]
    ]

    # テーブルを作成
    table = ax.table(cellText=data,
                     loc='center',
                     cellLoc='center', # セル内のテキストを中央揃え
                     bbox=[0.1, 0.1, 0.8, 0.8] # Figureに対するテーブルの位置とサイズ
                    )

    # レンダラーを取得 (重要!)
    # レンダラーは描画のために必要であり、plt.show() の前に取得する
    renderer = fig.canvas.get_renderer()

    print("--- Text Bounds Information ---")

    # セル (1, 1) のテキスト境界を取得 (0から始まるインデックス)
    # ここでは "Row 1, Col 2" のセル
    cell_1_1 = table[(1, 1)]
    x1, y1, width1, height1 = cell_1_1.get_text_bounds(renderer)
    print(f"Cell (1,1) ['{cell_1_1.get_text().get_text()}'] Bounds (x,y,w,h): "
          f"({x1:.2f}, {y1:.2f}, {width1:.2f}, {height1:.2f})")

    # セル (2, 2) のテキスト境界を取得 (より長いテキストのセル)
    # ここでは "Row 2, Col 2 Longer Text" のセル
    cell_2_2 = table[(2, 2)]
    x2, y2, width2, height2 = cell_2_2.get_text_bounds(renderer)
    print(f"Cell (2,2) ['{cell_2_2.get_text().get_text()}'] Bounds (x,y,w,h): "
          f"({x2:.2f}, {y2:.2f}, {width2:.2f}, {height2:.2f})")

    # セル (0, 0) ヘッダーセルの例
    cell_0_0 = table[(0, 0)]
    x0, y0, w0, h0 = cell_0_0.get_text_bounds(renderer)
    print(f"Cell (0,0) ['{cell_0_0.get_text().get_text()}'] Bounds (x,y,w,h): "
          f"({x0:.2f}, {y0:.2f}, {w0:.2f}, {h0:.2f})")

    # テーブルのセルを可視化するために色付け (オプション)
    for key, cell in table.get_celld().items():
        cell.set_edgecolor('black')
        cell.set_linewidth(0.5)

    plt.show()

get_text_bounds_basic_example()

解説:

出力される座標は、テーブル自身の座標系におけるテキストの左下隅からの相対位置と幅/高さです。
cell.get_text_bounds(renderer) を呼び出して、テキストの境界座標 (x, y, width, height) を取得します。
table[(row_idx, col_idx)] のようにして、特定のセルオブジェクトにアクセスします。
renderer = fig.canvas.get_renderer(): これが最も重要なステップです。テキストのサイズを正確に計算するために、Matplotlibのレンダリングエンジンが必要です。plt.show() の前に呼び出す必要があります。
ax.table() でテーブルを Axes に追加します。
fig, ax = plt.subplots() で Figure と Axes を作成します。

例2: テキスト境界を使って矩形を描画し、可視化する

この例では、取得したテキスト境界情報を使用して、実際にテキストの周りに矩形を描画し、get_text_bounds() が返す値が何を意味するかを視覚的に理解します。

import matplotlib.pyplot as plt
import matplotlib.patches as patches # 矩形を描画するために必要

def visualize_text_bounds_example():
    fig, ax = plt.subplots(figsize=(8, 6))
    ax.set_title("Visualizing Text Bounds")
    ax.set_xticks([])
    ax.set_yticks([])
    ax.set_frame_on(False)

    data = [
        ["Short", "A Medium Length Text"],
        ["Longer Text Here", "Very Very Very Long Text That Wraps"]
    ]

    # テーブルを作成
    table = ax.table(cellText=data,
                     loc='center',
                     cellLoc='center',
                     bbox=[0.05, 0.05, 0.9, 0.9]
                    )

    renderer = fig.canvas.get_renderer()

    # すべてのセルを反復処理
    for (row, col), cell in table.get_celld().items():
        cell.set_edgecolor('black')
        cell.set_linewidth(0.5)

        # セルのテキスト境界を取得
        x_text, y_text, w_text, h_text = cell.get_text_bounds(renderer)

        # テキストの境界ボックスの色を設定 (ヘッダーは赤、データは青)
        facecolor = 'red' if row == 0 else 'blue'

        # Text オブジェクトから変換を取得 (テーブル座標系 -> Axes座標系)
        # この変換は、Rectangle を Axes に追加するために必要
        # get_text() はテキストオブジェクトを返す
        text_transform = cell.get_text().get_transform()

        # 境界ボックスの左下隅の点をAxes座標系に変換
        # x_text, y_text はテーブル座標なので、text_transform を使う
        # その後、Axesのトランスフォームを介して表示座標系に変換する
        # この部分がやや複雑ですが、text_transform がセルのテキストの位置を管理している
        # Rectangle を Axes に追加する際は Axes 座標系を使う
        
        # 最も簡単な方法は、セル自体がAxesの子なので、セルのアンカーポイントから相対的に描画する
        # ここでは、Cellオブジェクトのトランスフォームから直接変換を試みる
        # Cellのtransformは Figure transform の子なので、その変換を利用する
        # cell.get_transform() はセル自身のトランスフォームを返す
        # cell.get_transform().transform((x_text, y_text)) は、
        # セルの左下隅を基準としたテキストの境界を Figure 座標系に変換する

        # Rectange の xy は Axes 座標系である必要があるため、
        # Figure 座標系から Axes 座標系への変換も必要
        # cell.get_transform() は Figure の transData から Table の transAxes に変換する
        # この例では、cell.get_text_bounds() が返す値はすでに
        # Table の Axes 座標系での値なので、それをそのまま Rectangle に渡せます。
        # ただし、Rectangle を作成する際には Axes 座標系が必要なので、注意が必要です。
        # ここでは、cell.get_text() の持つトランスフォームを使って直接 Axes 座標に変換します。

        # Text オブジェクトの transform を使用して、描画されたテキストの Axes 座標での位置を取得
        # get_text_bounds() はテーブルの内部座標を返すため、それをAxesに描画する場合は
        # そのテキストオブジェクトが実際に描画される際の変換を考慮する必要があります。
        # 最も確実な方法は、text オブジェクト自身が持つ変換を利用することです。
        # ここでは、cell.get_text() が持つ変換を直接利用してRectangleを描画します。
        
        # テキストの描画位置 (Axes座標)
        text_x, text_y = cell.get_text().get_position()
        
        # Text alignment を考慮して、Rectangle の位置を調整
        # get_text_bounds() は純粋な境界を返すが、text_x, text_y はアラインメント後の位置
        # Matplotlib の Text オブジェクトの transform は複雑なため、
        # ここでは単純に get_text_bounds() の値を元に Rectangle を作成する
        # get_text_bounds() の返り値は、セル内のテキストが占める「相対的な」スペースです
        # そのため、Rectangle を Axes に追加する際は、セルの位置も考慮する必要があります

        # 解決策：get_text_bounds() は Table の 'data' 座標系におけるテキストの境界を返します。
        # この 'data' 座標系は、テーブルの左下隅を (0,0) とした座標系です。
        # Rectangle を Axes に描画するには、Axes の 'data' 座標系が必要です。
        # Cell の `.get_x()` と `.get_y()` は、Axes の 'data' 座標系におけるセルの左下隅の
        # 座標を返します。これに get_text_bounds() で得た相対座標を足し合わせることで、
        # Axes の 'data' 座標系でのテキスト境界の左下隅が得られます。

        # セルの Axes 座標における左下隅
        cell_x = cell.get_x()
        cell_y = cell.get_y()

        # テキストの Axes 座標における境界ボックスの左下隅
        rect_x = cell_x + x_text
        rect_y = cell_y + y_text
        rect_width = w_text
        rect_height = h_text

        # 境界ボックスを表す矩形を作成
        rect = patches.Rectangle((rect_x, rect_y), rect_width, rect_height,
                                 linewidth=1, edgecolor=facecolor, facecolor='none',
                                 transform=ax.transData) # Axes のデータ座標系で描画

        ax.add_patch(rect)

        # テキストの内容も表示
        ax.text(cell.get_text().get_position()[0], cell.get_text().get_position()[1],
                cell.get_text().get_text(),
                ha=cell.get_text().get_horizontalalignment(),
                va=cell.get_text().get_verticalalignment(),
                transform=ax.transData, # Axes のデータ座標系
                color='black', fontsize=10)

    # テーブルのセルテキストのデフォルトのアラインメントも考慮して描画するため
    # テーブル自体も表示されるようにする
    # しかし、table.get_celld() で個々にスタイルを設定しているので、ここでは特に不要

    plt.show()

visualize_text_bounds_example()

解説:

この例では、get_text_bounds() が非常に長いテキストに対して width を正しく返し、テキストが複数行にわたる場合でもその全体の高さを height で返していることが視覚的に確認できます。
transform=ax.transData は、Rectangle が Axes のデータ座標系で描画されることを保証します。
したがって、Axesのデータ座標系でRectangleを描画するには、rect_x = cell_x + x_text、rect_y = cell_y + y_text のように、セルの位置とテキストの相対位置を足し合わせる必要があります。
get_text_bounds() が返す x_text, y_text は、セル自身の左下隅を基準としたテキストの境界の左下隅の相対座標です。
cell.get_x() と cell.get_y() は、現在のAxesのデータ座標系におけるセルの左下隅の座標を返します。
matplotlib.patches.Rectangle をインポートします。

この例は直接的な描画を行いませんが、get_text_bounds() がセルのレイアウトを動的に調整するためにどのように使用できるかを示す概念的な例です。

import matplotlib.pyplot as plt

def adjust_cell_height_example():
    fig, ax = plt.subplots(figsize=(6, 4))
    ax.set_title("Adjusting Cell Height Based on Text Bounds (Concept)")
    ax.set_xticks([])
    ax.set_yticks([])
    ax.set_frame_on(False)

    data = [
        ["Header"],
        ["Short text"],
        ["A very very very very very long text that needs multiple lines to fit into the cell. This text is intentionally long to demonstrate the concept of height adjustment."],
        ["Another short text"]
    ]

    # テーブルを作成 (初期設定)
    table = ax.table(cellText=data,
                     loc='center',
                     cellLoc='left',
                     bbox=[0.1, 0.1, 0.8, 0.8]
                    )

    renderer = fig.canvas.get_renderer()

    # 各セルの推奨される高さを計算
    recommended_heights = {}
    for (row, col), cell in table.get_celld().items():
        text_object = cell.get_text()
        current_text = text_object.get_text()

        # テキストがないセルはスキップ
        if not current_text:
            continue

        # テキスト境界を取得
        x_text, y_text, w_text, h_text = cell.get_text_bounds(renderer)

        # テキストの高さに少しパディングを加える
        # セルの高さをgetTextBoundsのheightに合わせるだけではぴったりすぎるため、
        # 上下方向の余白（パディング）を考慮する
        padding_factor = 1.2 # 例として20%のパディング
        recommended_heights[(row, col)] = h_text * padding_factor

        print(f"Cell ({row},{col}) '{current_text[:20]}...' recommended height: {recommended_heights[(row,col)]:.2f}")

    # --- ここからがポイント ---
    # 通常、Matplotlibのテーブルは自動的にテキストに合わせたセル高さを計算しますが、
    # より細かく制御したい場合や、動的にフォントサイズを変更した場合などにこの情報を使います。
    # ここでは、最も背の高い行のセルの高さに合わせて行の高さを調整する、といった処理を考えます。

    # 各行の最大高さを決定
    row_max_heights = {}
    for (row, col), height in recommended_heights.items():
        if row not in row_max_heights or height > row_max_heights[row]:
            row_max_heights[row] = height

    print("\n--- Adjusted Row Heights ---")
    for row_idx, max_h in row_max_heights.items():
        print(f"Row {row_idx} adjusted height: {max_h:.2f}")
        # 実際にセルの高さを設定するAPIは、MatplotlibのTableには直接的なものがないため、
        # ここでは概念的なコードとして示します。
        # 実際のテーブルのセル高さを調整するには、テーブルを再構築するか、
        # 各セルの描画トランスフォームを直接操作する必要があるかもしれません。
        # 例えば、table.set_row_height() のようなAPIがあれば理想的ですが、現状はありません。
        # 一般的には、`cell.set_height()` で個々のセルの高さを設定できますが、
        # 行の高さは自動的に最も高いセルに合わせられます。
        # したがって、`cell.set_height()` を呼び出すことで、内部的に行の高さが調整されます。

        # この例では、実際にセル高さを設定するコードは省略しますが、
        # 計算された `row_max_heights` を元に、セルの高さ（`cell.set_height()`)
        # やフォントサイズ（`cell.get_text().set_fontsize()`) を調整することが可能です。

    # 各セルの高さに計算した値を設定
    # set_height() は Table の内部計算に影響を与えます
    for (row, col), height_val in recommended_heights.items():
        cell = table[(row, col)]
        cell.set_height(height_val)

    # テーブルのセルを可視化
    for key, cell in table.get_celld().items():
        cell.set_edgecolor('gray')
        cell.set_linewidth(0.5)

    plt.show()

adjust_cell_height_example()

解説:

cell.set_height() を使って、計算された高さを行のセルに設定します。Matplotlibのテーブルは、行内で最も高いセルに合わせて行全体の高さを自動的に調整します。このため、get_text_bounds() で得られた情報を使って、テキストが収まるように各セルの高さを設定することで、行全体の高さも適切に調整されます。
その後、その高さにパディングを加えて「推奨される高さ」を算出します。
この例では、get_text_bounds() を使って各セル内のテキストが占める最小の高さを計算しています。

これは table.Cell.get_text_bounds() の最も直接的な代替手段であり、実際に get_text_bounds() の内部でも使われている可能性が高いです。Cell オブジェクトから直接テキストオブジェクトを取得し、そのテキストオブジェクトに対して get_window_extent() を呼び出します。

特徴:

renderer が必要: get_text_bounds() と同様に、正確なテキストサイズを計算するためにレンダラーが必要です。
座標系: ディスプレイ座標系（ピクセル）なので、Axesのデータ座標系やFigureの正規化された座標系とは異なります。変換が必要な場合は、Bbox.transformed() や transform.inverted() を使用して変換します。
返り値: matplotlib.transforms.Bbox オブジェクトを返します。このBboxは「ディスプレイ座標系」（通常はピクセル単位）でのテキストの境界ボックスを示します。

用途:

Matplotlib: table.Cell.get_text_bounds()でテーブルテキスト位置を完璧に把握する方法

matplotlib.table.Cell.get_text_bounds() とは

返される値

引数

何のために使うのか

renderer 引数がない、または間違っている

返される座標が期待と異なる、またはずれている

セルにテキストが設定されていない場合

例1: 基本的なテキスト境界の取得

例2: テキスト境界を使って矩形を描画し、可視化する

`matplotlib.table.Cell.get_text_bounds()` とは