SQLiteでユニーク制約を理解する:プログラミング解説とサンプルコード
ユニーク制約の構文
ユニーク制約は、CREATE TABLE ステートメントまたは ALTER TABLE ステートメントを使用して定義できます。
CREATE TABLE table_name (
column_name data_type UNIQUE,
...
);
ALTER TABLE table_name
ADD UNIQUE constraint_name (column_name);
例
次の例は、customers
という名前の表に email
列を追加し、その列にユニーク制約を設定する方法を示しています。
CREATE TABLE customers (
id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
name TEXT NOT NULL,
email TEXT UNIQUE NOT NULL
);
この制約により、customers
表内のすべての email
アドレスが互いに異なることが保証されます。つまり、同じ email
アドレスを持つ 2 人の顧客を登録することはできません。
ユニーク制約の利点
ユニーク制約には、次のような利点があります。
- データの参照を容易にすることができます。
- 重複データの入力を防ぐことができます。
- データの整合性を保つことができます。
ユニーク制約の注意点
ユニーク制約を使用する際には、次の点に注意する必要があります。
- 複数の列でユニーク制約を定義することはできますが、その列の組み合わせがすべて異なる必要があります。
- 既存のデータにユニーク制約を追加する場合、その制約を満たすデータのみが残されます。
- ユニーク制約を設定する列には、NULL 値を格納することはできません。
テーブルの作成とユニーク制約の定義
CREATE TABLE customers (
id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
name TEXT NOT NULL,
email TEXT UNIQUE NOT NULL
);
このコードは、customers
という名前の表を作成し、その表に 3 つの列を定義します。
email
列は、NULL 値を許さず、テキストを格納し、かつユニーク制約が設定されています。name
列は、NULL 値を許さず、テキストを格納します。id
列は、主キーであり、自動的にインクリメントされる整型数です。
このユニーク制約により、customers
表内のすべての email
アドレスが互いに異なることが保証されます。
ユニーク制約の違反
次のコードは、email
列に重複する値を挿入しようと試みるため、ユニーク制約の違反が発生します。
INSERT INTO customers (name, email)
VALUES ('John Doe', '[email protected]');
INSERT INTO customers (name, email)
VALUES ('Jane Doe', '[email protected]');
このコードを実行すると、次のエラーが発生します。
UNIQUE constraint failed: customers.email
既存のテーブルへのユニーク制約の追加
次のコードは、既存のテーブルにユニーク制約を追加する方法を示しています。
ALTER TABLE customers
ADD UNIQUE constraint unique_email (email);
このコードは、customers
表の email
列にユニーク制約を追加します。既存のデータにこの制約が適用されることに注意してください。つまり、email
列に重複する値を持つ既存のレコードは削除されます。
複数の列でユニーク制約を定義する
次のコードは、複数の列でユニーク制約を定義する方法を示しています。
CREATE TABLE orders (
order_id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
customer_id INTEGER NOT NULL,
product_id INTEGER NOT NULL,
UNIQUE (customer_id, product_id)
);
このコードは、orders
という名前の表を作成し、その表に 4 つの列を定義します。
- この表には、
customer_id
列とproduct_id
列の組み合わせがすべて異なる必要があるというユニーク制約が設定されています。 product_id
列は、NULL 値を許さず、整型数を格納します。customer_id
列は、NULL 値を許さず、整型数を格納します。order_id
列は、主キーであり、自動的にインクリメントされる整型数です。
CHECK 制約を使用したユニーク制約の実装
次のコードは、CHECK 制約を使用してユニーク制約を実装する方法を示しています。
CREATE TABLE users (
id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
username TEXT NOT NULL UNIQUE,
CHECK (username NOT IN (SELECT username FROM banned_users))
);
username
列の値がbanned_users
表のusername
列に存在しないことを保証する CHECK 制約が設定されています。username
列は、NULL 値を許さず、テキストを格納し、かつユニーク制約が設定されています。id
列は、主キーであり、自動的にインクリメントされる整型数です。
チェック制約
CHECK 制約を使用して、列の値が特定の条件を満たしていることを確認できます。この制約を使用して、ユニーク制約をシミュレートできます。
CREATE TABLE users (
id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
username TEXT NOT NULL,
CHECK (username NOT IN (SELECT username FROM banned_users))
);
この例では、username
列の値が banned_users
表の username
列に存在しないことを保証する CHECK 制約が設定されています。
部分インデックス
部分インデックスを使用して、列の一部のみを対象としたユニーク制約を定義できます。
CREATE TABLE products (
id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
name TEXT NOT NULL,
category TEXT NOT NULL,
UNIQUE (category, SUBSTR(name, 1, 10))
);
この例では、category
列と name
列の最初の 10 文字の組み合わせがすべて異なる必要があるというユニーク制約が設定されています。
トリガー
トリガーを使用して、データ挿入または更新操作の前に、ユニーク制約を検証するロジックを実装できます。
CREATE TRIGGER unique_email_check BEFORE INSERT OR UPDATE customers
FOR EACH ROW
BEGIN
IF NEW.email IN (SELECT email FROM customers WHERE rowid != NEW.rowid) THEN
RAISE ROLLBACK "Email must be unique";
END IF;
END;
この例では、customers
表の email
列に挿入または更新される値が、既存のレコードの email
列値と重複していないことを確認するトリガーが作成されています。
外部キー制約
外部キー制約を使用して、別の表の主キー列を参照する列に制約を定義できます。これにより、参照整合性を保証し、重複データを防ぐことができます。
CREATE TABLE orders (
order_id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
customer_id INTEGER NOT NULL,
product_id INTEGER NOT NULL,
FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES customers(id),
FOREIGN KEY (product_id) REFERENCES products(id)
);
この例では、orders
表の customer_id
列が customers
表の id
列を参照し、product_id
列が products
表の id
列を参照するように外部キー制約が設定されています。
アプリケーションロジック
アプリケーションロジックを使用して、データの一意性を検証することもできます。これは、データベース制約に頼らずに、より柔軟な制御を提供する場合に役立ちます。
def create_user(username):
if User.objects.filter(username=username).exists():
raise ValueError("Username must be unique")
user = User(username=username)
user.save()
この例では、create_user
関数は、username
がすでに存在する場合はエラーを発生させて、User
モデル内に重複するユーザーが作成されないようにします。
適切な代替方法を選択する
どの代替方法が適切かは、要件と状況によって異なります。
- 既存のテーブルとの関係を定義する必要がある場合
外部キー制約が適切です。 - より複雑な検証ロジックが必要な場合
トリガーまたはアプリケーションロジックが適切です。 - 部分的な一意制約が必要な場合
部分インデックスが適切です。 - シンプルかつ軽量な制約が必要な場合
CHECK 制約が適切です。
- 将来的に変更の可能性を考慮する必要があります。制約を変更することは難しい場合があるため、柔軟性を考慮した設計が重要です。
- パフォーマンスとスケーラビリティを考慮する必要があります。複雑な制約は、データベースのパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。
- 上記の代替方法はそれぞれ長所と短所があります。選択する前に、各オプションを慎重に評価する必要があります。