SQLiteのMATCHキーワードでデータベースを効率的に検索
MATCH の基本構文
SELECT * FROM your_table
WHERE your_column MATCH 'search_term';
この例では、your_table
テーブル内の your_column
列で search_term
と一致するすべてのレコードが選択されます。
MATCH オプション
MATCH
キーワードには、検索結果を調整するためのオプションがいくつか用意されています。
- ORDER BY
結果を関連度に基づいてソートします。例:MATCH 'term' ORDER BY relevance DESC
は、最も関連性の高い結果を最初に返します。 - NEAR
ワード間の距離を指定します。例:MATCH 'term1 NEAR/3 term2'
は、term1
とterm2
の間が 3 ワード以内にある結果を返します。 - FUSION
接尾辞一致検索を行います。例:MATCH 'term*'
はterm
で終わるすべての結果を返します。 - PHRASE
フレーズ検索を行います。例:MATCH '"exact phrase"'
は完全一致のみを返します。 - PREFIX
部分一致検索を行います。例:MATCH 'prefix*term'
はprefixterm
で始まるすべての結果を返します。
FTS5 フルテキスト検索エンジン
SQLite 3.8 以降では、より高度なフルテキスト検索機能を提供する FTS5 エンジンが導入されました。FTS5 は、以下の機能を提供します。
- サフィックス検索
接尾辞に基づいた検索を行います。 - ストップワード
検索結果に影響を与えない一般的な単語を除外します。 - ステミング
単語を基本形に還元します。 - トークナイゼーション
単語を区切り、アクセントや特殊文字を処理します。
FTS5 を使用する場合は、まず FTS5 用の全文索引を作成する必要があります。
CREATE FTS5 TABLE your_table (your_column TEXT);
FTS5 インデックスを作成したら、MATCH
キーワードとともに使用することができます。
例
SELECT * FROM your_table
WHERE your_column MATCH 'search_term'
ORDER BY FTS5Rank DESC;
この例では、your_table
テーブル内の your_column
列で search_term
と一致するすべてのレコードが選択され、関連度に基づいてソートされます。
部分一致検索
このコードは、customers
テーブル内の name
列で "John" を含むすべてのレコードを検索します。
SELECT * FROM customers
WHERE name MATCH 'John*';
フレーズ検索
このコードは、documents
テーブル内の content
列で "important document" というフレーズを含むすべてのドキュメントを検索します。
SELECT * FROM documents
WHERE content MATCH '"important document"';
接尾辞一致検索
このコードは、products
テーブル内の name
列で "phone" で終わるすべての製品を検索します。
SELECT * FROM products
WHERE name MATCH 'phone*';
ワード間の距離を指定した検索
このコードは、articles
テーブル内の content
列で "New York" と "City" が 3 ワード以内に出現するすべての記事を検索します。
SELECT * FROM articles
WHERE content MATCH 'New York NEAR/3 City';
FTS5 を使用した関連度に基づくソート
このコードは、books
テーブル内の title
列で "programming" と一致するすべての書籍を検索し、関連度に基づいてソートします。
SELECT * FROM books
WHERE title MATCH 'programming'
ORDER BY FTS5Rank DESC;
FTS5 を使用したトークナイゼーションとステミング
このコードは、messages
テーブル内の body
列で "running" と一致するすべてのメッセージを検索し、トークナイゼーションとステミングを行います。
SELECT * FROM messages
WHERE body MATCH 'running'
ORDER BY FTS5Rank DESC;
これらの例は、SQLite の MATCH
キーワードと FTS5 エンジンの機能をほんの一例です。これらのツールを組み合わせることで、データベース内のテキストデータを効率的かつ効果的に検索することができます。
LIKE 演算子
LIKE
演算子は、パターンによる部分一致検索に使用できます。ワイルドカード文字 (%
) を使用して、パターンの一部を置き換えることができます。
SELECT * FROM your_table
WHERE your_column LIKE '%search_term%';
長所
- ワイルドカード文字を使用して柔軟な検索が可能
- シンプルで使いやすい
短所
- フレーズ検索や接尾辞一致検索などの高度な機能が制限されている
- 大文字小文字を区別しない
REGEXP 演算子
REGEXP
演算子は、正規表現による高度なパターン検索に使用できます。正規表現は、より複雑な検索パターンを記述するのに役立ちます。
SELECT * FROM your_table
WHERE your_column REGEXP 'search_pattern';
長所
- 大文字小文字を区別した検索が可能
- 正規表現による高度なパターン検索が可能
短所
- 処理速度が遅くなる可能性がある
LIKE
演算子よりも複雑で習得に時間がかかる
FULLTEXT 検索エンジン
SQLite には、FTS5 や全文検索エンジンなどのサードパーティ製エンジンを含む、より高度なフルテキスト検索エンジンも用意されています。これらのエンジンは、より高度な機能を提供し、より高速な検索速度を実現することができます。
長所
- 大規模なデータセットでの高速な検索が可能
- フレーズ検索、接尾辞一致検索、サフィックス検索などの高度な機能を提供
短所
- FTS5 エンジンは SQLite に標準搭載されていない
MATCH
キーワードやLIKE
演算子よりも複雑で設定が必要
カスタム関数
複雑な検索要件を満たすために、独自の関数を作成することもできます。この方法は、高度なカスタマイズ性と柔軟性を提供しますが、開発とメンテナンスに時間がかかる場合があります。
長所
- 特定のニーズに合わせた検索ロジックを設計できる
- 複雑な検索要件を満たすために高度なカスタマイズが可能
短所
- コードのデバッグとテストが複雑になる
- 開発とメンテナンスに時間がかかる
SQLite における MATCH
の代替方法は、それぞれ長所と短所があります。状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。
- 複雑な検索要件を満たすために高度なカスタマイズが必要な場合は、カスタム関数を作成します。
- 大規模なデータセットでの高速な検索や高度な検索機能が必要な場合は、FULLTEXT 検索エンジンを検討します。
- より高度なパターン検索が必要な場合は、
REGEXP
演算子を使用します。 - シンプルで使いやすい部分一致検索の場合は、
LIKE
演算子が適しています。