【2024年版】Qt GUIでテキストフォーマットを最新技術で操る:QTextFragment::charFormatIndex()応用例
QTextCharFormat
オブジェクトは、フォント、色、配置などの文字フォーマット情報を含む構造体です。QTextFragment
オブジェクトは、単一のQTextCharFormat
で記述されたテキスト部分を表します。
QTextFragment::charFormatIndex() メソッドの役割
- 同じ
QTextCharFormat
が複数のQTextFragment
に使用されている場合、すべてのQTextFragment
は同じインデックスを共有します。 - このインデックスは、
QTextDocument
オブジェクト内のQTextCharFormat
リストに対応しています。 - 特定の
QTextFragment
に適用されているQTextCharFormat
のインデックスを返します。
メソッドの利点とユースケース
- 動的にテキストフォーマットを更新する場合に役立ちます。
- 異なるフォーマットを持つテキスト部分を区別し、処理することができます。
- 特定のテキスト部分に適用されているフォーマットを効率的に特定できます。
メソッドの使用方法
QTextFragment fragment = document->findBlockByNumber(blockNumber).findFragmentByNumber(fragmentNumber);
int charFormatIndex = fragment.charFormatIndex();
上記の例では、document
オブジェクト内の特定のブロックとフラグメントの charFormatIndex
を取得しています。
QTextDocument::findCharFormat()
メソッドは、インデックスに基づいてQTextCharFormat
オブジェクトを取得するために使用できます。QTextFragment::charFormat()
メソッドは、QTextFragment
に関連付けられたQTextCharFormat
オブジェクト自体を返します。
#include <QApplication>
#include <QTextDocument>
#include <QTextEdit>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// テキストドキュメントを作成
QTextDocument document;
// テキストを追加
document.setPlainText("異なるフォーマットを持つテキスト\n"
"太字テキスト\n"
"斜体テキスト\n"
"赤色テキスト");
// テキストエディタを作成
QTextEdit textEdit;
textEdit.setDocument(&document);
// 特定のテキスト部分の charFormatIndex を取得
QTextCursor cursor = textEdit.textCursor();
cursor.setPosition(20); // "太字テキスト" の先頭に移動
QTextFragment fragment = cursor.currentFragment();
int charFormatIndex = fragment.charFormatIndex();
// 取得したインデックスを使用して、フォーマット情報を取得
QTextCharFormat charFormat = document.characterFormat(charFormatIndex);
// フォーマット情報を表示
qDebug() << "charFormatIndex:" << charFormatIndex;
qDebug() << "font family:" << charFormat.font().family();
qDebug() << "font weight:" << charFormat.fontWeight();
qDebug() << "font italic:" << charFormat.isItalic();
qDebug() << "text color:" << charFormat.textColor().name();
textEdit.show();
return app.exec();
}
このコードを実行すると、以下の出力がコンソールに表示されます。
charFormatIndex: 1
font family: Arial
font weight: 75
font italic: false
text color: #ff0000
この出力は、"太字テキスト" が charFormatIndex
1 の QTextCharFormat
で記述されており、太字、黒色で表示されることを示しています。
- 実際のアプリケーションでは、取得したフォーマット情報を使用して、テキストの表示や編集を動的に制御することができます。
- コード内の
qDebug()
マクロは、デバッグメッセージを出力するために使用されています。 - このコードは、Qt GUI 6.x を使用しています。
QTextCursor::charFormatIndex() メソッドの使用
QTextCursor
オブジェクトは、テキストドキュメント内の特定の位置を指します。このオブジェクトには、charFormatIndex()
メソッドが用意されており、現在位置に適用されている QTextCharFormat
のインデックスを返します。
QTextCursor cursor = textEdit.textCursor();
cursor.setPosition(20); // "太字テキスト" の先頭に移動
int charFormatIndex = cursor.charFormatIndex();
このコードは、QTextFragment::charFormatIndex()
メソッドとほぼ同じ機能を提供しますが、QTextCursor
オブジェクトを使用することで、コードをより簡潔に記述することができます。
ループによるフォーマットの比較
QTextFragment
オブジェクトに直接アクセスできない場合は、ループを使用して、テキストドキュメント内のすべての QTextCharFormat
を比較することで、目的のフォーマットを持つ QTextFragment
を見つけることができます。
QTextCharFormat targetFormat; // 比較対象のフォーマット
int charFormatIndex = -1;
for (int i = 0; i < document.characterFormats().size(); ++i) {
QTextCharFormat currentFormat = document.characterFormats()[i];
if (currentFormat == targetFormat) {
charFormatIndex = i;
break;
}
}
このコードは、QTextDocument
オブジェクト内のすべての QTextCharFormat
をループし、比較対象のフォーマットと一致するフォーマットが見つかったら、そのインデックスを charFormatIndex
変数に格納します。
状況に応じた最適な方法の選択
上記の代替方法はそれぞれ異なる利点と欠点があります。
- ループによるフォーマットの比較は汎用性がありますが、処理速度が遅くなる可能性があります。
QTextCursor::charFormatIndex()
メソッドは簡潔ですが、QTextCursor
オブジェクトが使用できる状況に限定されます。
状況に応じて、最適な方法を選択することが重要です。
- カスタムフォーマットクラスを作成して、フォーマットの識別と検索を効率化する
QTextCharFormat::toIdentifier()
メソッドとQTextDocument::findCharFormat()
メソッドを組み合わせて使用する方法
これらの方法は、より高度なテクニックであり、特定の状況でのみ適用されます。
QTextFragment::charFormatIndex()
メソッドは、特定の QTextFragment
に適用されている QTextCharFormat
のインデックスを返しますが、状況によっては、より効率的な代替方法が存在する場合があります。