Qt GUIプログラミングの基礎知識：インラインオブジェクトの幅を操作するQTextInlineObject::width()

QTextInlineObject::width() は、Qt GUI ライブラリにおける QTextInlineObject クラスのメソッドの一つで、インラインオブジェクトの幅を取得します。インラインオブジェクトとは、テキストレイアウト内に埋め込まれた画像や表などのオブジェクトを指します。

使用方法

double width = inlineObject->width();

このコードは、inlineObject という名前の QTextInlineObject オブジェクトの幅を取得し、width 変数に格納します。

戻り値

width() メソッドは、double 型の値を返します。返される値は、インラインオブジェクトの幅を表すピクセル単位の数です。

例

次の例では、テキストレイアウト内の画像の幅を取得し、コンソールに出力します。

QTextDocument document;
QTextLayout layout(&document);

QImage image("image.png");
QTextInlineObject *inlineObject = new QTextInlineObject(image);
layout.createInlineObject(100, inlineObject);

double width = inlineObject->width();
std::cout << "Image width: " << width << std::endl;

このコードは、まず QTextDocument と QTextLayout オブジェクトを作成します。次に、QImage オブジェクトを作成し、それを QTextInlineObject オブジェクトに渡します。QTextInlineObject オブジェクトは、テキストレイアウト内の位置 100 に挿入されます。最後に、width() メソッドを使用して画像の幅を取得し、コンソールに出力します。

インラインオブジェクトの幅を変更するには、setWidth() メソッドを使用します。
QTextInlineObject::width() メソッドは、インラインオブジェクトが有効な場合にのみ有効です。有効かどうかを確認するには、isValid() メソッドを使用します。

画像の幅を取得してコンソールに出力する

#include <QApplication>
#include <QTextDocument>
#include <QTextLayout>
#include <QImage>
#include <QPainter>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テキストドキュメントとテキストレイアウトを作成
  QTextDocument document;
  QTextLayout layout(&document);

  // 画像を読み込み、インラインオブジェクトを作成
  QImage image("image.png");
  QTextInlineObject *inlineObject = new QTextInlineObject(image);

  // インラインオブジェクトをテキストレイアウトに挿入
  layout.createInlineObject(100, inlineObject);

  // 画像の幅を取得
  double width = inlineObject->width();

  // コンソールに画像の幅を出力
  std::cout << "Image width: " << width << std::endl;

  return 0;
}

画像の幅を変更してレイアウトを更新する

#include <QApplication>
#include <QTextDocument>
#include <QTextLayout>
#include <QImage>
#include <QPainter>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テキストドキュメントとテキストレイアウトを作成
  QTextDocument document;
  QTextLayout layout(&document);

  // 画像を読み込み、インラインオブジェクトを作成
  QImage image("image.png");
  QTextInlineObject *inlineObject = new QTextInlineObject(image);

  // インラインオブジェクトをテキストレイアウトに挿入
  layout.createInlineObject(100, inlineObject);

  // 画像の幅を 200 ピクセルに変更
  inlineObject->setWidth(200);

  // レイアウトを更新
  layout.update();

  // コンソールに画像の幅を出力
  std::cout << "Image width: " << inlineObject->width() << std::endl;

  return 0;
}

このコードは、image.png という画像の幅を 200 ピクセルに変更し、レイアウトを更新します。

#include <QApplication>
#include <QTextDocument>
#include <QTextLayout>
#include <QTable>
#include <QTextInlineObject>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テキストドキュメントとテキストレイアウトを作成
  QTextDocument document;
  QTextLayout layout(&document);

  // 表を作成
  QTable table;
  table.setRowCount(3);
  table.setColumnCount(3);

  // 表をテキストレイアウトに挿入
  QTextInlineObject *inlineObject = new QTextInlineObject(table);
  layout.createInlineObject(100, inlineObject);

  // 表の幅を取得
  double width = inlineObject->width();

  // コンソールに表の幅を出力
  std::cout << "Table width: " << width << std::endl;

  return 0;
}

QTextObject::size() メソッドを使用する

QTextObject::size() メソッドは、インラインオブジェクトを含むすべてのテキストオブジェクトのサイズを取得します。このメソッドは、インラインオブジェクトだけでなく、段落やフレームなどの他のテキストオブジェクトにも適用できます。

利点

コードが簡潔になる場合があります。
インラインオブジェクトだけでなく、他のテキストオブジェクトのサイズも取得できます。

欠点

インラインオブジェクトの幅のみを取得したい場合は、size() メソッドよりも時間がかかります。

例

double width = inlineObject->size().width();

QPainter を使用してインラインオブジェクトを描画し、その幅を取得する

QPainter クラスを使用してインラインオブジェクトを描画し、描画された領域の幅を取得することができます。この方法は、インラインオブジェクトの実際の描画サイズを取得したい場合に役立ちます。

利点

インラインオブジェクトの実際の描画サイズを取得できます。

欠点

パフォーマンスが低下する可能性があります。
コードが複雑になる場合があります。

例

QPainter painter(&document);
painter.translate(inlineObject->rect().topLeft());
inlineObject->draw(&painter);
double width = painter.boundingRect().width();

QTextLength を使用してインラインオブジェクトの幅をピクセルに変換する

QTextLength クラスを使用して、インラインオブジェクトの幅をピクセルに変換することができます。この方法は、インラインオブジェクトの幅を論理単位で取得したい場合に役立ちます。

利点

インラインオブジェクトの幅を論理単位で取得できます。

欠点

フォントや DPI によって幅が異なる可能性があります。
コードが複雑になる場合があります。

QTextLength length = inlineObject->textLength();
double width = length.toPixelLength();