上級者向け：Qt TextInputのselectedTextColorを代替する方法とカスタム描画
2025-05-27
QtプログラミングにおけるTextInput.selectedTextColorは、TextInput QMLタイプで使用されるプロパティで、テキスト入力フィールド内でユーザーが選択したテキストの色を設定するために使われます。
より具体的に説明すると、以下のようになります。
- selectedTextColor (選択されたテキストの色)
このプロパティを設定することで、通常のテキストの色とは別に、選択された部分のテキストがどのような色で表示されるかをカスタマイズできます。例えば、青い背景に白いテキストで選択範囲を表示する場合、selectedTextColorを白に設定します。 - Selected Text (選択されたテキスト)
マウスでドラッグしたり、キーボードのShiftキーと矢印キーを組み合わせて選択された（ハイライトされた）部分のテキストを指します。 - TextInput (テキストインプット)
ユーザーがテキストを入力できるUI要素です。ウェブページの入力欄や、デスクトップアプリケーションのテキストボックスなどを想像すると分かりやすいでしょう。
使用例（QMLコード）
import QtQuick 2.0
TextInput {
width: 200
height: 40
text: "これはサンプルテキストです"
color: "black" // 通常のテキストの色
selectionColor: "blue" // 選択されたテキストの背景色
selectedTextColor: "white" // 選択されたテキスト自体の色
}
上記の例では、ユーザーがテキストを選択すると、選択された部分の背景が青くなり、その上のテキストは白で表示されます。
selectedTextColorが適用されない/見えない
原因
- テキストが選択されていない
当然ですが、テキストが選択されていない状態ではselectedTextColorは表示されません。 - TextInputのフォーカスがない
TextInputがアクティブなフォーカスを持っていない場合、選択状態が解除され、selectedTextColorは適用されません。ユーザーが他の要素をクリックしたり、プログラムによってフォーカスが移動したりすると、この状態になります。 - 他のテキストプロパティとの競合
TextInputにはcolor（通常のテキスト色）や、font.color（フォントの色）など、テキストの描画に影響を与える他のプロパティがあります。これらのプロパティがselectedTextColorと競合し、意図しない色で描画される可能性があります。特に、QMLのプロパティバインディングの優先順位に注意が必要です。 - selectionColorが設定されていない、または同じ色である
selectedTextColorは選択されたテキストの色を設定しますが、その背景色となるselectionColorが設定されていないか、selectedTextColorと同じ色に設定されている場合、テキストが見えなくなるか、選択されていることが視覚的に分かりにくくなります。
トラブルシューティング
- 手動でテキストを選択してみる
アプリケーションを実行し、マウスでテキストをドラッグして選択してみて、selectedTextColorが適用されるか確認します。これにより、プロパティ設定自体が正しいかどうかの切り分けができます。 - フォーカス状態を確認する
TextInputにフォーカスがあることを確認するために、TextInputのactiveFocusプロパティを監視したり、onActiveFocusChangedシグナルを使ってデバッグ情報を出力したりしてみてください。TextInput { id: myTextInput text: "選択テスト" color: "black" selectionColor: "blue" selectedTextColor: "white" onActiveFocusChanged: { console.log("Active focus changed: " + activeFocus) } } - TextInputの他の色のプロパティを確認する
colorやfont.colorがselectedTextColorと異なる値に設定されていることを確認してください。 - selectionColorとselectedTextColorを明確に区別する
視認性を確保するため、異なる色（例：selectionColor: "blue",selectedTextColor: "white"）を設定してみてください。
selectedTextColorが一部のプラットフォーム/環境で異なる表示になる
原因
- QMLのバージョンやQtのバージョン
QtやQMLのバージョンが古い場合、特定の問題や描画の不一致が発生する可能性があります。 - プラットフォームネイティブなスタイリングの影響
Qtは可能な限りプラットフォームネイティブなルック＆フィールを尊重します。特定のOSでは、テキストの選択色に関して独自の描画ロジックを持っている場合があり、selectedTextColorの設定が部分的に上書きされたり、意図しない表示になることがあります。特に、QMLコントロールのスタイルをカスタマイズしている場合、そのスタイリングが影響を与える可能性があります。
トラブルシューティング
- QMLのControlやTextFieldの使用を検討する
TextInputはより低レベルなテキスト入力要素ですが、QtQuick.Controlsモジュールにはより高レベルなTextFieldなどのコントロールがあります。これらはよりプラットフォームに合わせた描画を行うため、選択色の挙動がより一貫している可能性があります。 - カスタムスタイルを簡素化する
もしカスタムスタイルを適用している場合、一時的にデフォルトのスタイルに戻してみて、問題が解消されるか確認します。これにより、スタイルの競合が原因であるかを特定できます。 - Qtのドキュメントを確認する
使用しているQtのバージョンに対応するTextInputのドキュメントを確認し、既知の問題やプラットフォーム固有の注意点がないか確認します。 - 異なるプラットフォームでテストする
問題が特定のOSでのみ発生するかどうかを確認します。
原因
- フォーカスの喪失
テキストを選択した後、別の要素にフォーカスが移動すると、選択が解除されてしまうことがあります。 - selectAll()やselect(start, end)の呼び出しタイミング
テキストをプログラム的に選択する際（例:Component.onCompletedでselectAll()を呼び出す）、TextInputが完全に初期化される前や、フォーカスが適切に設定される前に呼び出すと、選択が正しく機能しない場合があります。
- selectedTextプロパティの監視
TextInputのselectedTextプロパティを監視して、期待通りにテキストが選択されているか（空になっていないか）を確認します。 - forceActiveFocus()の使用
プログラム的に選択した後もTextInputがフォーカスを持ち続けるように、forceActiveFocus()を呼び出すことを検討します。// 例: ボタンクリックでTextInputのテキストを選択 Button { text: "テキストを選択" onClicked: { myTextInput.forceActiveFocus() // フォーカスを移動 myTextInput.selectAll() } } - 遅延実行
Component.onCompletedでselectAll()などを呼び出す場合、Qt.callLater()やTimerを使ってわずかに遅延させて実行することを試してみてください。TextInput { id: myTextInput text: "初期選択テキスト" color: "black" selectionColor: "blue" selectedTextColor: "white" activeFocus: true // 初期フォーカスを設定 Component.onCompleted: { // 完全に初期化されてから選択が機能するように少し遅延させる Qt.callLater(function() { myTextInput.selectAll() }) } }
例1：基本的なselectedTextColorの設定
最も基本的な使用例です。テキストが選択されたときに、そのテキストの色を指定します。
// main.qml
import QtQuick 2.15
import QtQuick.Window 2.15
Window {
width: 400
height: 200
visible: true
title: "Basic selectedTextColor Example"
TextInput {
id: myTextInput
anchors.centerIn: parent
width: 300
height: 40
font.pixelSize: 20
text: "このテキストを選択してみてください。"
// 通常のテキスト色
color: "black"
// 選択されたテキストの背景色
selectionColor: "lightblue"
// 選択されたテキスト自体の色
selectedTextColor: "darkblue" // 選択されたテキストが濃い青になる
}
}
解説
selectedTextColorプロパティで、選択されたテキスト自体の色を濃い青に設定しています。これにより、ユーザーがテキストをマウスで選択すると、テキストの背景が水色になり、テキストは濃い青色で表示されます。selectionColorプロパティで、テキスト選択時の背景色を水色に設定しています。colorプロパティで、選択されていない通常のテキストの色を黒に設定しています。TextInput要素を作成し、中心に配置しています。
例2：selectedTextColorを動的に変更する
ボタンのクリックなど、ユーザーのアクションに応じてselectedTextColorを変更する例です。
// main.qml
import QtQuick 2.15
import QtQuick.Controls 2.15 // Buttonを使用するために必要
import QtQuick.Window 2.15
Window {
width: 500
height: 250
visible: true
title: "Dynamic selectedTextColor Example"
Column {
anchors.centerIn: parent
spacing: 20
TextInput {
id: dynamicTextInput
width: 400
height: 40
font.pixelSize: 20
text: "選択色を変更できます。"
color: "black"
selectionColor: "lightgray"
selectedTextColor: "red" // 初期値は赤
activeFocus: true // 起動時にフォーカスを持つようにする
}
Row {
spacing: 10
Button {
text: "青にする"
onClicked: {
dynamicTextInput.selectedTextColor = "blue"
}
}
Button {
text: "緑にする"
onClicked: {
dynamicTextInput.selectedTextColor = "green"
}
}
Button {
text: "デフォルトに戻す (赤)"
onClicked: {
dynamicTextInput.selectedTextColor = "red"
}
}
}
}
}
解説
activeFocus: trueを設定することで、アプリケーション起動時にTextInputが自動的にフォーカスを持つようにしています。これにより、すぐにテキスト選択を試すことができます。- 3つの
Buttonを配置し、それぞれのボタンがクリックされると、dynamicTextInput.selectedTextColorプロパティに新しい色（"blue","green","red"）を代入しています。 TextInputのselectedTextColorの初期値を"red"に設定しています。
例3：selectedTextColorとselectionColorのコントラストを考慮する
アクセシビリティの観点から、選択されたテキストの色と背景色のコントラストが重要であることを示す例です。色の組み合わせによって見やすさが変わります。
// main.qml
import QtQuick 2.15
import QtQuick.Controls 2.15
import QtQuick.Window 2.15
Window {
width: 600
height: 300
visible: true
title: "Contrast Example"
Column {
anchors.centerIn: parent
spacing: 30
Text {
text: "コントラストが悪い例："
font.pixelSize: 18
}
TextInput {
id: badContrastInput
width: 400
height: 40
font.pixelSize: 20
text: "このテキストを選択してみてください。"
color: "black"
selectionColor: "darkblue" // 暗い背景色
selectedTextColor: "navy" // 暗いテキスト色 (コントラストが低い)
activeFocus: true
}
Text {
text: "コントラストが良い例："
font.pixelSize: 18
topPadding: 20
}
TextInput {
id: goodContrastInput
width: 400
height: 40
font.pixelSize: 20
text: "このテキストを選択してみてください。"
color: "black"
selectionColor: "darkblue" // 同じ暗い背景色
selectedTextColor: "white" // 明るいテキスト色 (コントラストが高い)
}
}
}
解説
- 2番目の
TextInput(goodContrastInput)では、同じselectionColor("darkblue")を使用していますが、selectedTextColorを"white"に設定しています。これにより、暗い背景に対して明るいテキストが際立ち、選択されたテキストが非常に見やすくなります。 - 最初の
TextInput(badContrastInput)では、selectionColorを"darkblue"に、selectedTextColorを"navy"に設定しています。どちらも暗い色のため、テキストが選択されても非常に見えにくくなります。
テキストの選択をコードで行い、selectedTextColorが適用されることを確認する例です。
// main.qml
import QtQuick 2.15
import QtQuick.Controls 2.15
import QtQuick.Window 2.15
Window {
width: 500
height: 300
visible: true
title: "Programmatic Selection Example"
Column {
anchors.centerIn: parent
spacing: 20
TextInput {
id: programmaticTextInput
width: 400
height: 40
font.pixelSize: 20
text: "これを全部選択したり、一部だけ選択したりできます。"
color: "black"
selectionColor: "orange"
selectedTextColor: "white"
}
Row {
spacing: 10
Button {
text: "全選択"
onClicked: {
programmaticTextInput.forceActiveFocus() // TextInputにフォーカスを強制
programmaticTextInput.selectAll()
}
}
Button {
text: "一部選択 (5文字目から10文字目)"
onClicked: {
programmaticTextInput.forceActiveFocus() // TextInputにフォーカスを強制
programmaticTextInput.select(4, 10) // インデックスは0から始まる
}
}
Button {
text: "選択解除"
onClicked: {
programmaticTextInput.forceActiveFocus() // TextInputにフォーカスを強制
programmaticTextInput.select(0, 0) // 開始と終了を同じにすると解除される
}
}
}
}
}
- 重要
各ボタンのonClickedハンドラ内でprogrammaticTextInput.forceActiveFocus()を呼び出しています。これは、プログラムによってテキストを選択する際、TextInputがアクティブなフォーカスを持っている必要があるためです。これにより、選択が適切に機能し、selectedTextColorが適用されます。 - 「選択解除」ボタンは、
programmaticTextInput.select(0, 0)を呼び出すことで、現在のテキスト選択を解除します。 - 「一部選択」ボタンは、
programmaticTextInput.select(4, 10)を呼び出して、インデックス4から9までの文字を選択します（10番目の文字は含まれません）。QMLのselectメソッドは、開始インデックスと終了インデックスを取ります。 - 「全選択」ボタンは、
programmaticTextInput.selectAll()を呼び出して、テキスト全体を選択します。 TextInputのselectedTextColorは"white"、selectionColorは"orange"に設定されています。
以下に、TextInput.selectedTextColorの代替となりうる、あるいは関連するカスタマイズ方法をいくつか説明します。
TextInputのDelegate (あまり一般的ではないが、理論上可能)
TextInputは内部的にテキストを描画するために様々な要素を使用しますが、低レベルな描画をフックしてテキストの選択部分を描画し直すことは、非常に複雑で推奨されません。しかし、TextInputの描画に直接関わるようなDelegateやカスタム描画を検討するシナリオでは、選択されたテキストの色もそこで制御することになります。これは通常、TextInputのQMLソースを深く理解し、QPainterなどを使用した低レベルな描画に習熟している場合に限られます。
考えられるシナリオ（非常に高度）：
- テキストの選択範囲に対して、単色塗りつぶしではないグラデーションやテクスチャを適用したい場合（この場合、
selectedTextColorだけでなく、selectionColorもカスタム描画で置き換える形になります）。 - 特定のフォントやグリフの描画に合わせて、選択されたテキストのアンチエイリアシングやサブピクセルレンダリングを細かく制御したい場合。
現実的には
これは非常にまれなケースであり、通常はTextInputの既存のプロパティ（color, selectionColor, selectedTextColor）で十分です。このようなカスタマイズは、Qtの標準的なスタイルやパフォーマンスと競合する可能性があります。
TextField (Qt Quick Controls 2) のスタイリング
TextInputはQt Quickの基本的なテキスト入力要素ですが、UIフレームワークとしてQt Quick Controls 2を使用している場合、より高レベルなTextFieldコンポーネントを使用するのが一般的です。TextFieldは内部的にTextInputを使用していますが、テーマやスタイルを適用するためのプロパティやメカニズムを豊富に持っています。
TextFieldの選択色に関する直接的なプロパティはTextInputと似ていますが、Controlのや](https://www.google.com/search?q=https://doc.qt.io/qt-6/qml-qtquick-controls2-control.html%23background-prop)%E3%82%84)をカスタマイズすることで](https://www.google.com/search?q=https://doc.qt.io/qt-6/qml-qtquick-controls2-control.html%23contentItem-prop)%E3%82%92%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%BA%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%A7)、より広範囲な見た目の変更が可能です。
例（TextFieldのcontentItemを介した描画）
// main.qml
import QtQuick 2.15
import QtQuick.Controls 2.15
import QtQuick.Window 2.15
Window {
width: 400
height: 200
visible: true
title: "TextField Styling Example"
TextField {
anchors.centerIn: parent
width: 300
height: 40
font.pixelSize: 20
text: "このテキストを選択してみてください。"
// TextField自身のselectedTextColor/selectionColorも設定可能
selectedTextColor: "white"
selectionColor: "purple"
// contentItemをカスタマイズして、テキストの描画方法を変更する
// ただし、これは選択されたテキストの色を直接変更するものではなく、
// TextInputのselectedTextColorが優先されるため、例としては限定的。
// より複雑な描画が必要な場合に検討される。
contentItem: TextInput {
text: parent.text
font: parent.font
color: parent.color // 通常のテキスト色
verticalAlignment: TextInput.AlignVCenter
readOnly: parent.readOnly
// TextFieldのselectedTextColorとselectionColorがここで反映される
selectedTextColor: parent.selectedTextColor
selectionColor: parent.selectionColor
// ここでselectedTextColorを直接設定することも可能だが、
// TextFieldのプロパティと一致させるのが一般的
// selectedTextColor: "lightgreen" // こうするとTextFieldの設定を上書き
}
}
}
解説
- もし、
contentItem内でselectedTextColorを直接設定すれば、それはTextFieldのプロパティを上書きします。これは、TextFieldが提供するデフォルトの描画ロジックを、より細かくチューニングしたい場合に検討される方法です。 - 上記の例では、
TextFieldのselectedTextColorとselectionColorがcontentItem内のTextInputにバインディングされています。これにより、TextFieldのプロパティを設定するだけで、内部のTextInputの表示も変わります。 TextFieldは内部的にTextInputを使ってテキストを表示します。TextFieldのcontentItemプロパティにカスタムのTextInputを設定することで、より詳細な制御が可能になります。
QMLレベルでTextInputのプロパティだけでは実現できない、極めて特殊なテキスト描画が必要な場合、C++でカスタムのQMLアイテムを作成するという選択肢があります。
- QQuickItem + Scenegraph API (OpenGL/Vulkan)
より高性能な描画や、カスタムシェーダーを使用したい場合、Qt Scenegraph APIを直接利用してレンダリングするQMLアイテムを作成します。これは最も低レベルで強力ですが、最も複雑なアプローチです。 - QQuickPaintedItem
QPainterを使用して2Dグラフィックを描画できるQMLアイテムです。テキスト選択範囲もQPainterのAPI（例:drawText,fillRect）を駆使して完全にカスタマイズできます。
適用されるシナリオ
- カスタムのテキストレイアウトエンジンを使用する場合。
- 非常に大量のテキストを効率的に描画し、ネイティブの
TextInputではパフォーマンスが不足する場合。 - 選択されたテキストに特殊な視覚効果（例：グロー効果、シャドウ、カスタムアニメーション）を適用したい場合。
例（概念のみ、実装は複雑）：
// mycustomtextitem.h (C++)
#include <QtQuick/QQuickPaintedItem>
#include <QtGui/QTextLayout>
class MyCustomTextItem : public QQuickPaintedItem
{
Q_OBJECT
Q_PROPERTY(QString text READ text WRITE setText NOTIFY textChanged)
Q_PROPERTY(QColor selectedTextColor READ selectedTextColor WRITE setSelectedTextColor NOTIFY selectedTextColorChanged)
// ... 他のプロパティ
public:
MyCustomTextItem(QQuickItem *parent = nullptr);
void paint(QPainter *painter) override;
QString text() const { return m_text; }
void setText(const QString &text);
QColor selectedTextColor() const { return m_selectedTextColor; }
void setSelectedTextColor(const QColor &color);
signals:
void textChanged();
void selectedTextColorChanged();
protected:
void mousePressEvent(QMouseEvent *event) override;
void mouseMoveEvent(QMouseEvent *event) override;
void mouseReleaseEvent(QMouseEvent *event) override;
private:
QString m_text;
QColor m_selectedTextColor;
int m_selectionStart = -1;
int m_selectionEnd = -1;
// テキストレイアウトを管理するQtクラス
QTextLayout m_textLayout;
// 選択範囲の描画ロジック
void drawSelection(QPainter *painter);
};
// mycustomtextitem.cpp (QPainterを使った基本的な描画ロジックの概要)
void MyCustomTextItem::paint(QPainter *painter)
{
// 通常のテキスト描画
painter->setPen(Qt::black);
m_textLayout.draw(painter, QPointF(0, 0));
// 選択範囲がある場合、selectedTextColorとselectionColorを使って描画
if (m_selectionStart != -1 && m_selectionEnd != -1 && m_selectionStart != m_selectionEnd) {
painter->setPen(m_selectedTextColor); // 選択されたテキストの色
painter->setBrush(QBrush(Qt::blue)); // 選択されたテキストの背景色
// QTextLayoutを使って、選択範囲の矩形を取得
// QRectF selectionRect = m_textLayout.boundingRectForSelection(m_selectionStart, m_selectionEnd - m_selectionStart);
// painter->drawRect(selectionRect); // 背景を描画
// QTextLayoutの選択範囲のテキストをselectedTextColorで再描画
// この部分はQPainterとQTextLayoutのAPIを深く理解する必要がある
// 例: テキストのサブストリングを取得して色を変えて描画
}
}
解説
TextInput.selectedTextColorのような簡単なプロパティで実現できることに対して、この方法はオーバースペックであることがほとんどです。QTextLayoutなどのQtのテキスト描画ヘルパークラスを利用することで、描画は多少楽になりますが、それでも複雑です。- このアプローチでは、テキストの描画、選択範囲の管理、色の適用まですべてC++コードで自前で実装することになります。
TextInput.selectedTextColorの代替手段を考える場合、ほとんどのケースではQt Quick Controls 2のTextFieldとそのスタイリング機能が最初の検討対象となります。TextInputのプロパティでは対応できないような、より複雑な見た目の要件がある場合にのみ、TextFieldのcontentItemをカスタマイズしたり、最終手段としてC++でのカスタム描画を検討することになります。