TextInput.autoScroll
TextInput.autoScroll
は、Qt Quick(QML)のTextInput
要素が持つプロパティの一つです。このプロパティは、TextInput
に入力されたテキストが、表示領域を超えた場合に自動的にスクロールするかどうかを制御します。
具体的には、以下のような挙動になります。
-
autoScroll: false
- テキストが入力されても、
TextInput
の内容は自動的にスクロールしません。 - 表示領域を超えたテキストは、ユーザーが手動でスクロールバーを操作するか、スクロールに関連する他のプロパティ(例:
contentX
,contentY
)をコードで操作しない限り、見えなくなります。 - この設定は、テキストが常に固定の位置に表示されるようにしたい場合や、スクロールの挙動を完全にプログラマブルに制御したい場合に有用です。
- テキストが入力されても、
-
- ユーザーがテキストを入力していくと、カーソルが見えるように
TextInput
の内容が自動的にスクロールします。 - テキストが長くなり、表示領域に収まらなくなった場合でも、常に最新の入力部分が見える状態を維持します。
- これは、ユーザーが長い文章を入力する際に、常に現在入力している箇所を確認できるため、非常に便利な機能です。
- ユーザーがテキストを入力していくと、カーソルが見えるように
使用例 (QML)
import QtQuick 2.0
Item {
width: 400
height: 200
TextInput {
id: myTextInput
x: 10
y: 10
width: 380
height: 100
placeholderText: "何か入力してください..."
wrapMode: TextInput.WrapAnywhere // テキストを折り返す設定
// autoScrollを明示的に設定(デフォルトはtrueなので、この行がなくても同じ動作)
// autoScroll: true
}
TextInput {
id: anotherTextInput
x: 10
y: 120
width: 380
height: 60
placeholderText: "自動スクロールなし"
autoScroll: false // 自動スクロールを無効にする
}
}
この例では、myTextInput
はデフォルトで自動スクロールが有効になっているため、長いテキストを入力すると自動的にスクロールします。一方、anotherTextInput
はautoScroll: false
に設定されているため、テキストがはみ出しても自動スクロールはされず、入力されたテキストの一部が見えなくなる可能性があります。
よくあるエラーと問題
-
- 原因
TextInput
のサイズが小さすぎる、またはwrapMode
の設定が影響している可能性があります。また、親要素のレイアウトやFlickable
などの挙動が競合している場合もあります。 - 例
TextInput
のheight
が1行のテキストを表示するのに十分でない場合、そもそもスクロールが必要な状態にならないため、autoScroll
が機能しているように見えないことがあります。wrapMode: TextInput.NoWrap
が設定されている場合、テキストが折り返されないため、行が長くなっても水平スクロールが必要になり、垂直方向の自動スクロールが期待通りに見えないことがあります。
- 原因
-
不要な自動スクロールが発生する
- 原因
TextInput.autoScroll: true
がデフォルトであり、予期せぬ入力や、プログラムによるテキストの変更によって自動スクロールがトリガーされることがあります。特に、複数のTextInput
や他のスクロール可能な要素が複雑に絡み合うUIでは、フォーカス変更などによって意図しないスクロールが発生することがあります。 - 例
- ユーザーが
TextInput
外の要素をクリックしてフォーカスが移動した後、元のTextInput
に戻った際に、カーソル位置が自動的にスクロールされてしまう。 - 裏でプログラムが
TextInput
のtext
プロパティを更新するたびに、ビューが自動的に一番下までスクロールしてしまう。
- ユーザーが
- 原因
-
パフォーマンスの問題
- 原因
非常に大量のテキストが頻繁にTextInput
に追加される場合、そのたびに自動スクロールが発生し、UIのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。 - 例
ログビューアのように、秒間数百行のテキストが追加されるようなケースで、autoScroll: true
のままだと、UIがカクついたり、応答が遅くなったりすることがあります。
- 原因
-
TextInput
を含むFlickable
などの親要素との競合- 原因
TextInput
自体が内部的にスクロール機能を持つため、それをさらにFlickable
などのスクロール可能な親要素の中に配置すると、スクロールの挙動が競合し、意図しないスクロールや、スクロールが効かなくなる問題が発生することがあります。 - 例
TextInput
がFlickable
の中にあり、TextInput
内でスクロールしようとすると、Flickable
全体がスクロールしてしまう。
- 原因
-
autoScroll
プロパティの確認と調整- まず、
TextInput.autoScroll
が期待する値(true
またはfalse
)に設定されているかを確認します。 - 不要な自動スクロールが発生する場合は、
autoScroll: false
を設定することを検討してください。
- まず、
-
TextInput
のサイズとwrapMode
の確認TextInput
のwidth
とheight
が、表示したいテキスト量に対して十分なスペースを提供しているかを確認します。- テキストの折り返しが必要な場合は、
wrapMode: TextInput.WrapAnywhere
またはTextInput.WrapAtWordBoundaryOrAnywhere
を設定しているか確認します。wrapMode: TextInput.NoWrap
は、テキストを折り返さず、水平スクロールが必要になることに注意してください。
-
プログラムによるテキスト変更時の挙動制御
- プログラムから
TextInput.text
を変更する場合、autoScroll: false
にしておき、必要に応じてTextInput.ensureVisible(position)
メソッドを使用して、特定のカーソル位置やテキストの末尾が見えるように明示的にスクロールを制御することを検討します。 - 例えば、ログビューアのように常に最新の行を見せたい場合は、テキスト追加後に
myTextInput.cursorPosition = myTextInput.length
としてカーソルを末尾に移動させることで、自動スクロールがトリガーされます。
- プログラムから
-
親要素との連携を確認する
TextInput
をFlickable
やScrollView
のようなスクロール可能な親要素の中に配置している場合、スクロールの責任がどこにあるのかを明確にすることが重要です。- 一般的に、
TextInput
は単一行テキスト入力用であり、複数行の自動スクロールが必要な場合はTextEdit
を使用する方が適切です。TextEdit
は、Flickable
の機能が組み込まれているため、別途Flickable
で囲む必要がありません。 - もし
TextInput
をFlickable
内で使用し、TextInput
内部のスクロールとFlickable
のスクロールが競合する場合は、TextInput
のflickable
プロパティ(Qt Quick Controls 2.x以降)や、Flickable
のinteractive
プロパティなどを調整して、スクロールのハンドリングを制御する必要があります。しかし、単一行のTextInput
でそこまで複雑なスクロールが必要になるケースは稀です。
-
デバッグ出力の活用
console.log()
を使用して、TextInput
のcontentWidth
,contentHeight
,cursorPosition
,scrollX
,scrollY
などのプロパティの変化を追跡し、何がスクロールをトリガーしているのか、またはスクロールがなぜ発生しないのかを特定します。
-
簡素なテストケースの作成
- 複雑なUIで問題が発生している場合、問題の原因を切り分けるために、問題の
TextInput
とその関連プロパティのみを含む簡素なQMLファイルを作成してテストします。これにより、他のUI要素やロジックの影響を除外できます。
- 複雑なUIで問題が発生している場合、問題の原因を切り分けるために、問題の
基本的なautoScroll: true (デフォルトの動作)
これは最も基本的な例で、TextInput
のデフォルトの挙動を示します。テキストが長くなると、カーソルが見えるように自動的にスクロールします。
// main.qml
import QtQuick 2.15
import QtQuick.Window 2.15
import QtQuick.Controls 2.15 // TextInputを含む
Window {
width: 640
height: 480
visible: true
title: "TextInput AutoScroll (Default)"
Column {
anchors.centerIn: parent
spacing: 10
width: parent.width * 0.8 // 親要素の幅の80%
Text {
text: "長いテキストを入力して、自動スクロールの動作を確認してください。"
width: parent.width
wrapMode: Text.WordWrap
}
TextInput {
id: defaultTextInput
width: parent.width
height: 150 // 高さを設定して複数行表示を可能にする
placeholderText: "ここに入力してください..."
wrapMode: TextInput.WrapAnywhere // テキストを折り返す
// autoScrollはデフォルトでtrueなので、明示的に記述する必要はありません
// autoScroll: true
font.pixelSize: 16
border.color: "gray"
border.width: 1
}
}
}
解説
TextInput
のautoScroll
プロパティはデフォルトでtrue
なので、このコードでは明示的に設定していません。ユーザーがテキストを入力して表示領域を超えると、自動的にスクロールしてカーソル位置が見えるようになります。wrapMode
を設定することで、テキストが端で折り返されます。
autoScroll: false で自動スクロールを無効にする
自動スクロールを無効にして、テキストがはみ出しても自動的にスクロールしないようにする例です。
// main.qml
import QtQuick 2.15
import QtQuick.Window 2.15
import QtQuick.Controls 2.15
Window {
width: 640
height: 480
visible: true
title: "TextInput AutoScroll (Disabled)"
Column {
anchors.centerIn: parent
spacing: 10
width: parent.width * 0.8
Text {
text: "自動スクロールが無効です。テキストがはみ出してもスクロールしません。"
width: parent.width
wrapMode: Text.WordWrap
}
TextInput {
id: noAutoScrollTextInput
width: parent.width
height: 100 // 意図的に高さを低くして、テキストがすぐにはみ出すようにする
placeholderText: "ここに入力してください..."
wrapMode: TextInput.WrapAnywhere
autoScroll: false // ここで自動スクロールを無効にする
font.pixelSize: 16
border.color: "gray"
border.width: 1
}
}
}
解説
autoScroll: false
を設定することで、ユーザーが入力してもTextInput
の内容は自動的にスクロールしません。これにより、テキストがはみ出した部分は表示されなくなります。
プログラムによるスクロール制御 (自動スクロール無効時)
autoScroll: false
にした上で、プログラムから明示的にテキストの末尾にスクロールする例です。これは、ログビューアのように常に最新の情報を表示したい場合に役立ちます。
// main.qml
import QtQuick 2.15
import QtQuick.Window 2.15
import QtQuick.Controls 2.15
Window {
width: 640
height: 480
visible: true
title: "TextInput Manual Scroll"
Column {
anchors.centerIn: parent
spacing: 10
width: parent.width * 0.8
Text {
text: "手動でスクロールを制御します。新しい行を追加すると末尾にスクロールします。"
width: parent.width
wrapMode: Text.WordWrap
}
TextInput {
id: logTextInput
width: parent.width
height: 200
readOnly: true // ユーザーからの直接入力は受け付けない
wrapMode: TextInput.WrapAnywhere
autoScroll: false // 自動スクロールは無効にしておく
font.pixelSize: 14
border.color: "gray"
border.width: 1
}
Button {
text: "新しいログ行を追加"
onClicked: {
var newLog = "ログメッセージ " + Qt.formatDateTime(new Date(), "yyyy-MM-dd hh:mm:ss") + "\n";
logTextInput.text += newLog;
// テキストの末尾にカーソルを移動させ、スクロールをトリガーする
logTextInput.cursorPosition = logTextInput.length;
}
}
}
}
解説
logTextInput
はreadOnly: true
に設定されており、ユーザーは直接入力できません。autoScroll: false
に設定されているため、通常は自動スクロールしません。- "新しいログ行を追加"ボタンをクリックすると、
logTextInput.text
に新しい行が追加されます。 logTextInput.cursorPosition = logTextInput.length;
がポイントです。これにより、カーソルがテキストの末尾に移動します。TextInput
はカーソルが見えるようにビューを調整する内部ロジックを持っているため、autoScroll
がfalse
でもこの操作によって強制的に末尾にスクロールされます。
TextInput
は主に単一行の入力フィールドや、複数行でも比較的短いテキストの表示に適しています。より高機能な複数行テキストの編集や表示には、TextEdit
を使用する方が適切です。TextEdit
は内部にFlickable
の機能を持っており、TextInput
よりも高度なスクロールや編集機能を提供します。
// main.qml
import QtQuick 2.15
import QtQuick.Window 2.15
import QtQuick.Controls 2.15
Window {
width: 640
height: 480
visible: true
title: "TextInput vs TextEdit"
Column {
anchors.centerIn: parent
spacing: 20
width: parent.width * 0.8
Text {
text: "TextInput (単一行または簡易な複数行)"
font.bold: true
}
TextInput {
id: simpleTextInput
width: parent.width
height: 50 // TextInputは単一行入力に適している
placeholderText: "短いテキスト入力"
wrapMode: TextInput.NoWrap // 単一行の場合、折り返しなしが一般的
font.pixelSize: 16
border.color: "gray"
border.width: 1
// TextInputはautoScrollがデフォルトでtrue
}
Text {
text: "TextEdit (複数行テキスト編集/表示)"
font.bold: true
}
TextEdit {
id: richTextEdit
width: parent.width
height: 150 // TextEditは複数行テキストに適している
placeholderText: "長いテキストをここに入力/表示..."
wrapMode: TextEdit.WrapAnywhere // 複数行の場合、折り返しが一般的
font.pixelSize: 16
border.color: "gray"
border.width: 1
// TextEditはFlickable機能を内蔵しているため、autoScrollのような直接的なプロパティは持ちません
// カーソルが見えるように自動的にスクロールする挙動はデフォルトで提供されます
}
}
}
解説
この例はTextInput.autoScroll
の直接的なコードではありませんが、TextInput
でスクロール関連の問題に直面した場合に、TextEdit
への移行を検討するべきケースがあることを示しています。TextEdit
はテキストエディタのような機能を想定しており、自動スクロール(カーソル追従)は基本的な動作として組み込まれています。
TextInput.ensureVisible() メソッドの使用
TextInput.autoScroll: false
に設定した場合でも、プログラムから特定のカーソル位置が見えるようにスクロールさせたい場合に有効です。特に、テキストをプログラムで追加した後に、その新しい部分が見えるようにしたいときに使われます。
// main.qml
import QtQuick 2.15
import QtQuick.Window 2.15
import QtQuick.Controls 2.15
Window {
width: 640
height: 480
visible: true
title: "TextInput with ensureVisible()"
Column {
anchors.centerIn: parent
spacing: 10
width: parent.width * 0.8
Text {
text: "自動スクロールを無効にし、ボタンで末尾にスクロールします。"
width: parent.width
wrapMode: Text.WordWrap
}
TextInput {
id: customScrollTextInput
width: parent.width
height: 150
placeholderText: "ここに入力してください..."
wrapMode: TextInput.WrapAnywhere
autoScroll: false // 自動スクロールを無効にする
font.pixelSize: 16
border.color: "gray"
border.width: 1
}
Button {
text: "末尾にスクロール"
onClicked: {
// カーソルをテキストの末尾に移動させ、その位置が見えるようにする
customScrollTextInput.cursorPosition = customScrollTextInput.length;
customScrollTextInput.ensureVisible(customScrollTextInput.cursorPosition);
}
}
Button {
text: "テキスト追加&末尾にスクロール"
onClicked: {
customScrollTextInput.text += "新しい行が追加されました。\n" + Qt.formatDateTime(new Date(), "yyyy-MM-dd hh:mm:ss") + "\n";
// 新しいテキストの末尾にカーソルを移動させ、その位置が見えるようにする
customScrollTextInput.cursorPosition = customScrollTextInput.length;
customScrollTextInput.ensureVisible(customScrollTextInput.cursorPosition);
}
}
}
}
解説
ensureVisible(position)
メソッドは、指定されたカーソル位置がTextInput
のビューポート内に表示されるようにスクロールを調整します。これは、ログビューアやチャットアプリケーションのように、常に最新のテキストが表示されるようにしたい場合に非常に役立ちます。
TextEdit の使用(複数行テキスト向け)
TextInput
は主に単一行のテキスト入力や、シンプルな複数行表示に使用されます。よりリッチなテキスト編集機能や、複数行の長いテキストの自動スクロールには、TextEdit
を使用する方が適しています。TextEdit
は内部的にスクロール機能を持ち、カーソルが見えるように自動的にスクロールする挙動はデフォルトで提供されます。
// main.qml
import QtQuick 2.15
import QtQuick.Window 2.15
import QtQuick.Controls 2.15
Window {
width: 640
height: 480
visible: true
title: "Using TextEdit for Auto-Scrolling"
Column {
anchors.centerIn: parent
spacing: 10
width: parent.width * 0.8
Text {
text: "TextEditは複数行テキストに適しており、デフォルトで自動スクロールします。"
width: parent.width
wrapMode: Text.WordWrap
}
TextEdit {
id: myTextEdit
width: parent.width
height: 200
placeholderText: "長いテキストをここに入力してください..."
wrapMode: TextEdit.WrapAnywhere // テキストを折り返す
font.pixelSize: 16
border.color: "gray"
border.width: 1
// TextEditはFlickableを内蔵しているため、TextInput.autoScrollのようなプロパティは直接ありませんが、
// カーソルやテキストの変更に応じて自動的にビューを調整します。
}
Button {
text: "新しい行を追加 (TextEdit)"
onClicked: {
myTextEdit.text += "TextEditの新しい行: " + Qt.formatDateTime(new Date(), "yyyy-MM-dd hh:mm:ss") + "\n";
// カーソルを末尾に移動させるだけで、TextEditが自動的にスクロールします
myTextEdit.cursorPosition = myTextEdit.length;
}
}
}
}
解説
TextEdit
は、TextInput
よりも高度なテキスト編集機能を提供します。テキストの追加やカーソル移動の際に、TextEdit
は自動的にビューを調整し、カーソルや新しいテキストが見えるようにスクロールします。TextInput
で複数行の自動スクロール制御に苦労している場合、TextEdit
への切り替えを検討する価値があります。
もし、TextInput
やTextEdit
の組み込みのスクロール機能では不十分で、スクロールの挙動を非常に細かく制御したい場合は、TextInput
(または他のコンテンツ)をFlickable
で囲み、Flickable
のプロパティ(contentX
, contentY
, contentWidth
, contentHeight
など)を直接操作する方法があります。これはより複雑ですが、最大限の柔軟性を提供します。
ただし、TextInput
やTextEdit
自体が内部的にスクロール機能を(ある程度)持っているため、Flickable
で囲むとスクロールの競合が発生しやすくなります。このアプローチは、カスタムのテキストレンダリングを行う場合や、TextInput
のデフォルトのスクロール機能とは全く異なる挙動を実装したい場合にのみ推奨されます。
// この例はTextInputのFlickableの代替ではなく、
// 一般的なFlickableを使った手動スクロール制御の概念を示すものです。
// TextInputをFlickableで囲むと、スクロールの競合が発生する可能性が高いです。
/*
Flickable {
id: myFlickable
width: 300
height: 100
contentWidth: textItem.paintedWidth // 内部コンテンツの幅
contentHeight: textItem.paintedHeight // 内部コンテンツの高さ
clip: true // 境界外のコンテンツをクリップ
Text { // 例えば、Textアイテムをスクロールさせる
id: textItem
text: "非常に長いテキストがここにあります。\n" +
"これはFlickable内で手動でスクロールを制御する例です。\n" +
"TextInputのautoScrollとは直接関係ありませんが、\n" +
"より低レベルなスクロール制御が必要な場合の代替手段です。\n" +
"追加の行を追加してスクロールをテストしてください。\n".repeat(10);
font.pixelSize: 16
wrapMode: Text.WordWrap
}
// スクロールを末尾に持っていく関数
function scrollToBottom() {
myFlickable.contentY = myFlickable.contentHeight - myFlickable.height;
}
// 例として、テキストの変更を監視して自動スクロール
// 実際にはもっと複雑なロジックが必要になることが多い
onContentHeightChanged: {
// コンテンツの高さが変わったら末尾にスクロール
// ユーザーが手動でスクロールしていないかなどの条件も考慮すると良い
scrollToBottom();
}
}
*/
解説
Flickable
を使用する場合、contentWidth
, contentHeight
を内部のコンテンツの実際のサイズにバインドし、contentX
, contentY
プロパティを操作してスクロール位置を制御します。onContentHeightChanged
などのシグナルを監視し、その変化に応じてcontentY
を更新することで、自動スクロールに似た挙動を実現できます。しかし、繰り返しになりますが、TextInput
やTextEdit
の既存の自動スクロール機能があるため、通常はこのレベルの制御は必要ありません。
- カスタムなスクロール制御
Flickable
で囲むことで低レベルな制御が可能ですが、TextInput
やTextEdit
との競合に注意が必要です。通常は避けられます。 - 複数行のテキスト編集・表示
TextEdit
を使用することを強く推奨します。TextEdit
はデフォルトで賢い自動スクロール動作を提供します。 - プログラムによる末尾へのスクロール
TextInput.autoScroll: false
に設定し、TextInput.cursorPosition = TextInput.length;
とTextInput.ensureVisible(TextInput.cursorPosition);
を組み合わせて使用します。 - 簡単な自動スクロール
TextInput.autoScroll: true
(デフォルト) を使用します。