Qt GUIにおけるアクセシビリティ：QAccessibleTableInterface::selectedRows()の解説と代替方法

QAccessibleTableInterface::selectedRows()は、Qt GUIにおけるアクセシビリティAPIの一部であり、テーブルウィジェット内の選択された行のインデックスリストを取得するための関数です。この関数は、スクリーンリーダーなどの補助技術がテーブル内の選択内容を理解し、ユーザーに伝えるために使用されます。

構文

QList<int> QAccessibleTableInterface::selectedRows() const;

戻り値

選択された行のインデックスのリストをQList<int>型で返します。選択されていない行はリストに含まれません。

例

QAccessibleTableInterface *tableInterface = ...; // テーブルウィジェットのアクセシブルインターフェースを取得

QList<int> selectedRows = tableInterface->selectedRows();

for (int row : selectedRows) {
    // 選択された行ごとに処理を行う
    QAccessibleInterface *cellInterface = tableInterface->cellAt(row, 0);
    QString cellText = cellInterface->text();
    qDebug() << "Selected row" << row << ":" << cellText;
}

• 行の選択を解除するには、QAccessibleTableInterface::unselectRow(int row)関数を使用します。
• 行を選択するには、QAccessibleTableInterface::selectRow(int row)関数を使用します。
• QAccessibleTableInterface::isRowSelected(int row)関数を使用して、特定の行が選択されているかどうかを確認できます。
• QAccessibleTableInterface::selectedRowCount()関数を使用して、選択された行の数を取得することもできます。

---

#include <QApplication>
#include <QAccessible>
#include <QTableView>
#include <QStandardItemModel>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    // テーブルウィジェットを作成
    QTableView tableView;
    QStandardItemModel *model = new QStandardItemModel(10, 5);
    for (int row = 0; row < 10; ++row) {
        for (int col = 0; col < 5; ++col) {
            model->setData(model->index(row, col), QString("Row %1, Col %2").arg(row + 1).arg(col + 1));
        }
    }
    tableView.setModel(model);

    // テーブルウィジェットを表示
    tableView.show();

    // アクセシブルインターフェースを取得
    QAccessibleInterface *tableInterface = QAccessible::accessibleInterface(&tableView);

    // 選択された行のインデックスリストを取得
    QList<int> selectedRows = tableInterface->selectedRows();

    // 選択された行ごとに処理を行う
    for (int row : selectedRows) {
        QAccessibleInterface *cellInterface = tableInterface->cellAt(row, 0);
        QString cellText = cellInterface->text();
        qDebug() << "Selected row" << row << ":" << cellText;
    }

    return app.exec();
}

このコードの説明

1. QApplicationオブジェクトを作成し、Qtアプリケーションを初期化します。
2. QTableViewオブジェクトを作成し、テーブルウィジェットを作成します。
3. QStandardItemModelオブジェクトを作成し、テーブルウィジェットのデータモデルを作成します。
4. データモデルにサンプルデータを設定します。
5. テーブルウィジェットのモデルにデータモデルを設定します。
6. テーブルウィジェットを表示します。
7. テーブルウィジェットのアクセシブルインターフェースを取得します。
8. selectedRows()関数を使用して、選択された行のインデックスリストを取得します。
9. 選択された行ごとに、以下の処理を行います。
   • cellAt()関数を使用して、選択された行の最初のセルを取得します。
   • text()関数を使用して、セルのテキストを取得します。
   • 選択された行とセルの情報をコンソールに出力します。

実行方法

このコードを実行するには、以下の手順に従ってください。

1. Qt CreatorなどのIDEを使用して、新しいQtプロジェクトを作成します。
2. 上記のコードをプロジェクトのメインファイルに追加します。
3. プロジェクトをビルドして実行します。

• 実際のアプリケーションでは、必要に応じてコードをカスタマイズする必要があります。
• このコードは、Qt GUIにおけるQAccessibleTableInterface::selectedRows()関数の基本的な使用方法を示しています。

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この関数は、スクリーンリーダーなどの補助技術がテーブル内の選択内容を理解し、ユーザーに伝えるために使用されます。

しかし、状況によっては、QAccessibleTableInterface::selectedRows()の代替方法が必要になる場合があります。

以下、いくつかの代替方法とその利点と欠点をご紹介します。

QModelIndexを使用する

QModelIndexを使用して、選択された行のインデックスを取得することができます。

QModelIndexList selectedIndices = tableView.selectionModel()->selectedIndexes();

for (const QModelIndex &index : selectedIndices) {
    int row = index.row();
    // 選択された行ごとに処理を行う
}

利点

• 処理速度が速くなる。
• コードが簡潔になる。

欠点

• スクリーンリーダーなどの補助技術で使用できない。
• アクセシビリティ情報が取得できない。

QItemSelectionModelを使用する

QItemSelectionModelを使用して、選択された行のインデックスリストを取得することができます。

QItemSelectionModel *selectionModel = tableView.selectionModel();
QModelIndexList selectedIndices = selectionModel->selectedIndexes();

for (const QModelIndex &index : selectedIndices) {
    int row = index.row();
    // 選択された行ごとに処理を行う
}

利点

• 処理速度が速くなる。
• コードが比較的簡潔になる。

欠点

• スクリーンリーダーなどの補助技術で使用できない。
• アクセシビリティ情報が取得できない。

カスタム関数を作成する

テーブルウィジェットのモデルとビューにアクセスして、選択された行のインデックスリストを取得するカスタム関数を作成することができます。

QList<int> getSelectedRows(QTableView *tableView) {
    QList<int> selectedRows;

    QModelIndexList selectedIndices = tableView.selectionModel()->selectedIndexes();
    for (const QModelIndex &index : selectedIndices) {
        selectedRows.append(index.row());
    }

    return selectedRows;
}

利点

• スクリーンリーダーなどの補助技術で使用できる。
• アクセシビリティ情報を含む任意の処理を行うことができる。

欠点

• 処理速度が遅くなる。
• コードが複雑になる。

最適な方法の選択

最適な方法は、状況によって異なります。

• 柔軟性と制御が必要であれば、カスタム関数を作成する必要があります。
• コードが簡潔で処理速度が速いことが重要であれば、QModelIndexまたはQItemSelectionModelを使用するのが最善です。
• アクセシビリティ情報が必要な場合は、カスタム関数を作成する必要があります。
• アクセシビリティ情報が必要ない場合は、QModelIndexまたはQItemSelectionModelを使用するのが最善です。

• 状況に応じて、最適な方法を選択してください。
• 上記の代替方法は、あくまでも例です。