【初心者向け】Qt GUI プログラミング: アクセシビリティ機能でテーブル操作を便利に！ `QAccessibleTableInterface::selectedCellCount()` を徹底解説

QAccessibleTableInterface::selectedCellCount() は、Qt GUI におけるアクセシビリティ機能の一つであり、現在選択されているセルの数を取得するためのメソッドです。このメソッドは、視覚障がい者などのユーザーがテーブル内の選択状態を把握するのに役立ちます。

メソッドの構文

int QAccessibleTableInterface::selectedCellCount() const;

戻り値

選択されているセルの数を返します。選択されていない場合は 0 を返します。

詳細

selectedCellCount() メソッドは、テーブル内のすべての選択されたセルをカウントします。行全体または列全体が選択されている場合でも、個々のセルとしてカウントされます。

このメソッドは、テーブルの状態が変化したときに自動的に更新されます。例えば、ユーザーがセルを選択したり、選択を解除したりすると、メソッドの戻り値はそれに応じて変化します。

例

以下のコードは、selectedCellCount() メソッドを使用して、現在選択されているセルの数を取得し、その数をコンソールに出力する例です。

QAccessibleInterface *table = ...; // テーブルを取得
QAccessibleTableInterface *tableInterface = table->as<QAccessibleTableInterface>();
if (tableInterface) {
    int selectedCellCount = tableInterface->selectedCellCount();
    std::cout << "選択されたセルの数: " << selectedCellCount << std::endl;
}

このメソッドは、Qt GUI 5.12 以降で使用できます。
selectedCellCount() メソッドは、読み取り専用のメソッドです。セルの選択状態を変更するには、selectCell() または unselectCell() メソッドを使用する必要があります。

selectedRowCount(): 選択されている行の数を取得します。
selectedColumnCount(): 選択されている列の数を取得します。
selectedCells(): 選択されたすべてのセルを取得します。
unselectCell(): 指定されたセルの選択を解除します。
selectCell(): 指定されたセルを選択します。

選択されたセルの数をコンソールに出力する

#include <QAccessible>

int main() {
    // テーブルを取得
    QAccessibleInterface *table = ...;

    // テーブルインターフェースを取得
    QAccessibleTableInterface *tableInterface = table->as<QAccessibleTableInterface>();

    // 選択されたセルの数を取得
    int selectedCellCount = tableInterface->selectedCellCount();

    // 選択されたセルの数をコンソールに出力
    std::cout << "選択されたセルの数: " << selectedCellCount << std::endl;

    return 0;
}

まず、QAccessibleInterface オブジェクトを取得します。これは、アクセシビリティ情報にアクセスするために使用されます。
次に、as<QAccessibleTableInterface>() メソッドを使用して、QAccessibleTableInterface オブジェクトに変換します。これは、テーブル固有のアクセシビリティ情報にアクセスするために使用されます。
selectedCellCount() メソッドを使用して、現在選択されているセルの数を取得します。
最後に、取得したセルの数を std::cout オブジェクトを使用してコンソールに出力します。

#include <QAccessible>
#include <vector>

std::vector<QAccessibleTableCellInterface *> getSelectedCells(QAccessibleTableInterface *tableInterface) {
    std::vector<QAccessibleTableCellInterface *> selectedCells;

    // 選択されたすべてのセルを取得
    QAccessibleTableCellList selectedCellList = tableInterface->selectedCells();

    // 各セルをループ処理
    for (int i = 0; i < selectedCellList.count(); ++i) {
        QAccessibleTableCellInterface *cell = selectedCellList.at(i);

        // セルの行と列のインデックスを取得
        int row = cell->row();
        int column = cell->column();

        // 取得した情報を `selectedCells` ベクターに格納
        selectedCells.push_back(cell);
    }

    return selectedCells;
}

int main() {
    // テーブルを取得
    QAccessibleInterface *table = ...;

    // テーブルインターフェースを取得
    QAccessibleTableInterface *tableInterface = table->as<QAccessibleTableInterface>();

    // 選択されたすべてのセルを取得
    std::vector<QAccessibleTableCellInterface *> selectedCells = getSelectedCells(tableInterface);

    // 各セルの行と列のインデックスを出力
    for (QAccessibleTableCellInterface *cell : selectedCells) {
        int row = cell->row();
        int column = cell->column();
        std::cout << "行: " << row << ", 列: " << column << std::endl;
    }

    return 0;
}

説明

このコードは、getSelectedCells() 関数を使用して、選択されたすべてのセルの行と列のインデックスを取得し、その情報をコンソールに出力する例です。

getSelectedCells() 関数は、QAccessibleTableInterface オブジェクトを受け取り、選択されたすべてのセルの QAccessibleTableCellInterface オブジェクトのベクターを返します。
関数内では、selectedCells() メソッドを使用して、選択されたすべてのセルを取得します。
次に、各セルをループ処理し、row() メソッドと column() メソッドを使用して、セルの行と列のインデックスを取得します。
取得した情報を selectedCells ベクターに格納します。
main() 関数では、getSelectedCells() 関数を呼び出して、選択されたすべてのセルを取得します。
次に、各セルの行と列のインデックスを std::cout オブジェクトを使用してコンソールに出力します。

selectedCells() メソッドを使用する

selectedCells() メソッドは、選択されたすべてのセルを取得するためのメソッドです。このメソッドを使用して、選択されたセルの数をカウントすることもできます。

利点

選択されたすべてのセルにアクセスできる。

欠点

選択されていないセルも取得してしまう。
selectedCellCount() メソッドよりも処理速度が遅くなる可能性がある。

コード例

#include <QAccessible>
#include <vector>

int getSelectedCellCount(QAccessibleTableInterface *tableInterface) {
    int selectedCellCount = 0;

    // 選択されたすべてのセルを取得
    QAccessibleTableCellList selectedCellList = tableInterface->selectedCells();

    // 各セルをループ処理
    for (int i = 0; i < selectedCellList.count(); ++i) {
        selectedCellCount++;
    }

    return selectedCellCount;
}

テーブルの状態を直接確認する

テーブルの状態を直接確認することで、選択されているセルの数をカウントすることもできます。ただし、この方法は、テーブルの実装方法に依存するため、汎用性はありません。

利点

他の方法よりも処理速度が速い可能性がある。

欠点

コードが複雑になる可能性がある。
テーブルの実装方法に依存するため、汎用性がない。

コード例

#include <QAccessible>

int getSelectedCellCount(QAccessibleTableInterface *tableInterface) {
    int selectedCellCount = 0;

    // 行数を取得
    int rowCount = tableInterface->rowCount();

    // 列数を取得
    int columnCount = tableInterface->columnCount();

    // 各行と各列をループ処理
    for (int row = 0; row < rowCount; ++row) {
        for (int column = 0; column < columnCount; ++column) {
            if (tableInterface->cellSelected(row, column)) {
                selectedCellCount++;
            }
        }
    }

    return selectedCellCount;
}

シグナルとスロットを使用する

QAccessibleTableInterface クラスは、選択状態が変化したときにシグナルを発行します。このシグナルにスロットを接続することで、選択されたセルの数を常に追跡することができます。

利点

コードが簡潔になる。
選択状態が変化したときに即座に通知される。

欠点

シグナルとスロットの仕組みを理解する必要がある。

#include <QAccessible>

int selectedCellCount = 0;

void onSelectionChanged(QAccessibleInterface *interface) {
    // 選択されたセルの数を再計算
    selectedCellCount = getSelectedCellCount(interface->as<QAccessibleTableInterface>());

    // 選択されたセルの数を更新
    // ...
}

int main() {
    // テーブルを取得
    QAccessibleInterface *table = ...;

    // テーブルインターフェースを取得
    QAccessibleTableInterface *tableInterface = table->as<QAccessibleTableInterface>();

    // 選択状態が変化したときに呼び出されるスロットを接続
    connect(tableInterface, &QAccessibleTableInterface::selectionChanged, this, &onSelectionChanged);

    // ...

    return 0;
}