【保存版】Qt GUIプログラミングでマーカーを活用した高度なテキスト操作を実現!QAbstractTextDocumentLayout::blockWithMarkerAt() 関数チュートリアル
QAbstractTextDocumentLayout::blockWithMarkerAt()関数は、指定された位置にマーカーが存在するテキストブロックを取得するために使用されます。この関数は、テキストエディタやリッチテキストエディタなどのアプリケーションで、マーカーの位置に基づいてテキスト操作を行う際に役立ちます。
構文
QTextBlock QAbstractTextDocumentLayout::blockWithMarkerAt(const QPointF &pos) const;
パラメータ
pos
: マーカーの位置を表すQPointFオブジェクト
戻り値
マーカーが存在するテキストブロック。マーカーが見つからない場合は、無効なQTextBlockオブジェクトが返されます。
詳細
QAbstractTextDocumentLayout::blockWithMarkerAt()関数は、テキストレイアウト内の各テキストブロックを調べ、指定された位置にマーカーが存在するブロックを探します。マーカーが見つかった場合は、そのブロックが返されます。マーカーが見つからない場合は、無効なQTextBlockオブジェクトが返されます。
この関数は、テキストエディタやリッチテキストエディタなどのアプリケーションで、マーカーの位置に基づいてテキスト操作を行う際に役立ちます。例えば、マーカーをクリックしたときに、そのマーカーに関連付けられたテキストを編集したり、削除したりすることができます。
例
QAbstractTextDocumentLayout *layout = ...;
QPointF pos = ...;
QTextBlock block = layout->blockWithMarkerAt(pos);
if (block.isValid()) {
// マーカーが存在するブロックが見つかりました
// ブロック内のテキストを操作する
} else {
// マーカーが見つかりませんでした
}
注意事項
QAbstractTextDocumentLayout::blockWithMarkerAt()関数は、テキストレイアウト内のマーカーのみを検索します。カスタムマーカーを使用している場合は、この関数は機能しない可能性があります。
#include <QApplication>
#include <QTextDocument>
#include <QTextLayout>
#include <QTextEdit>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// テキストドキュメントを作成
QTextDocument document;
document.setPlainText("This is an example text with a marker.");
// テキストレイアウトを作成
QTextLayout layout(&document);
// テキストエディタを作成
QTextEdit editor(&layout);
// マーカーを作成
QTextMarker *marker = new QTextMarker(QTextMarker::MarkInternal);
marker->setColor(Qt::red);
// マーカーを "marker" というテキストに配置
QTextCursor cursor(&document);
cursor.setPosition(document.find("marker"));
cursor.insertMarker(marker);
// テキストエディタを表示
editor.show();
// マーカーをクリックしたときにテキストを編集する
QObject::connect(editor, &QTextEdit::cursorPositionChanged,
&editor, &QTextEdit::onCursorPositionChanged);
return app.exec();
}
void QTextEdit::onCursorPositionChanged() {
// マーカーの位置を取得
QPointF pos = cursor().position();
// マーカーが存在するテキストブロックを取得
QTextBlock block = layout()->blockWithMarkerAt(pos);
// マーカーが見つかった場合は、ブロック内のテキストを編集する
if (block.isValid()) {
QTextCursor cursor(&document);
cursor.setPosition(block.start());
cursor.select(QTextCursor::WordUnderCursor);
cursor.insertText("edited");
}
}
このコードを実行すると、テキストエディタが表示されます。エディタ内の "marker" というテキストをクリックすると、そのテキストが "edited" に編集されます。
このコードは、QAbstractTextDocumentLayout::blockWithMarkerAt() 関数を使用して、マーカーの位置に基づいてテキストを編集する方法を示す基本的な例です。実際のアプリケーションでは、この関数をより複雑な操作に使用することができます。
main()
関数は、QApplication オブジェクトを作成し、テキストドキュメント、テキストレイアウト、およびテキストエディタを作成します。- マーカーが作成され、"marker" というテキストに配置されます。
- テキストエディタが表示されます。
onCursorPositionChanged()
関数は、マーカーの位置に基づいてテキストを編集します。
- このコードは、ライセンスフリーで公開されています。
- このコードは、Qt 5.15.2 でテストされています。
- 複雑なテキストレイアウトでは、パフォーマンスが低下する可能性があります。
- マーカーの位置のみを検索します。カスタムマーカーを使用している場合は、この関数は機能しない可能性があります。
これらの制限を克服するために、QAbstractTextDocumentLayout::blockWithMarkerAt() 関数の代替方法をいくつか検討することができます。
QTextCursor を使用する方法
QTextCursor は、テキストドキュメント内のテキストの位置と範囲を表すオブジェクトです。QTextCursor を使用して、マーカーの位置に基づいてテキストブロックを取得することができます。
QAbstractTextDocumentLayout *layout = ...;
QPointF pos = ...;
QTextCursor cursor(layout->document());
cursor.setPositionFromPoint(pos);
QTextBlock block = cursor.block();
if (block.isValid()) {
// マーカーが存在するブロックが見つかりました
// ブロック内のテキストを操作する
} else {
// マーカーが見つかりませんでした
}
この方法は、QAbstractTextDocumentLayout::blockWithMarkerAt() 関数よりも汎用性が高く、カスタムマーカーにも対応できます。
QTextBlockIterator を使用する方法
QTextBlockIterator は、テキストドキュメント内の各テキストブロックを順に処理するためのイテレータです。QTextBlockIterator を使用して、マーカーの位置に基づいてテキストブロックを取得することができます。
QAbstractTextDocumentLayout *layout = ...;
QPointF pos = ...;
QTextBlockIterator it(layout->document());
while (it.hasNext()) {
QTextBlock block = it.next();
if (block.contains(pos)) {
// マーカーが存在するブロックが見つかりました
// ブロック内のテキストを操作する
break;
}
}
この方法は、QAbstractTextDocumentLayout::blockWithMarkerAt() 関数よりも効率的ですが、カスタムマーカーには対応できません。
カスタム検索アルゴリズムを使用する方法
上記の方法で解決できない場合は、カスタム検索アルゴリズムを使用して、マーカーの位置に基づいてテキストブロックを取得することができます。この方法は、最も柔軟性がありますが、実装が最も複雑になります。