PostgreSQLにおけるData Types: bigint:プログラミング解説
bigint型は、PostgreSQLで利用可能な整数を格納するためのデータ型の一つです。符号付きで-9,223,372,036,854,775,807から9,223,372,036,854,775,807までの範囲の値を保持できます。bigint型は、特に大きな整数を扱う必要がある場合に適しています。
利点
- 汎用性
bigint型は、さまざまなデータベースシステムやプログラミング言語で広くサポートされている標準的なデータ型です。そのため、異なるシステム間でデータをやり取りする場合でも、互換性の問題が発生しにくくなります。 - 精度
bigint型は、64ビットの整数値を保持するため、精度においてもinteger型を上回ります。これは、財務計算や科学計算など、高い精度が求められる場面で重要となります。 - 大きな整数の保存
bigint型は、integer型よりもはるかに大きな整数を格納できます。これは、人口、通貨量、ファイルサイズなど、非常に大きな値を扱う必要がある場合に役立ちます。
注意点
- パフォーマンス
bigint型の演算は、integer型の演算よりも若干時間がかかります。そのため、パフォーマンスが重要な場合は、bigint型の使用を避ける必要がある場合があります。 - ストレージ要件
bigint型は、integer型よりも多くのストレージ領域を必要とします。そのため、bigint型の使用を検討する際には、ストレージ容量も考慮する必要があります。
bigint型の使用例
- ファイルシステム
ファイルサイズなど、大きな整数を格納する場合 - 科学データ
実験結果、シミュレーション結果など、大きな整数を格納する場合 - 財務データ
金額、取引量など、高い精度が求められる整数を格納する場合 - 人口統計データ
国の人口など、非常に大きな整数を格納する場合
データ型 | 許容範囲 | 用途 |
---|---|---|
smallint | -32,768~32,767 | 比較的小さな整数を格納する場合 |
integer | -2,147,483,648~2,147,483,647 | 一般的な整数を格納する場合 |
bigint | -9,223,372,036,854,775,807~9,223,372,036,854,775,807 | 非常に大きな整数を格納する場合 |
numeric | -10^38~10^38 | 固定小数点数の値を格納する場合 |
real | -3.402823e+38~3.402823e+38 | 単精度浮動小数点数の値を格納する場合 |
double precision | -1.797693e+308~1.797693e+308 | 倍精度浮動小数点数の値を格納する場合 |
-- bigint型の列を持つテーブルを作成
CREATE TABLE example_table (
id bigint PRIMARY KEY,
population bigint,
file_size bigint
);
-- bigint型の値を挿入
INSERT INTO example_table (id, population, file_size)
VALUES (1, 1000000000, 1048576000);
-- bigint型の値を取得
SELECT id, population, file_size FROM example_table;
このコード例では、example_table
という名前のテーブルを作成し、id
、population
、file_size
という3つの列を定義しています。
file_size
列は、bigint型で定義された列です。この列には、ファイルサイズなどの大きな整数を格納できます。population
列は、bigint型で定義された列です。この列には、人口などの大きな整数を格納できます。id
列は、bigint型で定義された主キーです。
上記のコードを実行すると、example_table
テーブルが作成され、1行のデータが挿入されます。このデータには、人口が10億人、ファイルサイズが1GBのレコードが含まれています。
次に、SELECT
ステートメントを使用して、example_table
テーブルからすべてのデータを取得します。このステートメントを実行すると、以下の結果が表示されます。
id | population | file_size
---+------------+-----------+
1 | 1000000000 | 1048576000
この結果は、example_table
テーブルに挿入されたデータが正しく取得されたことを示しています。
以下のコード例は、bigint型のさまざまな使用方法を示しています。
- bigint型の値を算術演算子で使用
SELECT population * 2 AS double_population FROM example_table;
このコード例は、population
列の値を2倍にして、double_population
という名前の新しい列として返します。
- bigint型の値を比較演算子で使用
SELECT id FROM example_table WHERE population > 100000000;
このコード例は、population
列の値が1億を超えるレコードのid
列の値をすべて返します。
- bigint型の値を関数で使用
SELECT sqrt(file_size) AS square_root_of_file_size FROM example_table;
このコード例は、file_size
列の値の平方根を計算して、square_root_of_file_size
という名前の新しい列として返します。
numeric 型
- 短所
- bigint 型よりも格納容量が大きくなります。
- 演算処理が遅くなる場合があります。
- 長所
- 任意の桁数と小数点以下の桁数を格納できるため、高い精度が求められる場合に適しています。
- 複数の通貨単位で計算を行う必要がある場合など、さまざまな用途に使用できます。
decimal 型
- 短所
- numeric 型よりも格納容量が大きくなります。
- 演算処理が遅くなる場合があります。
- 長所
- 固定小数点数の値を正確に格納できます。
- 財務データや科学データなど、高い精度が求められる場合に適しています。
integer 型
- 短所
- bigint 型よりも格納できる値の範囲が狭くなります。
- 非常に大きな整数を格納する必要がある場合は使用できません。
- 長所
- bigint 型よりも格納容量が小さくなります。
- 演算処理が速くなります。
- 多くの場合、十分な精度を備えています。
smallint 型
- 短所
- 格納できる値の範囲が非常に狭くなります。
- 多くの場合、十分な精度を備えていません。
- 長所
- 最も小さな整型データ型であり、格納容量が小さくなります。
- 演算処理が最も速くなります。
- 非常に小さな整数を格納する必要がある場合は使用できます。
- bytea 型
バイナリデータとして数値を格納できます。ただし、数値演算を行う場合は、型変換が必要となります。 - character 型
数値を文字列として格納できます。ただし、数値演算を行う場合は、型変換が必要となります。
- 互換性
既存のシステムやアプリケーションとの互換性も考慮する必要があります。bigint 型は、広くサポートされている標準的なデータ型です。ただし、古いシステムやアプリケーションを使用している場合は、smallint 型や integer 型などの smaller 型を使用する必要がある場合があります。 - パフォーマンス
演算処理のパフォーマンスも考慮する必要があります。bigint 型は、smallint 型や integer 型よりも演算処理が遅くなります。パフォーマンスが重要な場合は、可能な限り smallint 型や integer 型を使用する必要があります。 - 必要な精度
もう 1 つの重要な要素は、必要な精度です。bigint 型は、64 ビットの整数値を格納できます。より高い精度が必要な場合は、numeric 型や decimal 型を使用する必要があります。 - 格納する必要がある値の範囲
最も重要な要素の 1 つは、格納する必要がある値の範囲です。bigint 型は、-9,223,372,036,854,775,807 から 9,223,372,036,854,775,807 までの範囲の値を格納できます。必要な範囲が小さい場合は、integer 型や smallint 型などの smaller 型を使用することで、ストレージ領域を節約できます。