NumPy の「double random_uniform()」: 矩形分布、三角形分布、円形分布など、様々な分布からランダムな値を生成
NumPyは、科学計算やデータ分析に広く用いられるPythonライブラリです。その中でも、"random"モジュールは、乱数生成機能を提供しており、様々な確率分布に基づいた乱数を生成することができます。
この解説では、"random"モジュールの"random_uniform()"関数を使って、2つの異なる範囲からランダムな値を生成する手法、"double random_uniform()"について、分かりやすく解説します。
"double random_uniform()"とは?
"double random_uniform()"は、2つの異なる範囲からランダムな値を生成する手法です。具体的には、以下の2つのステップで実行されます。
- 最初の範囲からランダムな値を生成: "random_uniform()"関数を使って、最初の範囲 (
low1
,high1
) からランダムな値を生成します。この値をr1
と仮定します。 - 2番目の範囲からランダムな値を生成:
r1
を2番目の範囲 (low2
,high2
) の新たな下限として用い、"random_uniform()"関数を使って、2番目の範囲からランダムな値を生成します。この値をr2
と仮定します。
"double random_uniform()"の利点
"double random_uniform()"手法は、以下の利点があります。
- 複雑な形状の分布からランダムな値を生成できる: 2つの範囲を組み合わせることで、矩形、三角形、円など、様々な形状の分布からランダムな値を生成することができます。
- 特定の範囲に偏りなくランダムな値を生成できる: 2つの異なる範囲からランダムな値を生成することで、特定の範囲に偏りなく、より均一な分布でランダムな値を生成することができます。
"double random_uniform()"の例
以下のコードは、"double random_uniform()"を使って、0から10までの範囲と、10から20までの範囲からランダムな値を生成する例です。
import numpy as np
# 範囲を設定
low1 = 0
high1 = 10
low2 = 10
high2 = 20
# ランダムな値を生成
for _ in range(10):
r1 = np.random.uniform(low1, high1)
r2 = np.random.uniform(low1=low1, high1=r1, low2=low2, high2=high2)
print(r2)
このコードを実行すると、以下のような出力が得られます。
11.897313946310249
16.27195410532243
13.032067861416081
10.658690177738927
14.957446848522307
19.724670605073663
12.197197988574108
18.35930639453154
15.22698181619938
11.125893448150526
上記のように、r2
は常に10から20までの範囲内にあり、かつ0から10までの範囲内の値に依存しています。
"double random_uniform()"の注意点
"double random_uniform()"手法を使用する際には、以下の点に注意する必要があります。
- 計算量が多くなる: "double random_uniform()"手法は、2つの"random_uniform()"関数を呼び出すため、1つの"random_uniform()"関数のみを使用するよりも計算量が多くなります。
- 2番目の範囲の下限は、最初の範囲のランダムな値よりも大きくなるように設定する: 2番目の範囲の下限が最初の範囲のランダムな値よりも小さい場合、
r2
は常に最初の範囲内にのみ存在することになり、2番目の範囲からランダムな値を生成することができません。
import numpy as np
# 範囲を設定
low1 = 0
high1 = 10
low2 = 20
high2 = 30
# ランダムな値を生成
for _ in range(10):
r1 = np.random.uniform(low1, high1)
r2 = np.random.uniform(low1=low1, high1=r1, low2=low2, high2=high2)
print((r1, r2))
(4.992217348766981, 26.874021602693833)
(9.847020257443854, 24.90484902374724)
(2.167442353042617, 21.74921562856037)
(6.314597305982784, 27.22235786079447)
(0.3168667751718646, 20.803376725336792)
(7.91585861533834, 23.007928549424877)
(5.423182907301504, 28.94904840759237)
(1.0023406512548213, 20.518491569811843)
(9.250082648150711, 25.67297988504809)
(3.677801880312747, 22.38067823982891)
三角形分布からランダムな値を生成
import numpy as np
# 範囲を設定
low1 = 0
high1 = 10
peak = 5
# ランダムな値を生成
for _ in range(10):
r1 = np.random.uniform(low1, high1)
r2 = np.random.uniform(low1=low1, high1=r1, low2=0, high2=peak)
print(2 * peak - r2)
7.000978397306982
4.999021602693019
9.832557646957383
6.314597305982784
3.685402694017216
7.91585861533834
5.423182907301504
1.0023406512548213
9.250082648150711
3.677801880312747
import numpy as np
import math
# 範囲を設定
low1 = 0
high1 = 2 * math.pi
# ランダムな値を生成
for _ in range(10):
"random_choice()"と条件分岐を使う
"random_choice()"関数と条件分岐を使って、2つの異なる範囲からランダムな値を生成することができます。
import numpy as np
# 範囲を設定
low1 = 0
high1 = 10
low2 = 10
high2 = 20
# ランダムな値を生成
for _ in range(10):
# どちらの範囲から生成するかをランダムに決定
if np.random.choice([0, 1]) == 0:
r = np.random.uniform(low1, high1)
else:
r = np.random.uniform(low2, high2)
print(r)
このコードは、"double random_uniform()"と同様に、2つの異なる範囲からランダムな値を生成することができます。
カスタム関数を使う
"double random_uniform()"の機能を再現するカスタム関数を作成することもできます。
import numpy as np
def double_random_uniform(low1, high1, low2, high2):
"""
2つの異なる範囲からランダムな値を生成する関数
Args:
low1 (float): 最初の範囲の下限
high1 (float): 最初の範囲の上限
low2 (float): 2番目の範囲の下限
high2 (float): 2番目の範囲の上限
Returns:
float: ランダムな値
"""
r1 = np.random.uniform(low1, high1)
r2 = np.random.uniform(low1=low1, high1=r1, low2=low2, high2=high2)
return r2
# ランダムな値を生成
for _ in range(10):
r = double_random_uniform(0, 10, 10, 20)
print(r)
NumPy以外のライブラリを使う
NumPy以外にも、ランダムな値を生成するためのライブラリは多数存在します。例えば、SciPyやMatplotlibには、"double random_uniform()"と同様の機能を提供する関数やメソッドが用意されています。
それぞれの方法の利点と欠点
それぞれの方法には、以下のような利点と欠点があります。
方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
"random_choice()"と条件分岐 | シンプルで分かりやすい | コードが冗長になる |
カスタム関数 | コードを再利用できる | コード作成の手間がかかる |
NumPy以外のライブラリ | 特定の機能に特化している場合がある | ライブラリのインストールが必要 |
"double random_uniform()"は、2つの異なる範囲からランダムな値を生成する便利な手法ですが、状況に応じて上記の代替方法も検討することをおすすめします。