【初心者向け】Djangoでエラー発生時にメールを送信する方法:AdminEmailHandler.send_mail() の基礎


動作

  1. AdminEmailHandler は、LOGGING 設定で mail_admins ハンドラーとして定義されている場合に使用されます。
  2. ログレベルが ERROR 以上の場合は、AdminEmailHandler が呼び出されます。
  3. AdminEmailHandler は、以下の情報をメールで送信します。
    • ログレベル
    • メッセージ
    • スタックトレース
    • リクエスト情報 (存在する場合)
  4. メールは、EMAIL_SUBJECT_PREFIX 設定で指定されたプレフィックスと、ログレベルに基づいて生成されたサフィックスを組み合わせた件名で送信されます。
  5. メールの本文には、ログメッセージ、スタックトレース、およびリクエスト情報 (存在する場合) が含まれます。

使用方法

AdminEmailHandler を使用する方法は次のとおりです。

  1. LOGGING 設定で mail_admins ハンドラーを定義します。
LOGGING = {
    'version': 1,
    # ...
    'handlers': {
        'mail_admins': {
            'level': 'ERROR',
            'class': 'django.utils.log.AdminEmailHandler',
            'include_html': True,
        },
    },
    # ...
}
  1. EMAIL_SUBJECT_PREFIX 設定でメールの件名のプレフィックスを定義します。
EMAIL_SUBJECT_PREFIX = '[Django ERROR] '
  1. EMAIL_ADMINS 設定でサイト管理者のメールアドレスを定義します。
EMAIL_ADMINS = [
    ('John Doe', '[email protected]'),
    ('Jane Doe', '[email protected]'),
]

カスタマイズ

AdminEmailHandler は、以下の方法でカスタマイズできます。

  • formatters 属性: メール本文にログメッセージをフォーマットするためのフォーマッタリストを指定します。
  • filters 属性: メールを送信する前にログレコードをフィルタリングするためのフィルタリストを指定します。
  • include_html 属性: メール本文に HTML 形式のログメッセージを含めるかどうかを制御します。
  • subject_prefix 属性: メール件名のプレフィックスを変更します。

以下の例では、AdminEmailHandler をカスタマイズして、メール件名のプレフィックスを変更し、HTML 形式のログメッセージを含めるようにします。

LOGGING = {
    'version': 1,
    # ...
    'handlers': {
        'mail_admins': {
            'level': 'ERROR',
            'class': 'django.utils.log.AdminEmailHandler',
            'subject_prefix': 'My Custom Subject Prefix: ',
            'include_html': True,
        },
    },
    # ...
}
  • メールサーバーが適切に設定されていることを確認してください。
  • EMAIL_ADMINS 設定には、有効なメールアドレスを必ず指定してください。
  • AdminEmailHandler は、デプロイメント環境でのみ使用する必要があります。デバッグ環境では、コンソールにログメッセージを出力するなど、別の方法でログを処理する必要があります。

django.utils.log.AdminEmailHandler.send_mail() 関数は、Django の例外ログをサイト管理者にメールで送信するために使用されます。この関数は、デプロイメント環境でエラーを監視するのに役立ちます。



LOGGING 設定の例

LOGGING = {
    'version': 1,
    # ...
    'handlers': {
        'mail_admins': {
            'level': 'ERROR',
            'class': 'django.utils.log.AdminEmailHandler',
            'include_html': True,
        },
    },
    # ...
}

EMAIL_SUBJECT_PREFIX 設定の例

以下の例は、メールの件名のプレフィックスを '[My Custom Subject Prefix] ' に変更する方法を示しています。

EMAIL_SUBJECT_PREFIX = '[My Custom Subject Prefix] '

EMAIL_ADMINS 設定の例

以下の例は、サイト管理者のメールアドレスを [email protected][email protected] に設定する方法を示しています。

EMAIL_ADMINS = [
    ('John Doe', '[email protected]'),
    ('Jane Doe', '[email protected]'),
]

AdminEmailHandler のカスタマイズ例

LOGGING = {
    'version': 1,
    # ...
    'handlers': {
        'mail_admins': {
            'level': 'ERROR',
            'class': 'django.utils.log.AdminEmailHandler',
            'subject_prefix': 'My Custom Subject Prefix: ',
            'include_html': True,
        },
    },
    # ...
}

ログレコードのフィルタリング

以下の例は、RequireDebugFalse フィルタを使用して、デバッグモードでのみログレコードをメールで送信する方法を示しています。

LOGGING = {
    'version': 1,
    # ...
    'handlers': {
        'mail_admins': {
            'level': 'ERROR',
            'class': 'django.utils.log.AdminEmailHandler',
            'filters': ['django.utils.log.RequireDebugFalse'],
            'include_html': True,
        },
    },
    # ...
}

以下の例は、django.utils.log.SafeFormatter フォーマッターを使用して、ログメッセージをフォーマットする方法を示しています。

LOGGING = {
    'version': 1,
    # ...
    'handlers': {
        'mail_admins': {
            'level': 'ERROR',
            'class': 'django.utils.log.AdminEmailHandler',
            'formatters': ['django.utils.log.SafeFormatter'],
            'include_html': True,
        },
    },
    # ...
}

これらの例は、django.utils.log.AdminEmailHandler.send_mail() 関数と、関連する設定をカスタマイズする方法を示す出発点として使用できます。



サードパーティ製のライブラリを使用する

  • 欠点:
    • 設定とメンテナンスのオーバーヘッド: ライブラリのインストール、設定、およびメンテナンスが必要になります。
    • 潜在的な互換性の問題: 使用している Django バージョンとの互換性を確認する必要があります。
  • 利点:
    • 柔軟性と機能の豊富さ: 多くのライブラリは、フォーマット、送信方法、フィルタリングなどの高度なオプションを提供します。
    • スケーラビリティ: 大規模なシステムや複雑な要件に適しています。

代表的なサードパーティ製ライブラリ

カスタムロギングバックエンドを実装する

  • 欠点:
    • 開発とメンテナンスの労力: カスタムロジックを設計、実装、テストする必要があります。
    • 複雑さ: エラー処理とトラブルシューティングがより複雑になる可能性があります。
  • 利点:
    • 完全な制御: ログのフォーマット、送信先、処理方法を完全に制御できます。
    • 統合: 既存のシステムやワークフローとシームレスに統合できます。

カスタムロギングバックエンドを実装する例

  1. logging モジュールの Handler クラスを継承したカスタムクラスを作成します。
  2. send_mail() メソッドを実装して、メール送信ロジックを定義します。
  3. LOGGING 設定でカスタムハンドラーを定義します。

SMTP サーバーに直接メールを送信する

  • 欠点:
    • エラー処理: エラー処理とトラブルシューティングを自分で行う必要があります。
    • セキュリティ: SMTP 認証と暗号化を実装する必要があります。
  • 利点:
    • シンプルさ: 複雑な設定やライブラリが不要です。
    • 制御: メール送信プロセスを完全に制御できます。

SMTP サーバーに直接メールを送信する例

import smtplib
from email.mime.text import MIMEText

def send_error_email(message):
    """
    SMTP サーバーにエラーメッセージを送信します。
    """

    msg = MIMEText(message)
    msg['Subject'] = 'Django Error Report'
    msg['From'] = '[email protected]'
    msg['To'] = '[email protected]'

    with smtplib.SMTP('localhost') as server:
        server.sendmail('[email protected]', '[email protected]', msg.as_string())

# 例:
try:
    # 何か処理を実行する
except Exception as e:
    send_error_email(f'An error occurred: {e}')
  • 利点:
    • リアルタイム性: チームメンバーがすぐに問題を認識できます。
    • コラボレーション: チームで問題を議論し、解決策を見つけやすくなります。

Slack に通知を送信する例

import requests

def send_slack_notification(message):
    """
    Slack にエラーメッセージを送信します。
    """

    url = 'https://hooks.slack.com/services/YOUR_WEBHOOK_URL'
    data = {'text': message}

    response = requests.post(url, json=data)
    if response.status_code != 200:
        raise Exception('Failed to send Slack notification')

# 例:
try:
    # 何か処理を実行する
except Exception as e:
    send_slack_notification(f'An error occurred: {e}')