CMake: 実行可能ファイル作成のベストプラクティス - `CMAKE_LANG_LINK_EXECUTABLE`と他の方法を比較検討
CMAKE_LANG_LINK_EXECUTABLE
は、CMakeにおける重要な変数の一つであり、特定のプログラミング言語で作成されたオブジェクトファイルをリンクして実行可能ファイルを作成するためのルールを定義します。この変数は、CMakeLists.txtファイル内で使用され、様々なオプションを指定することで、実行可能ファイルの生成プロセスを詳細に制御することができます。
構文
CMAKE_<LANG>_LINK_EXECUTABLE(TARGET <source_files> [LINK_FLAGS] [LIBRARIES] [LINK_DIRECTORIES])
説明
[LINK_DIRECTORIES]
:ライブラリファイルを探すディレクトリのリストを指定します。[LIBRARIES]
:リンクするライブラリのリストを指定します。[LINK_FLAGS]
:リンカオプションのリストを指定します。<source_files>
:リンクするオブジェクトファイルのリストを指定します。<TARGET>
:生成する実行可能ファイルの名前を指定します。<LANG>
:対象となるプログラミング言語を指定します。例:CXX
、C
、FORTRAN
など
例
# C++で実行可能ファイルを作成する例
add_executable(myprogram main.cpp object1.o object2.o)
target_link_libraries(myprogram mylib)
上記の例では、main.cpp
、object1.o
、object2.o
というファイルをC++でリンクしてmyprogram
という実行可能ファイルを作成します。さらに、mylib
というライブラリもリンクします。
詳細オプション
CMAKE_LANG_LINK_EXECUTABLE
変数は、様々なオプションを指定することで、実行可能ファイルの生成プロセスをより詳細に制御することができます。以下に、代表的なオプションをいくつか紹介します。
CUSTOM_COMMAND
:カスタムコマンドを実行して実行可能ファイルを作成するかどうかを指定します。INSTALL
:生成した実行可能ファイルを特定の場所にインストールするかどうかを指定します。POSITION_INDEPENDENT_CODE
:実行可能ファイルを位置独立コード(PIC)として生成するかどうかを指定します。
これらのオプションの詳細については、CMakeの公式ドキュメントを参照してください。
CMAKE_LANG_LINK_EXECUTABLE
変数は、他のCMake変数と組み合わせて使用することができます。詳細は、CMakeの公式ドキュメントを参照してください。CMAKE_LANG_LINK_EXECUTABLE
変数は、対象となるプログラミング言語によって異なるオプションがサポートされます。詳細は、CMakeの公式ドキュメントを参照してください。
- この説明が、
CMAKE_LANG_LINK_EXECUTABLE
変数の理解に役立つことを願っています。
cmake_minimum_required(VERSION 3.0)
project(myproject)
add_executable(myprogram main.cpp object1.o object2.o)
target_link_libraries(myprogram mylib)
説明
このコードは、以下のことを行います。
- CMakeの最低バージョンを3.0に設定します。
myproject
という名前のプロジェクトを作成します。main.cpp
、object1.o
、object2.o
というファイルをC++でリンクしてmyprogram
という実行可能ファイルを作成します。mylib
というライブラリをmyprogram
にリンクします。
例2:位置独立コード(PIC)として実行可能ファイルを作成する
cmake_minimum_required(VERSION 3.0)
project(myproject)
add_executable(myprogram main.cpp object1.o object2.o)
target_link_libraries(myprogram mylib)
set_target_properties(myprogram PROPERTIES POSITION_INDEPENDENT_CODE ON)
説明
このコードは、例1のコードに加えて、myprogram
という実行可能ファイルを位置独立コード(PIC)として生成します。PICは、共有ライブラリで使用されるコードを生成するために使用されます。
例3:カスタムコマンドを使用して実行可能ファイルを作成する
cmake_minimum_required(VERSION 3.0)
project(myproject)
add_executable(myprogram)
set_target_properties(myprogram PROPERTIES COMMAND myprogram_creator)
add_custom_command(TARGET myprogram
COMMAND ${CMAKE_CXX_COMPILER} main.cpp -o myprogram)
説明
このコードは、myprogram
という実行可能ファイルをカスタムコマンドを使用して生成します。カスタムコマンドは、CMakeでサポートされていない複雑なタスクを実行するために使用することができます。
代替方法
- 外部ビルドツール:CMakeは、MakeやNinjaなどの外部ビルドツールと統合することができます。これらのツールを使用して、CMakeで生成したオブジェクトファイルをリンクして実行可能ファイルを作成することができます。
- add_custom_commandコマンド:
add_custom_command
コマンドは、CMakeでサポートされていない複雑なタスクを実行するために使用することができます。このコマンドを使用して、カスタムビルドプロセスを実装し、実行可能ファイルを作成することができます。 - add_executableコマンド:
add_executable
コマンドは、CMAKE_LANG_LINK_EXECUTABLE
変数を使用せずに実行可能ファイルを作成するための最も基本的な方法です。このコマンドは、ソースファイルのリストとオプションを指定することで、実行可能ファイルを作成します。
各方法の詳細
add_executableコマンド
add_executable(TARGET [SOURCE_FILES] [LINK_FLAGS] [LIBRARIES] [LINK_DIRECTORIES])
[LINK_DIRECTORIES]
:ライブラリファイルを探すディレクトリのリストを指定します。[LIBRARIES]
:リンクするライブラリのリストを指定します。[LINK_FLAGS]
:リンカオプションのリストを指定します。[SOURCE_FILES]
:リンクするオブジェクトファイルのリストを指定します。TARGET
:生成する実行可能ファイルの名前を指定します。
add_custom_commandコマンド
add_custom_command(TARGET [COMMAND] [WORKING_DIRECTORY] [ARGS] [DEPENDS] [COMMENT])
[COMMENT]
:カスタムコマンドの説明を指定します。[DEPENDS]
:カスタムコマンドを実行する前に実行する必要がある他のターゲットを指定します。[ARGS]
:コマンドに渡す引数を指定します。[WORKING_DIRECTORY]
:コマンドを実行するディレクトリを指定します。[COMMAND]
:実行するコマンドを指定します。TARGET
:カスタムコマンドに名前を指定します。
外部ビルドツール
CMakeは、MakeやNinjaなどの外部ビルドツールと統合することができます。これらのツールを使用して、CMakeで生成したオブジェクトファイルをリンクして実行可能ファイルを作成することができます。
各方法の選択
どの方法を使用するかは、状況によって異なります。
- 特定のビルドシステムを使用する必要がある場合:そのビルドシステムに統合された方法を使用する必要があります。
- 複雑なタスクを実行する必要がある場合:
add_custom_command
コマンドまたは外部ビルドツールを使用する必要があります。 - シンプルな実行可能ファイルを作成する場合:
add_executable
コマンドを使用するのが最も簡単です。
例
以下の例は、add_executable
コマンドとadd_custom_command
コマンドを使用して実行可能ファイルを作成する方法を示しています。
例1:add_executableコマンドを使用する
cmake_minimum_required(VERSION 3.0)
project(myproject)
add_executable(myprogram main.cpp object1.o object2.o)
target_link_libraries(myprogram mylib)
cmake_minimum_required(VERSION 3.0)
project(myproject)
add_executable(myprogram)
set_target_properties(myprogram PROPERTIES COMMAND myprogram_creator)
add_custom_command(TARGET myprogram
COMMAND ${CMAKE_CXX_COMPILER} main.cpp -o myprogram)