CMake: プロジェクトに必要なライブラリが見つからない?"PACKAGES_NOT_FOUND" エラーの解決策
CMakeの "Properties of Global Scope" における "PACKAGES_NOT_FOUND" は、プロジェクトに必要なライブラリやパッケージが見つからない場合に発生するエラーです。このエラーは、CMakeLists.txtファイル内で find_package
コマンドを使用して必要なパッケージを検索しようとした際に発生します。
エラーの詳細
"PACKAGES_NOT_FOUND" エラーには、以下の情報が含まれています。
- 必要なバージョン
一部のライブラリには、特定のバージョンが必要です。エラーメッセージには、必要なバージョンと見つかったバージョン (存在する場合) が表示されます。 - 検索パス
CMakeは、指定されたパス内でパッケージを検索します。エラーメッセージには、CMakeが検索したパスの一覧が表示されます。 - 見つからないパッケージの名前
エラーメッセージには、CMakeが見つけられなかったパッケージの名前が記載されています。
エラーの解決方法
"PACKAGES_NOT_FOUND" エラーを解決するには、以下の手順を実行する必要があります。
- パッケージがインストールされていることを確認する
エラーメッセージに記載されているパッケージがシステムにインストールされていることを確認してください。パッケージがインストールされていない場合は、適切なパッケージマネージャーを使用してインストールする必要があります。 - CMakeLists.txtファイルを修正する
場合によっては、CMakeLists.txtファイルを修正して、CMakeがパッケージを正しく検索できるようにする必要があります。具体的には、以下の点を確認する必要があります。- 検索パスが正しいことを確認する。
- 必要なバージョンを指定する。
- オプションで
REQUIRED
キーワードを使用する。これは、CMakeがパッケージを見つけられない場合はエラーを発生させることを指示します。
- キャッシュをクリアする
CMakeは、検索結果をキャッシュします。パッケージをインストールした後、CMakeが新しいパッケージを見つけるようにするには、キャッシュをクリアする必要があります。これを行うには、以下のコマンドを実行します。cmake --clean-cache
- 再度ビルドする
上記の手順を実行したら、プロジェクトを再度ビルドする必要があります。
例
以下の例は、Boost
ライブラリが見つからない場合に発生する "PACKAGES_NOT_FOUND" エラーを示しています。
CMake Error at CMakeLists.txt:9:
Could not find package 'Boost' required by project 'myproject'.
Consider using 'cmake --help' for more information.
このエラーを解決するには、Boost
ライブラリをシステムにインストールし、CMakeLists.txtファイルを以下のように修正する必要があります。
find_package(Boost REQUIRED)
"PACKAGES_NOT_FOUND" エラーは、CMakeでよくあるエラーです。しかし、上記の手順に従うことで、このエラーを簡単に解決することができます。
上記の説明に加えて、以下の点にも注意する必要があります。
- エラーが発生した場合は、CMakeのドキュメントや Stack Overflow を参照して、解決策を見つけることができます。
- CMakeLists.txtファイルは、システム環境に合わせて修正する必要があります。
- プロジェクトに必要なすべてのライブラリやパッケージを
find_package
コマンドを使用して検索する必要があります。
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
project(myproject)
find_package(Boost REQUIRED)
add_executable(myprogram main.cpp)
target_link_libraries(myprogram Boost::system)
解説
上記のコードは以下の通りです。
cmake_minimum_required
コマンドを使用して、CMakeの最小バージョンを指定します。project
コマンドを使用して、プロジェクトの名前を指定します。find_package
コマンドを使用して、Boost
ライブラリを検索します。REQUIRED
キーワードを使用することで、CMakeがライブラリを見つけられない場合はエラーを発生させることを指示します。add_executable
コマンドを使用して、実行可能ファイルmyprogram
を作成します。target_link_libraries
コマンドを使用して、実行可能ファイルmyprogram
にBoost::system
ライブラリをリンクします。
この例は、Boost
ライブラリが見つからない場合の解決例です。他のライブラリやパッケージの場合には、find_package
コマンドのオプションを変更する必要があります。
- エラーが発生した場合は、CMakeのドキュメントや Stack Overflow を参照して、解決策を見つけることができます。
- CMakeLists.txtファイルは、システム環境に合わせて修正する必要があります。
- 上記のコードはあくまで一例であり、プロジェクトの環境に合わせて変更する必要があります。
CMakeにおける "PACKAGES_NOT_FOUND" エラーは、プロジェクトに必要なライブラリやパッケージが見つからない場合に発生するエラーです。このエラーは、CMakeLists.txtファイル内で find_package
コマンドを使用して必要なパッケージを検索しようとした際に発生します。
代替方法
"PACKAGES_NOT_FOUND" エラーを回避するには、以下の代替方法を使用することができます。
手動でライブラリをリンクする
find_package
コマンドを使用せずに、手動でライブラリをプロジェクトにリンクすることができます。これを行うには、以下の手順を実行する必要があります。
- ライブラリのヘッダーファイルとライブラリファイルをプロジェクトに追加します。
- ターゲットにライブラリをリンクします。
例
以下の例は、Boost
ライブラリを手動でリンクする方法を示しています。
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
project(myproject)
# ライブラリのヘッダーファイルとライブラリファイルをプロジェクトに追加
set(Boost_DIR "/usr/local/lib/cmake/Boost-1.75.0")
include_directories(${Boost_DIR}/include)
link_directories(${Boost_DIR}/lib)
add_executable(myprogram main.cpp)
target_link_libraries(myprogram Boost::system Boost::thread)
サードパーティのビルドシステムを使用する
CMake以外にも、プロジェクトをビルドするためのサードパーティのビルドシステムを使用することができます。代表的な例として、以下のものがあります。
- Waf
Wafは、Pythonで書かれたクロスプラットフォームのビルドシステムです。 - Make
Makeは、UNIX系システムで広く使用されているシンプルなビルドシステムです。 - Autotools
Autotoolsは、GNU/Linuxシステムで広く使用されているビルドシステムです。
サブモジュールを使用する
Gitなどのバージョン管理システムでサブモジュールを使用すると、プロジェクトに必要なライブラリやパッケージを管理することができます。
パッケージマネージャーを使用する
システムにパッケージマネージャーがインストールされている場合は、パッケージマネージャーを使用して必要なライブラリやパッケージをインストールすることができます。
各方法の利点と欠点
各方法には、それぞれ利点と欠点があります。
手動でライブラリをリンクする
利点
- ライブラリのバージョンを自由に選択できる
- 柔軟性が高い
欠点
- 保守が難しい
- 複雑
サードパーティのビルドシステムを使用する
利点
- クロスプラットフォーム対応
- CMakeよりも使いやすい場合がある
欠点
- 学習曲線が急である
- CMakeほど強力ではない
サブモジュールを使用する
利点
- バージョン管理システムと統合できる
- プロジェクトに必要なライブラリやパッケージを簡単に管理できる
欠点
- サブモジュールの更新が複雑になる場合がある
パッケージマネージャーを使用する
利点
- システムのバージョン管理と統合できる
- ライブラリやパッケージのインストールが簡単
欠点
- すべてのライブラリやパッケージがパッケージマネージャーで利用できるわけではない
"PACKAGES_NOT_FOUND" エラーを回避するには、状況に応じて適切な代替方法を選択する必要があります。