AUTOUIC_SOURCE_GROUPでCMakeプロジェクトをもっとスマートに:UIソースファイルを整理して開発効率アップ


"AUTOUIC_SOURCE_GROUP"は、CMakeの"Properties of Global Scope"に属するプロパティであり、AUTOUICツールによって生成されたUIソースファイルを整理するためのソースグループの名前を指定します。AUTOUICツールは、Qtアプリケーション開発において、UIデザインをC++コードに変換するために使用されます。

詳細

AUTOUICツールは、UIデザインファイル(.ui)を読み込み、C++コード(.ui.h、*.ui.cpp)を生成します。これらの生成されたファイルは、プロジェクトのソースコードに混入してしまうと、ソースコードの可読性や保守性を低下させる可能性があります。

"AUTOUIC_SOURCE_GROUP"プロパティを設定することで、AUTOUICツールによって生成されたファイルを専用のソースグループに分類することができます。これにより、プロジェクトのソースコードを整理し、可読性と保守性を向上させることができます。

設定方法

"AUTOUIC_SOURCE_GROUP"プロパティを設定するには、以下のコマンドを使用します。

set_property(TARGET my_target PROPERTY AUTOUIC_SOURCE_GROUP "AUTOUIC_Files")

このコマンドは、"my_target"というターゲットに対して、"AUTOUIC_Files"という名前のソースグループをAUTOUICツールによって生成されたファイルに割り当てます。

以下の例は、"my_target"というターゲットに対して、"AUTOUIC_Files"という名前のソースグループをAUTOUICツールによって生成されたファイルに割り当てる方法を示しています。

set(SOURCES main.cpp ui/my_dialog.ui)

target_link_libraries(my_target Qt::Widgets)

set_property(TARGET my_target PROPERTY AUTOUIC_SOURCE_GROUP "AUTOUIC_Files")

add_sources(my_target ${SOURCES})

この例では、"main.cpp"と"ui/my_dialog.ui"というファイルがソースコードとして指定されています。"target_link_libraries"コマンドによって、Qt Widgetsライブラリがターゲットにリンクされています。"set_property"コマンドによって、"AUTOUIC_Files"という名前のソースグループがAUTOUICツールによって生成されたファイルに割り当てられています。"add_sources"コマンドによって、ソースコードとAUTOUICツールによって生成されたファイルがターゲットに追加されています。

"AUTOUIC_SOURCE_GROUP"プロパティは、CMake 3.21以降で使用することができます。



cmake_minimum_required(VERSION 3.21)

project(my_project)

set(SOURCES main.cpp ui/my_dialog.ui)

target_link_libraries(my_project Qt::Widgets)

set_property(TARGET my_project PROPERTY AUTOUIC_SOURCE_GROUP "AUTOUIC_Files")

add_sources(my_target ${SOURCES})

このコードは、以下の操作を実行します。

  1. CMake の最低バージョンを 3.21 に設定します。
  2. "my_project" という名前のプロジェクトを作成します。
  3. ソースコードファイルとして "main.cpp" と "ui/my_dialog.ui" を指定します。
  4. ターゲット "my_project" に Qt Widgets ライブラリをリンクします。
  5. "AUTOUIC_Files" という名前のソースグループを AUTOUIC ツールによって生成されたファイルに割り当てます。
  6. ソースコードファイルと AUTOUIC ツールによって生成されたファイルをターゲット "my_project" に追加します。

このコードを実行すると、"my_dialog.ui" ファイルから生成された "my_dialog.ui.h" と "my_dialog.ui.cpp" ファイルは、"AUTOUIC_Files" という名前のソースグループに分類されます。



"AUTOUIC_SOURCE_GROUP" プロパティの代替方法として、以下の方法が考えられます。

ソースコードのディレクトリ構造を変更する

AUTOUIC ツールによって生成されたファイルを専用のディレクトリに配置することで、ソースコードを整理することができます。

例えば、以下のディレクトリ構造のように、"ui" という名前のディレクトリを作成し、AUTOUIC ツールによって生成されたファイルをそのディレクトリに配置することができます。

project_root
├── src
│   ├── main.cpp
│   └── ui
│       ├── my_dialog.ui
│       ├── my_dialog.ui.h
│       └── my_dialog.ui.cpp
└── CMakeLists.txt

この方法であれば、"AUTOUIC_SOURCE_GROUP" プロパティを使用する必要はありません。

カスタムビルドルールを使用する

カスタムビルドルールを使用して、AUTOUIC ツールによって生成されたファイルをビルドプロセスに組み込むことができます。

カスタムビルドルールを使用する方法は、プロジェクトの構成やビルドシステムによって異なります。詳細については、CMake のドキュメントまたは使用しているビルドシステムのドキュメントを参照してください。

サードパーティのツールを使用する

"qmake" や "Qt Creator" などのサードパーティのツールを使用して、AUTOUIC ツールによって生成されたファイルをビルドプロセスに組み込むことができます。

これらのツールは、"AUTOUIC_SOURCE_GROUP" プロパティのような機能を提供している場合があります。詳細については、各ツールのドキュメントを参照してください。

どの方法を選択するべきか

どの方法を選択するかは、プロジェクトの規模や複雑さ、開発者の好みによって異なります。

小規模なプロジェクト の場合は、ソースコードのディレクトリ構造を変更する方法が最も簡単です。

中規模から大規模なプロジェクト の場合は、カスタムビルドルールを使用する方法が柔軟性と制御性を提供します。