【保存版】Qt GUI: QWhatsThisClickedEventで「What's This?」機能をカスタマイズ

QWhatsThisClickedEvent::QWhatsThisClickedEvent()は、Qt GUIアプリケーションにおける"What's This?"機能に関連するイベントを処理するためのコンストラクタです。"What's This?"機能は、ユーザーがテキスト内のハイパーリンクをクリックした際に、そのリンクに関する情報をポップアップ表示する機能です。

コンストラクタの役割

このコンストラクタは、ユーザーが"What's This?"テキスト内のハイパーリンクをクリックした際に発生するQWhatsThisClickedEventイベントを生成します。生成されたイベントには、クリックされたハイパーリンクの情報が含まれています。

コンストラクタの引数

このコンストラクタは以下の引数を受け取ります。

href: クリックされたハイパーリンクのURL

コンストラクタの戻り値

このコンストラクタは、QWhatsThisClickedEventイベントオブジェクトを返します。

イベント処理

QWhatsThisClickedEventイベントは、QWidget::event()メソッド内で処理されます。このメソッド内で、クリックされたハイパーリンクに関する情報を取得し、適切な処理を行うことができます。

例

以下のコードは、QWhatsThisClickedEventイベントを処理する例です。

bool MyWidget::event(QEvent* event) {
  if (event->type() == QEvent::WhatsThisClicked) {
    QWhatsThisClickedEvent* clicked = static_cast<QWhatsThisClickedEvent*>(event);
    const QString& href = clicked->href();

    // クリックされたハイパーリンクに関する情報を処理する
    if (href == "https://www.example.com") {
      // 特定のURLがクリックされた場合の処理
    } else {
      // その他のURLがクリックされた場合の処理
    }

    return true; // "What's This?"ウィンドウを閉じない
  }

  return QWidget::event(event); // 親クラスのevent()メソッドを呼び出す
}

QWhatsThisクラスの詳細については、Qtドキュメントを参照してください。
QWhatsThisクラスは、"What's This?"機能を実装するためのクラスです。
QWhatsThisClickedEventイベントは、QWhatsThisクラスによって生成されます。

#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QWhatsThis>

int main(int argc, char* argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // QLabelウィジェットを作成
  QLabel label;

  // "What's This?"テキストとハイパーリンクを設定
  label.setText("This is a <a href=\"https://www.example.com\">link</a>.");

  // "What's This?"機能を有効にする
  label.setWhatsThis("This is a tooltip for the link.");

  // ウィジェットをウィンドウに表示
  label.show();

  return app.exec();
}

コードの説明

QApplicationオブジェクトを作成します。
QLabelウィジェットを作成します。
"What's This?"テキストとハイパーリンクをsetText()メソッドを使用して設定します。
"What's This?"機能をsetWhatsThis()メソッドを使用して有効にします。
ウィジェットをshow()メソッドを使用してウィンドウに表示します。
アプリケーションを実行します。

実行結果

このコードを実行すると、以下のウィンドウが表示されます。

代替方法

QContextMenuEventを使用する

QContextMenuEventイベントは、ウィジェット上で右クリックされた際に発生するイベントです。このイベントを使用して、"What's This?"メニュー項目を作成することができます。

void MyWidget::contextMenuEvent(QContextMenuEvent* event) {
  QMenu menu;
  menu.addAction("What's This?");

  QAction* whatsThisAction = menu.exec(event->globalPos());

  if (whatsThisAction) {
    // "What's This?"メニュー項目が選択された場合の処理
  }
}

カスタムイベントを使用する

カスタムイベントを使用して、"What's This?"機能に必要な情報を伝達することができます。

class MyWhatsThisEvent : public QEvent {
public:
  MyWhatsThisEvent(const QString& href);

  virtual Type type() const override {
    return MyWhatsThisEventType;
  }

  const QString& href() const {
    return m_href;
  }

private:
  QString m_href;
};

enum MyWhatsThisEventType {
  MyWhatsThisEventType = QEvent::registerType()
};

void MyWidget::event(QEvent* event) {
  if (event->type() == MyWhatsThisEventType) {
    MyWhatsThisEvent* whatsThisEvent = static_cast<MyWhatsThisEvent*>(event);
    const QString& href = whatsThisEvent->href();

    // クリックされたハイパーリンクに関する情報を処理する
    if (href == "https://www.example.com") {
      // 特定のURLがクリックされた場合の処理
    } else {
      // その他のURLがクリックされた場合の処理
    }

    return true; // カスタムイベントを処理済みとする
  }

  return QWidget::event(event); // 親クラスのevent()メソッドを呼び出す
}

void MyWidget::mousePressEvent(QMouseEvent* event) {
  if (event->button() == Qt::RightButton) {
    QWhatsThisEvent whatsThisEvent("https://www.example.com");
    QApplication::postEvent(this, &whatsThisEvent);
  }
}

カスタムイベントを使用する場合
- メリット: "What's This?"機能をより柔軟に実装できる
- デメリット: コードが複雑になる
QContextMenuEventを使用する場合
- メリット: シンプルで分かりやすい
- デメリット: "What's This?"メニュー項目が他のコンテキストメニュー項目と混ざってしまう