【保存版】Qt GUIでタブレットのX軸傾斜角度を取得:QTabletEvent::xTilt()の使い方
QTabletEvent::xTilt()
メソッドは、Qt GUI におけるタブレットイベントの X 軸傾斜角度を取得するために使用されます。タブレットデバイスが傾けられたときに、このメソッドは -60 度から 60 度までの範囲で傾斜角度を返します。この情報は、スタイラスの筆致の形状や方向を調整したり、3D グラフィックスにおけるオブジェクトの回転を制御したりするために使用できます。
メソッドの構文
qreal QTabletEvent::xTilt() const
戻り値
- タブレットデバイスの X 軸傾斜角度(-60 度から 60 度までの範囲)
void MyWidget::tabletEvent(QTabletEvent *event)
{
if (event->type() == QEvent::TabletMove) {
qreal xTilt = event->xTilt();
// ... xTilt を使用してスタイラスの筆致の形状や方向を調整する
}
}
- 傾斜角度は、単精度浮動小数点型として返されます。
- 傾斜角度は、タブレットデバイスのドライバーによって提供されます。すべてのタブレットデバイスが傾斜角度をサポートしているわけではありません。
QTabletEvent::yTilt()
メソッドは、タブレットデバイスの Y 軸傾斜角度を取得するために使用できます。
#include <QApplication>
#include <QMainWindow>
#include <QTabletEvent>
#include <QPainter>
class MyWidget : public QMainWindow
{
public:
MyWidget()
{
setFixedSize(200, 200);
}
protected:
bool event(QEvent *event)
{
if (event->type() == QEvent::TabletMove) {
QTabletEvent *tabletEvent = static_cast<QTabletEvent *>(event);
qreal xTilt = tabletEvent->xTilt();
// 傾斜角度に基づいて筆致の太さを調整する
int penWidth = 5 + (int)(xTilt / 60.0) * 5;
QPainter painter(this);
painter.setPen(QPen(Qt::black, penWidth));
painter.drawLine(QPoint(0, 0), QPoint(width(), height()));
}
return QMainWindow::event(event);
}
};
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication app(argc, argv);
MyWidget widget;
widget.show();
return app.exec();
}
MyWidget
クラスは、QMainWindow
クラスを継承したウィジェットクラスです。- コンストラクタは、ウィジェットのサイズを 200 x 200 ピクセルに設定します。
event()
メソッドは、すべてのイベントを処理するためにオーバーライドされます。QEvent::TabletMove
イベントが検出されると、QTabletEvent::xTilt()
メソッドを使用して X 軸傾斜角度を取得します。- 傾斜角度は、-60 度から 60 度までの範囲で -1 から 1 の間の値に変換されます。
- 変換された値は、5 から 15 までの範囲でスケーリングされます。
- スケーリングされた値は、ペン幅として使用されます。
QPainter
オブジェクトを使用して、傾斜角度に基づいて太さが変化する線を描画します。
加速度センサーを使用する
多くのタブレットデバイスには、加速度センサーが搭載されています。加速度センサーは、デバイスの傾斜角だけでなく、加速度や角速度などの他の動きを検出することができます。加速度センサーのデータを使用して、X 軸傾斜角度を計算することができます。
利点
- タブレットデバイスが静止している場合でも傾斜角度を検出できる
QTabletEvent::xTilt()
メソッドよりも汎用性が高い
欠点
- 加速度センサーのデータは、ノイズの影響を受けやすい
QTabletEvent::xTilt()
メソッドよりも精度が低い場合がある
ジャイロスコープを使用する
ジャイロスコープは、デバイスの回転速度を検出するセンサーです。ジャイロスコープのデータを使用して、X 軸傾斜角度を計算することができます。
利点
- 加速度センサーよりも精度が高い
欠点
- ジャイロスコープのデータは、ドリフトの影響を受けやすい
- 加速度センサーよりも高価なセンサーであることが多い
タッチスクリーンのデータを使用する
タッチスクリーンのデータを使用して、X 軸傾斜角度を推定することができます。この方法は、2 本以上の指で画面に触れている場合にのみ機能します。
利点
- 特別なハードウェアは必要ない
欠点
- 2 本以上の指で画面に触れている場合にのみ機能する
- 精度が低い
画像処理を使用する
デバイスのカメラを使用して、デバイスの周囲の画像をキャプチャし、画像処理を使用して X 軸傾斜角度を推定することができます。
利点
- 他の方法よりも精度が高い可能性がある
欠点
- 専用のハードウェアとソフトウェアが必要
- 計算コストが高い
どの代替方法が最適かは、特定のニーズによって異なります。
代替方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
加速度センサーを使用する | 汎用性が高い、静止状態でも検出可能 | 精度が低い、ノイズの影響を受けやすい |
ジャイロスコープを使用する | 精度が高い | 高価、ドリフトの影響を受けやすい |
タッチスクリーンのデータを使用する | 特別なハードウェアは不要 | 精度が低い、2 本以上の指が必要 |
画像処理を使用する | 精度が高い可能性がある | 計算コストが高い、専用ハードウェアとソフトウェアが必要 |