C++ で Qt GUI プログラミング：QResizeEvent を使ってウィジェットを動的に調整

QResizeEvent::QResizeEvent() は、Qt GUIにおけるウィジェットのサイズ変更イベントを通知するコンストラクタです。このイベントは、ウィジェットのサイズが変更されたときに発生し、ウィジェットのレイアウトやコンテンツを更新するために使用されます。

コンストラクタの引数

このコンストラクタには、以下の2つの引数があります。

oldSize: ウィジェットの古いサイズをQSizeオブジェクトとして指定します。
size: ウィジェットの新しいサイズをQSizeオブジェクトとして指定します。

イベントハンドラ

QResizeEventイベントは、QWidget::resizeEvent() メンバ関数で処理されます。このメンバ関数は、ウィジェットのサイズ変更に伴う必要な処理を実装するために使用されます。

具体的な使用方法

QResizeEvent::QResizeEvent() コンストラクタは、通常、直接使用されることはありません。代わりに、QWidget::resizeEvent() メンバ関数をオーバーライドして、サイズ変更イベントを処理します。

例

void MyWidget::resizeEvent(QResizeEvent *event)
{
    // ウィジェットのサイズ変更に伴う処理を記述
    updateLayout();
    refreshContent();

    // 親クラスの resizeEvent() メンバ関数を呼び出す
    QWidget::resizeEvent(event);
}

この例では、MyWidget クラスの resizeEvent() メンバ関数がオーバーライドされています。この関数は、ウィジェットのレイアウトを更新し (updateLayout())、コンテンツを更新 (refreshContent()) する処理を実行します。最後に、親クラスの resizeEvent() メンバ関数を呼び出して、デフォルトの処理を実行します。

QResizeEvent イベントは、ウィジェットがユーザーによって直接サイズ変更された場合だけでなく、プログラムコードによってサイズ変更された場合にも発生します。
QResizeEvent イベントは、ウィジェットが非表示または隠れている場合でも発生します。
QResizeEvent イベントは、ウィジェットのサイズが変更されたときにのみ発生します。ウィジェットの位置が変更された場合は、QMoveEvent イベントが発生します。

Qt GUI には、ウィジェットのサイズ変更イベント以外にも、さまざまなイベントが存在します。これらのイベントの詳細については、Qt ドキュメントを参照してください。

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QLabel>
#include <QtWidgets/QWidget>

class MyWidget : public QWidget
{
public:
    MyWidget(QWidget *parent = nullptr);

protected:
    void resizeEvent(QResizeEvent *event) override;
};

MyWidget::MyWidget(QWidget *parent) : QWidget(parent)
{
    label = new QLabel("ウィジェットのサイズは (0, 0) です。", this);
    label->setAlignment(Qt::AlignCenter);
}

void MyWidget::resizeEvent(QResizeEvent *event)
{
    QString text = QString("ウィジェットのサイズは (%1, %2) です。")
            .arg(width())
            .arg(height());
    label->setText(text);

    QWidget::resizeEvent(event);
}

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    MyWidget widget;
    widget.show();

    return app.exec();
}

このコードを実行すると、以下のようになります。

ウィジェットのサイズが変更されると、ラベルのテキストは新しいサイズに合わせて更新されます。
ウィジェットが初めて表示されたとき、ラベルには "ウィジェットのサイズは (0, 0) です。" と表示されます。

この例は、QResizeEvent イベントを処理する基本的な方法を示しています。実際のアプリケーションでは、より複雑な処理を実装する必要がある場合があります。

ラベルのテキストを更新する代わりに、他の処理を実行することもできます。
この例では、QLabel ウィジェットを使用してラベルを表示しています。他のウィジェットを使用することもできます。

代替方法

シグナルとスロットを使用する
- 独自のシグナルとスロットを作成して、サイズ変更イベントを通知することができます。このシグナルを接続して、レイアウトやコンテンツの更新処理を実行するスロットを作成することができます。
- シグナルとスロットを使用する利点は、柔軟性が高く、さまざまな状況に対応できることです。ただし、コードが複雑になる可能性があります。
タイマーを使用する
- サイズ変更イベントが発生するたびにタイマーを起動し、タイマーのタイムアウトスロットでレイアウトやコンテンツの更新処理を実行することができます。
- タイマーを使用する利点は、サイズ変更イベントが頻繁に発生する状況でパフォーマンスを向上させることができることです。ただし、コードが複雑になる可能性があります。
- QLayout クラスは、ウィジェットのレイアウトを管理するために使用されます。QLayout クラスには、サイズ変更イベントを処理するためのシグナルとスロットが用意されています。これらのシグナルとスロットを使用して、ウィジェットのレイアウトをサイズ変更イベントに応じて動的に更新することができます。
- QLayout クラスを使用する利点は、コードがより簡潔で読みやすくなることです。また、レイアウトを動的に更新する必要がある場合に便利です。

どの代替方法を選択するかは、状況によって異なります。

具体的な例

QLayout クラスを使用する

class MyWidget : public QWidget
{
public:
    MyWidget(QWidget *parent = nullptr);

protected:
    void resizeEvent(QResizeEvent *event) override;
};

MyWidget::MyWidget(QWidget *parent) : QWidget(parent)
{
    layout = new QVBoxLayout(this);

    label = new QLabel("ウィジェットのサイズは (0, 0) です。", this);
    label->setAlignment(Qt::AlignCenter);

    layout->addWidget(label);

    connect(layout, &QLayout::sizeChanged, this, &MyWidget::updateLabelText);
}

void MyWidget::resizeEvent(QResizeEvent *event)
{
    QWidget::resizeEvent(event);
}

void MyWidget::updateLabelText()
{
    QString text = QString("ウィジェットのサイズは (%1, %2) です。")
            .arg(width())
            .arg(height());
    label->setText(text);
}

この例では、QLayout クラスを使用してラベルをレイアウトしています。sizeChanged シグナルは、レイアウトのサイズが変更されたときに発生します。このシグナルは、updateLabelText() スロットに接続されています。このスロットは、ラベルのテキストを新しいサイズに合わせて更新します。

タイマーを使用する

class MyWidget : public QWidget
{
public:
    MyWidget(QWidget *parent = nullptr);

protected:
    void resizeEvent(QResizeEvent *event) override;

private:
    void updateLabelText();
};

MyWidget::MyWidget(QWidget *parent) : QWidget(parent)
{
    label = new QLabel("ウィジェットのサイズは (0, 0) です。", this);
    label->setAlignment(Qt::AlignCenter);

    timer = new QTimer(this);
    connect(timer, &QTimer::timeout, this, &MyWidget::updateLabelText);
}

void MyWidget::resizeEvent(QResizeEvent *event)
{
    timer->start(100); // 100 ミリ秒後に updateLabelText() スロットを呼び出す
    QWidget::resizeEvent(event);
}

void MyWidget::updateLabelText()
{
    QString text = QString("ウィジェットのサイズは (%1, %2) です。")
            .arg(width())
            .arg(height());
    label->setText(text);

    timer->stop();
}

この例では、タイマーを使用してラベルのテキストを更新しています。resizeEvent() メンバ関数は、タイマーを開始します。タイマーのタイムアウトスロットは、updateLabelText() 関数を呼び出してラベルのテキストを更新します。

シグナルとスロットを使用する

class MyWidget : public QWidget
{
public:
    MyWidget(QWidget *parent = nullptr);

signals: