Qtプログラミング：QPlainTextEdit::zoomOut()徹底解説！ズーム機能の基本から応用まで

2025-04-07

この関数を呼び出すたびに、テキストのズームレベルが減少し、テキストが小さく表示されます。
zoomOut()関数は、テキストの表示サイズを小さくします。これは、ユーザーがテキストをより小さく表示して、より多くの情報を一度に表示したい場合に便利です。
QPlainTextEditは、プレーンテキスト（書式なしテキスト）を表示および編集するためのウィジェットです。

詳細

zoomIn()関数と対をなす関数です。zoomIn()は、テキストの表示サイズを大きくします。
ズームレベルの最小値は、Qtのプラットフォームや設定によって異なります。
ズームレベルは、通常、パーセンテージで表現されます。zoomOut()を呼び出すたびに、このパーセンテージが減少します。
zoomOut()関数は、内部的にテキストのフォントサイズを調整することでズームアウトを実現します。

使用例

#include <QApplication>
#include <QPlainTextEdit>
#include <QPushButton>
#include <QVBoxLayout>
#include <QWidget>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWidget window;
  QVBoxLayout layout(&window);

  QPlainTextEdit textEdit;
  textEdit.setPlainText("これはサンプルテキストです。\nズームアウトを試してください。");
  layout.addWidget(&textEdit);

  QPushButton zoomOutButton("ズームアウト");
  layout.addWidget(&zoomOutButton);

  QObject::connect(&zoomOutButton, &QPushButton::clicked, [&textEdit]() {
    textEdit.zoomOut();
  });

  window.show();
  return app.exec();
}

この例では、QPlainTextEditと「ズームアウト」ボタンを含むウィンドウを作成しています。ボタンがクリックされると、textEdit.zoomOut()が呼び出され、テキストの表示サイズが小さくなります。

一般的なエラーとトラブルシューティング

- 原因
  - 最小ズームレベルに達している。Qtのプラットフォームや設定により、ズームレベルの最小値は異なります。
  - フォント設定が固定されている。フォントサイズが固定されている場合、ズームアウトしても見た目に変化がないことがあります。
  - レイアウトの問題。QPlainTextEditがレイアウト内で適切に配置されていない場合、ズームアウトしても表示が正しく更新されないことがあります。
- トラブルシューティング
  - zoomIn()関数を使用してズームインできるか確認し、ズーム機能が全体として動作しているか確認します。
  - QPlainTextEditのフォント設定を確認し、サイズが固定されていないか確認します。QFontクラスを使用してフォントを設定している場合、サイズが固定値になっていないか確認してください。
  - QPlainTextEditのレイアウトを確認し、適切にレイアウトされているか確認します。レイアウトマネージャー（QVBoxLayout, QHBoxLayout, QGridLayoutなど）を使用している場合、QPlainTextEditが正しく配置されているか確認します。
  - デバッガを使用して、zoomOut()が呼び出されているか、また、内部的なズームレベルがどのように変化しているかを確認します。
ズームアウト時に表示が崩れる
- 原因
  - テキストの行の高さや文字幅が、ズームアウトによって適切に調整されない。
  - レイアウトの問題。QPlainTextEditを含むレイアウトが、ズームアウト時に適切に更新されない。
- トラブルシューティング
  - QPlainTextEditのdocument()->adjustSize()を呼び出して、テキストの表示を更新してみます。
  - レイアウトの更新を強制的に行うために、QWidget::updateGeometry()やQWidget::update()を呼び出します。
  - QPlainTextEditのensureCursorVisible()を呼び出して、カーソル位置が適切に表示されるようにします。
  - QPlainTextEditのviewport()のサイズを調整することで表示が改善される場合があります。
ズームアウトのステップが大きすぎる/小さすぎる
- 原因
  - zoomOut()関数は、内部的にフォントサイズを調整するため、ステップの大きさはQtの内部実装に依存します。
  - ユーザーがズームのステップサイズを細かく制御したい場合、zoomOut()だけでは不十分です。
- トラブルシューティング
  - QPlainTextEditのfont()を取得し、QFont::setPointSize()やQFont::setPixelSize()を使用して、自分でフォントサイズを調整します。
  - ズームレベルを追跡するための変数を用意し、ユーザーが指定したステップサイズに基づいてフォントサイズを調整します。
  - スライダーやスピナーなどのUI要素を使用して、ユーザーがズームレベルを細かく調整できるようにします。
プラットフォーム固有の問題
- 原因
  - Qtのプラットフォーム固有の実装の違いにより、ズームアウトの動作が異なる場合があります。
  - 特定のプラットフォームで、ズームアウト時にパフォーマンスが低下する場合があります。
- トラブルシューティング
  - 複数のプラットフォームでテストを行い、問題が特定のプラットフォームでのみ発生するか確認します。
  - Qtのバージョンを更新し、プラットフォーム固有のバグが修正されているか確認します。
  - プラットフォーム固有のドキュメントやフォーラムを参照し、同様の問題が報告されていないか確認します。

重要な注意点

QPlainTextEditのフォントやレイアウトを適切に設定することで、ズームアウト時の表示の問題を回避できます。
ズームレベルの最小値は、Qtのバージョンやプラットフォームによって異なります。
zoomOut()は、テキストのフォントサイズを調整することでズームアウトを実現します。表示されるテキストのレイアウトや他の要素に影響を与える可能性があります。

#include <QApplication>
#include <QPlainTextEdit>
#include <QPushButton>
#include <QVBoxLayout>
#include <QWidget>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWidget window;
  QVBoxLayout layout(&window);

  QPlainTextEdit textEdit;
  textEdit.setPlainText("これはサンプルテキストです。\nズームアウトを試してください。");
  layout.addWidget(&textEdit);

  QPushButton zoomOutButton("ズームアウト");
  layout.addWidget(&zoomOutButton);

  // ズームアウトボタンがクリックされたときの処理
  QObject::connect(&zoomOutButton, &QPushButton::clicked, [&textEdit]() {
    textEdit.zoomOut();
  });

  window.show();
  return app.exec();
}

説明

ボタンがクリックされるたびに、QPlainTextEdit内のテキストの表示サイズが小さくなります。
QObject::connect()を使用して、ボタンのクリックイベントとtextEdit.zoomOut()の呼び出しを接続します。
このコードは、QPlainTextEditと「ズームアウト」ボタンを含む簡単なウィンドウを作成します。

#include <QApplication>
#include <QPlainTextEdit>
#include <QPushButton>
#include <QVBoxLayout>
#include <QWidget>
#include <QFont>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWidget window;
  QVBoxLayout layout(&window);

  QPlainTextEdit textEdit;
  textEdit.setPlainText("これはサンプルテキストです。\nズームアウトを試してください。");
  layout.addWidget(&textEdit);

  QPushButton zoomOutButton("ズームアウト");
  layout.addWidget(&zoomOutButton);

  // ズームレベルを追跡するための変数
  int zoomLevel = 100;

  // ズームアウトボタンがクリックされたときの処理
  QObject::connect(&zoomOutButton, &QPushButton::clicked, [&textEdit, &zoomLevel]() {
    if (zoomLevel > 10) { // 最小ズームレベルを10%とする
      zoomLevel -= 10;
      QFont font = textEdit.font();
      font.setPointSize(font.pointSize() * 0.9); // フォントサイズを10%小さくする
      textEdit.setFont(font);
    }
  });

  window.show();
  return app.exec();
}

説明

QFontクラスを使用してフォントを操作し、setFont()メソッドを使用してQPlainTextEditに新しいフォントを設定します。
最小ズームレベルを10%に設定して、テキストが小さくなりすぎないようにしています。
ボタンがクリックされるたびに、zoomLevelを10%減らし、QPlainTextEditのフォントサイズも10%小さくします。
このコードでは、zoomLevel変数を導入して、ズームレベルを追跡します。

#include <QApplication>
#include <QPlainTextEdit>
#include <QSlider>
#include <QVBoxLayout>
#include <QWidget>
#include <QFont>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWidget window;
  QVBoxLayout layout(&window);

  QPlainTextEdit textEdit;
  textEdit.setPlainText("これはサンプルテキストです。\nズームを調整してください。");
  layout.addWidget(&textEdit);

  QSlider zoomSlider(Qt::Horizontal);
  zoomSlider.setRange(10, 200); // ズーム範囲を設定
  zoomSlider.setValue(100); // 初期ズームレベルを100%に設定
  layout.addWidget(&zoomSlider);

  // スライダーの値が変更されたときの処理
  QObject::connect(&zoomSlider, &QSlider::valueChanged, [&textEdit](int value) {
    QFont font = textEdit.font();
    font.setPointSize(value / 10); // スライダーの値に基づいてフォントサイズを調整
    textEdit.setFont(font);
  });

  window.show();
  return app.exec();
}

スライダーの値が変更されるたびに、QPlainTextEditのフォントサイズをスライダーの値に基づいて調整します。
スライダーの範囲を10から200に設定し、ズームレベルを10%から200%まで調整できるようにします。
このコードでは、QSliderを使用してズームレベルを制御します。

代替方法1：QFontを使用してフォントサイズを直接調整する

QPlainTextEditのフォントを取得し、QFont::setPointSize()またはQFont::setPixelSize()を使用してフォントサイズを直接変更します。

#include <QApplication>
#include <QPlainTextEdit>
#include <QPushButton>
#include <QVBoxLayout>
#include <QWidget>
#include <QFont>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWidget window;
  QVBoxLayout layout(&window);

  QPlainTextEdit textEdit;
  textEdit.setPlainText("これはサンプルテキストです。\nズームアウトを試してください。");
  layout.addWidget(&textEdit);

  QPushButton zoomOutButton("フォントサイズでズームアウト");
  layout.addWidget(&zoomOutButton);

  QObject::connect(&zoomOutButton, &QPushButton::clicked, [&textEdit]() {
    QFont currentFont = textEdit.font();
    int currentSize = currentFont.pointSize(); // または pixelSize()

    if (currentSize > 8) { // 最小フォントサイズを設定
      currentFont.setPointSize(currentSize - 2); // フォントサイズを小さくする
      textEdit.setFont(currentFont);
    }
  });

  window.show();
  return app.exec();
}

説明

最小フォントサイズを設定して、テキストが小さくなりすぎないようにします。
フォントサイズを小さくし、QPlainTextEdit::setFont()を使用して新しいフォントを設定します。
QFont::pointSize()またはQFont::pixelSize()を使用して現在のフォントサイズを取得します。
QPlainTextEdit::font()を使用して現在のフォントを取得します。

代替方法2：ズームレベルを追跡し、フォントサイズを計算する

ズームレベルを追跡する変数を使用し、その変数に基づいてフォントサイズを計算します。これにより、より細かいズーム制御が可能になります。

#include <QApplication>
#include <QPlainTextEdit>
#include <QPushButton>
#include <QVBoxLayout>
#include <QWidget>
#include <QFont>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWidget window;
  QVBoxLayout layout(&window);

  QPlainTextEdit textEdit;
  textEdit.setPlainText("これはサンプルテキストです。\nズームアウトを試してください。");
  layout.addWidget(&textEdit);

  QPushButton zoomOutButton("ズームレベルでズームアウト");
  layout.addWidget(&zoomOutButton);

  int zoomLevel = 100; // 初期ズームレベルを100%とする
  int baseFontSize = 12; // 基本フォントサイズ

  QObject::connect(&zoomOutButton, &QPushButton::clicked, [&textEdit, &zoomLevel, baseFontSize]() {
    if (zoomLevel > 10) { // 最小ズームレベルを設定
      zoomLevel -= 10;
      int newFontSize = baseFontSize * zoomLevel / 100; // 新しいフォントサイズを計算
      QFont newFont = textEdit.font();
      newFont.setPointSize(newFontSize);
      textEdit.setFont(newFont);
    }
  });

  window.show();
  return app.exec();
}

説明

QPlainTextEdit::setFont()を使用して新しいフォントを設定します。
ズームアウトボタンがクリックされたときに、zoomLevelを減らし、新しいフォントサイズを計算します。
baseFontSize変数を使用して、基本フォントサイズを設定します。
zoomLevel変数を導入して、ズームレベルを追跡します。

代替方法3：QTransformを使用してテキストを拡大/縮小する（より複雑な方法）

QTransformを使用してQPlainTextEditのビューポートを拡大/縮小することで、テキストだけでなく、ウィジェット全体を拡大/縮小できます。この方法は、より高度なズーム効果が必要な場合に適しています。

#include <QApplication>
#include <QPlainTextEdit>
#include <QPushButton>
#include <QVBoxLayout>
#include <QWidget>
#include <QTransform>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWidget window;
  QVBoxLayout layout(&window);

  QPlainTextEdit textEdit;
  textEdit.setPlainText("これはサンプルテキストです。\nズームアウトを試してください。");
  layout.addWidget(&textEdit);

  QPushButton zoomOutButton("QTransformでズームアウト");
  layout.addWidget(&zoomOutButton);

  double zoomScale = 1.0; // 初期ズームスケール

  QObject::connect(&zoomOutButton, &QPushButton::clicked, [&textEdit, &zoomScale]() {
    if (zoomScale > 0.5) { // 最小ズームスケールを設定
      zoomScale -= 0.1;
      QTransform transform;
      transform.scale(zoomScale, zoomScale);
      textEdit.viewport()->setTransform(transform);
    }
  });

  window.show();
  return app.exec();
}

QPlainTextEdit::viewport()->setTransform()を使用して、ビューポートに変換行列を適用します。
QTransformを使用して、ビューポートを拡大/縮小する変換行列を作成します。
zoomScale変数を導入して、ズームスケールを追跡します。