Qt開発者向け：QPlainTextEditのundoRedoEnabledでGUIフリーズを回避する方法

• プロパティのアクセス
  
  • setUndoRedoEnabled(bool enabled): この関数を使用して、プロパティの値を設定します。
  • undoRedoEnabled():この関数を使用して、プロパティの現在の値を取得します。
• 使用例
  
  • デフォルトでは、undoRedoEnabledはtrueに設定されています。
  • undoRedoEnabledをfalseに設定すると、テキストエディタで元に戻す/やり直す機能が無効になります。例えば、ログ表示や、編集操作を記録する必要がないようなテキストエディタなどで使用されます。

  •   QPlainTextEdit *textEdit = new QPlainTextEdit;
      textEdit->setUndoRedoEnabled(false); // 元に戻す/やり直す機能を無効にする
    

• 機能
  
  • trueに設定されている場合、QPlainTextEditはユーザーが行ったテキストの挿入、削除、変更などの操作を内部的に記録します。
  • ユーザーが「元に戻す」操作（通常はCtrl+Z）を実行すると、最後に記録された操作が取り消されます。
  • ユーザーが「やり直す」操作（通常はCtrl+YまたはCtrl+Shift+Z）を実行すると、最後に元に戻された操作が再実行されます。
• undoRedoEnabledとは
  
  • このプロパティは、QPlainTextEditウィジェットがユーザーの編集操作を追跡し、それらの操作を元に戻したりやり直したりできるかどうかを決定します。
  • つまり、このプロパティがtrueに設定されている場合、ユーザーはテキストの編集操作を元に戻したり、やり直したりできます。falseに設定されている場合、これらの機能は無効になります。

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一般的なエラーとトラブルシューティング

1. 元に戻す/やり直す機能が期待通りに動作しない
   
   • 原因
     
     • undoRedoEnabledがfalseに設定されている。
     • テキストの変更操作が、QPlainTextEditの内部的な変更履歴に記録されないような方法で行われている。例えば、setPlainText()を頻繁に使用すると、変更履歴がクリアされることがあります。
     • カスタムのテキスト操作が、元に戻す/やり直す機能と競合している。
   • トラブルシューティング
     
     • undoRedoEnabled()を使用して、プロパティがtrueに設定されていることを確認します。
     • setPlainText()の使用を最小限に抑え、代わりにinsertPlainText()やtextCursor()を使用したテキスト操作を検討します。
     • カスタムのテキスト操作が、QPlainTextEditの内部的な変更履歴に影響を与えていないかを確認します。
     • QPlainTextEdit::clearUndoRedoStacks()関数を使用して、undoとredoのスタックをクリアして動作を確認します。
2. 元に戻す/やり直す操作がメモリを過剰に消費する
   
   • 原因
     
     • 非常に大きなテキストファイルを編集している。
     • 変更履歴が非常に長くなっている。
   • トラブルシューティング
     
     • テキストファイルのサイズを制限するか、分割して処理します。
     • 変更履歴の長さを制限するために、カスタムの元に戻す/やり直す機能を実装することを検討します。
     • QPlainTextEdit::clearUndoRedoStacks()関数を適宜呼び出し、メモリの消費量を減らす。
3. カスタムの元に戻す/やり直す機能との競合
   
   • 原因
     
     • QPlainTextEditの元に戻す/やり直す機能と、アプリケーションで実装したカスタムの元に戻す/やり直す機能が競合している。
   • トラブルシューティング
     
     • どちらか一方の元に戻す/やり直す機能を無効にします。
     • カスタムの機能を実装する際、QPlainTextEditの内部的な変更履歴に影響を与えないように注意します。
     • カスタムの元に戻す/やり直す機能と、QPlainTextEditの元に戻す/やり直す機能を連携させるような実装を行う。
4. 元に戻す/やり直す操作がGUIのフリーズを引き起こす
   
   • 原因
     
     • 非常に複雑なテキスト操作を元に戻す/やり直す場合に処理に時間がかかる。
   • トラブルシューティング
     
     • 処理をバックグラウンドスレッドに移動する。
     • テキスト操作を簡略化、もしくは最適化する。
     • プログレスバーやキャンセルボタンなどを実装し、ユーザーに状況を知らせる。
5. 元に戻す/やり直す操作の範囲の制限
   • 原因
     
     • 元に戻す/やり直す操作の範囲を制限したい。
   • トラブルシューティング
     
     • QPlainTextEditの標準機能では操作範囲の制限はできません。カスタムでundo/redoのスタックを管理し、スタックのサイズや操作範囲を制限する必要があります。

• ログ出力を追加して、テキストの変更操作と元に戻す/やり直す操作を追跡します。
• デバッガを使用して、QPlainTextEditの内部状態を監視します。

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#include <QApplication>
#include <QPlainTextEdit>
#include <QPushButton>
#include <QVBoxLayout>
#include <QWidget>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWidget window;
  QVBoxLayout layout(&window);

  QPlainTextEdit textEdit;
  layout.addWidget(&textEdit);

  QPushButton toggleButton("元に戻す/やり直す機能を切り替え");
  layout.addWidget(&toggleButton);

  QObject::connect(&toggleButton, &QPushButton::clicked, [&textEdit]() {
    bool enabled = textEdit.undoRedoEnabled();
    textEdit.setUndoRedoEnabled(!enabled);
    if (!enabled) {
      toggleButton.setText("元に戻す/やり直す機能を有効にする");
    } else {
      toggleButton.setText("元に戻す/やり直す機能を無効にする");
    }
  });

  window.show();
  return app.exec();
}

説明

• ボタンのテキストは、元に戻す/やり直す機能が有効か無効かに応じて変化します。
• QPushButtonをクリックすると、QPlainTextEditのundoRedoEnabledプロパティが切り替わります。
• このコードは、QPlainTextEditとQPushButtonを含むシンプルなウィンドウを作成します。

#include <QApplication>
#include <QPlainTextEdit>
#include <QPushButton>
#include <QVBoxLayout>
#include <QWidget>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWidget window;
  QVBoxLayout layout(&window);

  QPlainTextEdit textEdit;
  layout.addWidget(&textEdit);

  QPushButton clearButton("元に戻す/やり直すスタックをクリア");
  layout.addWidget(&clearButton);

  QObject::connect(&clearButton, &QPushButton::clicked, [&textEdit]() {
    textEdit.clearUndoRedoStacks();
  });

  window.show();
  return app.exec();
}

説明

• クリア後、元に戻す/やり直す操作は無効になります。
• ボタンをクリックすると、QPlainTextEdit::clearUndoRedoStacks()が呼び出され、元に戻す/やり直すのスタックがクリアされます。
• このコードは、QPlainTextEditと「元に戻す/やり直すスタックをクリア」ボタンを含むウィンドウを作成します。

#include <QApplication>
#include <QPlainTextEdit>
#include <QPushButton>
#include <QVBoxLayout>
#include <QWidget>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWidget window;
  QVBoxLayout layout(&window);

  QPlainTextEdit textEdit;
  layout.addWidget(&textEdit);

  QPushButton addButton("テキストを追加");
  layout.addWidget(&addButton);

  QObject::connect(&addButton, &QPushButton::clicked, [&textEdit]() {
    textEdit.insertPlainText("追加されたテキスト\n");
  });

  window.show();
  return app.exec();
}

• QPlainTextEditのデフォルトでは、undoRedoEnabledがtrueになっているため、元に戻す/やり直しの機能は有効です。
• このコードを実行後、Ctrl+Zでテキストの追加を元に戻し、Ctrl+Yでやり直すことができます。
• ボタンをクリックすると、テキストがQPlainTextEditに追加されます。
• このコードは、QPlainTextEditと「テキストを追加」ボタンを含むウィンドウを作成します。

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代替方法1: カスタムの元に戻す/やり直す機能の実装

• 欠点
  
  • 実装が複雑になる。
  • 開発に時間がかかる。
• 利点
  
  • 高度なカスタマイズが可能。
  • メモリ使用量を細かく制御できる。
• 実装例
  
  • テキストの変更操作を、操作の種類（挿入、削除、置換など）と変更されたテキスト、位置などの情報を含むオブジェクトとして記録します。
  • 記録された操作オブジェクトをスタックに格納します。
  • 元に戻す操作が実行された場合、スタックから操作オブジェクトを取り出し、逆の操作を適用します。
  • やり直す操作が実行された場合、元に戻す操作で取り出された操作オブジェクトを再適用します。
• 説明
  
  • QPlainTextEditのデフォルトの元に戻す/やり直す機能を使用せずに、独自の元に戻す/やり直すスタックを実装します。
  • この方法では、テキストの変更操作を記録し、ユーザーが元に戻す/やり直す操作を実行したときに、記録された操作を適用します。
  • この方法は、デフォルトの機能では実現できない高度なカスタマイズが必要な場合に有効です。例えば、操作履歴の制限、特定の操作の除外、カスタムの操作履歴表示などが可能です。

代替方法2: QUndoStackの使用

• 欠点
  
  • カスタムの操作クラスを実装する必要がある。
• 利点
  
  • 比較的簡単に実装できる。
  • 柔軟性が高い。
  • 複数のウィジェットの操作を管理できる。
• 実装例
  
  • QUndoCommandを継承したカスタムの操作クラスを作成し、テキストの変更操作を表現します。
  • QUndoStackオブジェクトを作成し、カスタムの操作クラスのインスタンスをスタックに追加します。
  • QUndoStack::undo()とQUndoStack::redo()を使用して、元に戻す/やり直す操作を実行します。
• 説明
  
  • Qtフレームワークが提供するQUndoStackクラスを使用して、元に戻す/やり直す機能を実装します。
  • QUndoStackは、元に戻す/やり直す操作を管理するための便利なクラスであり、操作をグループ化したり、カスタムの操作クラスを使用したりできます。
  • QUndoStackを使用することで、QPlainTextEditのテキスト操作だけでなく、他のウィジェットの操作も元に戻す/やり直す操作の対象に含めることが可能です。

代替方法3: テキストの差分管理

• 欠点
  
  • テキストの変更量が多い場合、処理が遅くなる可能性がある。
  • 実装が複雑になる場合がある。
• 利点
  
  • メモリ使用量を抑えられる。
• 実装例
  
  • テキストの変更前後のテキストを比較し、差分（挿入、削除、置換など）を計算します。
  • 計算された差分を記録します。
  • 元に戻す/やり直す操作時に、記録された差分を適用します。
• 説明
  
  • テキストの変更前後の差分を記録し、元に戻す/やり直す操作時に差分を適用します。
  • この方法は、テキストの変更量が少ない場合に有効です。

• メモリ使用量を最小限に抑えたい場合
  テキストの差分管理を検討します。
• 高度なカスタマイズが必要な場合
  カスタムの元に戻す/やり直す機能を実装するか、QUndoStackを使用します。
• シンプルな元に戻す/やり直す機能が必要な場合
  QPlainTextEdit::undoRedoEnabledを使用します。