Qt GUIプログラミング: ページレイアウトを操るテクニック集 (QPageLayout::setBottomMargin()をはじめとした豊富なテクニックを紹介)


QPageLayout::setBottomMargin() メソッドは、ページレイアウトの 下部余白 を設定するために使用されます。ページレイアウトは、ページのサイズ、向き、余白を定義するクラスです。

使用方法

bool QPageLayout::setBottomMargin(qreal bottomMargin);

このメソッドは、bottomMargin パラメータで指定された新しい下部余白を設定します。メソッドが成功すると true を返し、失敗すると false を返します。

単位

使用される単位は、レイアウトで現在定義されている単位です。異なる単位を使用する場合は、最初に setUnits() メソッドを呼び出す必要があります。

標準モード

デフォルトの StandardMode では、新しい余白は、設定された最小余白と最大余白の間にある必要があります。

QPageLayout layout;
layout.setBottomMargin(10.0); // 下部余白を 10 ポイントに設定
  • ページレイアウトの余白を設定するには、setTopMargin(), setLeftMargin(), setRightMargin() メソッドも使用できます。
  • FullPageMode モードが設定されている場合、fullRect() が返され、余白は手動で管理する必要があります。


例 1: 単純な使用例

#include <QApplication>
#include <QPageLayout>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ページレイアウトを作成
  QPageLayout layout;

  // 下部余白を 15 ポイントに設定
  layout.setBottomMargin(15.0);

  // ... レイアウトを使用

  return app.exec();
}

例 2: 異なる単位の使用

#include <QApplication>
#include <QPageLayout>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ページレイアウトを作成
  QPageLayout layout;

  // レイアウトの単位をセンチメートルに設定
  layout.setUnits(QPageLayout::Millimeter);

  // 下部余白を 2.5 センチメートルに設定
  layout.setBottomMargin(25.0);

  // ... レイアウトを使用

  return app.exec();
}

例 3: モードの切り替え

#include <QApplication>
#include <QPageLayout>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ページレイアウトを作成
  QPageLayout layout;

  // フルページモードに設定
  layout.setMode(QPageLayout::FullPageMode);

  // 下部余白を設定 (手動で管理する必要があります)
  layout.setFullRect(QRect(0, 0, 210, 297)); // A4 サイズに設定

  // ... レイアウトを使用

  return app.exec();
}
  • 例 3 は、レイアウトを FullPageMode に設定し、下部余白を手動で管理する方法を示しています。
  • 例 2 は、レイアウトの単位をセンチメートルに設定し、その単位で下部余白を設定する方法を示しています。
  • 例 1 は、QPageLayout::setBottomMargin() メソッドを単純に使用する例です。


代替方法

  • コンテンツマージンを使用する

コンテンツマージンは、ページ内のコンテンツの周りに設定される余白です。下部余白を設定するには、setContentsMargins() メソッドを使用し、bottom パラメータに希望の値を設定できます。

layout.setContentsMargins(10, 10, 10, 15); // 上下左右それぞれ 10 ポイント、下部のみ 15 ポイント
  • カスタムレイアウトを使用する

より複雑なレイアウトを作成する場合は、カスタムレイアウトを使用できます。カスタムレイアウトでは、個々のウィジェットの配置と余白を完全に制御できます。

例:カスタムレイアウト

class MyLayout : public QWidget {
public:
  MyLayout(QWidget *parent = nullptr) : QWidget(parent) {
    // ... ウィジェットの作成と配置

    // 下部余白を設定
    layout()->setContentsMargins(10, 10, 10, 15);
  }
};

選択の指針

どの方法を選択するかは、以下の要素によって異なります。

  • コードの簡潔性
  • 必要な余白の制御レベル
  • レイアウトの複雑さ

利点と欠点

方法利点欠点
QPageLayout::setBottomMargin()シンプルで使いやすい複雑なレイアウトには不向き
setContentsMargins()コンテンツ全体の下部余白を設定できる個々のウィジェットの余白を制御できない
カスタムレイアウト完全な制御が可能コードが複雑になる可能性がある

QPageLayout::setBottomMargin() メソッドは、シンプルなレイアウトの下部余白を設定するのに適しています。しかし、複雑なレイアウトや個々のウィジェットの余白を制御する必要がある場合は、setContentsMargins() メソッドやカスタムレイアウトの使用を検討してください。