Qt Widgets: QListWidgetItem::setSizeHint() をマスターして、リストレイアウトを極める


QListWidgetItem::setSizeHint() は、Qt Widgets ライブラリにおける QListWidgetItem クラスのメソッドで、リストアイテムのサイズヒントを設定するために使用されます。サイズヒントは、リストウィジェットがアイテムのサイズを計算する際に考慮される推奨サイズです。

機能

このメソッドは、QSize オブジェクトを引数として受け取り、アイテムの幅と高さを設定します。幅と高さを個別に設定したい場合は、QSize(width, height) コンストラクタを使用して QSize オブジェクトを作成する必要があります。

QListWidgetItem* item = new QListWidgetItem;
item->setText("My Item");
item->setSizeHint(QSize(100, 30)); // 幅100ピクセル、高さ30ピクセルのサイズヒントを設定
  • アイテムのサイズを強制的に設定したい場合は、setSize() メソッドを使用する必要があります。
  • setSizeHint() は、アイテムの実際のサイズを設定するものではありません。あくまでもサイズヒントであり、リストウィジェットは他の要素 (例えば、フォントサイズや余白) も考慮して最終的なサイズを決定します。
  • アイテムのサイズヒントを設定することで、リストウィジェットのレイアウトをより効率的に行うことができます。特に、アイテムの高さが固定されている場合や、アイテムのサイズが動的に変化する場合は、setSizeHint() メソッドを使用することが有効です。
  • sizeHint() メソッドは、アイテムが初めて表示されるときにのみ呼び出されます。その後、アイテムのサイズが変更された場合は、sizeHint() メソッドは再度呼び出されません。アイテムのサイズヒントを更新する必要がある場合は、itemDataChanged() シグナルを接続して、アイテムのデータが変更されたときに sizeHint() メソッドを呼び出すようにする必要があります。


#include <QApplication>
#include <QListWidget>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    // リストウィジェットを作成
    QListWidget listWidget;

    // アイテムを作成してリストウィジェットに追加
    for (int i = 0; i < 10; ++i) {
        QListWidgetItem* item = new QListWidgetItem(QString("Item %1").arg(i));
        item->setSizeHint(QSize(0, 30)); // 高さを30ピクセルに固定
        listWidget.addItem(item);
    }

    // リストウィジェットを表示
    listWidget.show();

    return app.exec();
}

このコードを実行すると、以下のようなリストウィジェットが表示されます。

各アイテムの高さが30ピクセルに固定されていることが確認できます。

説明

このコードは以下の通り動作します。

  1. QApplication オブジェクトを作成します。
  2. QListWidget オブジェクトを作成します。
  3. ループを使用して、10個の QListWidgetItem オブジェクトを作成し、それぞれに "Item 0" から "Item 9" までのテキストを設定します。
  4. 各アイテムの setSizeHint() メソッドを使用して、高さを30ピクセルに設定します。
  5. アイテムをリストウィジェットに追加します。
  6. リストウィジェットを表示します。


setSize() メソッド

setSize() メソッドは、アイテムの実際のサイズを設定するために使用されます。setSizeHint() と異なり、これは推奨サイズではなく、強制的に設定されます。

利点

  • アイテムのレイアウトをより細かく制御できる。
  • アイテムのサイズを確実に制御できる。

欠点

  • アイテムのサイズが動的に変化する場合は、setSize() メソッドを頻繁に呼び出す必要がある。
  • アイテムのサイズヒントが考慮されない。


QListWidgetItem* item = new QListWidgetItem;
item->setText("My Item");
item->setSize(QSize(100, 30)); // 幅100ピクセル、高さ30ピクセルのサイズを設定

アイテムのコンテンツに基づいてサイズを自動調整する

QListWidgetItem クラスには、アイテムのコンテンツに基づいてサイズを自動調整する機能が用意されています。この機能を使用するには、setSizePolicy() メソッドを使用してアイテムのサイズポリシーを設定する必要があります。

利点

  • コードが簡潔になる。
  • アイテムのコンテンツに合わせてサイズを自動的に調整できる。

欠点

  • アイテムのコンテンツが変更されたときに、アイテムのサイズが自動的に更新されない場合がある。
  • アイテムのサイズが常に最適とは限らない。


QListWidgetItem* item = new QListWidgetItem;
item->setText("This is a long text that will be automatically adjusted.");
item->setSizePolicy(QSizePolicy::Preferred, QSizePolicy::Minimum);

カスタムレイアウトを使用する

QListWidget クラスは、アイテムのレイアウトを自由にカスタマイズできるカスタムレイアウトを使用することができます。カスタムレイアウトを使用することで、アイテムのサイズをより細かく制御することができます。

利点

  • 複雑なレイアウトを作成できる。
  • アイテムのサイズを完全に制御できる。

欠点

  • カスタムレイアウトの知識が必要となる。
  • コードが複雑になる。


class MyLayout : public QLayout {
public:
    int sizeHint(const QRect &parentRect) const override {
        // アイテムのサイズヒントを計算
        return QSize(100, 30);
    }

    void minimumSize(const QSizePolicy &policy, QSize &minimumSize) const override {
        // アイテムの最小サイズを計算
        minimumSize = QSize(50, 20);
    }

    void resizeLayout() override {
        // アイテムのレイアウトを調整
        for (int i = 0; i < count(); ++i) {
            QLayoutItem *item = itemAt(i);
            item->setGeometry(QRect(0, i * 30, 100, 30));
        }
    }
};

QListWidget listWidget;
MyLayout layout;
listWidget.setLayout(&layout);

// アイテムを作成してリストウィジェットに追加
for (int i = 0; i < 10; ++i) {
    QListWidgetItem* item = new QListWidgetItem(QString("Item %1").arg(i));
    listWidget.addItem(item);
}

サブウィジェットを使用する

アイテム内にサブウィジェットを配置することで、アイテムのサイズを制御することができます。サブウィジェットのサイズは、サブウィジェットのプロパティを使用して設定することができます。

利点

  • アイテムのサイズを動的に変化させることができる。
  • 複雑なUIをアイテム内に作成できる。

欠点

  • パフォーマンスが低下する可能性がある。
  • コードが複雑になる。
QListWidgetItem* item = new QListWidgetItem;

QLabel* label = new QLabel("My Item");
label->setAlignment(Qt::AlignCenter);

QHBoxLayout* layout = new QHBoxLayout;
layout->addWidget(label);

item->setLayout(layout);