【超便利】Qt Widgets：QMainWindow::dockWidgetArea() 関数でドックウィジェットを思いのままに配置する方法

QMainWindow::dockWidgetArea() 関数は、QMainWindow ウィジェット内に配置された QDockWidget がどの領域に属しているかを返す関数です。この関数は、ドックウィジェットの配置や管理を行う際に役立ちます。

構文

Qt::DockWidgetArea QMainWindow::dockWidgetArea(const QDockWidget *dockwidget) const

引数

dockwidget: 領域を確認したい QDockWidget ウィジェットへのポインタ

戻り値

ドックウィジェットが属している領域を示す Qt::DockWidgetArea 型の値
- Qt::LeftDockWidgetArea: 左側の領域
- Qt::TopDockWidgetArea: 上部の領域
- Qt::RightDockWidgetArea: 右側の領域
- Qt::BottomDockWidgetArea: 下部の領域
- Qt::NoDockWidgetArea: どの領域にも属していない

詳細

QMainWindow ウィジェットは、中央ウィジェットの周囲に複数の QDockWidget を配置することができます。これらのドックウィジェットは、ユーザーが自由に配置や取り外しを行うことができます。QMainWindow::dockWidgetArea() 関数は、特定のドックウィジェットが現在どの領域に配置されているのかを確認するために使用されます。

この関数は、ドックウィジェットの配置を制御するコードを書く際に役立ちます。例えば、特定の領域に配置されているドックウィジェットのみを非表示にするようなコードを書くことができます。

例

QDockWidget *myDockWidget = new QDockWidget("My Dock Widget");
myDockWidget->setWidget(new QTextEdit);

QMainWindow *mainWindow = new QMainWindow;
mainWindow->addDockWidget(Qt::LeftDockWidgetArea, myDockWidget);

Qt::DockWidgetArea area = mainWindow->dockWidgetArea(myDockWidget);

if (area == Qt::LeftDockWidgetArea) {
  // ドックウィジェットが左側の領域に配置されている
} else {
  // ドックウィジェットが他の領域に配置されている
}

この例では、myDockWidget ドックウィジェットが左側の領域に配置されているかどうかを確認しています。

ドックウィジェットの領域を変更するには、QMainWindow::addDockWidget() 関数や QDockWidget::setArea() 関数を使用します。
QMainWindow::dockWidgetArea() 関数は、常に正しい値を返すわけではありません。ドックウィジェットが移動中の場合、この関数は古い値を返す可能性があります。

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QMainWindow>
#include <QtWidgets/QDockWidget>
#include <QtWidgets/QTextEdit>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QMainWindow mainWindow;
  QDockWidget *myDockWidget = new QDockWidget("My Dock Widget");
  myDockWidget->setWidget(new QTextEdit);

  mainWindow.addDockWidget(Qt::LeftDockWidgetArea, myDockWidget);

  // ドックウィジェットが左側の領域に配置されているかどうかを確認
  Qt::DockWidgetArea area = mainWindow.dockWidgetArea(myDockWidget);

  if (area == Qt::LeftDockWidgetArea) {
    // ドックウィジェットが左側の領域に配置されている
    qDebug() << "ドックウィジェットが左側の領域に配置されています";
  } else {
    // ドックウィジェットが他の領域に配置されている
    qDebug() << "ドックウィジェットが他の領域に配置されています";
  }

  mainWindow.show();
  return app.exec();
}

このコードを実行すると、以下の出力がコンソールに出力されます。

ドックウィジェットが左側の領域に配置されています

QApplication オブジェクトを作成します。
QMainWindow オブジェクトを作成します。
QDockWidget オブジェクトを作成し、"My Dock Widget" というタイトルを設定します。
QTextEdit オブジェクトを作成し、QDockWidget のウィジェットとして設定します。
QDockWidget を QMainWindow の左側の領域に追加します。
QMainWindow::dockWidgetArea() 関数を使用して、myDockWidget がどの領域に属しているかを調べます。
調査結果に基づいて、コンソールにメッセージを出力します。
QMainWindow を表示します。
アプリケーションを実行します。

特定の領域に配置されているすべてのドックウィジェットを取得する

QList<QDockWidget *> dockWidgets = mainWindow.dockWidgetsInArea(Qt::LeftDockWidgetArea);

ドックウィジェットがどの領域にも属していないかどうかを確認する

if (mainWindow.dockWidgetArea(myDockWidget) == Qt::NoDockWidgetArea) {
  // ドックウィジェットがどの領域にも属していない
}

ドックウィジェットの領域を変更する

myDockWidget->setArea(Qt::RightDockWidgetArea);

代替方法 1：QDockWidget::dockWidgetArea() 関数を使用する

この方法は、QMainWindow::dockWidgetArea() 関数と同じ結果を返しますが、より直接的な方法です。

Qt::DockWidgetArea area = myDockWidget->dockWidgetArea();

代替方法 2：QDockWidget::geometry() 関数を使用する

QDockWidget::geometry() 関数は、ドックウィジェットのジオメトリ情報 (位置とサイズ) を返す関数です。この情報を使用して、ドックウィジェットがどの領域に属しているかを判断することができます。

QRect geometry = myDockWidget->geometry();

if (geometry.left() == 0) {
  // ドックウィジェットが左側の領域に配置されている
} else if (geometry.top() == 0) {
  // ドックウィジェットが上部の領域に配置されている
} else if (geometry.right() == mainWindow.width()) {
  // ドックウィジェットが右側の領域に配置されている
} else if (geometry.bottom() == mainWindow.height()) {
  // ドックウィジェットが下部の領域に配置されている
} else {
  // ドックウィジェットがどの領域にも属していない
}

代替方法 3：QMainWindow::findDockWidget() 関数を使用する

QMainWindow::findDockWidget() 関数は、指定された名前を持つドックウィジェットを返す関数です。この関数は、ドックウィジェットがどの領域に属しているかを判断するために使用することができます。

QDockWidget *myDockWidget = mainWindow.findDockWidget("My Dock Widget");

if (myDockWidget->dockArea() == Qt::LeftDockWidgetArea) {
  // ドックウィジェットが左側の領域に配置されている
} else if (myDockWidget->dockArea() == Qt::TopDockWidgetArea) {
  // ドックウィジェットが上部の領域に配置されている
} else if (myDockWidget->dockArea() == Qt::RightDockWidgetArea) {
  // ドックウィジェットが右側の領域に配置されている
} else if (myDockWidget->dockArea() == Qt::BottomDockWidgetArea) {
  // ドックウィジェットが下部の領域に配置されている
} else {
  // ドックウィジェットがどの領域にも属していない
}

どの方法を選択するべきか

どの代替方法を選択するかは、状況によって異なります。

ドックウィジェットの名前で検索する必要がある場合：QMainWindow::findDockWidget() 関数を使用します。
より直接的な方法が必要な場合：QDockWidget::geometry() 関数を使用します。
シンプルで分かりやすい方法が必要な場合：QDockWidget::dockWidgetArea() 関数を使用します。

QDockWidget::dockArea() 関数は、Qt 5.14 以降で非推奨になっています。
これらの代替方法は、すべて Qt 5.0 以降で使用できます。